ガソリン給油量 10.06L | 給油回数3回 | ガソリン代 1760円 | 総走行距離 269.4km / ダート走行距離 8.3 km | トップへもどる |
|
駐車場を後にして風蓮湖と根室湾とに挟まれた第1砂丘の砂州上に延びるダートを歩いていきます。破損した木道の迂回路とされていましたが、この道は地理院地図にも実線で記されており、あわよくばWRで走ってやろうと企てていたダートなんだよな。 以前はバイクや車でこのダートでを進めたのだと思いますが、さすがに環境保護が叫ばれる今は無理。すぐ左手には水辺を進む木道が散策路として整備されています。 |
|
細長く延びる第1砂丘の砂州を進むダートのすぐ右手には海が迫っています。防波堤のテトラが延々と列をなして置かれていましたが、所々に切れ目があって、そこから波打ち際が見えているので、ちょっと様子を眺めてみます。
|
|
春国岱の北側、根室湾に面してテトラが置かれた第1砂丘の砂浜がどこまでも続いています。このまま波打ち際を歩いていこうかとも思いましたが、押し寄せる波で足が濡れてしまいそうなので止めておきました。 ちなみに1984(昭和59)年頃、根室市によってここに「望郷道路」と名付けられた東梅〜別海間の道路建設計画が進んでいたそうです。結局、道路建設は中止されましたが、その代わり第1砂丘への浸食を防ぐ波消しテトラがこのように置かれてしまい、美しい海岸風景が損なわれてしまっていたのは残念! |
|
砂浜から眺めた根室湾とその先に広がる根室海峡の海。誰もいない波打ち際でじっとたたずめば、聞こえてくるのは寄せては引いていく波の音だけ。とても静かな雰囲気ですが、あれ・・・、波打ち際になにかぽつんと落ちていますよ?
|
|
ホッキ貝の大きな貝殻でした。テニスボールほどもあって、パカっと口を開けた状態でしたが、なぜか中身はカラッポ! でもなんで?!
|
|
第1砂丘のダートに戻って前進再開。道すがらに「ハマニンニク」や「コウボウシバ」が群落をつくり、「エゾノコウボウムギ」や「シロヨモギ」などが混生する海岸草原を進む小砂利質のダートは、次第に路肩と草地の境が曖昧となってきます。 春国岱を訪れた真の目的はこの最果てダートであり、最高に走り心地の良さそうな海岸ダートでしたが、自然保護を考えれば、エンジン付きおよび足漕ぎ人力が乗り入れ禁止となっていたのも仕方ないことか・・・。 |
|
駐車場から第1砂丘の砂州を進んでいくと、第1砂丘をさらに直進するダートと、左折して湿原を横切って「第2砂丘」の森に向かう木道の二手に分かれます。 第1砂丘を直進するダートはさらに3.6キロほど続き、そちらに進むとそれだけで往復7.2キロの歩きになってしまうので今回はパス。その代わり、春国岱の湿原を横切り、前方に広がる第2砂丘の森へと向かう木道を進んでみます。 |
|
分岐地点にも設置されていた「春国岱周辺マップ」です。これによれば現在進んでいる第2砂丘へと向かうルートは、5つある散策コースのうちの「キタキツネコース」とのことで、散策路の長さは0.6キロ、所要時間は片道20分らしかったです。
|
|
木道の右手、北西方向に広がる第1砂丘と第2砂丘との間の広大な水辺と湿地。画像右手には春国岱の先端、「弁才泊」まで延々と続く第1砂丘の砂州が見えていますが、左手に広がっているのは第2砂丘の上に自生する「アカエゾマツ」の森。これら全てが小島のように風蓮湖の中に浮かんでいるのが春国岱なんですね。
|
|
こちらは木道左手の眺めですが、前方に見えている岸辺の家並みは根室市東梅の集落。目前には広大な水面が広がっていますが、それは風蓮湖の一部。湖は春国岱の砂州の間で分流して幾筋もの分流路を作っていますが、ここは根室湾(前方左)と風蓮湖(前方右)をつなぐ地点になっています。
前方の対岸に小さく見えている東梅集落から春国岱橋を渡り、左手に見えている第1砂丘を通り、そして木道を渡ってここまでやってきたというわけです。 |
|
第2砂丘に向かう木道を歩いていくと、ジュクジュクとした湿原のまっただ中を横断していきます。所々にせり出した展望地点が設けられており、そこから足元の湿原の様子をじっくり眺めることができます。
|
|
木道の左手に広がる湿原。満潮時には海水が入り込む砂泥質の塩性湿地ですが、湿原の草地の中には沼とも水溜りとも区別がつかない水辺が点在していて、辺り一面ビチャビチャ状態。木道から落ちようものなら、底無し沼状態でずぶずぶと身体が沈んでいきそうな怖い状態でもあります。
|
|
木道の右手、春国岱の北西方向に広がる第1、第2砂丘との間に広がる湿地と水辺の風景。木道がなければとても立ち入ることができない状態で、陸地と水辺の区別がつきませんね。水深は浅くて水底に堆積した泥がはっきりと見えていますが、水面は鏡面のように微動だにせず、とても静かな状態でした。
|
|
草地と水辺が混ざり合って独特の景観を見せている春国岱の湿地。いかにもズブズブな状態ですが、ここも砂丘の一部。とてもそうは見えませんが、地層を掘り下げていけば一番下に砂の層が出てくるはずです。
|
|
野良シカ発見! 春国岱で見かける動物は「エゾシカ」や「キタキツネ」、「エゾユキウサギ」、「ミンク(!)」などがポピュラーですが、冬に風蓮湖が凍ると対岸と自由に往来できるため、特にエゾシカ、キタキツネが多いそうです。 しかし、100年前と比べると、動物の種類構成もかなり変わったそうです。多くなったのはエゾシカとキタキツネ、「エゾヤチネズミ」で、逆に減ってしまったのはリス類と「エゾアカネズミ」、「ヒメネズミ」らしいですよ。 |
|
その後も木道を進んでいくとY字となった分岐が現れました。先ほど案内板で確認したキタキツネコースは右折した先に引き続き続き、左折方向は長さ0.4キロ、片道10分の「アカエゾマツコース」になっているみたいです。
|
|
自然観察路「ふるさとの道」コース分岐点 | ||
キタキツネコース Red Fox Course 230m 230mのロープコース。最終地点では、 地盤沈下により立ち枯れた針葉樹林が見られる第2砂丘が眺められます。 アカエゾマツコース Sakhalin Spruce Course 312m 木々に囲まれた観察路。 オオアカゲラ、ルリビタキが生息する針葉樹林の前までコースが続きます。 根室市・根室市観光協会 |
木道の分岐地点に設置されていた案内板です。これによれば、分岐を右折すると第2砂丘の立ち枯れ林が、左折すれば針葉樹の森を眺められるようですが、まずは右折してキタキツネコースをそのまま進んでみます。
|
|
なぬ!? しかし、分岐を右折すると少し先で木道は終点となり、その先はグッチャグチャな泥道になっているじゃないですか! そういえば、春国岱入口の駐車場で長靴貸し出しの看板を見かけましたが、それってこのことね・・・。 林道ライダーなので泥には慣れていますが、しかし、この先は長靴じゃないと絶対に無理。普通の靴だとくるぶし以上まで確実に泥に埋まります。というわけで、キタキツネコースをさらに進む場合は、ネイチャーセンターで長靴を借りるのを忘れずに! しかし、ここ、雨天後は地獄の沼地状態と化していそうだな。 |
|
キタキツネコースは木道が途切れて泥道コースに変わってしまうため、すぐに引き返して今度は分岐を左折してアカエゾマツコースを進んでみます。
|
|
分岐を左折してアカエゾマツコースの木道を進んでいくと、道すがらには立ち枯れて白い幹を晒した枯木群が現れましたが、立ち枯れているのはアカエゾマツの木。この辺りは陸地になってはいますが、海抜は1m以下の海面すれすれな高さです。海が荒れると容赦なく吹きつけてくる塩水のせいで枯れてしまったのでしょう。
|
|
あからさまにドロドロな地面。野付半島から春国岱にかけては地殻の変動で地盤沈下がみられるそうで、時には1年で1センチもの沈下があるそうです。その沈下速度は湿原に土壌が堆積していくスピードを上回るため、その結果水位が上昇してしまい、そのこともアカエゾマツが枯れた原因らしいです。
|
|
湿地の水溜りですが、よく眺めると水面に油の油膜のようなものが浮かんでいました。もしかして原油!? と思ってしまいますが、北海道の道東地域には古来より原油の存在を示す油微(原油の滲みや油膜)のあることが知られていましたが、組織的な調査は行われておらず、油田があるかどうかはよく分かっていないのが現状。 北海道の油田としては、札幌近郊にかつてあった「石狩油田」および、天北地方にあった稚内、声問、増幌、目梨、勇知、北豊富、豊富油田が知られていましたが、残念ながらいずれも油田と称するには足らない程度の産油量で、それらの油田は昭和以前の大正時代に調査され、採油されましたが、とうの昔に廃業しています。 北海道の油田はそのような状況なので、春国岱付近にかつて油田があったという話は聞きませんが、ひょっとしたらこの油膜も原油だとか?! |
|
そこかしこに散らばっていた立ち枯れた樹木の残骸。枯れ木は歳月の経過とともに、このように倒れて朽ちていくので、立ち枯れ林は年を追うごとに小さくなってしまい、やがては見られなくなってしまうのだそうです。
|
[ もどる ][ 9日目[1][2][3][4]へ ] |