天上山林道 / Tenjyosan 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
天上山林道 [1] [2]
ーバーハングで覆い被さってくるような天上山へと連なる山腹の切り立つ断崖直下を、岩肌を見上げつつさらに登坂してWRを進ませます。険しい神津島の地形に林道を通すため、これほどまでに崖を掘削しなければいけなかったのでしょう。
→ 崖を見上げる!
道沿いにそびえ立つ岩壁に島の地形の険しさを実感しつつ進んでいくと、廃れた雰囲気を放つ怪しい左折のダート分岐を発見。持参した国土地理院の2万5千分1地図によれば、分岐は長さ100mほどの名無し系ピストンらしかったです。
→ 左折分岐を眺める!
体不明の左折ダート分岐から300mほど進むと、またしても左折分岐がありました。再び持参の国土地理院地図を眺めてみると、ここも長さ300mほどの名無し系ピストンらしいな。路面は簡易舗装されていましたが、しかし、藪まみれでまともな状態ではありません。
→ 左折分岐を眺める!
の後100mほど進むと、またしても続けざまに切り返しの左折で分岐する簡易舗装が出現。路面に荒れや廃れは見られず、ここはまともな状況でしたが、長さ200mに満たないショートなピストンであることが持参の国土地理院の地図によって判明。林道ではないので林道標がないのは当然のこと、道標の類さえも設置されていなかったですよ。
→ 左折分岐を眺める!
してその直後にそれまでの登坂コースが下り坂へと変わりますが、今度は前方20mほど先の地点に右折分岐があるみたいです。しかも、よく眺めてみると、分岐の脇に道標が立っているのも発見。分岐の正体を確認するためにもさっそく近づいてみます。
おお、やったぜぇ! 宮塚山林道発見! もしかしてと思ったのですが、やはり右折分岐は天上山「白島登山口」へと至る宮塚山林道でした。直角に右折したすぐ先の地点に青い鉄板タイプの林道標が立っており、神津島観光では天上山を目指す観光客が必ず通る林道になっています。一方の天上山林道は直進して島の東に位置する「観音浦」方面へと向かうんですね。
→ 林道標を眺める!
→ 宮塚山林道の様子を眺める!
→ 宮塚山林道に突入!
→ 道標を眺める!
塚山林道分岐を後にすると、林道左手につづき沢の谷間がすぐに寄り添ってきます。路肩から見渡すと目にも鮮やかな原始林のような常緑広葉樹の深い森が広がっていますが、沢の流れは木々に隠されて全く見えていません。その代わり、右手には天上山の山腹斜面とそびえ立つ断崖がダイナミックに見えていました。
→ 天上山を眺める!
→ 天上山を眺める!
の後、林道路肩で見かけた古木。枝がグニャグニャにひどく捩じくれた独特の樹形が印象的なスダジイの古木ですが、神津島を始め伊豆諸島の島々では林道開設で伐採されてしまうこともなく、林道沿いに普通に生えているのを見かけます。
→ スダジイを眺める!
の森に隠れていたつづき沢のチョロチョロとして本当にささやかな流れを跨ぐと、そこに「つづき堂」入り口が現れました。信仰に篤い島民の心のよりどころであったお堂で、「つづきのお堂前」と記された道標が立っているのですぐにわかります。それと同時につづき堂へと向かう小径の脇、つづき沢のほとりには塩ビ管で導水された「つづき堂湧水」もあるので眺めておきましょう。ここは島内でもらえる観光パンフレットにも載っているスポットですが、歩きや足こぎの自転車ではやって来にくい場所なので、誰もおらずひっそりとしています。
→ 道標を眺める!
→ つづき堂に向かう!
→ つづき湧水を眺める!
づき堂(続堂霊場)を後にして少し進むと、説明板に記されていた「賽の河原」がありました。コンクリブロックで囲まれた小さな敷地内には水子供養歌の記された石板と、水子供養のお地蔵様2体が祀られています。道すがらに無数の地蔵が立ち並ぶ林道としては青森県下北半島の霊場「恐山」のそばに位置する正津川林道が思い浮かびますが、神津島の天上山林道のこの区間も、夕闇迫る時間帯に通りがかるとちょっと怖そう・・・。
→ 賽の河原を眺める!
の河原を退出して天上山林道をさらに前進すると、やがてこのような左折分岐が出現。ご覧の通り、簡単に立ち入れないように鉄パイプ柵で行く手が塞がれているのですが、その先は神津島の中である意味、最も怖い場所。立ち入らない方が絶対にいいと思いますが、それってなぜだか分かります? あ〜、路面が荒れて危ないから・・・とかではないですよ。
→ 左折分岐の様子をうかがう!
火葬場入口前を逃げるように通過、さらに進んで鬱蒼とした森の中を抜け出すと左手に再び太平洋を眺めながらのビューポイント区間が開始します。快晴に恵まれれば素晴らしさも倍増すること間違いない、天上山林道でハイライトとなる区間ですね。
→ 展望を眺める!
→ 斜面を眺める!
高240〜250mほどの等高線をなぞるように海岸に面した島の斜面を回り込んで天上山林道は続きます。しかし、ここはとても眺めが良い区間だなぁ! お隣の式根島や新島、利島、大島の島影が水平線上に集結するように重なり合ってはっきりと見えていました。ここには路肩には腰掛けるにちょうど良い高さのコンクリの壁が連なっているので、腰掛けながらゆっくりと眺めることができますよ。文句なしにここが天上山林道で最高のビューポイント!
→ 展望を眺める!
の場所を離れることに名残惜しさを感じて仕方なかったですが、いつまでも景色を眺めてたたづんでいるわけにもいかず、さらに天上山林道を進みます。しかし、探索当日は島が観光客で賑わうGW出会ったにも関わらず、付近では観光客の姿は全く見かけなかったなぁ。やはりこの林道を訪れる観光客はそのほとんどが天上山登山が目的ということか。おかげで誰にも邪魔されず、林道からの景観を欲しいままにすることができました。
→ 展望を眺める!
を眺めながらの区間がしばらく続いた後、また斜面の森の中へと進んでいく天上山林道。雑草のようにアシタバが路肩に自生する常緑広葉樹林を抜けていきますが、途中で祠を発見。村落から遠く離れたこのようなばしょにまで石仏が祀られていましたよ。
→ 祠を眺める!
こで途切れて終わり? そして到達した天上山林道の終点ですが、こんな感じで駐車スペースも回転場もなくぷつりと途切れてエンド。途中の道標に何度も記されていた観音浦への山道入口がある地点ですが、しかし、手持ちの地理院地図ではさらに200mと少しばかり道筋が記されており、ここは本来の林道終点ではない模様。「通行止」標識がわざわざ設置されていることからも分かりますが、この先は自然災害で廃道化していたみたい。徒歩ででも完全に進めない状況になっていたんですね。素晴らしい展望が望める終点を期待していたのですが、まあ仕方ないか。というわけで天上山林道の探索はここで終了!
→ 探索終了!
→ その先を眺める!
→ 観音浦案内図を眺める!
→ 山道を眺める!
→ 振り返る!
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