懐かしの下北 紅葉ざんまい林道探索 (3日目) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2021.10.23 
[1(1・2日目)] [2(3日目)] 
北紅葉林道探索の3日目は大湯温泉を出発して十和田南ICから東北自動車道→八戸自動車道→百石道路→第二みちのく道路→上北自動車道(無料供用)と乗り継いでむつ市へと移動します。本日の予定も基本的には移動だけなので、ちんたらのんびりと第二みちのく道路の料金所までやってきました。しかし、八戸周辺の高速道路網は以前と比べてえらく便利になりました。初めて下北半島を訪れた時は、八戸自動車道の終点である八戸ICから海岸沿いに一般道をひたすら走ってむつ市を目指したものですが、今は六ヶ所村まで高速だけで(上北自動車道と下北自動車道の間だけはつながっていません)行けてしまうのですが、これはかなりの時間短縮なんだぜぇ!
北自動車道は途中の上北ICで降ります。その後は斧の形をした下北半島の細長い柄の部分をガラ空きな県25号線で北上、尾駮沼にほど近い六ヶ所村尾駮「富ノ沢」地区まで移動。すぐそばに日帰り温泉「スパハウスろっかぽっか」がありますが、ここはかつて「六ヵ所温泉」が営業していた場所です。六ヵ所温泉は2714mという日本一深い深度から温泉を汲み上げていることがウリの立ち寄り温泉で、妙に油臭いナトリウム-塩化物強塩泉の熱い湯と露天が最高だったのを覚えていますが、10年以上も前に廃業してしまいました。画像は惜しくも廃業した六ヵ所温泉の現在の姿ですが、でもこの場所を再訪したのは温泉目的からではありません。温泉跡地そばに林道へと向かう入口がある二又林道を再訪して下北の紅葉具合を確認するためですよ。
ヵ所温泉跡から県24号線沿いにある林道入口へと移動。何年かぶりに懐かしい二又林道のダート開始地点へとやってきました。しかし、林道標はダートをしばらく進んだ先に設置されているので、ここには林道を示す証はなにもありません。

牧草地の紅葉
道からダートに突入すると風力発電の風車が立ち並ぶ広大な牧草地帯が現れて、柄の形をした半島の脊梁山地にそびえる「吹越烏帽子(ふっこしえぼし / 507.8m)」を前方に眺めながら進んでいきます。その吹越烏帽子のすぐ北には「御宿山(おつくしやま / 498m)」が位置していますが、二又林道はその御宿山に源を発する老部川に沿って、山地の深い森の奥へと分け入る長距離ピストン林道なんだよな。
こまでも広がる牧草地帯を抜けて林道標が淋しくポツンと立っている二又林道起点にたどり着きました。二又林道は11年前に探索済みなのですが、時を越えてそこに在り続ける林道標の姿に嬉しくなりました。それと同時に初探索時に感じるワクワクするようなトキメキを覚えますが、まあ、なにせ11年ぶりだからなぁ!
→ 林道標を眺める!

トチノキ

ニシキギ
点を後にして二又林道に入線すると老部川を渡ってダートはすぐに森の中へと入っていきます。すると先ほどまでの広々とした牧場風景が嘘であったかのように、木々が林立する深い森の雰囲気が立ち込めてきますが、それと同時に道すがらには黄色や赤に紅葉した樹木がさっそく出迎えてくれました。

ガマズミの果実

コシアブラ
ろ覚えな過去の記憶を呼び覚ましながら二又林道のダートを進んでいきますが、始終薄暗い森の中を進むのではなくて、所々で明るく開けた区間に飛び出します。そしてそのような陽当たりの良い地点では特に木々の紅葉が鮮やかでした。

ハウチワカエデ

ハウチワカエデ

ハウチワカエデ

ハウチワカエデ
ぁ、それにしても二又林道がこれほどまでに美しかったとは! 過去にこの林道を探索したのは重苦しい限りでむせ返るような緑一色に包まれていた夏の日でしたが、秋晴れの二又林道は夏の頃とはまるで別世界。道すがらに眺めるカエデの光り輝く紅葉の美しさは想像以上でした。それになによりも、執拗に纏わりついて林道ライダーを辟易とさせるメジロアブの大群や蚊もこの季節は全くいないしね。

オオモミジ

イタヤカエデ
葉の美しさは言うに及ばず、気候という点からみても林道探索はやはり秋がベストでしょう。基本的に暑さで汗ばむということがなくて虫も活動を潜めているので、夏と比較すると体感的にも極めて快適でした。ただし、秋は直前に台風シーズンが到来することで雨天も多く、ダートはビチャビチャとなっていることが多いみたい。気温が高くて乾燥した夏とは違い、雨で濡れた路面は陽射しの悪い区間では何日もそのまま。水溜りも1週間以上はそのまま残り続けるので、夏以上にバイクの足回りやシューズ、ウェア類がドロドロになるので、その覚悟だけは必要です。

オオミヤマガマズミ

熟した果実
の二又林道に限らず、林道には鬱蒼と茂る植林に囲まれて陽射しがろくに差し込まない暗い区間も多くあります。これは最近気がつきましたが、そのような場所では紅葉する樹木や木々は少なくて、そもそも秋になっても眺めるべき紅葉そのものがあまり見られません。薄暗い植林地をゆく林道ではありがちですが、そういう理由で紅葉林道探索では必然的に明るい場所の似たような画像が多くなっています。

鈴なりの果実
の林道では派手な赤色や黄色ばかりが目立ちますが、渋いブラウン系で落ち着きの感じられるナラやブナの黄葉も見逃せません。二又林道ではまだ落葉しておらずにちょうど見頃でしたが、なぜか見頃のタイミングがモミジやカエデと合わないことが多く、モミジやカエデが紅葉最盛期の頃に林道に出かけると、すでに葉は茶色く枯れてダートを落ち葉まみれにしていたりします。黄葉したナラやブナを目当てに秋の林道へと出かけることはまずないと思いますが、タイミングはいわゆる紅葉シーズンの初頭、まだ少し早いと言われる頃かな。

ハウチワカエデ
んな感じで紅葉の進行具合を確認しながら林道を進んでいきましたが、ここで由々しき事態が発生! なんとダートが唐突に草ボーボになっていたんですね。その先で路面崩壊もしくは倒木で車両の通行が途絶えているのは火を見るよりも明らかでしたが、しかし、二又林道は過去に探索済み。なのでその後の行動に迷いは微塵もなかったです。回れ右してとっとと林道退出することにしておきました。
ヶ所村の二又林道を退出したら迅速に隣接する横浜町に移動。「道の駅よこはま」にほど近い「横浜町立中学校」の正門前にやってきました。ここがその場所ですが、中学校前からダートが開始するピストンダートなイタヤの木林道の紅葉を楽しんじゃおうというわけ。しかし、中学校の前でコロナマスクにメット姿のお兄さんがデジカメ片手にウロついていると不審者丸出しなので、ここはすぐに立ち去ります。

伐採跡地の紅葉
浜町立中学校前からイタヤの木林道に入線すると、まずは横幅が12kmしかない下北半島の柄の部分の脊梁山地に向かってストレート区間が延々と続き、やがて左手に広大な伐採跡地が現れます。林縁で色付く紅葉をちらほら眺めながら水平コースでひたすら進みますが、トラックのタイヤ跡が刻み付けられて雑草が1本も生えていない路面状態から察するに、ここは現役で使用中の木材搬出系林道みたいです。

イタヤカエデ

トチノキ
道標発見! 林道沿いに連なる伐採跡地を通り過ぎると、ダートは本格的に森の中へと入っていきますが、するとイタヤカエデやトチノキが黄葉する森の真っ只中でなにもない地点にイタヤの木林道の林道標があったんだよな。
→ 林道標を眺める!
線林道発見! 道すがらにたまに現れる紅葉を眺めながらさらに前進していくと、ここで右手に分かれる赤カベ山林道が現れました。イタヤの木林道から分岐して山一つ隔てた南川台沢伝いに延びる延長距離2.6kmほどのピストンです。
→ 林道標を眺める!
たしても支線林道発見! 赤カベ山林道分岐から北川台沢沿いにさらに進んでいくと、今度はドンドリ沢林道の左折分岐が現れました。ドンドリ沢林道はイタヤの木林道の左手に位置する「八郎烏帽子(はちろうえぼし / 422m)」の山腹を駆け登るショートなピストンで、ここも木材搬出系の林道だったと思います。
→ 林道標を眺める!

トチノキ
かし、ここ最近は林道探索もなんだかうまくいかねーな。ドンドリ沢林道分岐を過ぎて進んだ先で撮影していたのですが、この直後にカーブの先から木材満載な林業トラックがやってきてしまうとは・・・。地図上では林道末端地点まであと僅かでしたが、すれ違う余地がなかったので急遽反転、そのまま林道退出を余儀なくされてしまいました。ぎっちりと路面に刻み込まれたトラックのタイヤ跡から鉢合わせの予感はしていましたが、林道の主役はあくまでも林業関係車両なので仕方ないですね。というわけで本日の林道は打ち止めにして予定通りむつ市の「むつ矢立温泉」に向かいます。
方の雨による移動ルートの変更はありましたが、むつ市街から恐山への途中にある本日のお宿「むつ矢立温泉」に到着して下北紅葉林道探索3日目も無事に終了。途中で林道を数本つまみ食いしましたが、本来の下北紅葉林道探索は明日4日目からがスタートです。しかし、通常ならば下北半島には自宅から夜駆けで翌日昼過ぎには到着するのに、今回は随分とのんびりとしているなぁ。すでに仙台と大湯温泉で2泊もしましたが、これもコロナの巣篭もりで鬱屈が溜まりまくったせいですかね。
→ むつ矢立温泉!
→ 紅葉林道探索4日目へ!
→ 探索中止!
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