2025 冬景色の海を眺めて適当に東北旅 〜津軽沿岸・津軽海峡・陸奥湾沿岸〜 2月3日(月) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
4日目  外ヶ浜町→ むつ市湯野川温泉 岡村旅館 yunokawa onsen okamuraryokan もどる  






トップへもどる ][ 1日目 ][ 2日目 ][ 3日目 ][ 4日目[ 1 ][ ]へ ]


うぅ、頭が痛ぇ。適当に東北旅、津軽の平舘不老不死温泉で迎えた5日目の朝ですが、昨夜は呑み過ぎて酷い二日酔い・・・なんてこともなく、夜明けと同時にいつも通り元気よく目覚めちゃいました!







その後、朝風呂に入ったら広間で朝食。内容的には旅館ではよくある普通の朝ごはんで、白いごはんもお代わりをして全部残さず美味しくいただきましたが、昨日ほとんど手をつけなかった「タラ鍋」と、これも同じくほとんど手を付けなかったおでんの「タマゴ」が1個さりげなく出されていました。

なお、本来は朝食に「しじみ汁」が出るみたいでしたが、昨日の夕食でほとんど手をつけなかったタラ鍋を「明日の朝食べます」と言っていたのでお預けとなり、当方にだけ出されなかったのが悲しかったです。というわけで献立は以下の通り。

目玉焼きとウインナー炒め、ホッケ焼きとスジコ、タマゴ豆腐、モズク酢
イカの塩辛、キンピラゴボウ、太子なっとう、タクワン、味付けノリ、白いごはん
タラ鍋、しょうが味噌おでんのタマゴ(共に夕食の残り)







朝食後、散歩がてらちょっと外に出てみました。宿の敷地の隅っこで軽トラがでポツンと雪の中に取り残されているのを見かけましたが、夜間に雪が少し降ったらしく、積雪量が昨日よりも増えたような気がします。







宿の敷地内に祀られている地蔵堂も今朝はすっかり雪まみれ。一昼夜にして3分の1の高さまで雪に埋まってしまいましたが、お地蔵様が野晒しではなくて、わざわざ小屋の中に祀られている理由がこれで分かりますね。







宿から海岸の国道に向かって一直線に伸びる海岸方向に延びる朝の町道。夜間に積もった雪が薄っすらと道路を覆っていましたが、降雪量的には全然少ないですね。そして今朝は晴れて陽射しが眩しかったですが、しかし、晴れたことで今朝の気温はぐっと下がり、外は凍えるような寒さだったぜぇ。







宿の玄関脇に駐めておいた車はこんな感じ。4、5センチほどの雪に覆われていましたが、出発前にフロントガラスに積もった雪を取り除く必要があります。







雪払いは宿で車の除雪用スノーブラシを借りれば、こびりついた凍結部分の削ぎ落としも含めてあっという間に終わります。雪国の青森県ではスノーブラシは間違いなく家庭ごとに1本はあるので、一声かけて借りちゃうのが早いです。







続いて宿のお会計。1泊2食の宿泊代14850円+飲み物代3600円で合計18450円を請求されましたが、しかし、待てよ。瓶ビール1本+日本酒コップ3杯で飲み物代3600円はともかくとして、宿泊代14850円はなんかやけに高くねー?







宿のHPでは税込み宿泊料金が実際に請求された金額よりも安く記載されていたりしますが、HPに記載されていた宿泊料は、宿泊料12000円+消費税1200円+入湯税150円+冷暖房費500円で13850円







それが予約受付後の確認メールでは、宿泊料12000円+消費税1200円+入湯税150円で13350円になっています。HPでは記載されている冷暖房費500円が抜けているので500円安くなっていますが、それはたぶん単純な記載抜けのミス。

というわけで本来の宿泊料金は13850円のはずですが、請求された金額は1000円高い14850円。その正体不明な差額1000円こそが、女将さんいわく宿泊客が一人しかいなかった場合の割増料金というやつ。

しかし、電話による問い合わせ時や、宿のHP、予約確認メールでも1人客割増料金については全く触れられず、宿に到着したタイミングで初めて告げられる(?)ので、宿泊客としてはずるい後出しジャンケン的な追加料金で宿泊料金を騙されたように思ってしまうのが問題なんだよな〜。

しかも、この日は釣り目的の宿泊客が3人+当方で宿泊客は4人。なので宿泊客が一人だった場合の割増料金とはならないはずなのに・・・。そんないい加減な勘定は普通の宿ではあり得ませんが、宿泊客に対するその他諸々の対応も含めて、所詮は温泉好きな元常連客による「温泉宿ゴッコ」と思われても仕方ないですなぁ。

というわけで、古き良き平舘不老不死温泉はすでに失われていたのを確認。おそらく二度と泊まることはないですが、サイトによっては過去の前女将さん時代の平舘不老不死温泉がぞのまま紹介されていることがもあるので要注意です。







いろんな意味でとても残念であり、宿泊は失敗であった平舘不老不死温泉を後にしてR280を南下。現在、JR津軽線「蟹田駅」前を青森市内目指して移動中ですが、今日の目的地は林道ツーリングで過去に何度も通いまくった下北半島。

陸奥湾を海岸沿いにぐるっと回り込んで下北半島の西の端にある「九艘泊」を訪れ、その後は冬の津軽海峡を眺めつつ湯野川温泉に向かう予定です。







青森市内に入ったら市街地を西から東に向かって横断していきますが、現在、本町2丁目交差点付近を通過中。それにしても市内に入った途端、なんだか道端に積もった雪の量が増してきたような気がしますが、それもそのはず。青森は人口26万(令和7年)の都市としては世界一とも言える豪雪都市なんだよな。

ちなみに観測記録が残っている1893(明治26)年以降、青森市で最も雪が多かったのは1945(昭和20)年で、2月21日に観測された最大積雪深209センチ。

今年は全国的にドカ雪で大騒ぎしていましたが、青森市では2025(令和7)年1月5日に最大積雪深138センチを記録。しかし、1945(昭和20)年の209センチには遠くおよばず、確実に地球温暖化は進んでいるみたいです。







青森市内を抜けたらR4で「野辺地町」へと進み、野辺地の町に入ったらR279に進んで下北半島をむつ市へと北上していきますが、R279は斧の形をした下北半島の柄の部分を陸奥湾沿いに進むルート。太平洋岸を進むR338よりも所要時間は短いですが、似たような景色が続くのでやや単調気味かもね。







むつ市に向かってひたすら続くR279の直線区間。基本的に車の流れは早くてスムーズに北上できますが、野辺地〜吹越(横浜町)間は無料の「下北半島縦貫道路」が並行しているので、そちらを利用すればさらに時間短縮することも可能。







その後、むつ市の市街地でR338へと左折、陸奥湾北岸を脇野沢に向かってひたすら進んでいきますが、現在はむつ市になっている旧川内村〜旧脇野沢村にかけては、海岸から内陸へと延びるピストン林道が多く存在しています。その中でも代表的なのがむつ市「川内町蠣崎」に入口がある蠣崎林道です。

起点は海沿いの国道から蠣崎の集落内に少し入った地点にあり、熊出没注意看板の脇からこんな感じでダートが開始していたんだっけ。







陸奥湾に注ぐ「男川」沿いに山中奥深くへと分け入っていく蠣崎林道。10kmを超える延長距離は申し分なく、また、大量の支線林道を分岐しているため、支線も含めて隅々まで探索するとなると、それこそ丸1日がかりでダートが楽しめます。







現在、むつ市脇野沢「寄浪(きなみ)」付近を走行中。陸奥湾フェリーが発着する脇野沢に到着したら、その後は県175(九艘泊脇野沢線)に入りって下北半島最西端の九艘泊に向かいますが、脇野沢から九艘泊までは陸奥湾の波を被ってしまいそうな波打ち際コースが続きます。

ちなみにここで右の路肩に見えている防護ネットで覆われた断崖は「白岩」といいますが、この辺りで左手の海を眺めてみると・・・。







寄浪のすぐそばにある「牛ノ首岬」の沖合1kmに、まるで鯨が海面上に頭を出して潮を吹き上げているような姿の「鯛島」がよく見えています。島内に弁天様が祀られているため「弁天島」とも呼ばれますが、どう見てもタイではなくてクジラ!

そんな鯛島ですが、ここには「安達(あだち)の小連(こむらじ)の娘の哀話」という遥か昔、奈良時代から平安時代にかけての伝説が残されてます。ちょっと長いですが、参考までに紹介しておくと次の通り。

「安達の小連の娘の哀話」
768(神護景雲2)年、都から脇野沢に「安達の小連」という若者が故あって追放されてきますが、やがて蝦夷の酋長の娘婿となって美しい娘が生まれます。

その後、801(延歴20)年に征夷大将軍「坂上田村麻呂」が東夷征伐のためこの地に来て半年余り滞留します。その間、安達の小連の娘は坂上田村麻呂に仕え寵愛を蒙って懐胎しますが、やがて坂上田村麻呂は娘を残して軍船に乗り帰京。

娘は泣いて半狂乱で悲しみますが、やがて病で命を落とし、哀れんだ村人たちによって沖ゆく船がよく見える「鯛島」に手厚く葬られます。

以来、鯛島の近海では怪しいことが絶えず、付近を航行する船は祟りを恐れて帆げたを少し下げて鯛島を礼拝して通ったそうですが、時代が下って1337(延元2)年、この地を訪れた「藤原藤房」がその哀話を聞き、鯛島の娘を祀る祠に自ら刻んだ天女の木像を奉納して供養してからは怪しいことが起きなくなったそうです。







ちなみに鯛島は昨日、津軽半島の外ヶ浜町にある「平舘灯台」から眺めた、牛ノ首岬のすぐ沖に見えていた島になります。







うわぉ、なんか最果て感が物凄くよくねー? 九艘泊に至る道すがらに広がる平舘海峡と対岸に屏風のように連なる雪化粧した津軽半島の山々。対岸は外ヶ浜町の蟹田から不老不死温泉にかけての平舘付近ですが、ここまで直線距離で僅か123kmほど。それを半日かけて陸奥湾をぐるっと回り込んでやって来たわけですなぁ!







続いて右手に平舘海峡の南端、すなわち津軽海峡からの陸奥湾の湾口辺方向を眺めてみますが、海面をようく眺めてみると・・・。







おお、平舘海峡を勇ましく突き進む1艘の小型漁船が! むつ市の九艘泊から脇野沢にかけては、陸奥湾海域に続く平舘海峡海域も漁場になっていて、主にヒラメやタラ、カタクチイワシなどが水揚げされますが、真冬の海の寒さをものともせず、船上で操舵する猟師さんがカッコいいぜ!







平舘海峡の波打ち際をさらに進んで、むつ市「蛸田」の手前までやって来ました。前方で海に突き出しているのは「イボ崎」で、ここからだと山の蔭で見えていませんが、イボ崎の手前には蛸田集落と小さな漁港があります。







おお、平舘海峡越しに眺める冬の津軽半島の山々がこれほど美しかったなんて! 岬といっても海に向かって少し膨らんでいるだけのイボ崎ですが、そのイボ崎から平舘海峡を挟んだ対岸には、雪化粧の津軽半島最高峰「丸屋形岳(717.8m)」や、それに準ずる「袴腰岳(707m)」などの頂がくっきりと!







手前から見えていたイボ崎までやって来ました。県道は岬の断崖直下を回り込んで行きますが、しかし、地面に雪がほとんど無いな〜。平舘海峡西岸を挟んだ津軽半島側の今別町や、外ヶ浜町では沿岸部でもけっこう積もっていたのにね。







なお、ここらで「九艘泊(下北半島)」と「平舘(津軽半島)」との位置関係を示すとこんな感じ。九艘泊は陸奥湾の湾口に位置しているため、平舘海峡を挟んだ対岸の平舘はもちろん、南は青森湾から野辺地湾まで見渡すことができますが、大湊湾については角度的に九艘泊からは見えていません。

ちなみに平舘不老不死温泉から九艘泊までの移動は、蟹田〜脇野沢間を結ぶ「むつ湾フェリー」を利用すると早いですが、11月上旬から4月下旬の間は冬季運休になるので、真冬の季節はフェリーでショートカットはできないっす・・・。







イボ崎から脇野沢方向を振り返るとこんな感じ。前方で海に突き出しているのが「牛ノ首岬」で、そのすぐ沖に浮かんでいる鯨の形をした小島が鯛島ですね。







平舘海峡から寄せくる白波が騒ぐイボ岬から南南西の水平上に眺めた夏泊半島。津軽半島と勘違いしがちですが、そうではなくて夏泊半島は陸奥湾の南岸に大きく突き出た周囲30kmほどの半島で、西(画像右方向)の青森湾と、東(画像前方中央)の野辺地湾を隔てる半島ですね。

なお、野辺地湾のさらに東には大湊湾が位置していますが、牛ノ首岬に視界を遮られてイボ崎からは角度的に見えていませんでした。

トップへもどる ][ 1日目 ][ 2日目 ][ 3日目 ][ 4日目[ 1 ][ ]へ ]