青木ヶ原樹海 禁断の樹海横断ダートで紅葉探索 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2022.11.09 
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う・・・っ! なんだこの雰囲気は。観光客が集中する富岳氷穴入口の反対側、ひっそりとした駐車場の片隅から樹海の遊歩道に進みますが、普通の森ではあまり感じることのない青木ヶ原樹海独特の陰鬱な暗い森の雰囲気にドキリとします。







森の駅風穴付近のジャ沖が原樹海の地図です。駐車場の片隅から樹海の中をぐるっと周回して富岳氷結入口まで周回っして戻って来ることができますが、しかし、これは広大な青木ヶ原樹海のほんの一部に過ぎません。







遊歩道になっている道の脇の林床には腐葉土と化した落ち葉が厚く堆積し、そこに大小無数の樹木のコケむした倒木が無造作に散らばっています。濃い緑色のコケに覆われた倒木が森の陰気さを助長しているようで、なんだか気味が悪いぜぇ・・・。







夥しい落ち葉に一面覆われて地面の土が見えていない樹海の奥へと向かう道。画像では一見するとどこが道筋か分からないようにも見えていますが、道の部分は樹木が生えていないので道筋を見失うことはまずないと思います。

でもそれは明るい日中での話。夕闇迫る日暮れ時や漆黒の闇に包まれた夜間であったならば、道に沿って歩いているつもりでいても、いつの間にか道筋を外れてしまうまでに大した時間もかからないと思います。なので速攻で道に迷いますなぁ。







おお、これは美しい紅葉です! 人気のない樹海の中を進んでいくと、道すがらに真紅や黄色に色づいた木々が姿を現しました。青木ヶ原樹海という「死」を連想させる怖い森の中であるからこそ、ゾクゾクするような紅葉の美しさもまた格別です。







昼なお暗い樹海でそこだけ黄色く光り輝いていた黄葉。深緑で黒々と茂る梢の中でひときわ美しさを放つ紅葉を天を仰ぐように見上げて眺めます。青木ヶ原の樹海は「自殺の森」のイメージが強くて、森の紅葉が話題になることはほありませんが、う〜ん、これが青木ヶ原樹海の紅葉かぁ!







うぅ、なんだこのネジけた根っこは・・・。溶岩の上に堆積した土の層が薄いため、根が地中ではなく地を這って横に広がっているだけですが、その姿はなんだか異形。とても不気味に見えてしまいます。







地面のあちこちに落ちていた「コミネカエデ」の赤い葉。ツガやモミ、ヒノキが生茂る青木ヶ原樹海の森ですが、所々でそれら常緑針葉樹に混ざってカエデなどの落葉広葉樹の木が僅かに混ざっています。青々とした葉が茂季節では他の木々と見分けがつきませんが、葉が赤く紅葉するこの季節限定でそのことが分かるんですね。







うぅ、これはなんと言ったらよいのか・・・。地面からの高さ数メートルの規模で盛り上がった溶岩塊ですが、根っこで岩塊を掴んでいるかのような姿をした溶岩の上に生える樹木です。過酷な環境で生きようとする樹木の凄まじい生への執念! 人はここで死を望むのに、樹木は必死に生きようとしているのがなんとも対照的だぜぇ。







まるでツガやモミの大木に混ざって黄色や橙色、秋に色づいた紅葉。よく眺めると、大木の根本からカエデの木が生えているのが確認できます。しかし、紅葉の美しさに誘われて道から外れて樹海の森の奥へと立ち入りたくなってくるなぁ・・・。







やや、あれは・・・?! 紅葉の美しさに誘われて不用意に道を外れて森の奥へと立ち入ると、樹海では時としてヘンなものを発見することになります。あの樹木の幹の陰になにやら白い物が見えていましたが、なんだか気になるぜぇ・・・。

近づいて確認する!







その後、すぐに元の道に戻ってさらに前進しますが、樹木同士がお互いの根を滅茶苦茶に絡ませている姿も見かけました。これは土壌が薄いせいだと分かっているけど、やっぱり不気味です。また、このような地点では根に足を引っ掛けやすく非常に歩きにくくなっているので、つまづきには要注意。







遊歩道にもなっている道沿いにポツンと設けられていた木製ベンチ。緑色のコケにべっとりと覆われていましたが、訪れる人も少ないのでもう久しく使われていないのでしょう。しかし、ここで思い詰めた顔をした男性とか、女性が独りで座っているのに出くわしたら、それこそ超ー怖! 通りがかった時には誰もいなくてよかったです。







ガサコソと大量の落ち葉を踏みしめながら歩いていきますが、青木ヶ原樹海の中は物音せずにシ〜ンと限りなく静まり返って静寂そのもの。自分が木の葉を踏みつける足音だけがやけに大きく周囲に響きます。







よっしゃ、道標発見! やがて左右に道が分かれる分岐が現れましたが、この道は「東海自然歩道」に指定されており、主な分岐には道標が設置されているので脇道へと立ち入ったり、道を外れない限りはそう簡単には迷わないです。

道標には「←風穴 ↓風穴駐車場 精進湖→」と記されていますが、「風穴駐車場」というのが今やってきた方向で、右折側の「精進湖」というのはおよそ4.6キロで「精進南」地区の民宿村へと至る方向。右折の「風穴」はおよそ940mほどで「富岳氷穴」入口に、または1.7キロほどで「なる沢氷穴」前に抜けられます。







分岐を左折して風穴方向から振り返ってみると、精進湖方向の右折側にはトラロープが張られ、そこに札が掲げられていました。







トラロープに括り付けられていた「立入禁止」の札。一瞬、「なんで?」と思ってしまいますが、山奥を進む「林道」とは異なり、平坦な森が広がる青木ヶ原樹海の中の道では、崖崩れや路面崩壊などはまず発生しないと思われるので、これはおそらく「迷いやすいから立ち入らない方がいい」という警告でしょう。







そんなわけなので、とりあえず分岐を左折して風穴方向に歩いて進んでみます。両路肩には相変わらず暗い森が広がっていますが、似たような森の景色が続くので、やがてどれほどの距離を進んできたのか分からなくなってきます。







またしても現れた朽ちかけたベンチ。べったりとコケが生えて傾き、腐りかけて湿っているので、とても座って休める状態ではなかったです。







道は東海自然歩道に指定されているので、荒れていることもなくてダート的にはマトモですが、雰囲気ははやり不気味。なぜか樹木に朽ちかけた古いロープが張られていたりするのを見かけると、ヘンな想像をしちゃうんだよな〜。

とまあ、青木ヶ原樹海は決して明るい森ではないことを実感しますが、秋のこの季節だけは話は別。道すがらに広がる森の暗さのおかげで、鮮やかな黄葉の黄色がとても美しく引き立っています。そのつど駆け寄って見上げますが、そういう瞬間は美しさに見とれて森の暗さなんてちっとも気になりませんぜ!







おや、再び道標が現れました。「←精進湖 風穴→」と記されていましたが、あれ、おかしいな。今は手前の分岐から風穴方向に進んでいるのに、進んで来た方向が風穴になっていますよ。あはは、脳内地図と現地の道標が示す方向が合致せず、位置関係が完全に分からなくなってしまいました。

でも別に慌てません。現在地がよく分からなくなったら、分かる地点まで引き返せばいいだけのこと。それに今日は軽くつまみ食いで樹海の雰囲気を確認するだけなので、これ以上は進まず森の駅風穴の駐車場に戻ることにします。







樹海の森の中で見上げた空。木々の梢の隙間から見えている空はまだこのように明るいのに、周囲はすでに薄暗くなり始めていました。秋は気候的には歩きやすいけど、しかし、午後4時近くなったら日暮れはすぐに迫ってくるので要注意です!







逆光が眩しいですが、帰り道の途中でもきれいな赤や橙色に染まった紅葉を見かけました。しかし、よく分かりませんが、青木ヶ原樹海の中で紅葉する樹木は葉を茂らせる位置がやたら高いような気がします。ツガやモミ、ヒノキなど常緑針葉樹の大木が茂る森の中で、より葉に日光を受けようとするためでしょうか?

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