2022 北海道林道探索ツーリング 8月4日(木)曇りのち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
8日目[7]  釧路市「釧路 Kushiro→ 根室市「根室 Nemuro もどる  






ガソリン給油量 8.4L 給油回数3回 ガソリン代 1478円 総走行距離 269.1km / ダート走行距離 64.4 km トップへもどる


夥しい量で繁茂するフキに両脇を囲まれながら、森の中を左右に緩くカーブしつつ落石林道のダートが続きます。適度に踏み固められた路面は走りやすく、道すがらに広がる森の鬱蒼とした雰囲気を楽しみながら順調に快走!







落石林道は温根沼西方の広大な森を南北に縦断していく林道ですが、それにしてもここは本当に支線林道分岐が多いな。それらが網の目状に接続し合って林道密集地帯を形成しているのですが、事前調査によれば、ちょうどこの辺りには左折で分岐していく延長900mほどの極端ピストン「東梅林道」があるはず。

しかし、東梅林道はすでに廃道化してしまっているのか、残念ながら林道標はもちろんのこと、その入口さえも確認することはできなかったですけどね。







東梅林道の分岐を確認できぬままさらに前進していくと、やがてY字となった分岐が現れますが、ここは落石林道での要注意地点。なにが要注意なのかというと、実はこの分岐、右折側は落石林道で、道なりの左折側が九番沢林道になっています。

ここまでのルートですが、各種林道系サイトなどでは道142を横断する手前までが落石林道、その先が九番沢林道として紹介されていますが、実はここから先が九番沢林道であり、落石林道は右折してさらに続いて落石循環林道に突き当たり、最終的には落石駅付近に抜けています。







Y字分岐の右折側、すなわち引き続き続く落石林道方向です。こちらに進むと九番沢第二支線林道と交差し、その先で西六番林道を分岐したのちに落石循環林道に突き当たって終点となっています。しかし、林道標もろくすっぽ設置されていないため、かなり複雑なそのルートをパッと頭に思い浮かべることは難しいかと・・・。

また、こちらは草深そうな支線ダートくらいにしか見えておらず、しかもこっちに進むと落石方面に戻ってしまうので、大抵の林道ライダーは分岐を道なりに左折して九番沢林道方向へと進み、そのままR44へと退出するみたいです。







九番沢林道の分岐地点では、林道標の残骸とおぼしき支柱を路肩の藪で発見。しかし、そこになんと記されていたのかを知ることはもはや不可能・・・。







R44へと退出すべく、落石林道から九番沢林道へと乗り継いで450mほど進むと、再び右折分岐が現れます。右折するのは9番沢第2支線林道。入口にはオープン状態の鉄柵ゲートが設置されていて、その先に続くダートは結構草深そうな様子でした。立ち寄りたいのは山々でしたが、探索時間の関係上パス。そのまま九番沢林道を進みます。







分岐の傍に立つ9番沢第2支線林道の林道標。こちらに進むと先ほど右折分岐していった落石林道と交差し、さらに九番沢支線林道を分岐した後、延長6912mで道142に突き当たって終点となっています。

しかし、気なるのは「番沢第」という表記。北海道森林管理局の資料には「番沢第」と記されていたり、また別の資料では「沢」の一文字が抜けて「九番第2」となっていたりと表記の仕方がまちまち・・・。

察するに林道を管理する役所間でも林道名統一の意思疎通がなされていないようで、現地の林道標では数字表記で9番沢第2支線林道と記されていましたが、本来は漢字表記の「九番沢第二支線林道」が正しいのだと思います。もちろん林道名にこだわらない方には別にどうでもいい話だけどさ。







その後、九番沢林道を900mほど進むと今度は左折分岐が現れます。傍に設置された林道標によれば、分岐しているのは延長1200mの温根沼林道とのことでした。







文字がかすれていたり、木板が朽ち欠けていることもなく、しれっとした何食わぬ顔でそこに普通に立っていた音根沼林道の林道標。林道標がいたってまともなので、温根沼林道は普通に通れるのかと思って行く手を眺めてみると・・・?







なんと、温根沼林道は入口からすでに草ボーボーな廃道状態。しかも屈強な板壁タイプのゲートによって行く手が固く厳重封鎖されてるじゃないですか!

しかし、拒否られれば拒否られるほど立ち入りたくなるのが人の常。偵察を兼ねて試しにゲート支柱の脇から回り込んでみると・・・?







あわわ・・・っ! ダートは藪に完全埋没していて、そこは人の腰ほどの高さにまで伸びた巨大なフキが繁茂する恐ろしい状況に! 温根沼林道は延長距離僅か1200mという短さですが、それでいながら全く立ち入る隙のない「恐れを知らぬ剛の者」専用林道と化していたみたいです。残念ですが、ダメだこりゃ・・・。







廃道化していて立ち入る気も瞬時に消え失せた温根沼林道分岐を後にして、九番沢林道本線の探索を再開。鬱蒼とした森の中を再び進んでいきますが、やがて行く手の森がぱっと開けて右手に温根沼の沼畔が広がりました。唐突に水辺が現れるのでちょっと驚きますが、ここまでやってくれば九番沢林道の終点はすぐそこです。







林道路肩から温根沼を眺めてみました。「野付風連道立自然公園」に含まれて「日本の重要湿地500」にも選ばれている温根沼は、アイヌ語で「大きな沼」を意味し、淡水と海水が混ざる周囲15キロの汽水湖。春や秋にはハクチョウなどが飛来し、また、最大で6センチもの特大天然アサリやホッキ貝が採れることでも知られています。

眺めている位置は南北に細長い沼のちょうど北端付近。前方には「温根沼大橋」が見えていますが、橋を挟んで温根沼は根室湾とつながっているんだよな。







その後、右手に広々とした温根沼の水辺を眺めながら進んでいくと、やがて赤茶色の林道ゲートが現れましたが、よく眺めてみると、右側の鉄柵部分が支柱からガタっと外れてぶっ壊れています。まさか、何者かの強引なゲート強行突破で破壊されたとも思えないので、どうやらここは廃ゲート化されていたみたいだな。







廃ゲートを通り過ぎた数十メートル先、温根沼大橋たもとでR44に突き当たって九番沢林道は終点となりました。林道出口でしばし温根沼を眺めて過ごし、林道探索直後の心地良い余韻に浸りますが、楽しかった今日の林道探索はこれで全て終わり! あとは国道を右折して本日の宿泊予定地の根室市街に向かうだけです。







九番沢林道出口から眺めたガラガラな2車線舗装のR44と温根沼大橋。ここから根室市街地の「根室駅」までは10キロほど離れています。温根沼大橋を渡るとすぐに「根室道路(通行無料 / 温根沼IC〜根室IC)」の入口がありますが、わざわざバイクで通行する意義は薄いので、根室市街地までは一般道で移動します。







根室の市街地に入ったら幅広4車線のR44沿いで見かけたセブン根室敷島街店で一息入れます。ついでに晩酌用の酒と夜食用のお菓子(なとりいかフライ / 96円)も購入しますが、一晩お世話になる「まつや旅館」の場所もここで再確認しておきました。







根室駅から「根室港」に向かっておよそ300m、国道を渡った先の根室市「清隆町」にあるまつや旅館に到着しました。静かな住宅街の中にある日本旅館で、WRは玄関脇の駐車場、宿の軽トラの真横に止めておきました。







白塗り木造家屋が昔懐かしい趣のまつや旅館。素泊まりか夕食付きかで迷いましたが、ここは夕食付きで予約しておいたんだよな。結果的には夕食付きで大正解だったのですが、その理由は後ほど分かります。







まつや旅館の玄関です。メット片手にガラリと玄関の戸を開けて到着を告げると、奥から女将さんとおぼしきニコニコ顔のお婆さんがすぐに出迎えてくれました。女将さんいわく、今日の宿泊客は当方1人だけで貸切状態なのだそうです。

さらに女将さんが言うには、実は今日はもう1人予約が入っていたのだけれど、急遽キャンセルになったそうで、先ほどキャンセルした人がわざわざ宿泊料金を支払いに来たそうです。夕食の食材準備が全てパーとなり、ホテルでは当日ドタキャン料は100%が普通なので、当たり前といえば当たり前ですが、律儀なお方だなっと感心します。







まつや旅館の客室は二階。玄関脇の階段を上がって告げられた客室に向かいますが、廊下伝いに洗面所とトイレがあって、共用の冷蔵庫が置かれていました。しかし、ウチワが置かれているところをみると、客室にクーラーはないようだな。







そしてこれが今晩お世話になるまつや旅館の6畳和室の客間。お茶セットにテレビが置かれて、布団はいつでも寝れるようにスタンバイされています。予想通り、クーラーはありませんでしたが、今日は暑くないので別に問題はないぞっと・・・。







客室に入ったら窓を開け放ちます。見えていたのは宿の裏手の普通の住宅地。海岸や港が見えているわけでもなくて、とくに気になるものはありません。

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