2022 北海道林道探索ツーリング 8月15日(日)晴れのち曇り 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
19日目[5]  上士幌町「糠平温泉 Nukabira Onsen→ 大樹町「晩成温泉 Bansei Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.71L 給油回数3回 ガソリン代 1485円 総走行距離 242.0 km / ダート走行距離 20.8 km トップへもどる


道すがらに広がる森はかなり鬱蒼としていたものの、若干土質っぽいダートはいたってまとも状態であった芽登糠南林道。途中、ここだという明確な峠地点はありませんが、気がつけば入線直後の緩い登りがいつの間にか下りコースに変わっています。







ふふふ、またこんな山奥までやって来てしまったぜぇ。道すがらに広がる森の切れ目からその先を眺めてみると、広々として北海道らしさを強く感じさせる森の遥か向こうには「南クマネシリ(1560.1m)」へと連なる山並みが見えていましたが、いつもながらに感じてしまう山奥の隔絶感にゾクゾクすると共に感動!







通りがかる車や林道ライダーもおらず、シ〜ンと静まり返って寂然とした森林の中を軽快に駆け下るWR。路面が湿り気を帯びて土質っぽくなっていたのが少し気になりましたが、それ以外は特に問題もなくいたって順調。穏やかな気分で気分でダートランを楽しみながらのんびりと糠南ダムを目指します。







林道沿いのチシマザサが恐ろしく密生している斜面に生えるトドマツの林です。太古の昔からの原始林ではなくて、人の手が入った人工林ですが、明治の頃に最初の伐採が行われ、その跡地に植林が行われてそれが成長したところで再び伐採。そしてまた植林の繰り返しですが、現在、この森は何世代目になるのでしょうか。







支線ダート発見! アカエゾマツの人工林と天然林とが入り混ざった森の中をなだらかに下って進んでいくと、やがて右に登って分岐していくダート分岐がありました。林道ゲートは設置されておらず、路面状態も芽登糠南林道と比較して遜色のない状況。分岐の傍に林道標らしきものが設置されていたので早速駆け寄ってみます。







おお、ここは坊子山林道というのか! 分岐に設置されていた鉄板タイプの林道標によって右折側は延長距離4086mの坊子山(ぼうし)林道であることが判明しましたが、林道名の由来は付近にある「坊子山(ぼうしやま /648.7m )」から。

ちなみにこの坊子山林道はピストンではなくて完抜け林道ですが、坊子山林道→坊子山林道第2支線林道と乗り継げば、ダート9キロで足寄町「喜登牛」にある「芽登第一発電所」方向に抜けられます。

また、それと同時に先ほど見かけた芽登川林道から分岐していた久志奈林道ともつながっているので、芽登川林道→芽登糠南林道→坊子山林道→久志奈林道→芽登川林道のコースで周回することも可能。

とまあ、言葉で説明してもおそらくこのエリアの林道網はチンプンカンプンだと思うので、付近の詳細林道マップを示しておくので確認してみてくださいね。







群状植栽の間伐技術の確立
目的 ]群状植栽した間伐施業方法を検討して、
林分の健全化を図り生産性の高い人工林に誘導するための間伐方法の技術を確立する。 

位置 ]上士幌営林署321林班ほ小班
地形 ]山腹平衡斜面
標高 ]520〜580/550m
方位 / 傾斜 ]NW / 12°
地質 / 土壌型 ]安山岩 / BD
調査方法 ]9本田字型植  6本三角植  3巣3群三角植

設定年 1996(平成8)年
帯広営林支局 森林技術センター
あー、それから坊子山林道分岐にはこんな案内板もありました。なにやら難しい用語で説明されていますが、簡単に述べると、「群状植栽」とは苗木を1カ所に数本まとめて植える方法で、雪害に有効だとされる樹木の植え方のこと。

9本をまとめて田の字形に植えたり、6本まとめて三角形に植えてみたりしながら、最適な間伐方法を調査していることを説明しているのですが、しかし、この案内板は営林署時代のかなり古い代物。果たして調査結果はどうだったのでしょうか?







右折分岐していく坊子山林道に別れを告げてさらに芽登糠南林道を進んでいくと、再び上空を高圧送電線が横切っている地点が現れました。そういえば先ほど探索した芽登川林道でも高圧送電線の下を横切りましたが、ここは「北見幹線」と呼ばれ、それとは別系統の高圧送電線らしいです。







林道の真上を横切る北見幹線。北見幹線は「上士幌送電所(前方方向)」から糠平発電所を経由して「留辺蕊変電所(手前方向)」間を結ぶ18万7000Vの高圧送電線で、その送電線のルートをなぞるように森が細長く伐採されていますが、伐採区画は国有林から電力会社への貸地扱いになっているみたいです。







その後再び芽登糠南林道沿いに設けられていた土場の傍を通過中。しかし、土場からの木材搬出作業はあらかた終わったらしく、広々とした敷地はほとんどカラッポ。その片隅に最後の搬出を待つ木材が僅かにちょこんと残されているだけでした。







うひゃぁ! 土場への入口ですが、そこは路面の土が林業トラックのタイヤにこねくり回されて酷い泥アンコ状態に! 君子危うきに近寄らず・・・ではないですが、こういう箇所はオフバイクでもなるべく近づかない方が賢明ですね。







土場入口を過ぎてさらに前進していくと、やがて左右に横切るダートと交差するダート十字路に行き着きましたが、ここが芽登糠南林道の終点です。周囲には鬱蒼とした森があるだけで糠南ダムはどこにも見えていませんが、ダムは前方の樹林の先およそ60mほどの場所にあって、林道からは全く見えていませんでした。







そしてダート十字路の左方向は糠南林道になっています。糠南林道はその名の通り糠南ダム上流の「ヌカナン川」伝いに遡る延長17キロほどの長距離ピストンで、ここが起点になっているんですね。ただし、この地点に糠南林道を示す林道標は設置されていなかったような気がします。

そんな糠南林道には長距離ピストン支線の分岐が多くて、また、途中で勇安別林道に乗り継げば道88への完抜けも可能。そして糠南ダムのすぐ下手にある「芽登温泉」に宿泊してじっくり腰を据えて探索すれば、そこだけで丸1日は楽しめそうな林道ネットワークが展開しているのですが、その詳細な林道マップはこんな感じ。







→ 4.5K 巨岩の滝 足寄町観光協会
糠南林道側に設置されていた「巨岩の滝」への道標です。糠南林道沿い位置する巨岩の滝は「巨岩」と書いて「おおいわ」と読ませるそうで、糠南林道を進んでいくと途中に入口があって、林道から森の中を100mほど進むと滝の上の方に出られるとのこと。林道探索と共に滝巡りが好きな方はぜひどうぞ。







こちらはダート十字路の直進方向ですが、直進側には急カーブで急激に下るダートが続いています。ただし、ここは名のある林道でもないし、作業道でもないみたい。ダム湖のほとりに向かう管理道っぽくもあるただの未舗装な道なので、林道探索的にはこちらに進む価値はほとんどないかと・・・。







そして残るはダート十字路の右折方向ですが、こちらに進むとダート状態のまま芽登温泉への入口を経て道88へと退出することが可能。よって予定通りこちらに進むことにしますが、しかし、こちらは「林道」ではなくて足寄町の「町道」区間になっていて、その名もずばり町道旭丘喜登牛線。

この区間、某ツーリングマップルには「芽登糠南林道」と記載されているのですが、でもそれは誤り。厳密にはこれより先は町道旭丘喜登牛線になっているのですが、この場所にはそれを示す町道標が設置されていないので、芽登川林道→芽登糠南林道と乗り継いで初めてやって来た場合は、そのことにまず気がつかないと思います。







というわけでダート十字路は右折。芽登糠南林道から町道旭丘喜登牛線に乗り継いで道88を目指して引き続きダートを進んでいきますが、すると十字路から160mほど進んだ地点で糠南ダムの堰堤への入口が現れました。しかし、釣り師の侵入を防ぐためか、ダム入口は鉄柵ゲートで固く閉じられています。







鉄柵によって立ち入ることはできませんが、入口からは糠南ダムとダム湖がちょっとだけ見えています。しかし、ダムには近づけず、それに常駐員がいるとも思えないので、「ダムカードはどこで貰えばよいのだろう?」と林道ライダー兼ダムマニアな方は心配するかもしれませんが、でも大丈夫!

糠南ダムのダムカードは足寄町の中心地にある道の駅風の飲食施設「あしょろ庵」で営業時間中に配布されています。ただし、ダムカードは実際にダムに赴いた者だけが1人1枚というのが鉄則。そして受け取りの際には、糠南ダムと一緒に写り込んだ写真などの証明の提示ができないと貰えないのでそのつもりでね。







というわけで、ダムカード1枚のために足寄町の市街地までおもむく気にはどうしてもなれず、レアな糠南ダムのカードは諦めて引き続き町道ダートを進んで行くと、カチカチに踏み固められたダート沿に沿って電柱が立ち並びますが、これはダム施設への電源ですね。そして道すがらの雰囲気も山深さが少し薄れてきます。

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