天上山林道 / Tenjyosan 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2019.04.29 / No.To-100 
 [ 所在地 ]神津島村 [ 状態 ]ピストン舗装 [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]神戸山林道宮塚山林道
 道すがらに望む大海原の水平線と島々の眺めが泣くほど素晴らしい神津島最長のピストン林道

離的には近いのに実は泣きたくなるほど遠い東京都の林道。そのような林道があるとすれば、それは伊豆諸島にしかあるはずもなく、わざわざ太平洋を渡海してやってきたのが神津島の天上山林道です。ダイビングや釣りでは名の知られた神津島ですが、「林道」のステージとしての知名度はゼロ。天上山林道でウェブ検索すればヒットこそすれども、林道目的でオフバイク持参で島を訪れる者などいるはずもなく、その詳細は全く未知なんですね。ならば自ら赴き探索調査するしかないと一念発起、通称「神津本道」こと都224号線(神戸山多幸線)にある起点にやって来ました。しかも神津島到着後、他のものには一切目もくれないで!
→ 林道標を眺める!
→ 付近を調べる!
→ 振り返る!
点の林道標を後にしてさっそく天上山林道へと入線させていただきますが、路面はアスファルトではなくてコンクリ打ちっ放しの簡易舗装となっています。しかしそのことは事前に承知済み。狭い島内の林道、しかも島内観光で人気のある天上山登山のアクセスルートになっているとくれば、未舗装を期待する方が無理があるというもの。というわけで入線直後に開始する急勾配を登っていくと、すぐに道すがらに眺望が望めるようになってきます。
→ 展望を眺める!
地のほとんどない島の林道らしく、キツい坂道で一気に登坂していきます。林道起点の標高は100mですが、現在地の標高は151m。天上山登山口へと自転車で向かう観光客泣かせの鬼坂ですが、エンジン付きには高低差51mなんて関係ないな。
→ 展望を眺める!
→ 景色を眺める!
の後も登り坂は途切れることなく続き、それに合わせて太平洋を眺望できるビューポイントが連続して現れます。そのつど立ち止まってしまって全然先へと進めませんが、次はいつやって来られるか分かりません。だからその景色をしっかりと眺めておくんだぜぇ!
→ 展望を眺める!
浜海岸を見下ろす地点を過ぎると林道はそこで島の内陸方向に向きを変え、鬱蒼とした森の中に進んでいくと、ここで右折分岐が現れました。しかし、どうやらここは神津島のゴミ焼却場の入口らしく、すぐ先に煙突のある大きな建物が建っています。
→ 右折方向を眺める!
掃センター入口を直進して登坂しつつ天上山林道をさらに進みます。道すがらの森には常緑広葉樹スダジイなど常緑広葉樹が茂り、いかにも温暖多雨な海洋性気候の島らしい風情を見せていますが、林道でよくあるスギやヒノキの味気ない植林の森とは趣が全然違いました。
→ スダジイを見上げる!
や枝が分岐しやすく、幹がぐにゃりと曲がった姿が印象的なスダジイの森をのんびりと登って前進していきますが、路肩には大きく成長した野生のアシタバが大量に自生。伊豆諸島の特産品でもあるアシタバですが、現地では雑草くらいの存在なんだよな〜。ちなみに食べて美味しいのは新芽が出てきたくらいの若いやつ。林道で見かけるアシタバは、誰も採ったりしないので大きく成長し過ぎています。
の山腹を覆い尽くす林道沿いのスダジイやタブノキの常緑広葉樹の森。周囲はびっしりと緑の壁に囲まれており、森を通る林道は樹冠に覆われて昼なお薄暗かったなぁ。そして鬱蒼とした森をゆく林道では路面に這い出たアオダイショウやシマヘビを何度も見かけましたが、ヘビの多さはこれまで探索した全ての林道の中でたぶんトップクラス。そういうことが観光パンフレットに書かれることはまずないですが、実は神津島ってヘビ類が高密度で生息していることで知られていたりもします。ただし、気持ち悪いので画像アップは自粛しておきますね。
蒼と密生して茂るスダジイの樹のトンネルをくぐるようにして簡易舗装路が続きます。対向車の姿は全くなくて・・・と言いたいところですが、なんと、ここで1台のタクシーとすれ違いました。先述した通り、この林道は天上山へのアクセス林道なので、タクシーで登山口まで向かう観光客もいるんですね。レンタルスクーターはそれ以上によく走っています。
らに進んでいくと森を行く区間から抜け出しました。山と山の間に挟まれた谷間の急峻な斜面に抜け出たようです。途切れることなくさらに登り坂が続きますが、この大きく開けた感じ、なんだか海が眺められるビューポイントが現れそうな予感!
→ 斜面を眺める!
→ 斜面を眺める!
して思った通り、再び左手に太平洋が望める眺めの良い地点が現れました。現在地の標高はおよそ160m。海へと駈け下る斜面の谷間越しに水平線が見えていたんですね。これはもうエンジンを切って立ち止まってその場で眺め入るしかなかったです。
→ 展望を眺める!
ったー、神戸山林道分岐を発見! 右手にちらほらと海を眺めつつさらに進むと、ブルーの鉄板タイプの林道標が設置された支線である神戸山林道の起点がありました。林道標の立つ位置が微妙なため、「天上山林道は直進、右折のどちら?」と一瞬考えてしまいましたが、正解は右折。天上山林道はここから島の内陸部へとぐっと入り込んで天上山方向にさらに延びています。しかし、ここには「天上山白鳥登山口方面」と記された道標が立っているので、実際にはほとんど迷うことはないと思います。
→ 林道標を眺める!
→ 神戸山林道に突入!
いうわけで神戸山林道との分岐は直角に右折して引き続き天上山林道を進みます。その直後、真新しい法面ブロックの法面区間が現れましたが、これは災害復旧工事の跡だな。神津島は噴火の火砕流堆積物と溶岩が相互に重なった地質で構成されており、地学的な話は省略しますが、その地質的条件から島では地震や大雨でたびたび土砂崩れや斜面崩落が発生するみたいです。探索時は復旧済みでしたが、運が悪いと林道が通行止になっていることも・・・。
戸山林道分岐を過ぎるといったん下り坂になりますが、300mほど進むと左折で下っていく舗装分岐が現れます。「ここにも支線林道が?」と喜んでしまうかもしれませんが、残念がらここは「返浜」へと至るただの村道。神津島でもほとんど観光客の姿を見かけない美しい返浜は訪れる価値は非常に大きいですが、林道探索的には用がない分岐です。
→ 道標を眺める!
→ 保安林看板を眺める!
浜への分岐を過ぎると林道は再び登り坂になりました。スダジイなどの常緑広葉樹が生い茂る神津島の鬱蒼とした森の中を進むクネクネとしたコースが続き、この先しばらくは道すがらに海の景色は望めません。なので自転車や歩きだとやや単調に感じてしまうかも。
→ 森を眺める!
→ さらに天上山林道を進む!
→ 探索中止!
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