2022 北海道林道探索ツーリング 8月14日(日)曇りのち雨のち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
18日目[6]  網走市「網走 Abashiri→ 上士幌町「糠平温泉 Nukabira Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.86L 給油回数4回 ガソリン代 1020円 総走行距離  259.1 km / ダート走行距離 28.0 km トップへもどる


うわぉ、これは素晴らしいっ! 三国峠からの眺望ですが、眺めているのは峠からは左手となる南方向の景色。画像右端に見えているのが三国峠橋で、ここからは見えていませんが、その先に「緑深橋(105m)」が続き、ヘアピンカーブで切り返した後に「コマクサ橋(99m)」があって、さらに「松見大橋」と続いています。

そして天候は快晴とまではいかないものの、視界を遮るガスが立ち込めることもなく、三国峠から十勝三股盆地にかけて、なだらかな傾斜で広大な広がりを見せる樹海を見渡すことができました。本州ではまずお目にかかれぬ、北海道ならではのダイナミック過ぎる景色のスケール感に感動!







カムイと共に生きる上川アイヌ 〜大雪山のふところに伝承される神々の世界〜 三国峠の大樹海
北海道の国道では最も高い標高1139mの三国峠から見下ろす大樹海は、
約100万年前の大噴火で形成されたカルデラです。

東大雪の山々に囲まれたその地には現在、針葉樹と紅葉樹の混交林が広がり、
美しい景観をつくっています。
かつて中心地には、旧国鉄士幌線の終着駅と集落がありました。

木材の積み出し基地として栄え、
1960年(昭和35年)には2000人を超える人々が暮らしていたといいます。
へぇ〜、三国峠から眼下に見渡せる十勝三股盆地の樹海が太古の噴火でできたカルデラだったなんて知らなかったな〜。

かつて「ペニウンクル(川上に住む人)」と呼ばれた「川上アイヌ」の人たちが暮らしていた場所ですが、案内板に記されているように、昔は木材搬出の拠点として栄え、現在は無人状態ですが、1978(昭和53)年までは帯広からのディーゼルカーが通う国鉄士幌線の終着駅「十勝三股駅」があったことで知られている場所ですね。







おぉ、あれが松見大橋だな! 峠からやや左方向の北西の方角には、これから通ることになるR273に架かる松見大橋が見えていましたが、この橋の最大の特徴は捻れるように曲がった半径160mの「曲線橋」であること。正確には「5径間連続曲線デッキトラス」橋といい、橋脚間の長さは60mもあるそうですよ。

三国峠の魅せ場であって峠を象徴する橋なので、三国峠を紹介する写真や動画には必ずといってよいほどこの松見大橋が登場しています。







うおおぉぉーーっ!! 三国峠の正面、東南方向には太古の噴火でできた十勝三股盆地の広大な大樹海が眼下に広がり、そしてその先には天を衝く高さでそびえる「ピシベツ岳(1602m)」および「クマネシリ岳(1585.9m)」、そして「西クマネシリ岳(1635m)」の超絶カッコ良過ぎる峻険な勇姿が!

さすがアイヌの人たちが「神々が住む山」と恐れ敬っただけのことはあるな! 登山は嗜まぬ当方ですが、はからずも「山はいいなぁ!」と久しぶりに惚れボレとさせられてしまった最高に素晴らしい眺めがここに! その眺めはまさに圧巻です!







その後、観光客で賑わう三国峠パーキングの喧騒から逃げるよう峠を出発。すぐに三国峠橋、緑深橋の順に橋を通過していきますが、今度は緑深橋を渡った橋のたもとで密かに路肩に立ち止まり、ここからも景色を眺めてみます。

路肩から眼下に広がる大樹海を眺める当方を目にして、通りがかるバイクはなんだかここで立ち止まりたそうな様子でしたが、皆さんスピードが乗っていたので、ブレーキをかける間もなくあっという間に通り過ぎてしまいましたけどね。







緑深橋のたもとから再び眺めてみた眼下に広がる大樹海。そこはかつてアイヌの人たちが自然を敬い、暮らし、獲物を求めて駆け回っていた広大な森。

そんな森には昭和の頃までは鉄道が走り、林業系の集落もありましたが、今は人の住まぬ無人地帯になっています。無人地帯と化した広大な森は、富士山麓の青木ヶ原樹海ほど迷い易くはないかもしれませんが、その一方でもしも立ち入ってしまったならば、凶暴な野獣だらけつき、ガオォ〜ッと襲われる可能性は高いかも・・・。







緑深橋を出発したら続いて松見大橋上でも路肩に停車。橋上にたたずむと道路がカーブしている状況がよく分かりますが、ここからの眺めで素晴らしいのは、なんと言っても進行方向左手に見上げた緑深橋の勇姿でしょう。







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進行方向左手に見上げた緑深橋。深い谷間に設置された橋脚の高さは40mもあって物凄い高さですが、緑深橋は谷間の貴重な針葉樹林帯を橋脚で踏みつけないよう、基礎を作る地点が制約されたため、60mと90mという2つの長い橋桁によって構成されているのが特徴ですが、それにしても重厚感抜群な橋ですね!







その後、「音更川」の流域に広がる鬱蒼とした樹海の森の中をなだらかに下り、かつて国鉄士幌線の十勝三股駅があった士幌町「三股」を通り抜けて「糠平湖」に到達。そのまま糠平湖の西岸を進んでようやくぬかびら源泉郷に到着しました!

しかし、ようやくたどり着いたぬかびら源泉郷には温泉ホテルや旅館があるのみで、やっぱりGSはなかったです。スッカラカンになったガソリンを給油すべく、ぬかびら源泉郷からさらに23キロ離れた上士幌町市街地にある最寄りのGSへと向かいますが、その前にトリップメーターをチェックしてみると・・・?







あわわ・・・っ! なんとトリップメーターはすでに146.5km! 道1162退出時のメーター表示が93.3kmだったので、ここまで53.2kmを走ってきたことになりますが、この先ぬかびら源泉郷〜士幌町市街地間はおよそ23km。

したがって最後の給油地、北見市留辺蕊から上士幌町市街地まで無給油で169.5kmほど走らなければいけないことになりますが、もはやガス欠は約束されました。

だって、この時点ですでに緑色の給油警告ランプが点灯しています。これではぬかびら源泉郷出発直後にブスンと動かなくなるのはもう確実。つまり、上士幌町市街地ヘはどうやってもたどり着けず、そして給油もまた不可能なんですね。うぅ、寄り道して銀泉台に向かってさえいなければ・・・。最悪な展開でもう泣きそうです。







と思わせておいて、密かに隠し持っていた「ガソリン携行ボトル」の登場です! なぜならば、銀泉台に立ち寄れば必ずやガス欠に陥ることは先刻承知済み。うふふ、それになによりも「ガス欠」なんて下手を打つはずもねーし!







ジャバジャバジャバ・・・。おお、入るわ入る! その後、人目につかない駐車場の隅に移動して携行ボトル3本分、すなわちハイオク3Lを完全セルフで緊急給油中! ちなみにぬかびら源泉郷にも以前はGSが1店だけあったのですが、2004(平成16)年1月に廃業してしまったそうです。







あちゃ〜、ゲリラ豪雨で土砂降り! ガソリン携行缶で緊急給油を済ませたらR273を上士幌町の中心地に向けて南下。市街地に入ったところでアポロステーション(昭和シェル)上士幌SSでようやく給油(ハイオク157.27円 / Lで3.01L[ 570円 ])できましたが、しかし、上士幌町の市街地に入ると同時にまさかの豪雨が!

給油を終えると同時に上士幌町役場に隣接した「上士幌交通ターミナル」の屋根下へと逃げ込んで緊急避難します。そこではすでに2台のツーリング中のバイクが雨宿りしておられましたが、結局1時間ほど雨宿りしても止む事はなかったな。

しかし、いつまでも雨宿りしているわけにもいきません。雨足が心なし弱まったところで「ええい、ままよ!」と意を決してレインウェアを着込んで上士幌交通ターミナルを出発。雨中のR273をフルスロットル巡航でぬかびら源泉郷に引き返します。







ありゃりゃ〜、なんだよ、これ・・・。しかしなんとしたことか、上士幌の市街地を出発した直後に雨は止み、国道を北上して「糠平ダム」が見えてきたところで先ほどまでの豪雨が嘘であるかのような快晴になっちゃいました!

どうやら上士幌の市街地に強烈な雨男がいたようですが、うふふ、ここでも当方の晴れ男っぷりが発揮され、抜けるような青空のもと無事にぬかびら源泉郷に戻ってきたというわけですが、このまま本日のお宿である糠平舘観光ホテルに直行します。







そしてこの日は夏のハイシーズンということで、温泉郷に8、9軒ほどあるホテルや旅館はどこも満室だったみたい。糠平舘観光ホテルの駐車場では夏休みのアルバイトのお兄ちゃんが観光客の車やツーリングのバイクを交通整理で誘導していましたが、到着が早かったのでうまいこと屋根下スペースにWRを止めることができました。







続いてフロントでチェックインしますが、実は糠平舘観光ホテルさんとは、当方のミスによって日時を間違えて前日の8月13日で予約(1泊2食11000円)してしまい、数日後に訂正の連絡を入れるといったやりとりがあったんだよな〜。

しかし、タイミング悪くちょうど宿泊予定の8月14日からハイシーズン料金(15000円くらい)に切り替わるとのことだったので、泣く泣くキャンセルする旨をお伝えしたところ、電話対応の支配人さんのご好意によって、宿泊料金はそのままで良いとの嬉しいお言葉をいただいたという経緯があります。

あらためてお礼を言わせていただき、チェックインを済ませてからロビーを見渡してみますが、ホテル内部の雰囲気はなかなかイイ感じ! 建物にそれなりの古さはありますが、老舗観光ホテルとしての品の良さが感じられるんですね。







でた! ロビーで見かけたサケを捕まえるマスク着用の木彫りのクマですが、あはは、コロナ流行時には全国各地でこういうのをよく見かけたな〜。







柔らかくて温かみのあるロビーの照明と、そこにさりげなく掛けられていた松ボックリの手作りリースです。飾り付けられていたリースにはカラマツやヒノキ、エゾマツなど様々な樹木の松笠が使われていましたが、広大な山々と森と湖に囲まれた糠平のホテルらしいアイテムですね。







チェックインを終えたら2階の客室に向かいます。客室への廊下や、館内の各所に古き良き昭和の匂いが漂っていましたが、それもそのはず。なんと、この糠平舘観光ホテルが開業したのはなんと100年近くも昔の1925(大正14)10月7日のことで、かなり歴史のあるホテルらしいです。

創業時は「糠平舘旅館」といっていましたが、1948(昭和23)年に当時の上士幌村の村長が買い受け、1955(昭和30)年に今の「糠平舘観光ホテル」へと改称されています。そして1965(昭和40)年に東館を、1973(昭和48)年には西館、1984(昭和59)年には本館を増築して現在の姿に至っているんですね。

もちろん、大正時代に建設された創業当時の建物がそのまま使われているわけではなくて、また、館内はちゃんと清掃が行き届いているので、別にボロさを感じることもないのでその点は安心ですよ。

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