ガソリン給油量 10.18L | 給油回数3回 | ガソリン代 1800円 | 総走行距離 273.1km / ダート走行距離 98.1 km | トップへもどる |
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その後も林道標の設置されていない分岐が数ヶ所現れますが、全て道なりに進んでいくと、次第に路面状況は良くなっていきます。ワダチを埋め尽くしていたフキの繁茂も見られなくなり、ほどよく踏み固められた小気味良いダートが直線主体でひたすら延びていますが、これこそ小利別林道のあるべき本来の姿だな!
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さらにどれほど進んだでしょうか。やがて現れた林道ゲート地点です。ゲートは藪に埋もれて廃ゲート化しているようにも見えますが、鉄骨支柱の赤い塗装は真新しくて現役であることがわかります。普段は常時開放の自由通行状態とされているようですが、大雨などの異常気象のさいには閉じられるのかもしれません。
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林道ゲートとセットで設置されていた小利別林道を示す林道標です。ここが起点であることを示し、延長距離は10357mと記されていますが、でも野晒しの林道標はガタガタで、支柱に打ち付けられた板が今にも外れてしまいそうな満身創痍の状態。
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ゲートを通過した先にもダートはなおも続きますが、やがて右折分岐が現れました。路面状況を眺めると、前方から右手が明らかに本線のように見えているので、反対方向から進んできた場合はちょっと注意が必要かもしれません。
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逆から眺めると分岐の状況はよく分かります。どうみても左折方向が本線っぽく見えますが、しかし、ここで道間違いを犯しても大丈夫。道なりに左折しても200mほど先で浄水場っぽい施設が現れて行き止まりとなるので、すぐに戻ってこられます。というわけで小利別林道は前方から手前方向ですよ。
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紛らわしい分岐から530mばかり進むとR242に突き当たってダートは終了。ここで小利別林道は終点(正確には起点)となります。本来ならば勲袮別林道から乗り継いでそのままたどり着けるはずでしたが、倒木のせいで通り抜けができず悔しかったので、わざわざ反対側から倒木地点までピストン往復したというわけです。
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なお、国道への突き当たり地点にはこのような林道標が設置されていますが、これは林道標ではなくて、小利別林道の入口がこの先にあることを示す標識くさいです。なぜか故意に消されていますが、鉄板に目を凝らすと白い塗料の下に透けて「←入口 陸別営林署」の文字が確認できたんだよな。
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小利別林道を退出したら国道を左折して池北峠を越え、置戸町に移動。置戸の町の手前で町の中心地を迂回する国道から道1001へと進み、役場のある町のメインストリートにやってきました。しかし、通りを歩く人の姿を全く見かけません。 そんな置戸はかつて北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の「置戸駅」があった町。国鉄池北線時代の1964(昭和39)年頃には、帯広〜北見間を結ぶ急行「池北」も停車し、置戸発の始発列車もたくさんあって町は賑わっていたのですが、今はこの通り。この町に駅があったなんてとても信じられない寂しい状況になっています。 |
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しかし、そんな置戸町のメインストリートにはGSがあって、しかも日曜でも営業しているのが嬉しいです。というわけでさっそくホクレン置戸SSで給油しますが、ハイオクL / 175円で3.02L(529円)入りました。
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給油を終えたら最寄りのセイコマ桶と役場前店で小休憩。アイスコーヒーで喉を潤しますが、北海道ではセイコマはどんな田舎町にでも必ずあって、アイスコーヒーのSサイズならば、道端の自販機で飲み物を買うよりも安いので、おかげで北海道滞在中は自販機を利用することほとんどなかったです。
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給油と休憩を終えたら足寄町に移動して幌加美利別林道に向かいますが、その前に置戸の町外れにあるR242沿いの「北光パーキング」に「鉄道工事人夫死亡者之墓」があるので立ち寄ってみます。鉄道工事というのは、2006(平成18)年に廃止された北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の前身で、かつての国鉄池北線の建設工事のこと。 1910(明治43)年に開通した池北線ですが、明治の頃の建設現場は道路一つない人跡未踏の原生林のまっただ中にあって、劣悪な現場環境と、いわゆるタコ部屋労働によって多くの犠牲者が出ていますが、その建設労働者の慰霊碑なんですね。 現在は鉄道そのものが消滅していますが、昭和40年代の頃までは、池北線の列車が慰霊碑の傍を通過する時に哀悼の汽笛を鳴らすのがお約束だったそうですよ。 |
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というわけでこれがその慰霊碑。置戸町における池北線の建設現場は先述した通り、人跡未踏の原生林の中に位置していたため、工事物資や食料の輸送に難渋し、それに加えてマラリアの発生で死亡者が続出したそうです。 そのため建設現場では土工夫の補充もままならず、残されたタコ部屋人夫は過酷な労働を強いられますが、過酷な労働と栄養不足で動けなくなった者が病院に運ばれるなんてことはあり得ずそのまま放置され、逃亡を企てた人夫には情け容赦ない懲罰やリンチが加えられたそうです。それで死亡したらそのまま線路の下に埋めて終わり・・・。 タコ部屋労働の過酷さは、石北本線の「常紋トンネル」建設が有名ですが、池北線の建設でもそれと近いようなことが行われていたに違いなく、大勢の犠牲者が出ているんだよな。北海道の鉄道建設史の闇というやつで、そういうことが観光サイトや北海道の鉄道を紹介する鉄ヲタ動画で触れられることはまずないですけどね。 |
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というわけで寄り道してしまいましたが、置戸から道211→道1050→道88の順に進んで足寄町に入り、幌加美利別林道の入口にやってきました。目印となるものはなにもないですが、林道入口は林道名由来の「ホロカビリベツ川」を渡る「幌加美里別橋」渡った直後に現れるので、橋の存在に注意していればいいと思います。
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道88線から分岐して即ダート状態で開始していた幌加美利別林道ですが、ゲートは設置されておらず、本州の林道では考えられないおおらかさで自由通行状態とされているのが嬉しいですね。そしてこの通り林道標もきちんと設置されています。
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板の下部が腐り落ちてしまった状態で立っていた幌加美利別林道の古ぼけてボロボロな林道標。林道伝いに上流れる「ホロカビリベツ川」が林道名の由来ですが、林道名はカタカナ表記ではなくて幌加美利別と漢字表記するみたいです。 ちなみにホロカビリベツ川は「美里別川」の支流です。したがってホロカビリベツ川沿いに延びるこの林道は幌加美「里」別ではなくて、幌加美「利」別なんですね。そういうわけで林道標には幌加美利別林道と記載されているのですが、市販地図や各種林道系サイトでは幌加美里別林道と紹介されているケースが多かったりします。 |
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支線林道発見! さっそく幌加美利別林道へと入線させていただきますが、すると入線直後に現れたのが右折分岐しているヤマベの沢林道です。草深そうなワダチダートが登り坂で右手の森の奥へと登坂しており、分岐直後の地点に鉄門ゲートが設置されていましたが、通りがかった時にはオープンとされていましたよ。
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分岐の傍に立っていた白い鉄板タイプの林道標です。延長は1439mと短くてここはピストンですが、林道名由来となった地理院地図にも記されていない「ヤマベの沢」伝いに延びているのでしょう。 ちなみに林道名の「ヤマベ」とは関東地方ではコイ科のオイカワ、北海道や東北地方ではサケ科のヤマメの呼び名ですが、おそらくヤマメが棲んでいる沢をヤマベの沢と呼ぶようになり、それが林道名になったのだと思います。 |
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ヤマベの沢林道分岐を過ぎるとダートはJPOWERこと電源開発株式会社の「ホロカビリベツ取水ダム」のすぐ傍を通り抜けていきます。ここは発電用の水を取水する施設ですが、ホロカビリベツ川から取水された水はまず「糠南ダム」に送られ、さらにそこから「芽登第一発電所」へと送られて発電用に利用されています。
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お、ダート沿いに清水を発見! 崖の岩肌から湧き出しているのか、管で導かれた清水が勢いよくじゃじゃ〜っと地面に放水されていました。清水は贅沢にも垂れ流しになっているので、路肩に大きな水溜りができていたんだっけ。
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じゃじゃ〜っと放水された水はとても冷たくて美味しそう。でもこれって手ですくって生で飲んじゃって大丈夫かな〜? 幌加美利別林道でもダートを徘徊するキタキツネを目撃しているので、もしかしてキタキツネの糞に含まれたエキノコックスの卵が雨で清水に溶け出していないかが心配・・・。 ちなみにエキノコックスの卵は熱に弱いので、清水は生で飲むのではなくて、面倒くさいですが、いったん煮沸させてから飲めば安心ですよ。 |
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道端の清水を眺めたらいよいよ本格的に幌加美利別林道を進んで行きますが、最初に現れるコンクリ橋がこの「幌加美利別橋」です。その名の通り、林道沿いに流れるホロカビリベツ川に架かる橋。長さも結構あって橋上からは川の流れがよく見えているので、ちょっと立ち止まってホロカビリベツ川を眺めておきます。
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ホロカビリベツ川下流方向の様子。川幅も広くて「喜登牛山(1312.2m)」や「東三国山(1230m)」を源とする水を集めて流れ下る川は水量も豊か。すぐ下流には発電用の水を取る小さな堰のようなホロカビリベツ取水ダムがあって、さらにその下流で美里別川に合流しています。
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こちらはホロカビリベツ川上流方向の眺め。川は浅い荒瀬になっているようで、水流も早くて轟々と流れる水が白波だっています。これだけ大きな川なのでサクラマスなども遡上していそうな雰囲気ですね。ヤマメも棲んでいそうです。
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幌加美利別橋でホロカビリベツ川を左岸に渡り、川伝いに進んで行きます。極々僅かな緩い登り坂になったダートは直線主体でひたすら延びており、路面はやや砂利っぽいですが、いたって走りやすい状態。いい感じで順調に進めてしまいます。
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