探索日 2010.01.31
No.C-133

実谷線 ■御宿町 ■半ダート ■分岐→実谷支線
■「実谷下」地区から山中に延びる

 素堀とダート分岐で探索を満喫できるが、スリッピーな泥には要注意!  

 ↓沿道は藪深く決して明るい雰囲気ではないですが、素堀や分岐もあって意外
 と楽しめる1本です。ただし土っぽい林道なので雨天直後の探索は勧めません。


……こんな感じ……
■御宿町のゴルフ場裏手に延びる半ダートのピストン林道。「実谷下」集落そばの起点から入線すると、しばらく舗装路が続いた後に路面はダート化する。土質のダートは場所によってはジクジクと湿った状態にあり、区間的にはスリップに注意を要するようになるが、走行困難というほどではない。道すがらに望める景色は雑木林のような藪山の光景のみで、決して明るいものではないが、途中には素堀隧道が2本存在。また、延長距離はさほど長くはないが、ダート分岐も数カ所にあるので本道と併せて探索すると意外に楽しめるだろう。とにかく藪深さを感じさせられる林道であり、終点は広場のような場所にてその先前進不可状態でエンドになっている。

■勝浦周辺の林道といえばダートの杉戸線がメジャーなところで、他は舗装林道ばかりというのが実情ですが、そのような過酷な林道事情の中で貴重な存在であるのがこの実谷線です。コースの取り方によっては完抜けできる半ダートの美味しい林道なのですが、各種林道系サイトにおいてその名が紹介されていることはほとんどないようです。というわけで、実谷線の実態調査を兼ねた探索を行ってみたいと思います。なお、起点の林道標は県273号線から少し引っ込んだ「実谷下」地区にあり。
■各種林道系サイトにも紹介されないマニアな林道というのは全線舗装もしくは林道標無しと相場が決まっているため、ひょっとしたらこの実谷線も…と思いつつ起点とおぼしき地点にやって来ると、危惧したとおり路面は舗装状態(少し進むとダート化します)に! そして肝心の林道標はあるにはあったのですが、遠目にはそれと分かりにくい失笑を誘う状態にありました。
■ヤレた林道標の立つ起点を後にして先へと進みます。雑木林のような森の中に淡々と舗装路が延びており、「こりゃ、やっぽりオール舗装かな」と思いつつも、「ま、いいか!」とあまり気にせず前進することに。
■この付近はそれほど山っぽくはないのですが、少し進むと前方に隧道が現れました。ただしこれはコンクリ製で素堀ではありません。隧道の抜けている部分を眺めると分かりますが、道を通すのであれば切り通しにした方が工事的には楽そうなのに、何かの理由でそういうわけにもいかなかったのでしょう。この程度の「山」なのにわざわざ隧道が貫かれていました。
■バババババババ…ッ。
お約束で隧道内にて立ち止まってみますが、隧道の中では本当にエンジン音がものすごくに響き渡りますね。普段はメットを被って走り抜けるので、あまりそのように感じませんが、メットを脱ぐとなおさらです。ここでメットを脱ぐ意味はありませんけど。
■「あ、ダートだ!」なんと、コンクリ隧道を抜けた直後にてダートの出現です! てっきりここはオール舗装の林道かと思っていただけに、何とも嬉しい誤算となりました。あとは、このダートがどこまでどのように続いているかが問題。ひょっとしたら数十メートル先にて再び舗装化されているということもあり得るので、これはぬか喜びに終わるか否かの余談を許さない状況ですよ!
■ダートの路面は土質でした。路面自体は基本的には固く締まっているようですが、確か探索の数日前に降雨があったため、まだ完全には乾ききっていないようで、路肩部分には泥の層ができていました。飛ばすとペトペトと軽く泥が跳ねる感じです。
■ダート区間突入時において懸念された再舗装化という最悪の状況にもならず進むことしばし、やがて前方にY字の分岐が現れました。雰囲気的には左折が本道っぽく、右折側はその支線っぽい感じになっていますが、この分岐地点には標識類はありません。一瞬、進むべき方向に迷いますが、ここは見た目の通り左折側が実谷線の本道、右折側は「上布施」地区への名無し連絡ダートになっています。右折した場合のみ完抜けで県174号線方面に抜けることが可能なのですが、初めてやって来るとそのまま左折してしまいがちに。ただし、それでも別に支障はないので、右折側の連絡ダートの探索は後回しにしてまずは本道優先で探索しておくことにします。
■Y字分岐地点から眺めた実谷線本道である左折側の様子です。すぐ先左手には何かの資材置き場のような空き地があって、その脇をダートは逆S字の緩いカーブで延びていますが、陽当たりの悪い山陰のようになっているので暗めな雰囲気は否めません。
■そして常に日陰になっているような地点では土質の路面はヌルヌルに。画像で見てもらえば分かると思いますが、それはタイヤが埋まってしまうといった深いヌタ場ではなく、地面の表層が軟泥で覆われている状態です。この見かけ的には大したことないのが曲者で、気を抜いているとフロントのスリップでヒヤッとする場面に見舞われることも。
■勾配がないので山をあまり意識させませんが、いわゆる藪山の中を進みます。周囲はびっしりと藪に囲まれた状態であり、それ以外に目に付くものは何もありません。しかも勢いの衰えた冬枯れの時季でこんな感じなので、夏場は凄いことになっていそうです。
■あ、また隧道が現れました。先ほどはコンクリ隧道でしたが、これは素堀ですよ! その長さは極短なので特筆することもなくあっという間に抜けてしまいましたが、やはり房総のダート林道には素堀が似合いますね。
■極短の素堀を抜けた先にて現れたストレート区間です。枯れ落ち葉にまみれたダートは山道然としていますが、ご覧の通り陽当たりが良いので地面がヌルヌルしていることもなく、ここは気持ちよく走行することができました。山陰区間はやはり陰気な感じがしますが、陽当たりの良い区間では同じ林道とは思えないくらいの明るさです。
■そしてストレート区間の先にて現れたのがこのY字分岐。左折側は若干荒廃した感じのダートが延びており、右折側はすぐに素堀隧道へと突入しているのですが、 実谷線本道は右折側で、もう一方の左折側は実谷支線と思われます。「思われる」というのは、実谷線にはれっきとした支線林道である実谷支線(延長588m、幅員2.8m)が存在しているのですが、 その確実な存在は分かっていても林道標が発見できない(おそらく未設置)ことによります。なので断言はできませんが、この左折分岐が実谷支線である可能性が状況判断的に見て高いことから、当サイトでは独断でここを実谷支線としておきます。ま、いずれにしてもマニア向けの話ですけどね。
→実谷支線の様子をうかがう!
→実谷支線に突入!
■で、こちらが実谷支線との分岐直後に素堀隧道へと突入している実谷線本道です。XRの位置から見て分かるように、ほぼ直角に右折した先に素堀は位置しているため、ここまで近づかないとその存在には気が付きません。
→さらに実谷線を進む!
→探索中止…