ガソリン給油量 7.13L | 給油回数3回 | ガソリン代 1329円 | 総走行距離 199.7 km / ダート走行距離 68.4 km | トップへもどる |
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そういえば、路肩のすぐ脇に湿地の水が溜まって細長い沼が発生している地点も見かけました。立ち止まって水面を眺めてみると、スイレン科の「コウホネ」のような水草がプカプカと浮かんでいましたが、路面と水面にほとんど高低差がないのが気になりました。ちょっとした雨で沼の水がダートに溢れてきそうな感じです。
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夏の陽射しに照らされて白く輝く水没道道ダートの砂利。砂利の白さが空の青さと森の緑に映えてコントラストも美しく、最高に爽快であった上猿払浅茅野線こと道732ダート。その後も猿払川に付かず離れずで湿地帯を進んでいきますが、しかし、このような区間は森っぽくて湿地の雰囲気があまりなかったです。
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しかし、再び現れた赤色灯によって、見た目には「森」に見えているこの区間も「湿地」の一部であることを再認識。増水時には、WRが水没するほど水位が上がるのでしょうが、でもやっぱり、こんな晴れた日にはちょっと想像できません。
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再び眺めてみた赤色灯と一体になった水深標。探索時には周囲の森を眺めても水の気配なんて微塵も感じられませんでしたが、おそらく雨天時やその直後には信じられないくらいに状況が激変するのだと思います。
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水深標の傍に立って路面より140cmの高さを確認してみますが、やはり140cmはかなりの深さ。通行止めを無視して進んだならば、バイクは完全に水没ですなぁ・・・。 ちなみに湿地を流れる猿払川は、1kmあたりの水位差が10cmほどしかない河川勾配がの極めて緩やかな川なのだそうです。そのため蛇行を繰り返しているのですが、おかげで水はけが悪く、雨が降ると一気に湿地の水かさが増えてしまうのでしょう。また、湿地の泥炭地特有の地盤沈下も道道の冠水に関係しているような気がします。 |
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2箇所目の赤色灯を後にして、冠水時の水深の深さを想像しながらさらに道732の砂利ダートを進んでいくと、今度は「日暮橋」が現れました。標識がなければ気がつかないような小さな橋ですが、跨いでいるのは「ムメイ川」。おそらく猿払川の名も無き小さな支流の1本だと思われますが、だから「ムメイ(無名)」?
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日暮橋から見下ろしたムメイ川の川面。川というよりも小さな水路のようでしたが、茶褐色に淀んだ水が陽の光を受けて真っ赤な鮮血のように見えています。なお、橋の路肩のトラロープは、橋に気づかず転落しないための注意喚起用だと思います。
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日暮橋を渡って進むと、その先にも冠水警告用の赤色灯が設置されているのを見かけましたが、その先でさらに「菖蒲橋」が現れました。渡っているのは普通河川の「猿払二号線川」。二号線とはいかにも北海道チックな河川名ですが、先ほど渡った丸山橋と同様に、やはり橋梁部分が土盛りでかさ上げされています。
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菖蒲橋から眺めた猿払二号線川の眺め。眺めているのは左手の猿払川に合流する下流方向ですが、猛烈にスゲが密生する湿地の中を細長くまっすぐ狭い川筋が伸びています。しかし、これは自然河川ではなくて人工排水路のような気もします。
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こちらは右手の上流方向の様子。一面を覆い尽くすスゲに隠れて川筋は全く見えていませんが、猿払猿払二号線川は湿地と樹林の境界に沿って流れているみたいです。
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続いて菖蒲橋を越えた先で現れた「楓橋」を渡ります。流れているのは浜頓別町との境界にほど近い、「サマキシリ山(264m)」に源を発する猿払川支流の「成田川」ですが、成田川は猿払村の水道の水源にもなっているそうですよ。
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成田川を跨ぐ楓橋を通過すると、R238に突き当たる終点まであと2.5キロほどとなり、長くて楽しかった道732ダートもそろそろ終わりが見えてきます。実際に終点が見えているわけではありませんが、なんとなく雰囲気で分かるんですね。 なんだか名残惜しいですが、遥か彼方の地平線へと直進する素晴らしい高速ストレート区間をバババとエンジン音も軽やかにラストスパートで突き進みます! |
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そしてたどり着いた道732のダート終了地点がここ。ひたすら続くストレートの途中、猿払村「浅茅野」にほど近いこの場所で路面が舗装化していました。 というわけで、最高に楽しかった水没道道を退出すべく、そのまま道なりに進んで国道に向かいますが、しかし、長距離ダートを走り終えた瞬間というのは、無事走破した充実感はもちろんですが、それと同時に「もう終わってしまった」感が募ってしまい、少しだけ悲しく感傷的になってしまうんだよな〜。 |
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ダート終了地点で振り返るとこんな感じ。遥か先まで続くストレートのダートが猿払原野の湿地帯へと向かって延びているのが見えていますが、それにしても道84側の入口からここまで砂利ダート16キロかぁ! しかし、名残惜しさのため、延長距離16キロぽっちでは全然物足りなく感じてしまうかもしれません。
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ダート終了地点で眺めた道すがらの景色。スゲが繁茂する草原と、樹木の林立する森が混ざり合った浅茅野原野の景色が広がっていましたが、ジュクジュクな湿地っぽさはぐっと薄まり、さすがにこの辺りは雨が降っても道路の冠水はなさそうです。
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ダートが終了して2車線舗装となった道732を進んでR238に向かいますが、前方に見えているのは浅茅野集落の静かな家並み。かつてはこのすぐ先でJR天北線の線路が横切り、「浅茅野駅」もあった集落ですが、通りがかった時は人の姿を見かけることは全くなくて、怖いくらいにシ〜ンと静まり返った状態でした。
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猿払村浅茅野でR238に退出したら左折して稚内方向に進み、およそ7キロ離れた猿払村「浜猿払」へと移動します。その目的は今や北海道ツーリングではお約束になっている「村道浜猿払エサヌカ線」および、それに並走して浜辺を進む海岸ダート。 長い直線区間で知られるエサヌカ線は、一般観光客もよく訪れる人気スポットになっていますが、でも舗装されているエサヌカ線は別にどうでもいいです。ここでの主たる攻撃目標は、やっぱり浅茅野原野の淋しい海辺を進む海岸ダートなんだぜぇ! |
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その後、オホーツク海に面した浜猿払の集落を後にして、村道浜猿払エサヌカ線を浜頓別方向に進みますが、エサヌカ線は猿払村〜浜頓別町間17.8キロを結ぶ舗装村道で、地平線の先まで続く牧草地の中の直線区間が観光客に人気なんだよな。 しかし、なんやかんやと言ってみても所詮は舗装道路です。夏休みともなれば、ツーリングライダーをはじめ、ピチパン自転車や一般観光客が結構な数で訪れ、レンタカーを路駐して散策したり、動画や写真を撮るなど、皆さん思い思いに楽しんでおられましたが、しかし、当方はそんな観光地化している雰囲気がちょっと苦手かな・・・。 |
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村道浜猿払エサヌカ線沿いに続くオホーツクの海岸。久しぶりに間近で眺める海の蒼さに見とれてしまいます。ちなみに村道名の「エサヌカ」はアイヌ語由来の地名ですが、なんでもアイヌ語の「エ+サン+フプカル」で「そこから+浜へ降りる+トドマツ林」という意味なのだそうです。
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おお、やったぜぇ、ダート入口発見! 浜猿払から海を眺めつつ村道浜猿払エサヌカ線を進んでいくと、やがて左折するダートの入口を発見しました! これから目指すエサヌカ海岸ダートは、エサヌカ線に入口があって海辺伝いにおよそ15キロで浜頓別に向かって延びる海岸ダート。「林道」ではありませんが、延長距離の長さは申し分なく、また、誰もいない原生花園の広がるの荒涼とした海岸のたたずまいに心ひかれて、地図を眺めるたびにいつか訪れたいと思っていたんだよな! |
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直進する村道浜猿払エサヌカ線から左折分岐で開始している海岸ダート。道標なくて通りがかっても気づくこともないまま通り過ぎてしまいそうな入口ですが、海と並走する村道と波打ち際の間に広がる名も無き原生花園を横切って、小砂利の敷かれたワダチダートが前方の海に向かって延びています。
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浜辺に向かう小砂利のワダチダートに立ち入って北西方向(右手)に眺めてみた海。遥か前方、画像中央の地平線と水平線の境目辺りに浜猿払の集落と、海に突き出た「浜猿払漁港」が位置しているのですが、しかし、ここからでは遠すぎて砂粒程度にしか見えておらず、誰もいない静かな砂浜と青い海が広がっているだけでした。
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そしてダートは海辺に突き当たるとそこで右にくいっとカーブして、海沿いにハマナスの花が咲く原生花園の中を進んでいくのですが、しかし、おかしいな。このエサヌカ海岸ダートは、路面が純白のように「白い」ことでも知られていますが、海辺を進むこのダートに「白さ」は全然感じられません。
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砂浜のすぐ背後に広がる原生花園と呼ばれる海岸草原の中を進んでいきますが、足元の道端にはハマナスがそこかしこで赤ピンク色の綺麗な花を咲かせていました。 ちなみに北海道の原生花園といえば、観光パンフレットなどでは、エゾスカシユリやハマナスの花が一面に咲き乱れる花園のように紹介されることが多いのですが、しかし、実際のところは花は少なくて雑草ばかりだっりします。 |
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ダート沿いの路肩の草むらで咲くハマナスの花。原生花園ということで、様々な花が見られると思っていましたが、しかし、咲いているのハマナスばかり。黄色い「エゾキスゲ」や、橙色の「エゾスカシユリ」の花はほとんど見かけなかったですよ。
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えぇっ?! その後も砂浜の背後に広がる草原地帯を進んでいきますが、なんと、やがてダートは草原に埋もれるようにしてまさかの自然消滅・・・。 う〜ん、どうやらここは目指していた海岸ダートではなかったようですが、しかし、その一方で果てしなく続く砂浜と原生花園、そして遠く水平線上には海に突き出たピリカノカ神威岬」と「斜内山(しゃないさん / 438.8m)」が望める素晴らしい場所でした。WRのエンジンを切り、時間が経つのも忘れて眺め入ってしまいます。 |
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