猛烈な藪の壁の左部分を通過中。そこは土砂崩れ跡なので、堆積した土砂が小山のように盛り上がっていますが、躊躇せずエンジンにものを言わせて一気に駆け登り、屈強な草葉を掻き分けつつ慎重に下ってやり過ごすことができました。車道としては致命的な障害箇所ですが、オフバイク的には楽しい地点だったです。 | |
藪の壁を通り過ぎた先ですが、戦況は一進一退を繰り返します。思い出したかのように藪の密集地点が現れますが、基本的にはこのような緑の絨毯状態がほとんどだったかな。このような状況が延々とどこまでも続きました。 | |
「ここは本当に林道なのか?」そのように錯覚してしまうほど、緑一色で異様な雰囲気に包まれていた滝の沢林道のダート。位置的にはちょうど「高假戸山(たかげとやま / 541m)」の山腹を「大砂崩沢」に向かってひたすら下っている最中ですが、本当にここ、通り抜けられるのかな。ここまで進んだら引き返すのも大変だし、かなり気もそぞろ! | |
山腹の等高線をなぞるように細かなカーブを際限なく繰り返しつつ下っていきます。やたらと延長距離の長さを感じてしまい、どこまで進んでも一向に好転しない路面状況に不安もありますが、やがて現れるであろう全線走破の瞬間に、胸を膨らませながらひたすら前進。そこは楽観的にいきますよ。ここまでかなり下ってきたし、もういただいたも同然かもね! | |
おや、夏草でボーボーな路面に大きな土塊がべちゃっと堆積している地点に遭遇。雑草に覆われているので手前からだと気がつきにくかったですが、これも滝の沢林道で発生していた土砂崩れの一つ。雑草が土砂を覆っているところから察すに、発生してからだいぶ日数が経っているようですが、取り除かれることもなく放置が継続中である模様。これ、乗り越える時のモッサリとした感触が嫌だったなぁ・・・。 | |
そしてまたしても全身を拒む悪しき箇所が・・・。これ、見た目にはそこでダートが藪に完全埋没しているように見えていますが、実は壁のように密生する樹林の中に道筋の跡がなおも続いていたんですね。「またかよ!」と憮然としてしまいますが、引き返す気はひとかけらも持ち合わせていないので、またしてもここで偵察。いったいこれで何度めかな。
→ 偵察する! |
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想像以上に酷い状況が判明した偵察結果を受けて呆然と立ち尽くすWR。滝の沢林道へと入線してすでに数時間、ここから引き返すのも時間を喰って面倒くさいし、ここまで前進してきた苦労がパーになってしまいます。それになによりも、ここを超えてしまえば林道出口はもう近いはず。状況的にはそんな感じなので、進むべきか退くかで思いっきりジレンマ!
→ 景色を眺める! |
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「おお、やったぜぇ! なんとか抜けられた!」と報告したいところですが、それはちと考えが甘かった模様。実は先ほど偵察した難所地点は、どんなにヤル気と根性とガッツがあっても絶対に無理なんですね。その理由はここでWRの後方を眺めてみればすぐにわかりますが、そういうわけなので仕方なく一度林道を退出して県道を迂回、はるばる反対側の入口から難所地点の先へと回り込んだという次第。
→ 後方を眺める! → 付近を眺める! → 付近を眺める! |
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どうしても通り抜けられない崩落地点を一般道経由で迂回して滝の沢林道探索を再開します。反対側から崩落地点まで一度進んで、そのまま今来た道を引き返す形になりますが、林道が完全に分断されている以上、仕方ない苦肉の策です。というわけで崩落地点を過ぎるとダートはすぐにまとも状態に戻りますが、その先には崩落を警告するトラロープが張られていたな。 | |
雑草と藪にまみれた先ほどまでとは打って変わり、固く締まって走りやすいワダチダートが続きます。コース的には多砂崩に向かってなだらかに下っていきますが、険しい山岳地帯の林道らしく、時として予想以上に傾斜角度のキツい地点もありました。それがどれほどかと言うと、その直後にWRの身に起きた「悲劇」によってうかがい知ることができると思います。
→ 滝の沢林道の悲劇! |
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自然発進転倒によるまさかのクラッチレバー折れに少し動揺したものの、気を取り直して滝の沢林道終点に向けて前進再開。山腹の等高線をなぞるようにカーブを繰り返しながら進んでいきますが、道すがらの山々の眺望が傷心を癒して元気付けてくれたんだっけ。
→ 景色を眺める! |
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しかし滝の沢林道では崖崩れが多発しているな。ここはすでに復旧されていましたが、林道を分断していたあの路肩崩落箇所も含めて全線復旧の見通しはあるのでしょうか? ここ近年は毎年のように「50年に一度の集中豪雨」や、「数十年に一度の超大型台風」が列島各地を襲っているので、イタチごっこでそれも難しいのかもしれません。そのようにして以前は通り抜けできた東北の完抜け林道も荒れの一途をたどっていくんだよなぁ・・・。 | |
うわ、これは怖い! 林道右手の地層むき出しの崖がオーバーハングで切り立っています。林道開設の際に切り崩したのか、それともかつての崖崩れ跡なのかは定かでなかったですが、近い将来崖崩れを引き起こしそうな危うい箇所でした。しかし、危険な場所ほど山岳ダートらしい迫力があるもので、ここでは荒々しくて無骨な雰囲気がイイ感じに漂います。
→ 崖を見上げる! |
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荒々しさは山岳ダートらしくて好印象ですが、いつ崖崩れが発生しても不思議はない区間をさらに下って進むと、その先にもトラロープが張られていました。林道を奥まで進まないと知る由もないですが、これは路面崩落で林道が分断されていることへの処置ですね。ただし、逆方向からアプローチした場合は「そこまで荒れていないのになぜトラロープ?」と訝しく思ってしまうかもしれませんけど・・・。 | |
そして唐突ですが、トラロープの張られた直後に現れるY字の分岐地点が滝の沢林道終点になっています。当初はそのまま前方左方向、県道317号線に突き当たるまでの区間が滝の沢林道だと思っていましたが、そうではなくて滝の沢林道はこの地点まで。分岐は手前側が滝の沢林道、前方左から右方向はピストンの一の坂林道になっています。でも、ここには林道標が立っていないので、それに気がつきにくいですけどね。というわけで、県道に退出するにはここで左折、一の坂林道に乗り継ぐ必要がありますよ。
→ 振り返る! → 一の坂林道(右手)の様子を眺める! → 一の坂林道に突入! |
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というわけで分岐直後に大砂崩沢を渡って左手に下っていくのが一の坂林道で、県317号線に退出するには分岐を左折してここを進みます。林道名がここで一の坂林道へと変わるので、ここで滝の沢林道の探索は終了ですが、それにしても久しぶりに荒れた藪漕ぎダートを満喫できました。通過不可な路面崩落で予期せぬ迂回を強いられたのは痛恨でしたが、そのせいもあって朝一番で探索開始したというのに、この時点で既にお昼前。放置で荒廃しまくった林道の探索は慎重に進むため、どうしても時間がかかるものですよ。あはは。
→ 探索終了! |
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