2022 北海道林道探索ツーリング 8月8日(月)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
12日目[2]  北見市「留辺蕊 Rubeshibe→ 遠軽町「瀬戸瀬温泉 Setose Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.59L 給油回数3回 ガソリン代 1538円 総走行距離 226.6 km / ダート走行距離 107.6 km トップへもどる


18号林道から18号越林道へと乗り継ぐと、連続したなだらかな登り坂で森の中を登坂していきます。薄く雑草の生えるワダチダートの路面は、適度に踏み固められた走りやすい状態でしたが、さりとてさほど車両の通行量があるとも思えぬ状況。







原生林を思わせる鬱蒼と樹木が茂る薄暗い森の中を進んでいきますが、やがて路面は雑草に覆われ始めてしまい、入線直後はまともであった路面が規格落ちしてきます。

しかし、そんな状況でも決して「放置」されているわけではなくて、18号越林道では定期的な藪刈りで最低限の路面維持が行われているみたいです。そうでなかったら、ここはとうの昔に藪に埋没していると思います。







しかし、藪刈りが実施されていたのは18号越林道本線だけ。その後、とある左カーブ地点で支線ダートが直進方向に分岐していましたが、そちら側は夏草と大量のフキに覆い尽くされていて、手前からだと分岐の存在すら分かりにくい状況。左カーブしている本線の方が格段にマトモであることが分かりますね。







左カーブの途中で直進方向に分かれていくダートの様子ですが、夥しい数のフキが路面を覆ってご覧の状態。また、林道標は設置されておらず林道名は不明でしたが、ここはもしかしたら名無し系作業道なのかもしれません。







地理院地図にも記載されておらず、また、林道名も確認できなかった正体不明な分岐には立ち入らず、そのまま道なりに左カーブを曲がって18号越林道本線を進みます。







しかし、ここは本当に大丈夫なのかな? ダートは心細い状態でその後も途切れることなく続きますが、無事に通り抜けられるのかどうか、かなり不安に陥りますが、ここまできたらとにかく突き進むしかないですなぁ・・・。







人里離れた山中の深い森の中に延びるダートをたどっていくと、やがてT字となって左右に延びるダートに突き当たりました。18号越林道が行き止まりのピストンでないことがこれで判明しましたが、しかし、ここは一体どこなのかさっぱり。とりあえず左右を眺めて進むべき方向を見定めます。







こちらは左折側。これまでと同じように薄く雑草に覆われたダートが続いています。結果から述べるとここは小松沢林道なのですが、しかし、この時点ではそれが小松沢林道であることはまだ判明していません。

また、こちらに小松沢林道を左折すると3キロほどで上金華林道へと至り、18号越林道〜小松沢林道〜上金華林道と乗り継ぐことで、最終的には北見市と遠軽町との境界に位置する「金華峠(368m)」付近でR242へと抜けられますが、しかし、この場所に初めてやって来た一見さんにはとてもそこまでは分かりません。







もう一方の右折方向ですが、こちらも小松沢林道になっています。分岐には今来た方向を示して18号越林道の林道標のみが設置されていますが、つまり、18号越林道は18号林道〜小松沢林道間を連絡しているんですね。しかし、探索時にはそこまで分かるはずもなくて、散々迷った挙句、ここは分岐を右折してみたんだよな〜。







T字の分岐になっていた小松沢林道接続地点を右折して小松沢林道に乗り継ぐと、その後ダートはなだらかな下りコースに転じます。

すると路面状況は次第に好転するので、先ほどまでの心細さも解消。気分良くダートを下っていくと、やがて「小松沢川」の流れが寄り添ってきますが、その川沿い区間で林道標とおぼしき標柱が出現! 立ち止まって反対側から眺めてみると・・・?







ほれ、この通り、そこには小松沢林道と記されています。探索時にはこの時点で乗り継いだダートが小松沢林道であることが判明しましたが、しかし、小松沢林道が逆方面で上金華林道に接続していることまではさすがに分からなかったですよ。







アイヌ語チックな名称ではなくて意外と平凡な名称であった小松沢川の流れ。水辺には鬱陶しいアブや蚊も全然おらず、流れる水は澄んでとてもきれい。きっと昔はサケやマスが大量に遡上していたのだろうなぁ。







小松沢林道をさらに下っていくと、やがてダートは小松沢川の水際から離れて森の中に開けた原野のような場所を通り抜けていきます。路肩の両脇には人の背丈を超える藪の壁が連なり、おかげで閉塞感は抜群。まるで藪の回廊を進んでいるようでした。







そして小松沢林道でもやっぱり現れたシカ避けゲート。シカ避けゲートの存在は一般道へと退出する林道終点が近いという証ですが、それはすなわち、18号林道〜18号越林道〜小松沢林道ルートで無事に完抜けできたという証でもあります。

18号林道が途中で通行不可状態に陥っていたため、湯の山峠経由で上武利林道に乗り継ぐ予定がパーとなり、一時はどうなるかと気を揉みましたが、とりあえず別の完抜けルートで一般道退出ができたので、やれやれと胸をなで下ろします。







そしてたどり着いた小松沢林道の出口がここでした。JR石北本線「西留辺蕊駅」からほど近い北見市「留辺蕊町金華」のR242から僅かに引っ込んだ地点で、小松沢林道を示す林道標が設置されています。

なお、R242側からアプローチする場合は、国道から林道入口までは近いので迷うこともないと思いますが、目印としてすぐそばに「金華浄水場」の入口があります。







留辺蕊町金華の林道出口に設置されている林道標。これには「(併)小松沢線」と記されていますが、それに対して途中で見かけた林道標では「小松沢線」とだけ記されています。ということで小松沢林道は一部区間が市道と併用されているっぽいな。







小松沢林道を無事退出したらR242を遠軽市街地方向に進み、次なる攻撃目標の生田原本流林道へと向かいますが、その前にJR石北本線の「旧金華駅」付近の国道沿いにある「常紋トンネル工事殉難者追悼碑」に立ち寄ってみました。

追悼碑は国道から急坂を登った「留辺蕊町立金華小学校跡」にあって、道路からは見えておらず訪れる人も稀ですが、「人柱」が発見されたことで知られる「常紋トンネル」の建設に関わった「タコ部屋労働者」たちの慰霊の場所なので、ここは前々から一度訪れてみたいと思っていた場所だったんだよな。







金華小学校跡地に建立されている常紋トンネル工事殉難者追悼碑。石北本線の常紋トンネルは1914(大正3)年に開通した全長507mのトンネルで、その建設工事では大勢の労働者が犠牲となって命を落としていますが、これはその追悼碑ですね。

建設現場では過酷なタコ部屋労働が行われ、重労働と栄養不足で倒れた者は治療されるどころか、そのまま線路の下や現場のそばで生き埋めにされ、現場から逃亡を企てた者がリンチで殺されることもあり、また、難工事であったため、「人柱」としてトンネル内の壁に生きたまま埋め込まれた人夫もいたそうです。

ウソのような話ですが、実際にトンネルの補修工事で壁の内側からは人骨が発見され、トンネル付近では大量の人骨が見つかっています。そういうわけで常紋トンネルの網走側の出口にあった「常紋信号所(2017[ 平成29 ]年廃止)」では、昔から信号所の職員の間で「タコ部屋労働者の幽霊が出る」と言われていたそうです。







常紋トンネル工事殉難者追悼碑で北海道鉄道建設史の闇をかいまみたら、そのまま生田原本流林道へと向かうのではなくて、いったん「西留辺蕊駅」まで戻ってエネオス留辺蕊SSで給油しておきます。ここはきのう宿に向かう途中で利用したGSですが、今日はL / 180円で1.63L(293円)だけ入りました。







北見市の西留辺蕊駅のそばで給油を終えたらガラ空きのR242を北上し、金華峠を越えて遠軽町に入ったら「生田原清里」で左折して2車線舗装の町道を道なりに進みます。その後はどこまでもストレートが続く町道を舗装が途切れるまで進めば、おそらくそこが生田原本流林道の入口になっているはず!

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