2023 東北縦断 紅葉林道探索 〜 懐かしの地を再訪せよ! 〜 10月31日(火) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
4日目[2]  → 矢板市「赤滝鉱泉 Akataki Kousen もどる  






ガソリン給油量 6.56L 給油回数 3回 ガソリン代 1260円 総走行距離 219.6 km トップへもどる
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県境の飯豊トンネルを抜けると下り坂が始まり、やがて「小白布沢大橋」が現れます。「小布白(こしらにさわ)沢」支流の「境沢」に架かる全長112mのアーチ橋ですが、ここは絶好のビューポイント。橋上から見渡す紅葉に覆い尽くされた山々の眺めが最高に素晴らしいので、迷うことなく立ち止まって景色を眺めておきました。







おお、こいつは凄げぇ! 眺めているのは右手の境沢上流方向ですが、燃えるような紅葉に覆い尽くされた山肌が屏風のようにそびえ立っているじゃないですか! そしてあの斜面のすぐ先の県境には「牛ヶ岩山(1401.8m)」と「五段山(1312m)」がそびえているのですが、さすがにそこまでは見えていねーか。







うひゃぁ、物凄い高さです! 橋上から身を乗り出すようにして垂直に見下ろしてみると、谷底には色とりどりに美しく染まる木々の間を縫うように境沢が流れていますが、境沢は飯豊山地の奥深く、山形県との県境に位置する牛ヶ岩山に源を発する沢で、ここはその最上流の源流部付近かな。







続いて橋上から左手を眺めてみると、こちら側にはV時に深く切れ込んだ谷底を流れ下る境沢が見えていますが、それにしても谷間を埋め尽くす紅葉が見事だなぁ! 日本には紅葉で彩られた谷の風景を表す「谿紅葉(たにもみじ)」と呼ばれる言葉がありますが、ここはまさに谿紅葉が爆発状態!







飯豊トンネル出口から小白布沢伝いに下ることおよそ5kmで喜多方市「川入」の集落に到着しましたが、ここが一の木林道の終点になっています。飯豊山や御沢、地蔵山登山口方向へと向かう道が右に分かれていく地点で、以前はここに一軒宿の飯豊鉱泉があったのですが、でもとっくの昔に廃業済みになっています。







林道 一の木線 起点
川入集落にある一の木林道終点をブラついていると、路肩に「林道一の木線」と記された林道標を見つけました。延長距離は5744.1mと記されていましたが、その距離は飯豊トンネル内部の県境地点までの距離と同じ。

ということは、やはり飯豊トンネル内部の県境地点が飯豊檜枝岐林道との接続地点になっているみたいだすが、しかし、どちらの林道も共に味気ない2車線舗装路なのでそんな事は別にどうでもいいか・・・。

ちなみに小白布沢流域のこの辺りにはマンガン鉱床があって、1937(昭和12)年頃にはマンガン鉱山の「山都鉱山」が稼働しており、また、小白布沢沿いには林鉄軌道も敷設されていたそうです。しかし、山都鉱山はやがて経済状況の悪化と低品位化によって廃鉱となり、林鉄軌道も遠い昔の1946(昭和21)年頃に廃止済み。つまり、林鉄軌道時代の痕跡は皆無ですが、実は一の木林道は林鉄軌道跡だったりもします。







一の木林道を退出したら道なりに下って進み、県383→県385→R459のルートでJR磐越西線「山都駅」まで移動。その後は駅のそばで踏切を渡って県43→県61→県336と進んで会津坂下町に入り、JR只見線「会津坂下駅」付近に到着したタイミングでR252沿いのエネオス「会津坂下西SS」で本日2度目の給油です。

ハイオクL / 192円で2.24L(430円)入りましたが、次の給油ポイントは会津地方を南に縦断した先の南会津町の会津鉄道「会津田島駅」付近を予定。







会津坂下で給油を済ませたら会津坂下町から柳津町→昭和村と進み、ただいま南会津町の会津田島駅を目指してのんびりツーリング気分で移動中。

途中で通りがかった柳津村の「博士山(1481.9m)」の西麓では、17年前の2007(平成19)年に探索した境の沢林道を懐かしく思い出し、また、せっかくなので会津ではお約束の川俣檜枝岐林道とか田代山林道を経由してみようかとも思いましたが、何度も訪れているし、大幅な遠回りになるので今回はパスしておきました。







その後、何事もなく南会津町に入って会津鉄道の会津田島駅付近の町中に到着した所でR121沿いのアポロステーション「会津鎌倉崎SS」で3度目の給油をします。本日最後の給油ですが、ハイオクL / 194円で1.97L(382円)入りました







給油を終えたらR121を日光方面に少し進んだ地点で見かけたセブン会津田島新町店にピットイン。ホットコーヒレギュラー(110円)で一服しますが、ここから今日の目的地である栃木県矢板市の赤滝鉱泉までの距離はおよそ60kmほど。のんびり走っても暗くなる前に到着できる距離なので急ぎません。







コンビニでゆっくり休憩したら移動再開。会津田島からR121を日光方面に南下して栃木県への県境の「山王トンネル(465m)」 に向かって進んでいくと、紅葉シーズンのためか平日にもかかわずツーリングのバイクを結構見かけましたが、中には荷物満載で「日本一周中」のボードをリアに掲げた原チャリも!

当方の場合はさすがに原チャリで日本一周はしたことないですが、かつて学生時代に新車で購入直後の「セピアZZ」に跨り、神奈川県から青森県下北半島の尻屋崎まで海岸伝いに2週間かけて往復したことならありますけどね。

あー、それから原チャリといえば、当方が初めてダート林道を走ったのも50ccのスクーターだったなぁ。訪れたのは山梨県の南アルプス林道。現在のように自転車も含めて通行規制される前のことですが、砂利道をガス欠とパンクの恐怖に怯えながら芦安温泉から奈良田温泉へと必死に走り抜けたことを懐かしく思い出しちゃいました。







県境の山王トンネルをくぐり抜けて日光市に入ったら野岩鉄道会津鬼怒川線「上三依塩原温泉口駅」付近で左折して那須塩原温泉へと至るR400に進み、那須塩原温泉に到着したらの温泉街の外れにある県266沿いのファミマ塩原温泉店に立ち寄ります。

ここは会津方面の林道探索からの帰りなど、那須塩原温泉を通りがかったさいには必ず立ち寄るコンビニ。今回もお約束で立ち寄りましたが、ついでに今晩の晩酌用の地酒カップを購入したんだよな〜。







ファミマ塩原温泉店を出発したら県266→R400と進み、国道を東北道「那須塩原IC」方向に少し走ると右手に現れる県56に右折します。通称「八方道路」と呼ばれる県道に入ると、すぐに額を地面に擦り付けるような心臓破りの急傾斜となった九十九折りの登坂区間が始まって一気に標高を上げていきます。







その後、途中で1972(昭和47)年に有料道路として開通し、2020(令和2)年12月10日に料金徴収期間が終了したことで同年12月11日から無料化された「日塩有料道路」方向へと向かう右折路が現れますが、掲げられている道標の「矢板 八方ヶ原」に従って右折路は直進してさらに高度を上げていきます。

すると道すがらに見られる橙色系の紅葉の中に混ざって、ワインレッドのような臙脂色に染まったオオモミジの紅葉がちらほらと目につき始めてきます。県道は交通量も少ないので路肩に立ち止まって見上げて眺めましたが、しかし、ここは焼き芋が1000個くらい焼けそうなほど大量に吹き溜まった落ち葉が凄かったな〜。







那須塩原市と矢板市、塩谷町、そして日光市が隣接し合う「高原山(1795m)」に源を発し、下流に「雄飛の滝」や「咆哮霹靂(ほうこうへきれき)ノ滝」がある「スッカン沢」を渡る「雄飛橋」と通過中。わざわざ遊歩道を歩いて滝見物はしませんでしたが、その代わり橋上から紅葉を眺めておきます。







橋の右手、スッカン沢上流方向の眺めです。沢の谷間を取り囲む斜面の木々が赤色や黄色、橙色でカラフルに紅葉しており、ここスッカン沢は紅葉の名所になっているとのことでしたが、しかし、紅葉最盛期の鳥海山や飯豊山地の紅葉を眺めた後では目が肥えてしまい、どうしても地味さが否めなかったんだよなぁ・・・。







飛雄橋から直下に見下ろしたスッカン沢とその水辺の紅葉。紅葉自体は平凡でしたが、スッカン沢を流れる水がとてもきれいだな〜。

ちなみに「スッカン」という変な名称ですが、それは「すっからかん」のスッカンではなくて、「酢辛い」のスッカンなのだそうです。

スッカン沢の源流は高原山のカルデラ跡にあるため、沢水には鉱物や炭酸などの火山成分が多く含まれていてるのですが、そのため昔の人は沢の水が辛くて飲めず、「酢辛い沢」と呼んでいたのが訛って「スッカン沢」になったんですね。







スッカン沢のきれいな水。僅かに青みがかっているようにも見えますが、スッカン沢の水には火山成分が含まれているため、場所によっては水が青白く見えることがあって、それを地元では「スッカンブルー」と呼んでいるそうですよ。最近はなんにでも「ブルー」をつけるのが流行りですが、にしてもスッカンブルーとはなぁ・・・。







あー、それから、スッカン沢を渡る古ぼけたコンクリの廃橋がありました。おそらく現在の飛雄橋へと付け替えられる以前に使われていた県道の橋だと思います。







スッカン沢を渡るとジグザグに何度も切り返す九十九折りで、これまで以上にさらに急激な勾配角度で登坂していきます。日光の「いろは坂」のミニチュア版といったところですが、行き交う車両の姿もほとんどなくて、道すがらには景色がとてもよく見渡せていたので路肩に立ち止まって眺めておきました。







あぁ、きれいな眺めだな〜。九十九折の登坂区間の途中で立ち止まって眺めた景色ですが、眼下に広がる谷間は先ほどの雄飛橋から眺めたスッカン沢。V字となった谷間の斜面には紅葉の様々な色彩が散りばめられて、それはまるで様々な形と大きさの布片をはぎ合わせたパッチワークみたい!







そして直下には180度の切り返しが連続するヘアピンカーブで登坂する県56の路面が見えています。日光のいろは坂は秋の紅葉シーズンともなると、激しい渋滞に見舞われますが、県56は全くの渋滞知らず。先行車に追いつくことも、対向車とすれ違うこともほとんどなかったですよ。







九十九折りの急激な登坂区間を登りきって標高が900mを超えた辺りから登り坂は緩やかになり、落ち着いた雰囲気になってきます。道すがらには広葉樹の森が広がり、ときおり現れる真紅に染まったオオモミジの紅葉が目を楽しませてくれますが、もっと間近で眺めるべく、ちょっと森に中に立ち入ってみることにします。







路肩にWRを留守番させて森の中に立ち入ります。位置的には那須塩原市と矢板市の境界付近に広がる標高1000mほどの森ですが、まだ冬枯れする時期には早いのに、早くも落葉してハダカになった樹木が目立って森はとても淋しい雰囲気。でもおかげで見通しは良く、点在する紅葉の赤色や橙色がとてもきれいでした。







秋枯れした樹木の灰色と、落葉まみれの茶色が広がる森の中では、ポツポツと点在する真紅に染まったオオモミジの鮮やかさが一際目立ちます。まさに「奥山に〜、紅葉踏みわけ鳴く鹿の〜、声きく時ぞ秋は悲しき〜」の世界。今にもシカの物哀しい鳴き声が森の奥から聞こえてきそうで、秋の物悲しさを感じてしまった瞬間でした。

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