2022 北海道林道探索ツーリング 8月11日(木)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
15日目[6]  枝幸町「枝幸 Esashi→ 猿払村「浜鬼志別 Hamaonishibetsu もどる  






ガソリン給油量 7.13L 給油回数3回 ガソリン代 1329円 総走行距離 199.7 km / ダート走行距離 68.4 km トップへもどる


ダートがまさかの行き止まりになってしまったため、いったん村道浜猿払エサヌカ線に退出して浜頓別方向に南下し、改めてエサヌカ海岸ダートの入口に向かいます。海岸沿いで浜猿払〜浜頓別間を結ぶエサヌカ線は、途中でクランクしている箇所が数カ所あるのですが、どうやらその1箇所目が入口になっていたみたいです。







それにしても広いなぁ! 村道浜猿払エサヌカ線の道すがらに広がる景色ですが、これは進行方向右手、海とは反対側の内陸に広がる浅茅野原野の眺め。クマザサの草原がどこまでも広がり、前方の樹木がまばらに生えた疎林の向こう側には猿払川河口の湿地帯が広がっているのですが、地平線に隠れてそこまで見えていませんね。







村道浜猿払エサヌカ線の1箇所目のクランクの直角右折地点にやってきました。通りがかったレンタカーの一般観光客や自転車、オンバイクのツーリングライダーの皆さんはここを右折していきますが、海側の左方向を眺めてみると・・・?







おお、やったぜぇ! 村道浜猿払エサヌカ線の舗装路から左折分岐で海辺に向かって開始するダートの入口を発見しました。道標の類はなにも設置されていませでしたが、地面にはダートから退出したオフバイクとのタイヤ跡が無数に残されており、ここが目指すエサヌカ海岸ダートで間違いなさそうです!







舗装された村道浜猿払エサヌカ線を疾走するバイクや一般観光客の車を尻目に、いざエサヌカ海岸ダートに突入します。すぐに噂通りの純白ワダチダートが現れますが、まずは海に向かって直進してから右折して海岸伝いに進んでいくのですが、そのまま浜辺に向かう直進路があったので、ちょっと立ち寄ってみます。







直進して浜辺に向かってみますが、普通に進めたのはここまで。ダートは目の前に海を眺めるこの地点でプツリと途切れてしまい、その先は浜に降りる砂だらけの小径になっていました。というわけで、小径をエンジン付きで強引に進んで砂にハマってもつまらないので、WRはここでお留守番です。







あぁ、海はいいなぁ! 果てしなく広がる水平線。よく眺めると、沖に向かって定置網のブイが列をなして浮かんでいましたが、瑠璃色というのか、ターコイズブルーをした海の青さがとてもきれい。人っ子ひとり誰もいない静かな浜辺の景色です。







誰もいない浜辺でしばし海を眺めたら、本道に戻ってエサヌカ海岸ダートの探索を開始します。浜の背後に広がる海岸草原の緑にダートの白さが映えますが、路面に砕いた貝殻でも敷かれているのでしょうか?

ちなみに「純白ダート」と言えば、福島県滝根町(現田村市)から川内村を結んでいた「子安川林道」がよく知られ、各地の林道をガンガンに走り込んだ林道ライダーの方ならば分かると思いますが、ここはそれに匹敵する白さかな。しかし、子安川林道はとっくの昔に舗装化されてしまい、今はその純白ダートも失われています。







右手にオホーツク海を眺めながら、北方系のどこか淋しい雰囲気が漂うエサヌカ原生花園の草原をひたすら進みますが、常に海を間近に眺めながら、そして心地よい海風に吹かれながら走れるので、ここはとても爽快! そして舗装された村道とは違ってすれ違う車両もないので、素晴らしい景色と雰囲気を独り占めで楽しめますよ。

ちなみに並走する村道浜猿払エサヌカ線は同じ海岸沿いでも、実際には浜辺から800mほど内陸の牧草地帯を進んでいくコースがメインです。そりゃあ、ひたすら続く「ストレート」は楽しめますが、ダートに立ち入らないと、原生花園がどこまでも続く浜辺の海岸風景と、その雰囲気だけは味わえないと思います。







すれ違う車両もなく、誰もいない荒涼とした浜辺の海岸草原の中にひたすら延びるエサヌカ海岸ダート。心地良い海風を感じながら進んでいきますが、幅員は路肩から迫る藪で見た目以上に狭められている模様。走りにくさは感じませんでしたが、藪草がワサワサと足に擦れてくるのが少々鬱陶しかったです。







よく眺めると細かな貝殻片が散らばるエサヌカ海岸ダートの純白なワダチです。タイヤで踏みつけるジャリジャリとした感触も心地良く、その白さが見た目にも美しかったですが、しかし、ワダチの雑草は30センチほどにも延び、路肩には原生花園の藪が連なって迫っているので、ダートには少々草深さを感じてしうまうかもしれません。







エサヌカ海岸ダートの道すがらにどこまで続く原生花園と呼ばれる海岸草原。波打ち際までの距離はおよそ100m。ダートはその距離を保ちながら付かず離れずで浜辺に沿ってひたすら延びています。しかし、ハマナス以外の花はさっぱりでした。

ちなみに、このような海岸草原は北海道の開拓とともに、家畜の放牧地として利用されてきましたが、家畜が種を体に付けたりフンとして排出することで、原生花園への外来牧草や雑草の侵入を許すことになったそうです。

ですが、その一方で家畜が食べることで外来牧草の拡大が抑えられ、家畜が食べない植物の増殖を促す結果になったそうです。すなわち、以前は各地の原生花園で普通に見られたハマナスやエゾスカシユリ、ヒオウギアヤメなどの大群落ですね。

しかし、自然保護が叫ばれて、近年は海岸草原の多くが自然公園や特別自然保護区に指定されていますが、その結果、牧草の拡大を抑える要因になっていた放牧が行われなくなると、外来牧草の侵入と拡大が再開。夏の原生花園を彩り特徴付ける植物の衰退が大問題になっているそうです。







その後も浜場伝いに海抜およそ6mほどの地点を進んでいくと、やがて前方に海岸砂丘林の木々の茂みが現れ始めてきます。そしてエサヌカ海岸ダートは、右手の海を隠すように汀線のそばまで迫るそんな海岸砂丘林の中に進んでいくようです。







つい先ほどまでとは雰囲気がガラリと変わり、浜辺の渚に沿って続いてカシワやミズナラ、アカエゾマツなどが海岸砂丘林のまっただ中を前進中。

誰もいない静かな砂丘林の中を進んでいくと海風はピタリと吹き止み、ダートにはやたら野良キタキツネが出没して雰囲気は林道っぽくなってきますが、どうやらエサヌカ海岸ダートはこれら海岸砂丘林の維持管理のための道みたいだな。







それにしてもエサヌカ海岸ダートにこのような林間区間があったなんてね。ネットなどでは海辺の「白い道」くらいにしか紹介されていないので、初めて訪れてみるとちょっと意外だったりするのですが、コースに変化がついて楽しいですよ〜。







森の中とはいっても海岸から離れるわけではなくて、進行方向左手には木々の隙間から海が見える地点もありました。こうして眺めてみると、ダートは浜辺からさほど離れていない地点を進んでいることが分かります。







青い空と森の緑のコントラストが泣きたくなるほど美しかったですが、こちらは進行方向右手、海とは反対の内陸方向の眺め。こちらには海岸砂丘林がどこまでも広がっていますが、山岳地帯の森とは異なって、水平方向に広がりを見せる森には途方もない広さを感じてしまうなぁ!







ダートをほっつき歩くキタキツネがやたら出没していた静かな海岸砂丘林の中を進んでいくと、やがて森が開けてきました。行手には海の水平線が見えていますが、この先でダートは再び浜辺の原生花園の中を進んでいくみたいです。







海岸砂丘林を抜け出て再び浜辺伝いに進んでいきますが、この辺りは「エサヌカ原生花園」と呼ばれているみたいです。しかし、道すがらにはハマナスが花を咲かせているのを時たま見かけるくらいで、原生花園と言っても、ハマニンニクとかハマエンドウ、シロヨモギなどの砂草が一面に生い茂っているだけだったかな〜。

ちなみに、海辺の原生花園はかつて家畜の牧草地として利用され、それが外来牧草が侵入する原因になったことは先述しましたが、しかし、外来牧草が侵入する一方、家畜が食べることで外来牧草の拡大を抑える効果もあったそうです。

さらに家畜の放牧は、家畜が食べない植物、すなわちハマナスやエゾスカシユリ、ヒオウギアヤメなどですが、それらの草花を大いに増やす結果になっていたそうです。一昔前の夏の原生花園が、現在よりもっと大規模で、咲き乱れる草花の大群落で覆われていたのはそのためだったりもするんですけどね。







あわわ・・・っ! 砂にハンドルを取られて転びそうになっちゃいました。オフバイク的にはほとんど問題のない路面状態が続くエサヌカ海岸ダートでしたが、それでもここは浜辺を進む海岸ダートです。たまにワダチが砂溜まりと化したイヤらしい箇所が現れるので、転倒せぬよう気を抜かず注意して進みましょう。







そしてダート開始地点から進むことおよそ3.6キロで右折分岐が現れます。右折側は舗装路となり、およそ1キロで村道浜猿払エサヌカ線に接続しているので、海岸ダートはもう十分だという方はここから退出することができますが、しかし、エサヌカ海岸ダートはそのまま直進してさらに続くので、当然、直進しますよっと!







右折分岐を直進してさらにエサヌカ海岸ダートを進んでいきますが、分岐地点を境に路面状況が規格アップ。それまでのワダチダートから小砂利ダートに変化して少し走りやすくなりました。しかし、道すがらの景色に変わりはなくて、引き続き誰もいな浜辺伝いに原生花園の淋しい海岸風景が続きます。







エサヌカ海岸ダートは引き続き浜辺の原生花園に沿って延びていますが、足元のそこかしこで夏の陽射しに照らされて美しく咲いていたハマナスの花。

ちなみに近年は自然保護が叫ばれ、海岸草原の多くが自然公園や特別自然保護区に指定されています。でもその結果として牧草の拡大を抑える要因になっていた放牧が行われなくなると、外来牧草の侵入と拡大が再び始まってしまったんですね。

そして現在、かつて夏の原生花園を美しく彩っていた色とりどりの草花や、海岸草原を特徴づける植物の衰退が大問題になっているそうです。かつては家畜と自然と人とが無意識のうちにバランスをとっていたのに、自然保護で放牧がなされなくなったことで、皮肉にも逆に原生花園は衰退してしまったんだよな〜。

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