滝の沢林道 / Takinosawa 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.08.12 / No.AK-068 
 [ 所在地 ]藤里町 [ 状態 ]完抜半ダート [ 接続林道 ]一の坂林道 [ 分岐林道 ]明星院林道・行人沢林道・スベリ沢林道
 序盤では峨瓏峡の渓谷美も楽しめるが、徐々に凶荒れしていく完抜け林道の成れの果て・・・

ストンもいいけど、「たまには未知なる完抜けルートの林道も探索したい!」と思いやって来たのが藤里町「藤琴」地区にあるの滝の沢林道。県317(西目屋二ツ井線)線を「湯の沢温泉」入口から西目屋村方向に1キロちょっとほど進むと「峨瓏大滝」のある親水公園があって、そのすぐ先の右手に「峨瓏峡(がろうきょう)」への入口がありますが、そこが滝の沢林道の入口になっています。手持の地図によれば北秋田市との境界の急峻な山中を巡って再び県道へと退出するルートで、延長距離もそこそこあって山岳ダートが満喫できそうな予感!
道に入口のある滝の沢林道起点の様子。「高山登山口(駐車場) 白糸二段の滝」と記された道標と林道標が設置されており、とくに何の変哲もないアスファルトの舗装路が県道沿の斜面の森を登ってスタートしています。この先、道すがらに滝が点在する峨瓏峡が続き、さらにその先には「高山(たかやま / 388.6m)」への登山口があるので、もしかしたらそこまでは林道も舗装されているのでしょうか?
→ 林道標を眺める!
道沿いの鬱蒼と樹木の茂る山の斜面を一気に駆け登るとコンクリ隧道が出現! これは斜面の崖をくり抜いた「峨瓏峡隧道」で、林道で隧道に出会うとなぜかそれだけで嬉しくなってしまいますが、急カーブの途中にあるため手前から出口は見えていません。そして隧道はどれほどの長さがあるのかと正面から眺めてみると・・・。
→ 周囲を眺める!
ぐ先に出口が明るく見えていました。天井からぴちょんと雫の垂れる真っ暗で長い隧道を期待しましたが、このように短くて雫も垂れていませんでした。ちなみにこの峨瓏峡隧道は平成5(1993)年に完成したものですが、素掘りだったら良かったのになぁ。
瓏峡隧道を抜けると、いよいよお待ちかねのダートが開始! すると隧道出口のすぐ先で左手に林道名由来の「滝の沢」が寄り添ってきて峨瓏峡と呼ばれるの渓谷区間が始まります。林道はその狭い渓谷伝いに遡っていくんですね。なお、この地点は林道入口そばの親水公園にある峨瓏大滝の上流に位置しています。
しい峡谷伝いに路肩のすぐ脇は落ち込む崖となったダートが続き、道すがらに大小無数の滝が点在して目を楽しませてくれます。早くも滝の沢林道の景観的なハイライト区間に差し掛かりましたが、ここは対向車とのすれ違いが怖いですね。駐車スペースはなくて四輪の場合は路駐も難しいので、滝を眺める観光客の姿を見かけることはなかったですよ。
→ 峨瓏峡を眺める!
谷伝いに崖っぷちダートが続きます。雨天時には沢の増水が怖そうな区間ですが、途中では落差が30mもあるという「白糸二段の滝」がありました。滝を眺められる地点に道標が立っており、路肩から眺めてみますが、沢筋ということでうんざりするほどメジロアブの襲来が酷かったです。それもあって真夏の峨瓏峡を訪れる観光客はほとんどいないんだろうなぁ。
→ 白糸二段の滝を眺める!
瓏峡随一の名所である「白糸二段の滝」を過ぎても峡谷区間は続き、やがて滝の沢左岸へと渡るコンクリ橋が現れますが、その名もずばり「滝の沢橋」。欄干に林鉄レールを再使用した橋であり、その上から峡谷の流れがよく見えています。立ち止まるとワ〜ンワ〜ンとまとわりつくメジロアブが最悪でしたが、お約束なので滝の沢の景観を眺めておきますよ。
→ 滝の沢(左 / 下流)を眺める!
→ 滝の沢(右 / 上流)を眺める!
→ 林鉄遺構!
右の崖がV字状に切り立った滝の沢の狭い峡谷伝いに進んでいきますが、よくもまあ、このような険しい地形の中に林道を開設したものだと感心してしまいます。ダートは切り立つ崖を切り崩して設けられており、路肩のすぐ脇は峡谷へと落ち込む断崖区間が続きますが、路面的にはまとも状態なので、常識をもって走るぶんには特に問題はありません。
ち込む断崖の底を流れる滝の沢の流れを眺めつつ進んでいくと、やがて沢の流れの中に直立する物体が見えてきます。「ん?」と思ってよく眺めてみると、それは林鉄の橋脚遺構でした。かつて林業で栄えた藤里町には「藤琴森林軌道」が存在していたそうで、ここ滝の沢には「藤琴林道滝の沢支線」なる軌道が延びていたらしいです。林鉄軌道は1968(昭和43)年に廃止されましたが、そのため滝の沢林道沿いに林鉄遺構が点在しているんですね。
→ 林鉄遺構!
谷の眺めと林鉄遺構が同時に楽しめるなんて「ここ、なかなかじゃねー」とえびす顔でホクホクしつつ、なおも滝の沢に沿って延びる崖っぷちダートをたどって進みます。やがて峡谷の切り立つ崖はなだらかな斜面となって峡谷区間は終わりますが、その後もしばらくは滝の沢伝いの沢筋コースが続きました。
「土場跡?」やがてダートは沢辺から離れて沢筋区間も終了します。地図上ではなおも滝の沢に沿って遡っていくコースですが、実際には道すがらに渓の流れは見えなくなって、山中の真っ只中を進むようになりました。すると不自然にぽっかりと広く開けたこの地点に差しかかりましたが、どう見てもこれは木材集積の拠点であった土場の跡。ただし、現在は使われていないらしく、一面に夏草むしていましたけどね。
場跡を過ぎると本格的に山深さが感じられるようになってきますが、するとY字分岐となったこの地点、すなわち「高山登山口」に到達しましたよ。分岐の右折側は高山への登山道、左折側は引き続き滝の沢林道となっており、路肩には車で乗りつける登山者用の駐車スペースが設けられています。しかし、真夏のクソ暑い中、マイナーな高山を登山する者はほとんどいないみたい。夏草でボーボー状態であった駐車スペースがそれを物語っていました。
→ 付近を眺める!
→ 登山道の様子をうかがう!
山登山口の分岐を左折して引き続き滝の沢林道の探索を続行しますが、しかしなんの規制もなくやって来れるのはこの地点まで。左折して鬱蒼とした森の奥に緩く登っていく滝の沢林道本線側にはまさかのトラロープが! 峨瓏峡や高山登山は町の観光資源なので、ここまでは観光客の四輪の便宜を図って路面の維持管理も実施するけど、以降の区間はその限りではないということ? その先に待ち構えているであろう荒れの予感がビンビンでした。
ラロープをセルフで失礼させていただき、その先に少し進むと右手に下って別れていくダート分岐を発見。道標の類はなにも設置されておらず、進むべき方向に悩んでしまうかもしれませんが、滝の沢林道本線は直進方向になっています。一方の右側は明星院林道なのですが、ぱっと見すると名無し系分岐にしか見えていません。しかし、分岐からは見えていない右手に下って少し進んだ地点に、密かに明星院林道の林道標が設置されています。
→ 林道標(明星院林道)を眺める!
→ 明星院林道に突入!
→ さらに滝の沢林道を進む!
→ 探索中止!
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