錦秋紅葉ざんまい林道探索 広沢林道 編 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.10.30 
広沢林道 / 紅葉ざんまい編 [1] [2] 

夏の同地点
まり知られていませんが、広沢林道ではおなじみの家屋地点です。発電所入口を過ぎてしばらく進むと現れるんですね。夏の季節に通りがかると避暑地のコテージのようにも見えますが、さすがにこの時季は寒々とした雰囲気に・・・。そしてここは秋を過ぎればすぐに冬が訪れる名だたる豪雪地帯の奥只見です。窓には厳重に板が打ち付けられて冬越え備えがされていました。
ごもりの家屋を過ぎると、その先は奥只見の人里遠く離れた山の中。路肩にはクマが出没しそうな場所に生えるという意味で呼ばれる「クマザサ」が茂り、人の気配というものが全く感じられない深山の趣がひしひしと感じられますが、秋色に染まった山林内は紅葉の放つ鮮やかさで想像以上に明るい雰囲気でした。

ツタウルシ
然状態が比較的良好に残されている奥只見の山中。林道沿いには落葉広葉樹の樹林が広がりますが、赤や黄色、メープルに緑などの多彩な色彩が混在していることからも、ここが樹種豊かな森であることが分かりますね。紅葉は黄葉する樹木が多いですが、その中に混ざる赤の鮮やかな美しさが目を引いてやみません。

秋晴れの紅葉
晴れの空と黄葉のコントラストがなんともいえぬ美しさを演出する山の斜面を進みますが、林道を覆うようにブナの木がせり出た地点では路面も落葉まみれ。紅葉は今が盛りですが、森には早くも落葉した樹木もあって、全くの静寂さの中、カサコソと踏みつける落葉の音だけが聞こえてくるのが心地良かったなぁ!
ープルから黄色へと見事なグラデーションで魅せる黄葉がどこまでも続きます。夏ならば鬱蒼差をも感じてしまう山深さでありながら、陽を受けて光り輝く黄金色の色彩でダートの雰囲気はとても明るいものに! 春の柔らかい色合いとは異なって、秋の広沢林道は原色系の美しさで溢れていたんですね。

まさか?!

振り返る

?!
「やや?! 道を間違えた??」広沢林道を初めて探索した7年前の記憶を頼りにここまで進んできましたが、やがてダートは薮に埋もれて前進不可となりました。途中の支線分岐を間違えてしまったのでしょうか? 広沢林道は完抜け林道なので、道間違いをやらかさなければこのような展開はないはずです。仕方ないので今来た道を引き返して途中の分岐をしらみつぶしにしますが、それにしても行く手にはびこる薮草までもが綺麗に紅葉していたのが皮肉だったなぁ・・・。
いうわけで一つ手前の分岐地点まで戻ってきました。先ほどはここを前方から手間へと左折したのですが、よく眺めてみれば右折側もまともな状態ではなかったです。したがってここで道を間違えたということでもないみたいだな。仕方ないのでさらに今来た道を引き返すしかありません。ちぃ、貴重な紅葉ざんまいの探索時間がどんどん削られていくぜぇ!

夏の同地点
らにもう一つ手前の分岐地点まで引き返してきましたよ。先ほどは手前から右手へと下って右折下ので、今度は緩い登りとなった左折側に進みます。ちなみに広沢林道は途中で分岐する名無し系ダートの分岐が多くて確かに道間違いしやすい林道ではありますが、しかし、ここは過去に一度訪れている林道です。「道間違いはヤラかしていないはず」との半信半疑に陥りつつも、現状としては消去法で進めるルートはこの分岐の左折側しかなかったんですね。

ツタウルシ
も左折側のダートが薮に埋没してしまうことはなかったです。より草深くて山深い深山の趣が濃厚ながらも道は続いていました。これで全ての懸念事項が解消されたわけではないのですが、既に広沢林道は過去において完抜けで完走済み。樹木の幹に巻きついて鮮やかなワインレッドに染まったツタウルシの紅葉などを眺めながら、大して焦りや不安を感じないままその先へと前進することができました。あはは、これこそ再探索の余裕というやつなんだぜぇ!

紅葉風景
高の秋晴れでやけに澄みきった青空のもと、ダートを覆い尽くす勢いで色づきまくる紅葉の美しさはなんとしたことでしょう! 京都などの寺院や庭園などとコラボした紅葉も美しいですが、やはりそれはそれ。そこまでの一点集中型の派手さはないですが、誰も訪れない人里遠く離れた深山の中、完全なる秋の山の静寂さに包まれた林道で眺める紅葉は一味も二味も違います。こればかりはオフバイクで実際に訪れて自ら体感しないことには分かりにくいですが、そうこうするうちに前方彼方に一際目を惹く山の姿が見えてきました。

全山紅葉

?!
く手の山に近づくように進んでいくと、やがて山の斜面が迫ってきます。そしてその斜面がえらいことになっていたんですね。猛烈なまでの極彩色で埋め尽くされており、上空の青さに映える色彩が美しさに思わず涙が出てしまうほど!

紅葉のダム湖

湖岸の紅葉
「やや?! ここは大津岐ダム?!」燃えるような錦の斜面を見上げながら進んでいくと、やがてこのような場所にたどり着きました。薄々そのような気はしていたのですが、広沢林道本線から外れて大津岐川上流の大津岐ダムへと至る支線ダートに入ってしまったみたい。というわけで、ここは広沢林道本線でないことが判明、それと同時に広沢林道は完抜け不可状態に陥っていることも分かってしまいました。やはり先ほどの撤退地点が本線であったようです。崖崩れか路面崩壊による自然災害で完抜けできなくなっていたんですね。あはは、そんなことだと思いました。

紅葉のダム湖

紅葉と冠雪

紅葉と冠雪

?!
っかくなのでダム湖の堰堤を対岸まで進んでみました。しかし、そこからの眺めがまた素晴らしかったです! 秋の青空に映える湖面と全山紅葉し尽くした斜面、白く冠雪した大迫力の山肌・・・それら素晴らしい景観がここ大津岐ダムから一望できたんですね。しかも誰にも邪魔されず欲しいままに! 今回の広沢林道探索はあくまで紅葉ざんまいが目的です。林道の完抜け不可に陥っていたのは残念でしたが、それをもってしても収穫は大きかったなぁ!
津岐ダム堰堤上にて振り返ってみるとこんな状況。誰もいませんね。訪れるのは林道ライダーか筋金入りのダムマニア、もしくは釣り師くらいなものでしょう。「秘境ダム」と言われるだけあって、周囲の山深さはかなりのものがありました。そして秋のこの時季ではダムを取り囲む山々が凄まじいまでの極彩色で埋め尽くされていたとはね! 秋の紅葉シーズン、林道ライダーならば見逃せない場所ですよ。
つまでも林道を立ち去り難いものがありましたが、深山地帯の山の日暮れは早いです。山の陰ではすでに夕刻の気配が漂い、また気温も急激に低下してきます。後ろ髪を引かれつつも、奥只見湖の湖岸ダートを再び戻って本日の紅葉ざんまいは終了。この後は熱い温泉うまい夕食が待つ今夜のお宿、南会津町の「さかい温泉さゆり荘」へと速攻で向かいました。それにしても水辺の紅葉の美しさというものが想像以上であったことを思い知らされた今回の広沢林道、秋の奥只見の林道は「もう全然違う!」 と強く思った次第であり、機会があればぜひお勧めしますよ!
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