2022 北海道林道探索ツーリング 8月15日(月)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
19日目[2]  上士幌町「糠平温泉 Nukabira Onsen→ 大樹町「晩成温泉 Bansei Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.71L 給油回数3回 ガソリン代 1485円 総走行距離 242.0 km / ダート走行距離 20.8 km トップへもどる


上士幌町鉄道資料館を後にしてR273を上士幌へと向かって前進中。糠平ダム、糠平発電所と順調に過ぎて音更川伝いにエンジン音も心地よく軽快にWRを走らせていきますが、天気も良いことだし、このまま国道伝いに上士幌を目指すのではなくて、ここらでちょっと林道をつまみ食いすることにします。







というわけで上士幌町「清水谷」でR273から道468へと左折。そのまま道なりに上士幌町から「足寄町」へと入り、国道から4キロほどの足寄町「旭ヶ丘」で左折分岐している芽登川林道の入口にやって来ました。

ここからの予定としてはまずは芽登川林道を末端地点まで進み、さらに引き返しがてら途中で芽登糠南林道に乗り継いで「糠南ダム」を経由して道88(足寄町「西喜登牛」)へと通り抜けてやろうという算段です。







嬉しいことに芽登川林道には無粋なゲートは設置されていませんでした。入線直後から即フラットダートが開始しており、いざ入線すると、すぐに真新しい鉄板ホワイトボードタイプの林道標が迎えてくれたんだっけ。







おお、延長距離も10435mと申し分なし! この林道はその名の通り「芽登川」伝いに山中深く分け入るピストンであることは分かっていますが、しかし、林道標によって判明した延長距離および、今から65年ほど昔に開設された歴史ある林道だということ以外の林道データは不明。おーし、待ってろよ! 今から探索調査してやるぜぇ!







林道標で林道名を確認し、後顧の憂いなく芽登川林道のダートに突入するとすぐにコンクリ橋が現れます。渡っているのは芽登川支流の「ヌッパオマナイ川」。アイヌ語らしい河川名ですが、橋の対岸には行く手を遮る金網ゲートが見えています。







橋上から左手に眺め下ろしたヌッパオマナイ川。岸辺は鬱蒼とした草木と藪に覆い尽くされて近付き難いですが、流れる水は澄んでいてとてもきれい。河川名の「ヌッパオマナイ」はアイヌ語の「ヌプ+パ+オマ+ナイ」で、日本語だと「原野+の上手+ある+川」という意味になるらしいですが、よく解んねーな。







金網ゲートの正体はシカ除けゲート。ツーリング5日目、ちょうど2週間前に足寄町を訪れた際に町道ダートでも見かけたので、すぐにピンと来てジャラジャラと鎖を外してセルフオープン。そしてもちろん、通過後は面倒くさがらずにちゃんと元に戻しておきました。これ、林道の作法ですからね。







ヌッパオマナイ川を渡ってシカ除けゲートを通過すると、一瞬、森から抜け出して荒地のような開けた地点を通過しますが、ダートはその先に見えている森の中へと進み、今度は林道名由来の芽登川伝いに進むようになります。







やがて右手に芽登川の流れが寄り添ってきて、その後はゆったりと落ち着いたダートが続きました。林道は川沿いに遡っていくので基本的に登りコースが続きますが、勾配の傾斜角度は極めてなだらか。ほとんど水平コースなので、地形的な険しさは今のところ全く感じられなかったです。







道すがら芽登川の岸辺伝いに広がる森の様子。林道がいたって走りやすいので、森の景色もなんだか閑やかに見えてしまいますが、この辺り一帯は森のクマさんの巣。その証拠にここ足寄町には「ヒグマ警報」というものがあるらしいですよ。







その後も芽登川の流れに沿ってのんびり進んでいくと、やがて鉄塔が現れて頭上を高圧送電線が横切っていきますが、横切っているのは「十勝幹線足寄2号線」。「芽登第一発電所」を経由して「糠平発電所」〜「足寄発電所」間を繋ぐ18万7000Vの高圧送電線ですが、ここはちょうど糠平発電所と芽登第一発電所の間です。







高圧送電線の下を潜り抜けてその先へとWRを走らせます。路肩に壁をなして生い茂る夏草の藪には、人の背丈ほどもある巨大なゴツいシダ系植物が混ざり、なんだか草深さが凄みを増してきているような気もしますが、芽登川林道のダートは多少ガタガタ感があるものの、走りやすい状況が続きます。







右手に芽登川の清々しい渓流を眺めつつ進む区間です。川の流れは道すがら常に見えているわけではなかったですが、時折現れる水際区間は涼が感じられて爽やかです。立ち止まっても鬱陶しく纏わりつくアブや蚊も全然いなかったしね。







白い飛沫をあげて勢いよく流れ下る芽登川の川面です。河川名の「メトウ」はアイヌ語の「メトッ+ペッ」で、日本語では「山奥+川」という意味らしく、確かに言われてみればそのような鬱蒼とした深山地帯の雰囲気が川沿いに漂っています。

また、糠平舘観光ホテルの岩風呂にも使用されていましたが、十勝地方は「十勝石」を産出することで知られていますが、十勝石とはすなわち「黒曜石」のこと。ここ芽登川でも稀に十勝石が転がっているそうですよ。







おお、やったぜぇ! 未知なる支線林道発見! その後も引き続き目登川に沿って遡っていくと、やがて左折ダート分岐が現れました。そして嬉しいことに、分岐のすぐ傍には鉄板タイプの林道標が設置されているじゃないですか!







おお、その名は清水谷2号林道ですか。風雪に晒されてイイ感じにくたびれ果てた林道標が出迎えてくれましたが、ここはおよそ1.8kmほどのピストン。幅員は記されているのになぜか延長距離については未記載でしたけどね。







本線である芽登川林道から左折分岐で開始していた清水谷2号林道の様子です。ぱっと見した限りでは別段荒れていることもなく、除草もされていたので簡単に末端地点まで進めてしまいそうな気もしましたが、今回はパス。欲張らず清水谷2号林道の存在を確認しただけでヨシとしておきます。







清水谷2号林道分岐を過ぎてさらにダートを進むと、芽登川に赤い水門が設けられた場所を通りがかりましたが、これは上士幌町の水道の取水施設。上士幌町では地下水およびナイタイ川、糠平川、ポロペタン川、そしてこの芽登川を水道の水源にしていてますが、施設の1日辺りの取水量は600立方メートルらしいです。

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