2022 北海道林道探索ツーリング 8月10日(水)雨のち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
14日目[2]  名寄市「名寄 Nayoro→ 枝幸町「枝幸 Esashi もどる  






ガソリン給油量 7.35L 給油回数3回 ガソリン代 1359円 総走行距離 190.1 km / ダート走行距離 95.0 km トップへもどる


うおぉーっ! 雨上がりの濃い緑に包まれた森の中にアップダウンでどこまでも続くホレ惚れとしてしまうこのストレート! 林道ライダーならば一目眺めただけで、その素晴らしさが分かるはず。もはや説明は要りませんなぁ!







本州の林道ではちょっとお目にかかれない壮大な直線区間が続く美深歌登大規模林道のダート。しかも、加須美峠を経由して函岳へは一般観光客の車も通るので、ダートはとても整備が行き届いており、走っていても不安要素が全く感じられません。







もう6キロかぁ。あまりにも快適なのでどんどん距離が進んでしまいますが、道すがらにはこのような里程標が所々に設置されているのを見かけました。

ダートは「加須美岳(かすみだけ / 913.8m)」山腹の広大な森の中を進み、似たような森の景色がどこまでも続きますが、数キロごとに現れる里程標によって、入口からどれほど進んできたかが把握できるようになっています。







雨上りで濃霧が立ち込める森の中を一騎駆けに走り抜けていきますが、林道はひっそりとした静寂さに包まれていて、バイクはおろか一台の車ともすれ違いません。雨上がりの午前中の早い時間帯なので、まだ訪れるライダーもいないみたいだな。







その後も美深歌登大規模林道を進んでいくと、やがて巨大な水溜りと共に「滝ノ沢橋」が現れます。美深歌登大規模林道に入線すると最初に渡るのがこのコンクリ橋で、跨いでいるのは「滝ノ沢」。おそらく美深パンケ川の支流の1本だと思います。







滝ノ沢橋から見下ろした滝ノ沢下流方向の流れ。沢は鬱蒼とした木々の深い緑に両脇をびっしりと覆われていて水際の様子がよく分かりません。しかし、水辺には雨上がりで白乳色のモヤが立ち込め、周囲が白く水煙っていたのがちょっと幻想的でした。







滝ノ沢を越えて美深歌登大規模林道をさらに前進していきます。ダートは路面維持がよくなされて状態はとても良好なのですが、区間によっては路面に敷かれた砂利のつぶては若干大きめであることには要注意。調子こいて砂利ダートであまりカッ飛ばしていると、まさかの転倒もここでは大いにあり得ます。







続いて現れたのは「一ノ沢橋」。橋で渡っているのは「一ノ沢」ですが、一ノ沢は地理院地図には美深パンケ川と記載されています。川は上流に遡っていくと、途中で名称が変わることがよくありますが、ここも多分そんな感じ。おそらく美深パンケ川が源流域で一ノ沢へと名を変えているのだと思います。







一ノ橋から見下ろした一ノ沢上流方向の眺め。沢は鬱蒼とした木々に覆い尽くされ、橋の真上からでも流れはあまり見えていません。しかし、明け方に降った雨で増水しているのか、轟々と流れ下る水音が周囲に響いてよく聞こえていました。







そして今度は「左一ノ沢橋」が現れます。3箇所目のコンクリ橋ですが、鬱蒼と茂る木草木に覆われており、橋上から見下ろしても水の流れは全然見えていなかったですが、跨いでいるのは手前で渡った一ノ沢の支流である「左一ノ沢」。一ノ沢の左手から合流してくる支流なので「左」一ノ沢というわけですね。







左一ノ沢橋を渡ってしばらく進むと「函岳頂上まで15km」看板を発見! 函岳山頂の景観がプリントされた道標看板で、そのすぐ後方には「入口から12km地点」看板が立てられています。しかし、まだ函岳まで15キロもあるのかぁ!







美深歌登大規模林道の砂利ダートを加須美峠目指して進んでいきますが、峠までは分岐のない1本道状態が続きます。地理院地図で林道入口〜加須美峠間のルートを眺めてみると、そこには数多くの分岐が記載されていますが、しかし、実際にはほとんど1本道なので、途中で道間違いをヤラかす心配はまずありません。

地理院地図に記載された分岐のほとんどは、すでに藪に埋もれたか、廃道化してしまったのでしょう。峠までの区間に目立つ分岐はなかったような気がします。







おお、あれは「加須美峠まであと2km地点」看板じゃないですか! いよいよ加須美峠まであと僅かな地点にまで近づいてきたみたいだな!







現在地は標高614m。標高162mの林道入口からここまで標高差452mを上がってきましたが、こんな標高の高い場所にも橋がありました。渡っているのは「滝の沢橋」で、美深パンケ川支流の「西里沢川」の源流区間になっている「滝の沢」を跨いでいます。加須美峠の手前区間で最後に現れるコンクリ橋ですよ。







滝の沢橋の上から見下ろした西里沢川源流の滝の沢ですが、やはり先ほどの雨で激しく増水しているなぁ。沢幅目一杯にまで広がった沢水が、岸辺を洗い流すかのように轟々と流れ下っていました。なんだか氾濫一歩手前みたい・・・。







むぅ、まさに五里霧中だぜぇ・・・。そりゃあ、雨に降られるよりは百倍もマシな状況ですが、それにしても物凄いガス! 前進していくにつれて辺りが乳白色のガスに包まれていきますが、視界は僅か10mくらいでしょうか。ただし、このような天候でも気温的には別に寒くもなかったですけどね。







あれよあれよという間に、今まで以上に濃密なガスに包まれてしまった美深歌登大規模林道。もはや視界に入るのは半径10m以内にある木々の姿だけ・・・。まるで水墨画の世界ですが、しかし、見事なまでになにも見えません。







加須美峠 Kasumi Pass
↑ 歌登 Utanobori 45km
↓ 美深 Bifuka 26km
← 函岳 Hakodake 10km
おお、やったぜぇ! 全てを白く包み込む濃密なガスに包まれたダートを進み、ようやく加須美峠に到着しました。前方視界はガスによってほとんど効かず、直前まで気がつきませんでしたが、乳白色の濃霧の中から浮かび上がるように現れた行き先表示板によって、ここが標高729mの加須美峠だと知ることができたんだよな!

しかし、加須美峠は長大な美深歌登大規模林道の途中地点に過ぎません。ダートは直進して峠を越えて、枝幸町の歌登方向にまだまだ続きます。また、峠からは左折で町道ダートが函岳山頂に向かっておよそ10キロの長さで延びています。

というわけで、加須美峠に到着したら歌登方面へとさらに続く美深歌登大規模林道の探索はひとまず中断。片道10キロの稜線ダートでちょっくら函岳山頂までピストンしておくことにします! もしもここで函岳に立ち寄らなかったならば、それは目の前に並んだご馳走を半分だけ食べて残りをゴミ箱に捨てるようなものなので。







加須美峠にある左折して函岳山頂へと向かう町道加須美峠函岳線の分岐地点。函岳山頂まで片道10キロも続く稜線コースのダートに心ときめきますが、しかし、峠はご覧の通りガスっていて視界が全然効かねーや!







峠の分岐を左折すると、すぐに屈強な鉄門ゲートが現れますが、この町道ゲートは積雪期にのみ閉じられるみたいです。降雪、積雪状況で開放期間は前後しますが、ここは基本的には毎年6月上旬頃から10月上旬の期間でオープンされているみたいだな。

なお、町道加須美峠函館線の開放期間は美深歌登大規模林道と大体同じですが、町道の方が数週間ほど早く冬季閉鎖されるので、もしも10月に訪れる場合は美深町のホームページで事前に日程を確認してくださいね。







ご注意ください!!
捜索救助活動を実施した場合、費用の自己負担が生じます。
ゴミは持ち帰りましょう!
午後3時には下山しましょう!

枝幸町・美深町
町道区間の入口には遭難注意の看板が立てられていましたが、これは徒歩で山頂を目指す登山者向けかな。しかも、函岳は山頂まで車やバイクで登れる山なので、林道ライダーが途中で遭難するなんてことはまず起きません。







ゲートの脇にぽつんと建ってるボロボロな小屋。カギがかかっていて中には入れなかったような気がしますが、これって見回りのためのパトロール小屋?







無人の小屋から町道ゲートを振り返るとこんな感じ。そのすぐ先に美深歌登大規模林道からの入口がありますが、強烈な濃霧で全く見えていなかったです。先ほど降った雨のせいで峠を訪れている人の姿もなく、周囲は怖いくらいに静まり返っていましたが、おかげで函岳までの町道ダートを誰にも邪魔されず独り占めで楽しめそうだぜぇ!

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