ガソリン給油量 7.07L | 給油回数 2回 | ガソリン代 1278円 | 総走行距離 147 km | トップへもどる |
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法体の滝を後にしたら、紅葉の手代奥山林道を再訪すべく林道入口がある上百宅まで戻ってきましたが、法体の滝に向かう途中で降り出した雨は止むこともなく降り続いています。しかし、雨脚は微妙で、本降りのザーザー降りでもないですが、かといって傘なしで歩けるほどの小雨ではなくてシトシトと弱く降っている感じ。 レインウェアをしっかり着込み、飛ばさずにゆっくりと走っていればビショ濡れにはならない程度ですが、でも心のテンションゲージは確実に目減りしており、まだ林道を1本探索していないというのに、今日はもう鳥海荘に引き籠ろうかと弱気に陥りますが、でも思いとどまります。 なぜってそれは、百宅集落が湖底に沈む前に再訪する機会はたぶんなくて、失われゆくこの地の景色と紅葉を眺めておのは今しかないから。 ただし、手代奥山林道の紅葉探索はいったん見合わせて、その代わりに百宅集落内に入口がある林道を確認すべく、百宅集落東端の由利本荘市鳥海町百宅字高野台までやって来ました。 |
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シトシトと冷たい秋雨の振り続ける中、住民移転で解体された民家の敷地跡と土台だけが残り、見渡す限りススキ野原と化した田圃跡が広がる高野台の集落跡を静かに通り抜けていきます。空き地となった民家跡が所々で現れましたが、そのまま放置された電柱の姿が物悲しくて仕方なかったなぁ・・・。
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あぁ、ここにも解体された民家の跡が・・・。かつてはこの道沿いに何軒もの民家が点在していたはずですが、今は誰もいない無人境。そしてこの場所もやがて湖底に沈み、そのうち人々の記憶から完全に失われてしまうのかなぁ。
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道すがらに広がっているススキ野原がいきなり開けて現れる高野台の民家跡。土台のコンクリート片が、かつてその位置に家屋に立っていたことを物語ますが、あぁ、なんだか無性に物悲しくてやりきれなかったです。 しかも、ダムに沈みゆく現実を知ってか知らずか、森の木々は今年も美しく紅葉しており、そこに終わりゆく終焉の美を感じずにはいられなかったぜぇ・・・。 |
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その後もシトシトと降る秋雨に打たれながら廃村高野台を進んでいきます。すると、解体された民家跡を挟んで行手が二手に分かれた地点を通りがかりますが、ここが百宅集落内に3本ある林道のうちの1本の入口になっています。 すなわち左折方向は中田代林道となり、道なりの右手方向には引き続き市道区間が続きますが、400mほど先で百宅川を渡る橋のたもと地点から遠上林道が開始します。 |
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家屋は解体されたのに、虚しく赤い消火栓だけが残る民家跡の脇から開始している中田代林道の起点です。中田代林道はその名の通り「中田代山国有林」内の「中田代川」伝いに遡る延長距離およそ2キロほのピストンで、位置的には昨日探索した西の又林道の西に位置し、最も接近した地点では600mほどしか離れていません。 もちろん、このまま中田代林道に突入したいのはやまやまでしたが、しかし、この生憎の雨。止む気配は見られず、いかにも草深そうなワダチダートはドロドロになっていそうな予感が大きかったので、「君子危うきに近寄らず」の諺通りここはパス。その存在を確認しただけでヨシとしておきます。 |
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中田代林道 |
高野台集落跡の東の外れ、民家跡の傍に立っていた中田代林道を示す木杭の林道標。延長距離や開設年月日、幅員などの林道データは未記載で、素っ気なく林道名のみが記されていましたが、こんな所にも林道があったなんて、16年前に手代奥山林道を探索した当時は気づかなかったな。
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中田代林道の起点を確認したら分岐を道なりに右折して今度は遠上林道入口を目指します。遠上林道は林道名由来の「遠上山国有林」内を百宅川の源流伝いに遡る延長距離5キロほどのピストンで、途中で密かにコツカミ林道を分岐する林道。 なので遠上林道だけは探索したかったのですが、しかし、降り続ける雨が・・・。雨粒でデジカメのレンズが濡れて撮影できる状態ではなく、それに加えて草深いワダチダートもドロドロになっていたため、安全性を考慮してここもパス。 |
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遠上林道探索を潔く諦めて、引き返しがてらに眺めた秋雨に濡れそぼる廃村高野台集落の景色です。よもやこんな場所では誰とも出会わないと思っていたのですが、林道から退出してくるジモティーな1台の軽トラと遭遇。 怪しまれぬよう会釈をすると会話が弾んでしまい、以前、WRに乗っていたという方とその場でしばらく話し込んでしまいました。主に手代奥山林道関係の情報をお聞きしましたが、山形県との県境付近で発生した路面崩壊によって分断状態が数年間も続く手代奥山林道ですが、やはり全面復旧されることは永久にないとのことでした。 さらに久方ぶりで手代奥山林道を再訪すべく訪れた旨を伝えると、「どうせすでに濡れているし、宿に戻ってもすることがないので、このまま予定雨通り手代奥山林道を探索しては?」との励ましのお言葉をいただきましたが、確かにその通り。降り方はシトシトな小雨状態なので予定通り紅葉林道探索を決行することにします! |
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ただし、時間だけはたっぷりあるのですぐに手代奥山林道へは向かわず、少し寄り道しました。法体の滝のさらに上流の「奥山放牧場」方面に向かう道路を進み、紅葉全開で秋の色彩が爆発していた下玉田川沿いの渓谷美を眺めにおもむいたんですね。 しかし、寒過ぎました。秋雨の降る中、法体の滝からガンガンに標高を上げていき、最終的に標高700mを超える高さにまで至る道すがらの寒さに耐えきれず、途中で引き返しますが、この時、体感気温は氷点下近くにまで下がっていたと思います。 |
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しかも、シトシトと振り続ける雨でレンズが濡れてしまい、撮影もうまくできず踏んだり蹴ったり! でもその反面、標高が高まるほどに下玉田川渓谷の紅葉美は高まり、この世のものとは思えぬほどの美しさを見せていましたが、でも、秋雨の降る悪条件下では、バイクだと低体温症で死んじゃうかもですよ〜。
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その後、下玉田川渓谷から引き返して法体の滝へと駆け下り、上百宅にある手代奥山林道入口にやって来ましたが、嬉しいことにそれまでシトシトと降り続けていた雨がここで止みました! どうやら当方の林道探索アビリティ「晴れ男」が発動されたようですが、へへ、冷たい秋雨さえ止めばこっちのもんだぜぇ! なお、当サイトではここは分かりやすく便宜上「手代奥山林道」と表記していますが、正確には手代林道です。しかし、これより先は手代奥山林道と表記すると、逆に分かり難くて混乱を招くため、以降は「手代林道」と表記します。 また、先ほど「鳥海ダム水没予定マップ」で示した通り、手代林道の本来の起点は先ほど通った上百宅集落内のこの地点。なのでここは厳密にはダート開始地点に過ぎないのですが、一般的にはこの地点が手代林道の入口とされています。 |
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おお、懐かしいぜぇ! これは夏真っ盛りであった2007(平成19)年の8月12日に手代林道を訪れた時の同じ場所の様子。地形的な変化は現在もありませんが、以前はそこに立っていた「鳥海山 非百宅口←」の標識が今は無くなっています。
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これは2007年当時に上百宅に位置する手代林道入口を振り返ったもの。青々とした田圃が一面に広がり、集落の民家が点在している様子が確認できますね。まだ鳥海ダム建設による住民移転が行われる前の光景ですが、愛機XR「赤い彗星」号もまだ現役で、林道バリバリだった頃の懐かしい一枚です。
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というわけで、今回の紅葉林道探索のメインターゲットでもある手代林道に入線! 思えば16年ぶりの再訪であり、感激もひとしおですが、どのような美しい紅葉が出迎えてくれて、そして林道がどのように変化しているのかがとても楽しみ!
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おお、上空もいい感じに晴れてきたじゃないですか。うふふ、これはもう林道の女神様が16年ぶりの手代林道再訪を祝福してくれているに違いなねーぜ!
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ふと眺めた足元で見つけた黄色く色付いた小さな黄葉。山の林道では陽当たりの良い路肩で芽吹いたばかりの様々な草木を見かけますが、そのような小さな草木も秋にはきれいにちゃんと紅葉しているんですね。
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林道沿いの針葉樹林で見かけたブドウ科ツタの紅葉です。橙色がかった色付きで鮮やかさはイマイチでしたが、すっくと立ちそびえる針葉樹の幹に極太な付着根を張り付かせてよじ登り、ワサワサと葉を茂らせている姿はなんだか異様。まるで針葉樹が枝を伸ばして紅葉しているかのように見えています。
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手代林道に入線するとすぐに登り坂が開始しますが、やがて現れる九十九折りとなった連続カーブをガンガンに登坂していくと、その途中で百宅集落跡を右手に俯瞰できるビューポイントが出現! もちろん、すかさず立ち止まって景色を眺めます。
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うおおぉーっ、これは凄い! 見渡す限り一面、それこそ山々が燃え上がるような凄まじい紅葉に包まれているじゃないですか! そして前方に目を向ければ、眼下には山々に囲まれた百宅集落も小さく見えています!
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全・山・紅・葉!! まさにそんな言葉が相応しかった手代林道からのダイナミックな紅葉風景です。数年来の紅葉林道探索によって目が肥えてえしまった今は、半端な紅葉では感動しなくなりましたが、さすがにこの眺めは別格でした。 そしてこの景色を眺めれば、鳥海山麓の深い山々に囲まれた百宅集落がどのような場所に位置しているのか分かると思いますが、しかし、鳥海ダムが完成すると、百宅集落を俯瞰するこの素晴らしい景色も永久に失われてしまうんだよなぁ・・・。 |
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つい先ほどまで降っていた雨で濡れた手代林道のダートをゆっくり進んでいきます。雨上がりの林道は、路面を雨水が激しく流れ下っていることがよくありますが、路面は思っていたよりも普通の状態。これといって問題はなかったです。
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おや、これはブナ科のブナでしょうか。芽吹いたばかりで大きさはかがみ込むほどの高さしかなかったですが、赤味を帯びた薄い黄色の密陀僧色をした葉や、そこに茶色いブチの混ざった葉、さらには葉の先端が鮮血のような深紅に色付いた葉もありましたが、なんとも不思議な色付き方をしているな。
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おおっ、手代林道は秋色でいっぱい! 雨に濡れたことで、より鮮やかさを増して美しい限りであった林道の路肩を彩る紅葉です。やはり秋の恋右葉シーズンは林道が一年で最も美しくなる季節に間違いありませんなぁ!
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ムクロジ科のハウチワカエデの紅葉ですが、1枚の葉の中に赤色から黄色、黄緑色、橙色、そして紫色が混ざり合ったこの色付き方は美しいな! 紅葉は場所や個体によって色付き方も千差万別ですが、このように1枚1枚が微妙に異なった色付き方をしているので、眺めていても全然飽きがこないです。
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これもムクロジ科のハウチワカエデ。ハウチワカエデはその名の通り、団扇のように葉が大きいのが特徴で紅葉の見応えも十分です。そしてたった1枚の葉の中には多彩な色彩が見られ、橙色系の山吹色から鮮やかなバラのような薔薇色、そして紫味を帯びた葡萄色へとグラデーションする色彩美が見事!
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美しい秋色に染まった林道風景を眺めながらさらに進んでいきますが、やがて行く手に林道標が現れます。もちろん、眺めなくても先刻承知ですが、これによって百宅集落から進んできたこのダートが手代林道であることが確認できるんだぜぇ。
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