2022 北海道林道探索ツーリング 8月5日(金)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
9日目[8]  根室市「根室 Nemuro→ 中標津町「中標津 Nakashibetsu もどる  






ガソリン給油量 10.06L 給油回数3回 ガソリン代 1760円 総走行距離 269.4km / ダート走行距離 8.3 km トップへもどる


木道開始地点まで戻ってきました。タイミングよく引き返すトラクターバスが客待ちしていたので、帰りは利用しようと思っていたのですが、無情にも乗り場まであと少しというところで出発してしまい、まさかの置いてけぼりになってしまいました。30分ほど待てば再びやってきますが、そんなに待てないので歩いて戻ることにします。







ネイチャーセンターへと引き返しがてらに眺めた竜神湾。波打ち際には緑色の藻場が帯状に広がり、沖には一筋の砂州が横切って、対岸には先ほど通った竜神岬方向に延びる根室湾に面した一番外側の砂州が見えていますが、景色のスケールがダイナミック過ぎるため、やっぱり距離感がよく掴めません。







こちらはトドワラに向かって湾曲しながら延びる砂州の途中で、別の砂州が枝分かれしている様子。このような感じで野付半島には何本もの砂州が枝分かれ式に延びているのですが、半島の先端で枝分かれする砂州のトドマツ林(トドワラ)は、残念ながらすでにほぼ消滅しています。

その一方で、半島の中ほどで分かれる砂州には、「ナラワラ」と呼ばれるミズナラ林やその立ち枯れ林がいまだ健在しています。そこからの眺めは昔のトドワラを彷彿とさせるので、興味がある方は帰りがけに立ち寄ってみてもいいと思います。

ただし、ナラワラには探勝路がありません。道950沿いに車が2、3台駐車しか駐車できない小さな「ナラワラ展望スペース」があるだけなので、気がつかずに通り過ぎてしまいがちであり、トドワラと比べて訪れる光客はぐっと少ないですけどね。







ネイチャーセンターへと歩いて引き返す途中、先ほど乗り損ねたトラクターバスが再びトドワラへと向かっていくのとすれ違いましたが、やっぱり徒歩よりもトラクターバスは全然早いみたい。乗り遅れたことが悔やまれますが、今更嘆いても仕方ねーし!







その代わり、道すがらにはハマナスの群落が展開していて、鮮やかな紅紫色で美しく咲き乱れる花があちこちに! そしてハマナスの群落の中に延びる小径では、茂みから飛び出す小さなネズミを何度か見かけましたが、ハマナスはトゲだらけなのでキタキツネやカラスなどが容易に入り込めないため、ネズミが多いらしいですよ。







開花直前のハマナスの花の蕾も見かけました。ハマナスはアイヌ語では「マウニ」といいますが、アイヌの人たちはハマナスの赤く熟した実を生食したり、乾燥させて保存食としたり、あるいは煮て食べ、花は煎じて飲んでいたそうです。

また、アイヌの人たちは食用以外にも、ハマナスの根を削って水に浸しておいて、入墨をする時の消毒用としたり、病が流行った時にはハマナスの幹で木幣を作って戸口に刺しておいて、病魔払いとしていたらしいです。







ふぅ、ここまで戻ってくればネイチャーセンターはもうすぐそこ。現在時刻はすでに午後4時を少し過ぎていましたが、それにしても今日はよう歩いたわい!







ネイチャーセンターに戻ったら、それで今日の予定は全て消化。駐車場でしばらく休憩してから本日の宿泊地、中標津町中標津へと移動します。ちなみに駐車場から少し離れた所に国後島まで見渡せる「展望台」もありましたが、歩き疲れて階段を登る気力が起きなかったのでパス。さっさと今日の宿に向かいます。







トドワラから道950で茶志骨に戻り、そこからR244→R272と乗り継いで中標津の町に到着。中標津にたどり着いたら国道から町の中心部を通る道774へと入り、やけに広い町中を進んで道60と交差する中標津町「大通南4丁目」までやってきましたが、本日お世話になる「三洋旅館」はちょうど交差点の角にありました。







三洋旅館は中標津の町に昔からあるような小さな旅館。中標津は1937(昭和12)年に全線開通し、標津〜根室標津および中標津〜厚床までを結んでいた標津線が通っていた町ですが、標津線は1989(平成元年)に廃止されてしまい、現在、かつての中標津駅は阿寒バスと根室交通のバスターミナルになっていますが、旅館が立っているのはそこから300mほどの場所。三洋旅館はかつて駅前旅館だったんですね。







WRを玄関脇に止めてガラリと三洋旅館の玄関を開けると、そこはテーブルと椅子が並んだ食堂でした。すぐにカウンター奥の調理場からニコニコ顔の宿のご主人と女将さんが顔を出して対応してくれましたが、食堂は標津線が健在であった頃の名残りで、現在は旅館のみの営業らしくて「駅前食堂」としては営業していないようです。







食堂の片隅でスリッパに履き替えて、ギシギシときしむ急階段を登ってご主人に告げられた客室に向かいます。食事は1階の食堂で食べるのかと思いましたが、嬉しいことに部屋食でした。女将さんが客室まで運んでくれるらしいです。







古き良き昭和の駅前旅館の香りが色濃く漂う客間が並んだ廊下。正直、建物は古めかしいですが、きれいに掃除が行き届いているので全然気になりません。いや、むしろ逆にレトロ感がとてもイイ感じで、なんだかワクワクしてきます! 







廊下の先にはトイレと洗面所があって、素泊まり客用の電子レンジと冷蔵庫が置かれていましたが、料金がお高い観光旅館とは異なり、宿泊料金が安い駅前旅館ならではのお約束のアイテムですね。滞在中は冷蔵庫だけ使わせていただきました。







そしてこれが三洋旅館の客室。畳ではなくてカーペット敷きにされた6畳くらいの和室で、ストーブとテレビと扇風機が備え付けられていました。部屋は狭く、一般的な観光旅館の客室を想像していると愕然とするかもしれませんが、しかし、こういうのって個人的には好きだったりします。この小じんまり感が妙に心地良いんだよな〜。







部屋の窓をガラリと開けると、すぐ目の前に道774(左右)と道60の交差点が見えています。さすがに中標津の街中なので車はちょこちょこ通っていますが、歩く人の姿はほとんどなくて意外と静か。うむ、これなら夜も静かで安眠できそうだな。







あ〜、それから客室内の柱にはこのようなものが! 「貸し売りはどなた様も一切おことわり致します」と記されていますが、「貸し売り」とは「ツケ」のこと。今でもそんな宿泊客がいるのか知りませんが、昭和の昔の頃は、あの車寅次郎さんが旅先で時々しでかしたように、お金がないまま泊まってしまう困った客もいたんだろうな〜。







部屋に荷物を置いたらすぐに外出します。中標津は温泉が湧いていて、三洋旅館のそばには「マルエー温泉」があるとのことで、夕食前に温泉で一風呂浴びてこようというわけですが、ついでに給油と晩酌用の酒の買い出しもしちゃいます。







給油は宿のすぐそばにあったコスモ石油中標津中央店で済ませます。ハイオクL / 174円で3.05L(531円)入りましたが、ついでにスタンドのお兄ちゃんにマルエー温泉の場所も聞いておきました。中標津の町は端から端まで歩くと5キロ近くもあって意外と広いので、温泉は探し回るよりも人に尋ねたほうが早いですよ。







給油と買い出しを済ませたらいったん宿に戻ってWRを止めてから、散歩がてらにマルエー温泉に出かけます。しかし、マルエーとは聞き慣れない温泉名ですが、「ホテルマルエー」にある温泉なのでマルエー温泉というわけでした。

駐車場では立ち寄り湯のオフバイク軍団を見かけましたが、入浴料は550円。ちなみに中標津には他にも温泉ホテルや旅館があって、当初は「中標津保養所温泉旅館」に泊まろうと思っていたのですが、直前になって風呂が壊れて温泉は利用不可になったとのことでキャンセルし、ならばと格安な三洋旅館に泊まることにしたんだよな〜。







ホテルマルエー内にあるマルエー温泉の分析表。記載情報は以下の通り。

所在地 / 北海道中標津群中標津町西1条北2丁目11
源泉名 / 湯元 天然温泉 ホテルマルエー温泉(通称つるつる温泉)
泉質 / アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性温泉)(旧泉質名:単純温泉)
知覚的試験 / 無色透明、無味、無臭
密度 / 0.9986(20 / 4℃) PH値 / 9.1
温泉温度 / 39.9度、かけ湯、上がり湯は温泉利用のこと、特に効果あり

温泉の効能
筋肉・関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺、冷え性、抹消循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、病後回復期、健康増進。

浴用禁忌症
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、悪性腫瘍、高度の貧血、思い心臓病又は肺の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期。

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