雄山環状林道 / Oyamakanjyo 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
雄山環状林道 [1] [2] [3] [4] [5] [6][7]
熱の溶岩流がそのまま固まった仏沢の景観を存分に眺め、さらに雄山環状林道のダートをたどって進みますが、そこにはさあーっと吹き渡る海からの風以外に全く物音はぜず、限りなき静寂さが林道に漂います。林道は春の陽射しで明るさに満ち溢れていながらも、ふと立ち止まればひしひしと押し寄せる全く雑音のない静寂な雰囲気が怖いくらい! 荒れや薮、廃れ状態をものともせず突き進む林道ライダーならば分かると思いますが、人里遠く離れた深山地帯の林道で立ち止まった時にふと感じてしまう、ゾクゾクするようなあの雰囲気です。
の先が寸断されていることによって全くの無人境と化し、限りなき静寂さに包まれた雄山環状林道のダート区間。振り返ればぷかりと雲がたなびく広い空のもと、どこまでも広がる青い海・・・。まるで時が停止したかのような林道の雰囲気でしたが、ここに最後に車両が立入ったのは一体何日前のことでしょうか?
[ 進行方向はWRのリア側 ]
ぁ、満たされていく・・・。カーブ地点ではなぜか幅員が広がって絶好の展望ステージとなった場所が何ヶ所かあったんだっけなぁ。エンジンを切り、都会の喧噪から隔絶した風景の中にたたずめば、静かに贅沢な時間が流れます。そしてこの瞬間を一生忘れない!
はいいなぁ! 林道の代名詞と言えば普通は「山」とか「森」ですが、絶海の孤島林道ではそれが「海」なんですよね。もちろん「山の林道」はそれはそれで素晴らしいですが、ひとかどの林道ライダーならば一度は「海の林道」も訪れたいもの。林道と海の相性の良さというか、それまでの林道に対する固定観念が絶対に変わります。
→ 眺望(三宅島空港・御蔵島方向)を眺める!
すがらの景観は実に素晴らしいですが、しかしダートの路面は進むにつれてラフになってきたようです。走りにくさを感じるほどでもないですが、それだけ車両の通行が途絶えた林道寸断地点に近づいたということでしょうか。どことなく土塊だった路面を分かりやすく例えるならば、広大な伐採斜面に巡らされた作業道みたいな感じですね。
→ 眺望(三宅島空港方向)を眺める!
→ 前方行く手を眺める!
がて行く手に現れるであろう、橋が流出していた林道寸断地点を目指してのフィナーレ区間をラストスパート! しかし、ここは急斜面にへばりつくような急峻な区間。ガードレールも設置されていない路肩はそのままストンと落ち込むような急な斜面であり、おそらく雄山環状林道の中で最も険しい場所だと思います。
かし、それでいながら振り返ればこの眺めでした。山麓の海岸には太平洋に突き出た三池港がくっきりと俯瞰でき、遥か彼方の果てしなき水平線までがよく見えています。それは林道からではなくて、あたかも空を飛ぶ飛行機からの眺めそのもの。ある意味、雄山環状林道は天空林道でもあるんですね。これほどのシチュエーションの林道はそうはありません!
[ 進行方向はWRのリア側 ]
麓まで遮るもの何もない雄山中腹の斜面上を進んでいきますが、林道からの眺望を最高に見晴らしの良い状況にしているのは、やはり斜面に樹木が1本もないこと。普通の林道であれば、例え同じシチュエーションであっても樹木にカムフラージュされてしまい、ここまでの見晴らしはまずききません。というか、逆にここは林道でありながら樹木が1本も生えていないという状況が凄かったりもします。火山の山「雄山」を周回する林道ならではでしょう。
池港を遥か山麓の下方に眺めつつ進んでいきますが、この区間では、ダートは斜面にへばり付いて右に左へと目まぐるしくカーブを繰り返します。標高300mの等高線をなぞって進む感じですが、林道から山麓に見えている三池港を見下ろしても高さがあまり実感できないかもしれません。見晴らしは最高にききますが、眼前に広がる景観のスケールが大き過ぎること、そして高さを比較できるような人工物がなくて標高差300mが実感しにくいんですね。
[ 進行方向はWRのリア側 ]
くつもカーブを曲がってWRを進めていくと、やがて斜面に白く真新しい擁壁が構築された道筋が山腹の谷向かいに見えてきます。「これからあそこを走るのか!」思ってしまうかもしれませんが、残念ながらその瞬間は永遠に現れません。谷向かいのすぐの場所に見えていますが、そこはすでに林道寸断地点を越えた先の区間となっています。
[ 進行方向はWRのリア側 ]
→ 現在地を確認する!
→ 眺望(上山林道方向)を眺める!
→ 振り返る!
て? そんな感じで急峻な雄山中腹のダートを進んで行きますが、途中で木材の丸太が大量に積まれている地点がありました。瞬間的に土場のように見えてしまいましたが、おかしいですね。雄山中腹のこの標高のエリアに肉材切り出しと搬出の対象となるような樹木は1本も生えていません。当然、林業作業が行われているはずもないし・・・。積まれた木材は長く放置された状態で、ボロボロに腐りかけていたところから察するに、泥流や土石流などで流された立枯れた樹木をここに集めて片付けたということでしょうか?
[ 進行方向はWRのリア側 ]
→ 眺望(三池港・三宅島飛行場方向)を眺める!
るで土場のように幅員が広がって広場状態になっていた丸太の集積地点。積まれた丸太の山は、グシャっと木造家屋が朽ち潰れた状態にも見えてしまいますが、やはり泥流や土で気流で斜面を押し流されたものを片付けた跡だったみたい。しかし、付近は雑草だらけで丸太が搬出される様子はなく、人が最近訪れた気配も全く感じられません。シンと静まり返った無人境となっていましたが、WRのエンジンを切って休憩するにはちょうどよい場所でした。
→ 休憩する!
→ 付近を調べる!
→ 付近を調べる!
ラックコーヒで心地良く乾いたのどを潤したら前進再開ですが、その直後にまたしても崩壊地となった沢が現れます。沢に架かる立派な橋は「やまわけ橋」ですが、肝心の沢の名称は不明。橋の右手、上流側に大きく立ちはだかる砂防堰堤の堤が、無言で「ここでは泥流や土石流が発生しますよ」と語リ掛けてくる眺めが圧巻でした。
→ 沢(上流 / 右)を眺める!
→ 沢(下流 / 左)を眺める!
大な砂防堰堤で辛うじて崩壊を持ちこたえているような沢筋の橋を渡ってダートは右岸に回り込みます。雑草がはびこってワダチダートになっている小砂利質の路面が続きますが、すぐ脇の路肩には赤茶けに酸化した黒っぽい溶岩層が露出。林道を開設する時に切り崩した斜面の溶岩層が露出しているのですが、高さは2〜3m程はあったでしょうか。
らに前進すると路面の小砂利は風雨で均された状態となり、車両が通行した痕跡は全く見られなくなってきます。もしやと前方を眺めると、その先で路面がハチジョウススキの薮に埋没しているのを発見! どうやら例の地点、すなわち雄山環状林道の探索スタート場所とした林道寸断地点がすぐそこに迫ったようです!
「もはやこれまで!」やがてダートは薮草に深く飲み込まれてそれ以上進めなくなってしまいました。いや、正確には薮自体は踏み分ければ前進可能ですが、そのすぐ先で橋が消失して路面が寸断されていたんですね。現場はWRのすぐ先5m程の地点ですが、深い薮に覆われて隠されているため、勢いで薮に突っ込んで行ったならば沢落ちもあり得る状態でしょうか。というわけで林道寸断地点の対岸へと回り込んできましたが、厳密には探索開始地点とした箇所の対岸地点ではありません。その僅か手前地点が迂回で進める再奥の場所だったんですね。当初の予測とは僅かに結果が異って走行不可能区間が数十メートルほど存在していましたが、その程度の誤差は仕方なかったかな。というわけで雄山環状林道の探索はここまで!
→ 現在地を確認する!
→ 振り返る!
→ 現場を確認する!
→ 状況を確認する!
→ 探索終了!
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