2023 東北縦断 紅葉林道探索 〜 懐かしの地を再訪せよ! 〜 10月28日(土) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
1日目[3]  → 由利本荘市「猿倉温泉 鳥海荘 Sarukura Onsen もどる  






ガソリン給油量 20.67L 給油回数 7回 ガソリン代 3855円 総走行距離 641 km トップへもどる
もどる ][ 1日目[1][2][3][4]へ ]


鷹巣沢林道のダートは荒れ知らずで路面維持がよくなされているようで、その後も順調に進んでいきます。やがて「ヨシ沢」を跨ぐと、連続した登坂コースが開始しますが、道すがらの森の樹木はきれいに枝打ちされており、そのため鬱蒼とした暗さは感じられず、ここは意外にも明るく開けた雰囲気だったです。







道すがらに広がる森の斜面を覆う紅葉。木々が枝打ちされた林内は日光がよく届くため多くの下草が芽吹き、それらが一斉に紅葉していましたが、まるで斜面一帯がメラメラと炎を吹き上げて燃えているかのような光景でした。







伐採跡地に再び樹木が育った二次林の斜面を連続登坂コースでさらに進んでいきます。道すがらに広がる森は明るくて見通しも良く、おかげで林床を埋め尽くす低木や名も無き下草の紅葉がよく見えていてとてもきれい!







右の路肩に迫る斜面では、誰が植林したわけでもなく自然と芽吹いた低木や様々な下草が紅葉していました。さすがに山全体を眩いばかりの黄金色のカエデや、真紅のモミジで埋め尽くすようなダイナミックさはありませんが、個人的にはこような紅葉の方が好みか。じっくり眺めるほどに味わい深くてけっこうきれいです。







そして再び眺め上げた鷹巣沢林道の空。雲の隙間から覗く青空に紅葉が映えてきれいでしたが、相変わらず雲の流れは早かったです。今のところは晴れてイイ感じですが、いきなり急変するのが山の天気。一応、今日の午後の天気は雨の予報であり、いつ雨雲に覆われるとも限らないので警戒は怠れません!







ダートを進むにつれて木々は紅葉の最盛期を迎えてその色付きはより一層濃くなっていきます。紅葉林道探索としてはベスト過ぎるタイミングの良さに喜びを隠せず、独りニヤニヤしながら鷹巣沢林道の紅葉探索を続けますが、するとあからさまに危なっかしい崖崩れ現場に差しかかりました。







うひゃぁ! 林道において崖崩れは別に珍しくもないですが、しかし、露骨なまでに危なっかしくて、「いつでも崩れますよ」的な雰囲気がプンプンです!

現場はその場に留まろうとする岩石、そして落下させんとする重力作用との絶妙なバランスによって辛うじて事なき状態が得られていましたが、しかし、くしゃみ一つで突然崩れてくるとも限りません。さっさと通り抜けますが、鷹巣沢林道で崖崩れが発生するとしたら、たぶんこの場所である可能性が非常に高いと思います。







しかも、崩れ落ちた石片の大きいこと! 運悪く直撃したら、WR共々押し潰されるか弾き飛ばされるかでまず助からないと思います。落石の直撃は運の作用するところも大きいですが、うふふ、地盤の緩む雨天直後は要注意ですよ〜。







おお、これは! まるで山を燃やしているかのような紅葉ですが、眺めているのは林道路肩の危うい崖っぷち地点から。しかし、それにしても崖崩れ現場とか路肩の崖っぷちなど、危ない場所から眺める紅葉ほど美しい気がします。







そしてたどり着いた鷹巣沢林道の終点がここでした。土場跡らしきピストンではよくある回転場を兼ねた広場で、広場の末端地点からは低規格な作業道がさらにその先に延びているのを確認しましたが、林道としてはたぶんここが末端地点。なのでこれ以上の深追いはせず、ここで鷹巣沢林道の探索は終了にしておきます。







林道終点の広場の地面でヒモ状の植物が横に這いつくばって草叢になっているのを見かけましたが、これはタデ科のイヌタデ?

諺の「蓼食う虫も好き好き」のタデの仲間ですが、秋には細かく枝分かれした茎や細長い葉が血のような真紅に染まって紅葉します。樹木の紅葉ではなくていわゆる草紅葉ですが、よく眺めると深みのある真っ赤な紅色が美しかったりもします。







おお、これも壮絶な絡みつき方です! 遠目に眺めると樹木が黄色く黄葉しているように見えますが、そうではなくて、黄色く黄葉しているのは樹木に雁字搦めで巻き付いたブドウ科のツタ。

見上げるような高さの樹木を、黄色く染まった凄まじい量の葉が完全に包み込むツタの姿が圧巻ですが、秋の紅葉は最高に美しいけれど、触ると接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こすウルシ科のツタウルシとツタは別の植物です。ツタの葉は浅く3つに裂けていますが、ツタウルシは全縁で切れ込みがないので区別は簡単ですよ。







ふぅ〜、それにしても暑っちいなぁ! 昨夜の夜間高速移動時は寒かったですが、完全武装の防寒対策がここにきて裏目に出ちゃいました。 いくら秋の林道とは言っても、重装備で何枚も重ね着した状態でトコトコ走りで頻繁に立ち止まるような林道探索をしていれば、そりゃあ、汗も吹き出します。

つーわけで、あまりの暑さに耐えかねて、誰もいないのをいいことにその場で全部脱いでハダカ(ウソ)になってクールダウン!







美しい山々の紅葉に囲まれていた鷹巣沢林道終点の広場にて。誰もおらずシ〜ンと静まり返ったこの場所でしばしマッタリと過ごしてしまいましたが、さすがにピストン1本だけでは物足りません。今日の宿である鳥海荘に向かう前に、お代わりで次なる林道に向かうことにします。







やや!? 先ほどは青空も出ていたというのに、気がつけばいつの間にやら怪しい灰色の雲が・・・。しかし、まあ、今すぐ雨が降るということもあるまい。







鷹巣沢林道を速攻で退出して県70に戻ったら右折して再び県道を由利本荘市矢島町方向に進みます。すると1km先で現れるのがこの左折分岐です。







県道からの左折分岐はこんな感じですぐにダートが開始しています。しかし、入口付近に林道標が設置されていませんでした。したがって、よほどの未舗装好きなオフライダーでなければ、素性の知れぬこのようなダートに立ち入る気は起きないと思いますが、ここって実は西の又林道の入口だったりします。







その証拠にほれ、県道の入口からは絶対に見えていない入線してしばらく進んだ場所にちゃんと林道標が設置されています。それと同時にチェーンゲートの支柱が立っていましたが、嬉しいことに鎖は撤去されて廃ゲート化されていましたよ。







西の又林道
林道名だけが記されているシンプルな木杭タイプの林道標です。西の又林道はその名の通り「西ノ又国有林」の1039林班を流れる「西ノ又沢」沿いに山中を遡るピストンですが、その林道名が国有林名もしくは西の又沢なのか、それともその両方に由来しているのかについては不明。まあ、別にどちらでも構わねーですけど。







林道標設置地点を通過して西の又国有林のまっただ中を進んでいきます。入線直後は若干暗い雰囲気がしていたのですが、やがて西の又沢の谷間沿いの開けた区間が現れて、雰囲気は少し明るくなってきます。それと同時に道すがらには山々の斜面を彩る紅葉がよく見えるのでとても良い雰囲気です。







そして路面状況も良好。秋色に染まった森の美しい景色と雰囲気を味わいながら固く締まったフラットダートをのんびり前進します。







トチノキ科のトチノキです。仏名はマロニエ。北海道から九州までの山地の渓流沿いに自生し、大きな葉が5〜7枚が掌状に生えるその形から「天狗の団扇」とも呼ばれ、街路樹として都市部でもよく見かけます。

秋には黄色く黄葉し、時間の経過と共に橙色を帯びた後にやがて枯れていきますが、このように同じ木でも葉によって色づき具合は様々。まだ緑色をしたものや、すでに橙色になった葉が確認できますね。







うむ、これはムクロジ科のヤマモミジだな。主に日本海側の多雪地域に自生しますが、太平洋側でよく見られるイロハモミジとオオモミジの変種もしくは亜種とされ、紅葉は黄色から赤色、橙色まで様々で多彩。西の又林道で見かけたこのヤマモミジは黄色く色付き始めていましたが、緑色から黄色へのグラデがとてもきれい。







さらに西の又林道のダートを進んでいきますが、所々で傷んだ路面を補修すべく真新しいバラストが補充された箇所を見かけました。おかげでダートは荒れ知らず。のんびりマッタリとした紅葉林道探索を楽しめてしまうのが嬉しいなぁ!







しかし、わざわざ路面維持作業が行われているということは、裏を返せば関係車両の通行がそこそこあるということ。やがて路面をえぐるように刻み付けられた木材搬出系林業トラックのタイヤ跡が現れてしまいます。







その後、林業トラックの通行によって軟泥化していたダートをたどっていくと、ここにきて路面状況が著しく悪化! すなわちダートがぬちゃぬちゃな一面の泥の海と化してしまいます。路肩には空荷のフォワーダがぽつんと留め置かれていましたが、どうやらここは木材搬出の拠点である土場になっているみたいだな。









おえぇ〜、これは酷い泥海です! 木材搬出の林業トラックや、伐採現場から木材を運搬するフォワーダなどの通行で著しく捏ねられた路面はまさに悪夢。雨水をたっぷり含んでぬっちゃりとしたトロトロな路面は超スリッピー!

こんな所で転倒したら全身泥まみれになって悲惨の一言なので、さらに進むかそれとも引き返すべきかで思案しますが、ここは一つ前進してみるか!

もどる ][ 1日目[1][2][3][4]へ ]