2023 鳥海山麓 紅葉林道探索 〜 懐かしの地を再訪せよ! 〜 10月29日(日) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
2日目[3]  → 由利本荘市「猿倉温泉 鳥海荘 Sarukura Onsen もどる  






ガソリン給油量 7.07L 給油回数 2回 ガソリン代 1278円 総走行距離 147 km トップへもどる
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手代林道
手代林道を示す白い鉄板タイプの林道標です。いわゆる通称「手代奥山林道」とは、鳥海山の東側の山麓に延びる奥山林道、黒瀬支線林道、手代奥山林道、手代林道を乗り継ぐことで形成される山形県酒田市〜秋田県由利本荘市間を結ぶルートの連続ダートですが、手代林道は秋田県側からだと最初の1本となる林道なんですね。

ただし、県境を越えて完抜けできたのは以前の話。現在は数年前に発生した自然災害によってルートが分断されてしまい完抜けできなくなっています。ですが、そんなことはもちろん承知済み。今回はそれを知った上で敢えて再訪しています。







山火事注意 熊に注意
おお、怖えなぁ! 林道標の傍にさりげなく設置されていた山火事注意とクマに注意の木杭です。おりしも探索時には秋田県でツキノワグマとの遭遇による事故が多発。県内全域に「クマ出没警報」が発令されていたんだっけなぁ。







そして気になる空模様ですが、雨は止んで上空の厚い雲の隙間からは僅かに青空も見えていましたが、雲の流れがやたら早くて予断を許さぬ状況。いつ何時、再び空が雨雲に覆われてしまうとも限りませんが、たぶん大丈夫でしょう。もう雨は降らないと信じて手代林道の紅葉探索を続行します。







手代林道の林道標設置地点を振り返るとこんな感じ。ここは標高550mほどの無名峠になっていて、入線直後から続いた登坂区間はいったん終わります。そして峠を越えたことで、この先しばらくは下り坂区間が続きます。







そしてこれは前回、といっても2007(平成19)年8月12日のことですが、その時に通りがかった林道標設置地点の様子。全く同じ場所ですが、路肩の樹木の形や景色に今も昔もこれといって変わりはないですね。







無名峠を越えて下り坂を駆け下っていきますが、しばらくは紅葉したブナの梢が上空を覆い尽くす紅葉のトンネが続きました。緑一色に包まれてともすれば重苦しい雰囲気も感じてしまう夏の頃とは異なり、華やいだ明るい雰囲気が素敵です!







眩いばかりに光り輝くブナの紅葉のトンネルをゆく手代林道のダート。華やいだ林道の雰囲気に心躍ってしまいますが、紅葉といってもブナは赤色系に染まるのではなくて、ニレ科のケヤキなどもそうですが、このような褐色系に褐葉します。







うわ、なんだよこれ。ふと眺めたの森の中には不気味なキノコが! 雨に濡れてふやけたのか、傘は泥臭く茶色と黄土色が混ざった気持ち悪い色をしています。でもバターでソテーしたら意外と美味いかも・・・なわけねーか! 中枢神経系に症状を引き起こすヒトヨタケ系の毒キノコっぽい危険な香りがプンプンでした。







坂道を下っていくと、やがて古めかしいコンクリ橋「とくささわはし」を渡りますが、跨いでいるのは上玉田川支流の「トクサ沢」。橋のたもとには水たまりができていて、橋上は泥まみれでしたが、立ち止まって景色を眺めてみます。







橋上の欄干越しに見下ろしたトクサ沢の小さな流れと紅葉です。流れを覆うカエデの黄色がきれいでしたが、トクサ沢は「津武久良(870m)」と呼ばれる超マイナーな山を源として、法体の滝の上流で上玉田川に合流するささやかな沢。イワナとかヤマメが棲んでいるのかどうかは不明ですが、棲んだ水がとてもきれいだな〜。







トクサ沢の谷間の斜面を隙間なく埋め尽くす木々の紅葉。先ほどまでの秋雨に濡れて鮮やかさとシッポリ感が増してとてもきれいです。しかし、こうして眺めてみると、赤色系が少ないことに気づきますが、植栽されたわけではない山の紅葉って、実際は橙色系とか褐色系がほとんどなんだよな。







その一方で林道では、真紅に色付いたモミジやカエデが路肩に時々現れます。橙色系の紅葉の中で鮮やかな赤色は突出して目立ち、ハッとさせられますが、それはまるで樹木が炎に包まれてメラメラと燃え盛っているみたい! 







百宅集落跡の林道入口から進むことおよそ4.2km。やがて右折分岐が現れますが、手代林道はここまで。山形県へと県越えするルートは、ここより手代奥山林道となって右折側に続きますが、直進方向はピストンの東山田林道になっています。

なお、手代奥山林道の林道標はこの場所には設置されていませんが、過去の探索時において、この先の黒瀬支線林道との乗り継ぎ地点に設置されていたのを確認しています。というわけで分岐は右折しますが、林道標の代わりに鳥海山の百宅登山口方向を示す道標が設置されているので、それに従えば間違いありません。







ちなみにこれは2007(平成19)年8月12日時点の同じ場所。やはり地形的な変化は全くなくて、分岐の傍に立つ大きな案内板は現在も存在していますが、しかし、長年風雪に晒され続けたことで痛んでしまい、今は板が剥がれてなにが記されているのかまともに読めくなった状態で放置され続けています。







手代沢案内板 鳥海山百宅口
ここから8KM地点に登山中継基地、大清水園地があります。

ブナの原生林にかこまれた大清水には、
駐車場・山荘・洗場・公衆便所・テントサイト等の施設が整備されております。
大清水から5.7KMの登山歩道を3時間30分を要して鳥海山(標高2.230M)に登ることが出来ます。

玉田渓谷探勝路
この歩道は玉田渓谷の自然なかでも
甌穴(浅い谷川において水蝕作用によって河底の岩盤に穿たれた円形あるいは円形の穴)や
紅葉樹林・法体の滝を探勝するためにつくられた延長2.2KMの探勝路です。
法体の滝まで約30分かかります。
これがその案内板。板が剥がれ落ちた無残な姿でそこに立ち続けていますが、かつて案内板には鳥海山への登山口である百宅口および、玉田渓谷探勝路についての案内がなされていたんですね。

ちなみに玉田渓谷探勝路の入口は分岐の斜め右後方すぐの地点にありますが、現在は草ボーボーに廃れてしまい、とてもじゃないけど、気軽に探勝できるような状況ではなかったような気がします。







WRの向かって左後方にある分岐が玉田渓谷探勝への入口。現在も地理院地図には、上玉田川の「玉田渓谷」伝いに法体の滝まで続く山道を示す波線が記載されていますが、しかし、草ボーボーに廃れて放置が続くこの探勝路を通って法体の滝を眺めにいく奇特な観光客はもはやいないとみた!







鳥海山 百宅口 8.5km →
分岐に設置されている百宅登山口方向を示す道標です。かつて山形県へと通り抜けできたこのルートが廃れていないのは、県境の手前に鳥海山への百宅登山口があるからだと思います。つまり、山形県への完抜けは不可ですが、途中の百宅登山口までなら普通に進むことができるというわけ。







そういえば分岐の左手、林の中に小さな沼がありましたが、これは単に窪地に雨水が溜まっているだけだと思います。水辺で赤く紅葉するモミジに近づいてみようかと思いましたが、ズブブと沼にハマったら大変なので止めておきました。







東山田林道
そしてこれは分岐の直進方向、すなわち「東山田沢」伝いに山中奥深くへと分け入る東山田林道を示す林道標です。東山田林道は延長距離4.5kmほどのピストンですが、途中で名のある支線林道を3本も枝分かれ式に分岐する林道だったりします。

もちろん東山田林道も過去の林道探索で探索済みですが、ここも16年ぶりで紅葉林道探索を兼ねた林道パトロールで再訪するつもり。でもその前に、まずはメインターゲットである手代奥山林道の紅葉探索を優先します。







というわけで手代林道から手代奥山林道に乗り継ぐべく分岐は右折。かつての県境越えルートを百宅登山口方向にさらに進みます。







すると分岐の先250mほどの地点で現れるのが上玉田川を右岸へと跨ぐ「手代橋」ですが、古ぼけたコンクリ橋が味のある風情を醸し出していました。







手代橋から右手に眺めた上玉田川とその紅葉です。上玉田川は落差が少なくて瀬の多い山岳渓流で、ご覧の通り水際まで迫る紅葉が美しかったですが、なんでもこの上玉田川にはイワナも多く生息しているらしいです。

しかし、それは子吉川水系漁業協同組合によって放流されたもの。したがって解禁期間が定められており、釣りには遊漁料金が発生します。林道野宿の晩飯用にとこっそり釣ったりすると密漁になるのでそのつもりでね。ちなみにイワナの他にも漁協によってサクラマスの稚魚やアユ、ヤマメが放流されているとのこと。







田代橋を渡ると、その後は上玉田川に合流してくる「赤沢川」に沿って、林道のすぐ南に位置する「百宅大森(890.3m)」の北面の山裾を反時計回りで回り込んでいきますが、しかし、道すがらに赤沢川の流れは全く見えていなかったです。

コース的にはただひたすら深い森の中を進んでいくだけな感じですが、紅赤色の紅葉が美しいヤマウルシが時折道端に現れて目を楽しませてくれました。







おお、手代奥山林道の路肩で時折見かけたウルシ科ヤマウルシの紅葉ですが、僅かに紫色がかった深みのある紅赤色がなんとも美しいな! 一枚の葉をとってみても、色付き方は単純に「紅赤色」の一言では言い表せないほど多彩な赤系統の色が混ざって複雑ですが、それも美しさの秘密ですね。







その後、左右の二手に分かれたこの地点に差しさかりますが、本線の手代林道は緩い登り坂になった向かって右方向。そして緩い下り坂になっている左方向はピストンの鍋倉林道で、かつては路肩に林道標が立っていたのですが、風雪に晒され続けて朽ち果てたのか、今回通りがかった時には無くなっていました。

というわけで、過去において鍋倉林道もすでに探索済み。後ほど手代林道を引き返しがてらに探索するつもりですが、まずは手代林道の紅葉林道探索を続行します。あと、それから画像では進行方向はWRのリア方向となっています。紛らわしいですが、これは帰りがけに撮ったので進行方向が逆になっているんですね。







そして手代林道から手代奥山林道に乗り継いで進むことおよそ4km、やがて唐突に右折分岐が現れますが、右に分岐しているのは上玉田川林道。

今回、手代奥山林道を再訪したのは、実はこの上玉田川林道のためだと言ってもよいのですが、それは上玉田川林道が手代奥山林道の迂回ルートになっているから。つまり、過去の探索時にはまだ完抜けしておらず立ち入ることもなかった上玉田川林道を、このたび紅葉林道探索ついでに走破してやろうと企てていたというわけ。

というわけで、手代奥山林道とその支線林道群の詳細林道マップを示しておくので、付近の林道網がチンプンカンプンな場合は参考にしてくださいね。







今から遡ること15年前、2007(平成19)年8月12日の手代奥山林道探索時にも通りがかっている上玉田林道分岐地点です。しかし、当時はまだ完抜けされていないピストン状態で、迂回ルートではなかったので立ち入らなかったのですが、実はそれが長年の心残りになっていたんだよな〜。







上玉田川林道
分岐の傍に設置されていた上玉田川林道を示す林道標。現在はこのように「上玉田川林道」と記されていますが、以前は「林道」ではなくて、「管理車道」に位置付けられていて、木杭には「上玉田川管理車道」と記載されていました。

まだピストンであった頃は管理車道扱いであったのが、その後の延長工事で完抜けされた時に林道へと変更され、それと同時に上玉田林道と記載されたこの林道標が設置されたのだと思います。もちろん推測ですけどね。







というわけで手代奥山林道から右折分岐で開始している上玉田林道に進路を変更。コース的には手代奥山林道の一部区間をパスして迂回することになりますが、迂回区間は帰りがけに通るので取りこぼしはありません。そもそも手代奥山林道は過去においてすでに探索済みなので、そういう意味でもルートに問題は全くありません。

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