林道が消滅する瞬間  〜在りし日のヒシ形を求めて〜 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2020.03.22 
山武市のマニア林道群 [1] [2][3] 
央道山武成東インターにほど近い山武市椎崎「戸田新田」にある戸田支線林道の起点にやって来ました。すぐそばに青いトタン壁の民家がそばにある変哲のない十字路であり、そこが「林道」と言っても、はなはだ実感の湧かないただの一般生活道路状態。だからこそ、そこにヒシ形を見つけた瞬間の喜びもまた大きかったんですね。というわけで、初探索から14年が経過した今も戸田支線林道のヒシ形はそこにあるかな〜?
→ 平成18(06.10.28)年の様子!
→ 過去のヒシ形!
ぁ、やっぱりな。かつて戸田支線林道のヒシ形が立っていた地点ですが、支柱の残骸はおろか、その痕跡は全くなかったです。知らぬ間に山武市では林道標消滅の嵐が吹きまくったらしく、ここも無残な状態になっていました。デジカメ片手にヒシ形跡地を眺める当方を、通りがかりの車が怪訝そうに眺めていきますが、「以前、ここには戸田支線林道のヒシ形があったんだぜぇ!」と、無性に教えてあげたかったですよ。
→ 過去のヒシ形!
つてヒシ形が立っていた今の戸田支線林道起点を振り返るとこんな感じ。ヒシ形が失われたことで完全に一般生活道路と化しています。厳しい現実を見せつけられてしまいましたが、それにしてもまだヒシ形が残存していたあの頃が懐かしいぜぇ・・・。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
つてのヒシ形設置地点を後にして戸田支線林道を辿りますが、延長距離1272mという短い林道にもかかわらず、正確な林道区間の特定が困難なことも戸田支線林道の特徴です。山奥の1本道的な林道ならいざ知らず、丘陵や平野に位置するマニアな林道は一般道との交差や分岐も多いので、それがとてもわかり難いんだよなぁ。画像は14年前のものですが、途中で現れるこの分岐の先、林道区間は直進方向か、それとも右折方向なのかでかなり迷いました。
ちらは分岐の直進方向。風が吹くと土埃が酷い畑の脇をのんびりと舗装路が延びています。こちらが林道区間なのかと思って進んでいくと・・・。
ぐ先で左手に「山武グリーンカントリー倶楽部」の敷地が現れ、道はそこで2車線道路となって下り、やがてゴルフ場入口を過ぎた先で県76号線に突き当たります。ゴルフ場は平成6(1994)年に建設されていますが、それ以前はここに道そのものが無かったことから、やはり分岐の直進方向は林道区間でないと見るのが妥当だと思います。ちなみに県道を左折すると、600mほど先に圏央道「山武成東インター」があります。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
してこちらは分岐の右折方向。ビニールハウスの並ぶすぐ脇を農道チックな舗装路が延びています。メット姿でデジカメを構える当方に、農作業のお百姓さんが向ける視線が相変わらず痛かったですが、戸田支線林道の続き区間は多分こちら。過去の探索ではそう睨み、県道への突き当たりから引き返して戻り、分岐を右折して進み直したものでした。
圃の脇を抜けていくと、やがて道沿いに山武市椎崎「観音谷」地区の民家が立ち並び、県76号線の旧道らしきT字路に突き当たります。起点から1272mという距離にも合致することから、おそらくここが戸田支線林道の終点ですが、この地点にそれを示すヒシ形は設置されていません。もちろん林道の匂いは皆無で、どう見てもただの一般生活道路状態であることは今も以前もなんら変わりありません。場所もわかりにくいし・・・。
道の痕跡がなにも残っていなかった戸田支線林道を後にしたら、次はこのエリアでは貴重なダートが残存する延長距離1200m湯坂林道を再訪してみます。起点は山武市「湯坂」にある田圃の脇。なんの変哲のない畦道を思わせるここがその地点です。JR総武本線「日向駅」から県76号線を「成東駅」方向に進み、圏央道の高架を潜った直後に踏切を渡って右折、道なりに進んだ先を今度は左折して道なりに進むとたどり着きます。
圃の畦道然とした湯坂林道の入口。「ここは農道じゃないのか?!」とも思ってしまいますが、その先をよく眺めてみると、砂利道はそのまま前方に広がる森の奥へと延びていることに気がつきます。しかし、付近には怪しいお風呂屋さんがあるだけで、林道のヒシ形はここには設置されていません。今でこそネットでその名をたまに見かけますが、以前は前もって林道の存在を知らないとまず気がつかなかったです。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
ぇ?! 山武市界隈の林道では貴重なダートであった湯坂林道ですが、いつの間にか路面がコンクリで簡易舗装されているじゃないですか! 久方ぶりに訪れた湯坂林道だけど、この様子では終点に設置されていたヒシ形も残存しているかどうかも危ぶまれるぜぇ・・・。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
れでも林道末端区間にはダートが僅かに残されていたみたい。湯坂林道は延長距離も短くて、「新千葉カントリー倶楽部」の管理道そのものなので、林道を末端まで全て舗装する意味はないのでしょう。森の倒木は昨年の大雨と台風のせいでしょうか?
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
してたどり着いた湯坂林道の終点です。ここは新千葉カントリー倶楽部のグリーンのすぐ脇の地点で、T字路となってダートが左右に分かれている地点。ゴルフに興じる人の姿も間近に見えていますが、それはさておき、以前訪れた時には湯坂林道のヒシ形はWRのすぐ左の路肩地点にあったのですが、どれどれ、今も残っているかな?
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
ぁ、湯坂林道もか! かつてそこにあったはずのヒシ形は完全消滅していました。もしや地面に倒れて転がっていないかと笹ヤブを探ってみましたが、残念ながらそのヒシ形の残骸や痕跡はなにも見つけられなかったです。これで湯坂林道も資料の中に名前だけが残る消滅林道と化していたのを確認しましたが、路面は舗装されるわ、林道の証は消滅するわで踏んだり蹴ったりです。僅かにダートも残存してはいますが、それ以前の話としてヒシ形が残存していればこその湯坂林道なので、ここはもう訪れる価値は限りなくゼロに近いかと・・・。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
→ 過去のヒシ形!
シ形は消滅、ダートもほぼ消滅していた湯坂林道を退出すべく引き返してきました。次はどこを再訪するかと思案しますが、過去の探索でヒシ形の存在を確認できた山武市の林道は、残るは姫島根蔵林道くらいなもの。林道は他にもあるのですが、ヒシ形が存在していないことはすでに分かっています。そういう事情もあって「林道の証」も存在せず、「林道らしさ」も低いマニア林道の探索はモチベーションの維持が難しく、もはや再訪を続ける気力が萎えてしまいました。というわけで姫島根蔵林道はパス。でもせっかく九十九里までやってきたということで、旭市の「矢指ヶ浦温泉」でプチ湯治することにして今回の再訪はここまでとしておきました。寂しいですが、山武市の林道はヒシ形ががっつりと消滅してしまったなぁ・・・。
→ 探索終了!
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