2023 東北縦断 紅葉林道探索 〜 懐かしの地を再訪せよ! 〜 10月30日(月) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
3日目[3]  → 関川村「高瀬温泉 Takase Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.06L 給油回数 3回 ガソリン代 1495円 総走行距離 290 km トップへもどる
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通行止看板に一抹の不安を抱えながらも県58を進んでにかほ市に入りました。燃えるような紅葉に覆い尽くされた鳥海山の北面斜面を徐々に降りながら進んでいきますが、道すがらの美しい紅葉に目を奪われてしまい、その都度立ち止まってしまうので、この区間はなかなか先に進めませんでした。







うおぉーっ、凄げえや! まさに「錦繍」というに相応しい美しさで魅了してやまない鳥海山北麓の紅葉最盛期の眺めです! 澄み切った秋晴れの空と、山々を覆い尽くす燃えるような紅葉のコントラストが最高にきれいだな!







そして遥か遠方の北西方向に目を向ければ、眼下には日本海に面した街並みが見えていましたが、あれは旧「金浦町」もしくは旧「仁賀保町」の辺りかな? どちらも平成の大合併で現在のにかほ市に吸収合併された町ですね。







鳥海山山麓に広がるダイナミックな、そして紅葉時ならではのパノラマを堪能しつつさらに県道を進んで行くと、やがて「↑5km 中島台レクリエーションの森」の道標が現れましたが、ここで左手を眺めると地点に古ぼけた山小屋を発見!







県道沿いで見かけた山小屋です。最初は宿泊施設の類かと思いましたが、よく眺めると外壁に「本荘高校山岳部OB会 中島台山小屋」の看板が掲げてありました。訪れた時には人の気配は全くなかったですが、ここは一般登山客用ではなくて、「秋田県立本荘高等学校」山岳部の専用小屋になっているみたいだな。







その後、びくびくしながら通行止め区間に侵入しましたが、結局、大した工事箇所も見られず物理的な前進不可能地点は現れなかったです。そのせいか、近在の皆さんも自由に通行しておられるようで、所々に置かれた単管パイプのバリケードはすべて脇に除けられていたんだっけ。おかげで助かりました。







その後、鳥海山北麓の山中をひたすら下って進んで行きますが、木々が切り払われて広大に開けた伐採跡地の傍を通りがかりました。伐採跡地に色付く紅葉の眺めが素晴らしかったので、路肩に立ち止まって眺めておきます。







おお、これは美しいな! 伐採跡地の区画の端に壁のようの連なる紅葉の壁。その先、なだらかな斜面を染め上がるように紅葉が広がり、針葉樹の緑色と鮮やかな黄色や赤色が混ざり合って素晴らしい景観を見せています。紅葉のあんまり過ぎる美しさに目を奪われてしまい、しばし、その場で眺め入ってしまいました。







標高823mの由利本荘市との境界地点から山道を駆け下ること高低差362m。やがて巨大な県道ゲートが現れますが、ここは「中島台レクリエーションの森」。ゲートのすぐ先の左手に駐車場が見えていますが、鳥海山の中腹、ブナ林が広がる標高461mの森に設けられたレクリエーション用の森らしいです。

中島台レクリエーションの森では幹周りが日本一太い「あがりこ大王」や「あがりこ女王」といった珍しいブナの大木が見られるようですが、先を急ぐのでパス。当方の目的は巨木巡りではなくて、あくまでも「林道」なのでね!







中島台レクリエーションの森を後にして、鳥海山の山麓に広がる広大な針葉樹の森の真っ只中を直線主体でなだらかに下っていきますが、県58は行き交う車の姿もほとんど見かけず、ほとんど高速道路状態。標高も400m→360m→320mと徐々に低くなり、それに従って道すがらに紅葉も見られなくなってきます。







その後、「湯ノ台温泉」を通り抜けて秋田県にかほ市「象潟町小滝」に到着したら、そこで県131(鳥海ブルーライン)へと左折。これより鳥海山を目指しますが、その前に象潟町小滝の県道沿いで見かけたJA「上郷給油センターSS」で忘れずに給油しておきます。ハイオクL / 182円で1.95L(354円)入りました。







給油を終えて鳥海ブルーラインを進んでいくと、やがて人家も途絶えて徐々に標高が上がっていきますが、ここは道すがらに立ち寄った駐車場。ボロい公衆便所があるだけでなにもない駐車場ですが、鳥海ブルーラインは最終的には標高1160mまで登り詰めるので、この場所で今のうちに防寒対策をしておこうというわけです。

ちなみに鳥海ブルーラインの冬季閉鎖は11月17日(金)から。ちょうどその3週間前であり、この季節の標高1160mはさすがに寒かろうと思ってのことで、具体的にはウェアをもう1枚重ね着してネックウォーマーを装着するだけですが、寒い季節はこの一手間が快適さの大きな違いとなって現れてくるので怠れません。









防寒対策が整ったら、連続勾配の鳥海ブルーラインをエンジン全開でガンガンに登坂していきます。低山帯から山地帯、亜高山帯へと標高が上がるにつれて道すがらの景色も変化していきますが、途中で路肩に見晴らしの良さそうな路側駐車帯が現れたので、ここでいったん停止します。







うおおーっ、こいつは素晴らしいぜぇ! 鳥海山北西の中腹を駆け登る鳥海ブルーラインからの景観ですが、眼下には真っ赤に燃える紅葉の中を九十九折りで登坂してくる鳥海ブルーラインの道筋が、そして遥か下方の山裾には緑の田圃が広がる象潟の町が、さらに視線をその先に向ければ日本海まで見えているじゃないですか!







鳥海ブルーラインから北西方向に見下ろした象潟の町。平成の大合併でにかほ市になる前は「象潟町」だった場所ですが、遮る物がなに一つない「抜けるような景色」というのはまさにこのこと! 気温は肌を刺すように冷たかったですが、キーンと張り詰めて澄み切った秋の空気が最高に清々しかったなぁ。







冬季閉鎖も近い平日ということもあって、先行車に追いつくこともなくガラガラな貸切状態であった鳥海ブルーラインを一気に駆け登って鳥海山の5合目に到着!

5合目には大型観光バスも余裕で駐車できる広い駐車場があって、宿泊可能な「鉾立山荘」や「鉾立ビジターセンター」、「鳥海展望台」などもあり、観光客に人気の観光スポットになっていますが、思えばここも16年ぶり!







夜間通行止期間中
鳥海山ブルーラインは秋田・酒田方面両方のゲートが17時で閉鎖となります
早めに下山してくださるようご協力のほどお願い致します
このクソ寒い秋の季節、真夜中に鳥海山5合目を目指す酔狂なライダーはいないと思いますが、冬季閉鎖直前の期間は夜間通行止めになるので注意してくださいね。







鳥海山5合目に到着したら、うまい具合に空いていた駐車場の一番端っこの眺めの良い場所にWRを停車。縁石に腰を下ろして鉾立山荘の自販機で買ったホット缶コーヒーで温まりながら景色を眺めてしばし休憩します。







うひゃぁ! 鳥海山5合目の駐車場から眺めた雄大なパノラマです! ここ5合目から平野部へと駆け下る紅葉に染まった山腹、そして風力発電が連なる山裾の丘陵地帯、さらには水平線で空に溶け込む海までもが一望できましたが、眺めているのは鳥海山の北に位置する由利本庄市「西目町(旧西目町)」方向。







おお、眼下には無数に連なる風力発電の風車が! 眺めているのは、にかほ市の「にかほ第二風力発電所」と秋田県由利本荘市の「ユーラス西目ウインドファーム」かな。共に風況の良い仁賀保高原に建設された風力発電所で、鳥海山麓の仁賀保高原をツーリンすればあの風車群を間近に眺めることができますよ。







そしてこれは5合目のすぐ東にそびえる「稲倉岳(1554m)」。登山は嗜まないため山には詳しくなくて、一瞬、こいつが「鳥海山(2236m)」の山頂なのかと思ってしまいましたが、どうやら違うみたいだな。

稲倉岳は鳥海山から連なる峰の一つに過ぎず、それに鳥海山は稲倉岳よりも標高が高いんですね。稲倉岳は山頂付近がうっすらと積雪しているのが確認できましたが、訪れた時はタイミング悪く山頂が雲に隠れた状態だったのがちと残念。







おお、これは凄まじぜぇ! 5合目駐車場の片隅にある鳥海山展台に登ってみると、目の前には奈曽川の深い谷間越しに稲倉岳の急峻な斜面が広がっています。自然が造り出したダイナミックな地形に圧倒されますが、それと同時に凄まじい急斜面い色付く紅葉もまた素晴らしかったです。







奈曽渓谷 Naso Valley
奈曽渓谷は鳥海山の6合目付近から北西側に伸びる深さ約300〜500mもある大きな渓谷です。
幅は広いところで約1000mもあり、みごとなV字谷をつくっています。

展望台の真下の深さは約340mで、
ここに東京タワーを持ってくると目の間にちょうど東京タワーの先端が見えるほどです。

谷底を流れる川は奈曽川です。
とても長い時間をかけて渓谷を削って谷が深くなり、その角度は50度を超えると言われています。

奈曽渓谷は鳥海山山麓でもっとも深く侵食された渓谷ですが、
なぜここだけが選択的に削られているのかまだはっきりわかっていません。
駐車場から徒歩30秒で行ける鳥海山展台に掲げられていた案内板。目の前に広がる奈曽川の凄まじい渓谷について説明されており、訪れていた観光客が入れ替わり立ち替わりで案内板と景色を眺めていました。







おお、目も眩むような深さだぜぇ! これがその奈曽渓谷ですが、谷底までの高低差はおよそ300mくらい。できれば斜面を谷底まで降りて渓谷の紅葉をもっと間近に眺めたかったのですが、もちろんそのような道があるはずもなく、展望台から一歩足を踏み出そうものなら滑落は確実。死亡はまず免れませんなぁ。







鳥海山5合目でしばし時を過ごしたら次なる林道に向けて出発。まずはこのまま鳥海ブルーラインを進んで秋田県にかほ市から山形県「遊佐町」へと県越えし、そのまま日本海に面した「吹浦」地区まで一気に下っていくのですが、出発直後に出鼻を挫くかのようにいきなり片側交互通行信号待ちが・・・。ちぃ、仕方ねーな。

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