2022 北海道林道探索ツーリング 7月30日(土)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
3日目[5]  様似町「様似 Samani→ 広尾町「広尾 Hiroo もどる  






ガソリン給油量 6.88L 給油回数2回 ガソリン代 1236円 総走行距離 181.5km / ダート走行距離 86.8km トップへもどる


えりも町側の黄金道路区間の開始地点にある「望洋台」です。展望台があって黄金道路の碑が建っているだけで、自販機やトイレはありません。国道沿いの普通のパーキングといった感じですが、展望台からの眺めは素晴らしいので立ち寄っておきました。







うわぉ、これが湯水のように巨額の建設費用が投じられたという黄金道路かぁ! えりも町庶野から広尾町広尾までの約33キロの区間で、「日勝海岸道路」とも呼ばれるみたいです。途中には9つのトンネルがあって、その長さを合わせると12891m。つまり全区間の3分の1がトンネルなんだよな!

これから駆け抜ける黄金道路を目の前にして武者震いですが、こうして眺めている間にも何台もバイクが駆け抜けて行きました。日高から十勝へと向かう場合、距離は長くなりますが、「日勝峠」経由よりも黄金道路経由の方が楽しいと思います。







えりも町側から進むと最初に現れるトンネルは延長125mの「フンコツトンネル」で、入口が手前の展望台から見えています。







さらに進んで北海道では最長を誇る延長4941mの「えりも黄金トンネル」を通過中。出口が全く見えていませんが、それにしてもこの日は真夏日だったのに、トンネル内部は外と比べて気温が過激なほどに低かったな!

真夏の晴れた日でもトンネル内は震えるほどの寒さなので、気温の低い雨の日は、それなりの格好で通過しないと凍死しちゃうかも・・・だったですよ。いやマジで。





アイヌ語由来地名コレクション No5 ビタタヌンケ / Bitatanunke [ 広尾群広尾町 ]
黄金道路のえりも町と広尾町との境界付近の海岸に位置するビタタヌンケです。

現在は廃屋があるだけで無人になっている集落跡のすぐそばには2本の川があって、
明治時代の地図には「コイカクシュピタタヌンケッ(東の方を通るピタタヌンケ)」および、
「コイポクシュピタタヌンケッ(西の方を通るピタタヌンケ)」と記されており、
地名はこれらの川となにか関係があるらしいです。

また、アイヌ語で「ビタタ+ヌンケプ(宝物を+与えた所)」とする説もあるみたい。


順調に黄金道路を進んでいきますが、途中で欲が出ました。地図を眺めると海岸伝いに進む黄金道路からは、内陸方向へとピストンダートが何本も延びているのが確認できますが、ここらで黄金道路に起点がある林道に立ち入ってみるのもオツなもの。

というわけで「目黒トンネル(1876m / 画像左)」と「新宝浜トンネル(2438m)」の間、国道沿いの「目黒」集落の外れに入口があるダートに立ち入ってみます。







日高山脈の山裾を源として、黄金道路沿いの海岸へと注ぐ「ピタタヌンケ川」伝いに延びるダートをたどって進みます。しかし、入口からしばらく進んでみても林道標や標識の類は現れず、ここただの名無し系かと思いきや・・・?







やったぜぇ、林道標発見! その後現れた林道標によってシマフクロウ林道であることが判明しました。でもこれほどあからさまに動物名がつけられた林道も初めて。その先はどのようになっているのか興味津々、早速立ち入らせていただきます!







序盤は伐採跡地のような場所を抜けていきますが、やがてなだらかに登りとなって鬱蒼と木々が茂る森の中へと進み、良くもなく不可でもない路面状態が続きます。

林道沿いにはまるでシマフクロウでも棲んでいそうな深い森が広がっていますが、おそらく以前はこの付近の森にも絶滅危惧種のシマフクロウが生息していたのでしょう。もしかして「シマフクロウ」という林道名の由来ってそういうこと?







水量はささやかでしたが、恐ろしく澄んでいた林道沿いに流れるピタタヌンケ川。思わずすくって飲みたくなるほど清冽な沢の水ですが、付近にたくさん生息しているキタキツネのフンから流れ出たエキノコックスが怖いからなぁ。







だめだこりゃ・・・。シマフクロウ林道は地理院地図上では延長3キロほどのピストンですが、残念ながら末端まで進むことはできませんでした。前進するにつれて路面のクレバスが酷くなり、黄色テープの張られたこの地点より先は滅茶苦茶な状態に・・・。







シマフクロウ林道を退出して黄金道路に復帰します。林道出口を左折して広尾町方向に進路を取ると、すぐにえりも町から広尾町へと入って新宝浜トンネルの入口が現れますが、右隣には黄金道路の旧道区間の入口が見えています。







新宝浜トンネル入口の脇から入った黄金道路の旧道区間ですが、ここは凄えや! 右の路肩の脇は荒波が打ち寄せる海であり、柱の隙間から海が見えています。

台風や嵐の時は波を被るので通行止めになったというのも納得ですが、そんな道をかつては観光バスやトラックがばんばんに走っていたんだよな。







路肩の柱の隙間から顔を出すと、すぐ下に波打ち際が見えています。よくもまあ、こんな地点に道路を建設したものだと驚きますが、それが黄金道路たるゆえん。ここ、台風や大雨の時には凄まじい修羅場状態になっていそう!







黄金道路の旧道区間に設けられている昆布採りのための浜への降り口。旧道区間が完全封鎖されないのはこれがあるためですが、旧道を通るのは昆布満載な地元漁民の軽トラくらいなので、是非とも旧道区間を通ってみることをお勧めします。







路肩の堤防でぽつねんと一羽たたずんでいた「ウミネコ」ですが、ウミネコはカモメと違って黄色い目の周りに赤いアイリングがあるので目つきが鋭いんだよな。近づいてもこちらを無視するように平気な顔をして全然逃げなかったです。





アイヌ語由来地名コレクション No6 タンネソ / Tanneso [ 広尾郡広尾町 ]
R336(黄金道路)の「新宝浜トンネル」と「タニイソトンネル」との間にある地名。
漁具置き場の小屋があるだけの淋しい場所で、
「タンネソ」とはアイヌ語で「長い磯」を意味するのだとか。

松浦武四郎の「東蝦夷日誌」には「タンネソウの辺りは昆布のみならず海草が多いので出稼ぎが多い」と、
タンネソのことが記されています。


その後、旧道区間から現黄金道路に戻ってさらに北上しますが、この辺りの海岸ってアイヌ語由来の変な地名が多いんだよな。広尾町「ルベシベツ」の小さな漁村を過ぎた先にある「モエケシ」もそんな変わった地名の一つ。







モエケシ Moekeshi」と地名表記された標識が! いかにも北海道らしい地名ですが、通りがかりのライダーもこれが地名だって気がつくでしょうか? よし、ここもアイヌ語由来の地名コレクションに加えておくか!





アイヌ語由来地名コレクション No7 モエケシ / Moekeshi [ 広尾郡広尾町 ]
黄金道路の「ルベシベツ」と「音調津」の集落の間にあるなんとも変な地名モエケシです。
アイヌ語で「入江の終わり」という意味で、
元々はモエケシではなくて「モケシ」と呼ばれていたそうです。

そのため、現在は無人となって家屋もなにもないモエケシの集落跡を通る国道沿いには、
モエケシと記された標識と「モイケシ覆道」の両方があります。
アイヌ語由来地名コレクション No8 ヲナヲベツ / Wonawobetsu [ 広尾郡広尾町 ]
黄金道路のルベシベツと音調津の集落の間にある海岸沿いの静かな漁村がヲナヲベツ。

しかし、本来はヲナヲベツではなくて「オナウケオッペ」といい、
昔、アイヌの人が言ったところでは、
「滝があって山道の入口になっているブドウ蔓をひっかけて登り下りしたところ」の意味だそうです。


黄金道路沿いのあちこちに掲げられている「昆布作業中」の看板です。昆布採取の作業中ではなくて、ただ昆布とだけ記されているのがおかしかったです。あはは。

もどる ][ 3日目[1][2][3][4][5][6]へ ]