ガソリン給油量 7.35L | 給油回数3回 | ガソリン代 1359円 | 総走行距離 190.1 km / ダート走行距離 95.0 km | トップへもどる |
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加須美峠からいざ町道加須美峠函館線に乗り込みますが、ダートはやっぱり乳白色のガスに包まれた状態。標高750〜1000m前後の稜線伝いに延びる町道ダートは快晴に恵まれれば素晴らしく爽快らしいとのですが、爽快さどころか、この時は数10m先の視界も効かぬ状態。濃霧に包まれた異様な雰囲気で少し怖いくらいです。
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ダート沿いに広がる乳白色の濃霧に包まれた森の様子です。森といっても、木々が密林のように鬱蒼と茂る山腹の森ではなくて、そこは高山帯のような尾根筋に樹木がまばらに生えているような森。立ち込めるガスの中に樹影がおぼろげに見えていましたが、これはこれで水墨画のような独特な雰囲気が良かったな。
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立ち込めるガスによって前方視界がほとんど効かないため、スピード控えめの手探り状態で進みますが、さすが函岳へと向かう町道ダートだけあって路面状況は良好です。しかし、敷き詰められた砂利は意外に厚く、場所によっては横滑りにズってしまうこともあるので要注意! 調子こいてカッ飛ばしていると転んじゃいますよ〜。
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町道ダートの路肩ではセリ科の「エゾニュウ」がクマザサの藪に混じって小さな白い花を咲かせているのを見かけました。エゾニュウ(蝦夷丹生)は、その名の通り、北海道〜本州北部の山中や高山高茎高原、海岸などでよく見かける大型の多年草。 北海道以外でも東北の林道でもよく見かけますが、細かな白い花を無数に咲かせたエゾニュウを見かけると、北国へとやってきた感がより高まってきます。 そしてエゾニュウは茎の部分が食用になる山菜だったりもしますが、アクが強いので、食べるには茹でて塩漬けにするなどのアク抜きが必要。エゾニュウはアイヌ語で「苦い草」を意味する「シウキナ」と呼ばれていたそうで、アイヌの人たちも、食べられるけど苦い草として認識していたようです。 |
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美深町と枝幸町の境界になっている稜線伝いになだらかに標高を上げていく町道加須美峠函館線の砂利ダート。晴れてさえいれば左手に雄大な景色が望めそうな区間が連続しますが、しかし、立ち込めるガスによって視界はほとんどゼロ・・・。
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路肩から左方向を眺めても、そこには乳白色の空間が広がっているだけ。くぅ、晴れていれば加須美岳中腹の素晴らしい景色が広がっているはずなのにねぇ・・・。
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濃霧で道すがらの景色がほとんど見えていないため、風光明媚な稜線伝いに延びるせっかくの町道ダートも単調気味なものとなりました。ひたすら続くズルズル気味な砂利ダートをただ走っているような感じでしょうか。
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濃霧に包まれたダート沿いに連なる森の様子。ここは標高の高い尾根筋なので風が吹き抜けており、そのため木々の梢が大きく揺れていましたが、それと同時に立ち込める濃霧がかなりの速さで吹き流されていくのが見てとれました。 森は灰色がかっ乳白色に包まれて寒々とした雰囲気ですが、しかし、今は夏真っ盛り。見かけに反して気温は寒くも暑くもなくて、ちょうどいい感じだったですよ〜。 |
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町道ダートに沿って数キロ毎に設置され、函岳までの距離を教えてくれる里程標。加須美峠からどれくらい進んできたのかが分かるので意外と便利です。
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濃霧の中、函岳までの残り5キロの砂利ダートを進みます。函岳山頂に近いて標高がさらに上がるにつれて、なんだか風も強くなっていきました。辺りに充満する濃密なガスが物凄い勢いで吹き流されていくのが分かるのですが、しかし、いくら吹き流されても濃霧が晴れる気配はちっともねーし。
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函岳山頂への道すがらに風に吹かれて大きく揺れていた木々。標高の高い稜線地帯では風がまともに吹き付けるので、木は大きく成長できないみたいです。
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そんな感じで濃霧に包まれた稜線伝いのダートを10キロほど進むとたどり着いた町道加須美峠函館線の終点、すなわち標高1129.3mの函岳山頂です。 車両で進めるのはここまでであり、行く手を鋼鉄製の屈強ゲートが塞いでいますが、この先には「道北レーダー雨雪量計システム」のドームがあって、右手には砂利敷きの広い駐車場と山小屋風の「函岳ヒュッテ」がポツンと立っています。相変わらず辺り一面に濃厚なガスが充満していますが、せっかくなので周囲を散策してみます。 |
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標高1129m 函岳 Mountain Hakodake | ||
海・風・空・森・星 美深町五感美 ↑直進 白い建物の後ろに周れば絶景パノラマが広がっています 函岳伝説 昔この付近が大津波に襲われた時、人々は舟に乗り逃げた。 どこもここも水ばかりで舟を着けるところがなくて困った。 その時、わずかにこの函岳の頂上だけが出ていたので、 そこに避難した人だけが助かった。と伝えられている。 このあたりの山からホタテやタニシの貝殻が出るのは、 その津波の時にあがったのであろう。 北風玉ニロ伝によるアイヌの伝説 |
函岳山頂に掲げられている案内板。そこには名寄町内渕に伝わるアイヌの津波伝説が記載されていましたが、「函岳」はアイヌ語で「ペペケナイ川の行き着く先(源流)」という意味の「ペペケナイ+エトコ+ウシ+ペ」というそうです。 また、山頂に宝箱を積み上げたような岩があるので、函岳にはアイヌ語で「千両箱を積み上げているもの」の意味の「シュポペロシキプ」という別名があるらしいですよ。 |
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函岳鳥獣保護区区域図 |
函岳案内板と共に設置されていた函岳の鳥獣保護区を示す表示板です。これによれば山頂一帯は3514ヘクタールの鳥獣保護区および特別保護地区に指定されており、指定期間は「平成28(2016)年10月1日から平成48(2036)年9月30日まで」と記されていましたが、「平成48年」という「!?」な表記が失笑を誘います。 なお、記載された保護区の地図には加須美峠から山頂までの町道ダートの道筋が記載されていますが、残念ながら町道名や林道名は記載されていなかったです。 |
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案内板設置地点からゲート設置方向を眺めてみますが、すぐそこにあるはずのゲートが濃霧で全く見えていません。う〜ん、凄まじく濃密なガスだぜぇ。
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函岳山頂の砂利敷きの広い駐車場ですが、乳白色の濃密なガスに包まれて視界はほとんどゼロ状態。すぐそこに立っている函岳ヒュッテも全然見えていませんが、このような状況なので山頂を訪れる人は誰もおらず、ここにいるのは当方のみでした。
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ここまで近づいてようやく見えてきた函岳ヒュッテ。誰でも利用できるトイレと休憩スペースのある無人休憩所ですが、ここでの宿泊は禁止されているのでそのつもりでね。ただし、訪れた時は外装と屋根の改修工事中で櫓が組まれた状態でした。
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駐車場の脇からダメ元で下界を眺めてみますが、やはり立ち込める一面のガスでなにも見えていませんね。このような状況なのですぐに立ち去ってもよかったのですが、函岳山頂は風がびゅうびゅうと吹き抜けており、そのうちガスが晴れてきそうにも思えたので、散策しつつ霧が晴れるのをしばらく待ってみることにします。
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するとあら不思議! 辺り一面にガスが立ち込めて視界ゼロ状態であったのが、一瞬のうちにここまで回復したじゃないですか! 工事中の函岳ヒュッテと、静まり返って誰もいない駐車場が見渡せましたが、函岳山頂方向を眺めてみると・・・?
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駐車場から眺めたい函岳山頂。山頂に立つ雨雪量計レーダードームはガスってほとんど見えていませんが、しかし、山頂を吹き抜ける風に吹かれて、山頂を覆い尽くすガスが左右に高速移動しています! なので数秒待ってみると・・・?
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函岳山頂を覆い尽くす濃密なガスが吹き流され、なんと、一瞬ですが、晴れ間が見えてきたじゃやないですか! そしてそれと同時に、濃霧の中から浮かび上がるかのように雨雪量計レーダードームが出現! 霧が一瞬晴れたこのチャンスを逃さず、さっそく歩いてレーダードームのそばまで行ってみます。
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駐車場脇のゲートの先にある函岳山頂に設置された道北レーダー雨雪量計システムの白亜のドーム。ここが標高1129.3mの函岳山頂になっていて、ドームを回り込んだところに山頂を示す標柱が立っています。 ちなみにこのドームは1994(平成6)年にできたもの。北海道全域の降雨、降雪の位置や強さ、広がりを観測する「レーダー雨雪量計システム」を構築すべく、道央、道南、道東に続いて道北エリアに建設されたレーダー施設で、これら4箇所のレーダーによって北海道全域をカバーして観測しています。 |
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レーダードームのある函岳山頂の草むらを歩き回っていると、そこかしこで鮮やかなピンク色の小さな花を鈴なりにつけた植物が群生していましたが、これってアカバナ科ヤナギラン属の「ヤナギラン」かな? ヤナギランは低地から山地まで、裸地や草地、山火事の跡などの日当たりの良い開けた環境を好み、北海道から本州(中部、北部)に分布する多年草。とりたてて珍しい花でもありませんが、開花の時期は7〜8月。アイヌ語では「ウラスス」とか「キナポアハニ」、「セタキナ」などと呼ばれていたそうですよ。 |
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ありゃりゃ〜、レーダードームを眺めていると、またしても乳白色の濃厚なガスが函岳山頂に漂いはじめてしまい、あっという間に再び視界ゼロ状態に・・・。 案内板に記されていた「山頂からの絶形パノラマ」を眺める間もない瞬時の出来事でしたが、後方を振り返ってみると、すぐそこにあって、はっきりと見えていたゲートと駐車場がまったく跡形もねーし。う〜ん、恐るべし函岳です! |
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