2022 北海道林道探索ツーリング 8月13日(土)晴れのち雨 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
17日目[9]  紋別市「紋別 Monbetsu→ 網走市「網走 Abashiri もどる  






ガソリン給油量 10.23L 給油回数3回 ガソリン代 1805円 総走行距離  258.1 km / ダート走行距離 58.2 km トップへもどる


十字園の変形十字路を西に曲がり、まずはやけに土質っぽいオホーツク林道のワダチダートを一路オホーツクの森の展望台入口へと向かいますが、いつ降った雨のものだか分かりませんが、途中でチョコレート色をした水溜りが出現!

水溜りは中央部分や脇に避けてやり過ごそうとしましたが、しかし、堆積したトロトロな泥アンコによってスリップ転倒の危険性が大きいと判断。深さは不明でしたが、水溜りの中央部を強行突破するしかなかったなぁ・・・。







常に湿っているような土質ダートでなだらかな連続した登り坂となっていたオホーツク林道でしたが、やがて路肩に鉄板タイプの看板が設置されているのを発見。付近の地図が掲載されていたので立ち止まって眺めてみます。







林木遺伝資源保存林
目的
国有林野において、森林生態系に係わる生物遺伝資源のうち、
主として主要林業樹種及び希少樹種の遺伝資源を保存することを目的とする。

保存林名 / 北見ハルニレ23
保存対象樹種 / ハルニレ
所在 / 網走事業区117る′林小班
面積 / 11.22HA
設定年度 / 平成3(1991)年3月

北見営林支局 網走営林署
路肩に設置された看板は「林木遺伝資源保存林」でした。林木遺伝資源保存林についての各種データが記載されていましたが、しかし、「網走営林署」との記載があることからも分かるように、これはちと古い看板。

なお、先ほども述べましたが、現在、「林木遺伝資源保存林」は「遺伝資源希少個体群保護林」という扱いに変更されており、「北見ハルニレ23」という保存林名も今は「網走ハルニレ遺伝資源希少個体群保護林」という名称に変えられていますが、ちなみに遺伝資源希少個体群保護林は北海道には130箇所くらいあります。

しかし、そんなことよりも、掲載マップに「オホーツク林道」と記されているのを発見した方が大きな収穫だったかな。林道標はどこにも設置されていませんが、おかげでここも「オホーツク林道」の一部区間であることが確認できたんだよな!







貴重なハルニレの保護林を抜けて、現在「117ち′林小班」の中を前進中。ダート沿いには樹皮が白くて美しいシラカバ林が広がっていましたが、これが「しらかば十字園」の名称由来となった森くさいな。







右折分岐出現! その後も鬱蒼とした森の中を進んでいくと、やがて左手に斜めで登坂していく分岐が現れましたが、ここは展望台への入口のようでした。分岐の股にそれを示す道標が設置されているので見過ごす恐れはまずありません。しかし、探索時にはオホーツク林道のその先の方が気になってしまい展望台はパス。







桃色コース
← 展望台 展望台歩道 クリンソウ入口→
分岐に設置されている道標ですが、「桃色コース」というのは十字園〜展望台間に設定されているオホーツクの森の散策ルートを示しており、また、「展望台遊歩道クリンソウ入口」は、先ほど通った緋卯林道の途中で見かけた山道(歩道)の展望台側の入口があることを示しています。







これが道標に記されている展望台歩道の入口。クリンソウ自生地を経由して緋卯林道へとショートカットすることができ、傍にはマップが掲げられていましたが、道は遊歩道という名のあからさまな「山道」なのでそのつもりでね・・・。







遠く網走湖までを望むことができる展望台はパス。さらに森の奥へと登坂していくオホーツク林道のダートを進んでいきますが、腐葉土チックな路面はフカフカでしたが、道すがらに広がる森はなかなか良い雰囲気です。

しかし、道標には展望台入口を過ぎたその先がどこへ向かっているのかが具体的に記されておらず、未知なる領域へと進むドキドキと不安感が入り混じった状態で進んでいますが、でも林道探索的にはこのような状況が実に楽しくて・・・。







道すがらに立ち止まって眺めたダート伝いに広がるオホーツクの森。網走市と北見市に跨がり、天然林56%と人工林44%で構成された自然色豊かな森ですが、なんでもここには「オホーツクみどり検定」というのがあるみたいです。

オホーツク地域限定のご当地アニメならぬ「ご当地検定」というやつで、「基礎編」と「ガイド編」の2つがあるので、興味のある方はチャレンジしてみてください。







うげぇ。また泥アンコな水溜りかよ・・・。晴れの日なのに、なぜか足回りが泥水まみれになるのは最悪ですが、まあ、仕方ねーやな。

そして林道名と林道区間に拘らない方にはどうでもいい話ですが、オホーツク林道区間はこの辺りで終点になっているらしいです。道が分岐しているわけでもなく1本道状態であり、それに加えて林道標も設置されていないので、こんなの普通はまず気が付きませんが、オホーツク林道が接続する先は堤の沢林道になっています。







おお! オホーツク林道から一本道状態で堤の沢林道に乗り継ぎ、やけに土質っぽいダートをその後も進んで行きますが、するとまたしても右折分岐が出現!

未知なる林道をろくな事前情報もなしに進んでいると、未知なる支線林道分岐に遭遇することってよくあり、その瞬間の「ここは一体どこに向かっている?」という嬉しさと胸のときめき感はまた格別なのですが、うふふ、分かるかな〜。







うむ、ここは堤の沢支線林道というのか。林道名に「支線」とあることからも、今現在、オホーツク林道から乗り継いで堤の沢林道を進んでいることが分かりますが、それにしても北海道の林道らしからぬ平凡な林道名だな。







堤の沢林道から左折分岐していた堤の沢支線林道の様子です。林道標に記された延長距離は1080mとショートですが、ダートの雰囲気には草深さと絶対的な通行量の少なさが感じられましたが、それでも状況は意外とまともな感じ。

ちなみに地理院地図には、堤の沢支線林道分岐の手前で左折して、忠福林道(常呂部内)につながる4.5キロほどの作業道系連絡ダート(マップではE)の道筋が記載されていますが、現地ではそんな分岐は見かけなかったような気が・・・。

これはよくある話ですが、地図上ではしっかりと道筋が記載されているのに、現地では廃道化ですでに消滅していることってよくありますが、ここもそんなケースの一つかもしれません。廃道化で藪に埋もれ、分岐に気付かず見過ごした可能性が大ですが、そんな状況なので、どうせまともに通ることなんてできっこねーし!







未知なる堤の沢支線林道分岐を直進してさらに進んで行きますが、するとその先で鋼鉄製の屈強ゲートが現れました。嬉しいことにゲートはオープン状態になっていて、その直後に今度は左右に延びるダートに突き当たります。

しかし、そこに林道標は設置されておらず探索時には知る由もなかったですが、左右に走っているのは幌内林道であるとのこと。







幌内林道に突き当たったら右折しますが、幌内林道側から分岐を眺めるとこんな感じ。幌内林道は忠福林道(常呂部内)〜忠福林道(端野部内)間18.1キロを結ぶ完抜け林道で、大雑把に述べると北見市端野町忠志(画像手前方向)から北見市常呂町福山(画像前方方向)を結んでいます。

しかし、初めてやって来た場合はとてもじゃないけど、そんな事までは分かるはずもなく、探索時にはすでに現在地が分からなくなっています。しばし思案の後、目指す道7は右折(画像前方)方向だと勘を頼りに進みましたが、未知なる領域の林道探索ではこのような当てずっぽうな状況がとても楽しかったりもするんだよな!







というわけで幌内林道を右折します。右折側の忠福林道(端野部内)方向から分岐を振り返るとこんな感じですが、林道標はおろか道標の類は皆無なので、逆側からでも状況は同じ。初めてやって来ると進むべき方向に完全に迷ってしまうと思います。

ちなみに幌内林道を左折(画像前方)しても、その先で右折して忠福林道(常呂部内)に進めば道7へと抜けられますが、しかし、付近の複雑な林道網を把握していないと、現実的にはそれも難しいでしょうなぁ・・・。







えぇ!? また分岐かよ! 突き当たった幌内林道を右折すると、そのすぐ先で今度はY字の分岐が現れました。やはり林道標や道標の類は設置されておらず、どちらに進んだものかと悩んでしまいます。

このような場合、いくら考えても貴重な探索時間を虚しく浪費するだけ。勘を頼りに潔く「ええいままよ!」と右折することにしましたが、実は左折方向は幌内林道で、右折方向は幌内7の沢林道になっています。







こちらは引き続き幌内林道になっている左折方向の様子です。すぐ前方の昼なお薄暗い森の中へとダートが向かっていますが、結果から述べるとこちらに進んでも、右折して幌内7の沢林道に進んでも行き着く地点は一緒。

つまり、幌内7の沢林道は幌内林道の迂回ルートになっています。したがって左右のどちらに進んでも構わないのですが、参考までに述べると、幌内林道を進んだ方が3.5キロほど距離が短くなっていますよ。







お、なんだか怪しい雲が・・・。幌内7の沢林道分岐地点でふと立ち止まって眺め上げた空ですが、いつの間にか鉛色の雲が上空を覆っているじゃないですか! 本日出発前に確認した網走地方の天気予報最高気温25.2度で晴れのち雨。

具体的には午前中は快晴で昼過ぎから曇り、そして15:00以降は雨予報になっているのですが、現在時刻は13:50くらい。林道ではつい先ほどまで晴れていたのに、あれよあれよと雨雲が湧き上がって雨に降られることがありますが、幸いにもこの時は今すぐにでも雨粒が落ちてくるといったヤバい状況ではなかったです。







分岐を右折して幌内7の沢林道に入りました。夏草のワダチがうっすらと形成されて固く締まった路面は走りやすかったですが、しかし、いくら進んでみても幌内7の沢林道を示す林道標が現れないんだよなぁ・・・。

現在、状況としては勘を頼りに道7(網走市常呂町福山)方向に向かっていますが、実際のところは林道名はおろか、現在地の把握も含めてどこに向かってどのように進んでいるのかチンプンカンプンな状態に陥っています。

かといって今来た道を延々と引き返す気にもなれず、ダラダラ前進していきますが、実は幌内7の沢林道を示す林道標は逆側の入口のみに設置されています。







林道名不明のままその後もダートをたどって進んで行きくと、やがて路肩に伐採されて枝打ちされた木材が積み置かれた右折分岐が現れました。「おお、未知なる支線林道の発見か!」と思ってその先を覗いてみると・・・?







なあんだ。そこは支線林道入口ではなくて、小さな土場の入口でした。一応、ここもオホーツクの森に含まれるエリアらしいですが、さすがに森林浴などのレクリエーション目的でここまでやってくる一般観光客はまずいないので、ダート沿いでは普通に森の樹木の伐採が行われ、木材搬出用の土場が設けられているみたいです。







土場入口を過ぎて先へ先へと進んで行きますが、しかし、ここは長いな〜。その後も1キロ、2キロ、3キロ、4キロ・・・と進んで行きましたが、1本道でひたすら延びるダートはどこかへとたどり着く気配が一向に感じらません。

道すがらには延々と鬱蒼とした森が広がるのみで、林道名も分からず、具体的なルートも知らないまま進む状況にはさすがに心細さも覚えますが、すると前方のカーブ地点からこちらをガン見してくる野良エゾシカの姿を確認!







数十メートルの空間を挟み、お互い身動きすることなくジ〜っと立ち止まったままガンの付け合いをすることおよそ30秒。緊迫した空気が漂いますが、やがてエゾシカは気まずそうに横を向いてすごすごと路肩の藪の中に立ち去っていきました。

このように各地の山深い林道を探索していると野生動物に遭遇することってたまにありますが、野生動物は基本的に目線を合わせると威嚇されたと思うようです。シカやキツネ、ノウザギなどはそうでもないですが、森のクマさんとかサルやイノシシは目線を逸らした瞬間に襲ってくることがあるので要注意。

また、これらとは別に林道では極稀に不審者(ヒト)と出合うこともありますが、その場合は立ち止まって目線を合わせ続けていると、突然怒りだしてこちらに襲いかかってくることがあるのでこれも注意してくださいね。あはは。

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