宿泊「山辺旅館」編2
  三宅島の宿 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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しゃきしゃきな食感が楽しめるアシタバのお浸し

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    宿泊「山辺旅館」編2
三宅島特産のアシタバとナメタケのお浸しです。島ならではの食材であるアシタバのホロ苦さがお酒との相性も抜群で、ちびちびつまんで食べると美味しかったです。アシタバは天ぷらでも美味しいですが、食感が楽しめるお浸しもまたいいんだよなぁ。






日本人の夕食には欠かせない酢の物

みずみずしいワカメとキュウリ、そしてカニカマの酢の物です。あると嬉しくて自然と食事も進んでしまいますが、これは普通に美味しかったです。






とにかく磯の香りが濃厚なカメノテのお吸い物

おお、これは三宅島らしくて珍しい! 緑のアクセントでキヌサヤがちょこんと入った島ノリとカメノテが丸ごと入ったお吸い物です。とにかく磯の香りが濃厚でしたが、カメノテは滅多に食べる機会もないので、これは本当に珍しかったかな。

カメノテは磯場で通年獲れる亀の手のような形をしたミョウガガイ科カメノテ属の甲殻類でフジツボの仲間。岩に張り付いているのを磯遊びでよく見かけますが、エビやカニの仲間で貝ではないですよ。三宅島では磯風味のお味噌汁などで食べられているみたいです。でもカメノテは小さいのでダシ用の食材みたいな感じでしょうか。

島ノリは「はんばのり」とか「はばのり」と呼ばれる岩のりで、阿古のスーパー(土屋食品)で売られている「のり弁」でも使用されている高級食材ですね。






ご飯は炊き立てのやつが木のお櫃で出されました

炊き立てでホカホカだった白いごはん。宿では炊き立てのやつをちゃんと木のお櫃に入れて出してくれました。それにしてもご飯が美味しいと食事も進むこと進むこと! 木のお櫃が余計な水分を吸ってくれるので、お米もより美味しくなるんだぜぇ。






大根のお漬物とキャラブキ

ごはんのお供は大根のお漬物とキャラブキ。ポリポリかじりながらだと白いごはんがいくらでもお腹に入りますが、いつもすぐになくなっちゃうんだよな〜。なので、これに合わせてごはんを食べるべきか、ご飯に合わせてこれを食べるべきか・・・。






いわゆる「お酒」で銘柄は不明

あ〜、それから、お約束のビールの後に「お酒ありますが?」って聞いたら、なんのお酒かわからない日本酒が出てきちゃいました。島焼酎のつもりで頼んだのですが、はっきりと焼酎と言わない曖昧な注文の仕方が悪かったようです。

でもこれはこれでちっとも問題はありません。なぜって、それはどうせこういうものを浴衣の袖に忍ばせて持参していたし・・・。






飲む気満々で忍ばせておいたカップ酒

密かに用意していたカップ酒。和歌山県紀の川市にある九重雑賀酒造の「さいかのさと純米酒」ですが、島内の商店で400円で売られていましたが、たまたまお店に立ち寄ったらこれが置いてあったというだけです。そういえば、前日泊まったホテル快楽でもカップ酒を密かに持ち込んだんだっけなぁ。






ちびりちびりと囲炉裏を前におちょこを傾けます

ではいただきます! しかし、囲炉裏を前にこうしていると、身分の高い島役人にでもなったような気分。実際のところ、島役人がどのような食事をとっていたのか分かりませんが、一般島民よりは遥かに良かったことは間違いないな。

昔の島民の生活に思いを馳せて感慨にふけりながら、ちびちびとお酒を飲みつつ料理をいただきますが、そういえば山辺旅館の食膳にはこんなものがありました。






箸袋に記された御斜面料理の説明

御斜面料理
数年に一度咲く蘇鉄の花を島の古老は赦免花と呼ぶ。この花が咲くと江戸から赦免船が迎えに来ると古くからの言い伝えに島の人達は島の豊かな自然に育まれた海山の幸を集め島焼酎と料理でその喜びを流人と共に祝ったという。
それが御赦免料理として今に伝わる。

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箸袋に記されていた御斜面料理の説明ですが、御斜面料理というのは赦免された流人が三宅島から江戸に戻る時、山海の珍味と島焼酎でそれを祝ったという料理。山辺旅宿では特別注文すれば出してくれるそうです。

でも実際に御斜面料理というものがあったかというとそれはかなり疑問。流人によってはごくささやかな別離の宴くらいはあったかもしれませんが、たびたび飢饉に見舞われて多くの餓死者まで発生した島民の生活はぎりぎりだったはずなのに、赦免になった流人のためにそこまで行ったとはとても思えません。

結局、御赦免料理というものがあったわけはなくて、島の郷土料理を豪華にそれらしく演出しただけのものだったりします。一言でいえば観光客用の特別料理ですね。なお、八丈島にも御赦免料理を売りにしたお店がありますよ。






三宅島酒造の「喜島三宅」はロックで

ビールでセルフ乾杯、その後は日本酒で晩酌しますが、もちろん島焼酎も忘れません。女将さんに「焼酎ありますか?」と尋ねてみたら、三宅島酒造の「喜島三宅」を出してくれました。やっぱり三宅島に来たら島の焼酎は外せないんだよな〜。






デザートは島ならではのアシタバアイスと甘いメロン

美味しいなぁ! 宿の夕食の最後を飾るのはアシタバアイスとメロンのデザートです。甘くて風味の良いスイーツで食後の満足感もいちだんと高まるというもの。






島焼酎で三宅島の夜が更けていきます

夕食が済んだら部屋に戻ります。その後、ホロ酔い気分でゴロゴロしていたら、女将さんが「全部どうぞ!」と、島焼酎「喜島三宅」を瓶ごと1本差し入れてくれました。夕食で晩酌した残りですが、しかも嬉しいことにクサヤのおつまみ付きで!

食後はテレビを眺めるくらいしかやることもありません。結局、クサヤを囓りながら、ちびりちびりと寝酒で夜が更けていったんだっけ。もちろん全部飲みましたよ。






都道から山辺旅館に向かう細い道

おはようございます! 昨夜は島焼酎の寝酒でぐっすりと快眠、目が覚めると今朝も雲ひとつない快晴でした。朝食前の朝の散歩と洒落て外に出てみます。

とくに見るべき物はなにもないのでぶらぶらと適当に歩き回りますが、これは宿の前から都道に向かう道。予想外の道の細さに、宿へと向かう途中、「本当にここ?」といった感じでちょっと不安になってしまうんだよなぁ。






誰が植えたというわけでもなく茂るアシタバ

道端にはアシタバが普通に茂っていました。誰が植えたというわけでもなくて、島内のあちこちで普通に生えているのを見かけます。好きなだけ採っても、文句を言う人はまず誰もいないと思います。お土産にしたい方は道端で新鮮なアシタバをどうぞ!






玄関脇には焼酎用の古いツボが!

山辺旅館の正面玄関脇に置かれていたツボ。あからさまに焼酎用の壺ですが、昔はこれで焼酎を造っていたのでしょうか? 古民家をイメージした玄関の飾りですね。






宿の裏手に隣接されている喫茶店

これといったものもないのですぐ宿に戻りますが、そういえば山辺旅館には「ティー・ハウス ノン・ノ」というお洒落な喫茶店が隣接されていました。眺めるまで気がつきませんでしたが、宿と建物内で続いていて、宿の朝食はそこでいただくみたいです。

喫茶店としての営業時間は11:00から19:00で不定休。ランチメニューの食事はもちろん、山辺旅館名物の釜飯もありますよ。






離島ブーム時代のミュージックボックス?

朝食は隣接された喫茶店でということなので、食事が運ばれてくるまで店内を見て過ごしますが、片隅にミュージックボックスがありました。

ミュージックボックスが大流行したのは1950年代(昭和25〜)の頃。これはそこまで古い代物ではないですが、その後、1980年代(昭和55〜)にCDやカラオケが登場すると流行らなくなってしまったんだよなぁ・・・。

昭和40年代(1965〜)には都会から訪れる大勢のヤングたちで島々が賑わった「離島ブーム」が起きていますが、これはその時のもの? ブームのピークは1975(昭和50)年頃でしたが、店内には島に押し寄せた押し寄せた観光客で賑わっていた当時の華やかな雰囲気がそのまま残っています。






朝食はこのカウンターでいただきます

宿の朝食をいただくカウンター。古き良き喫茶店といった感じで、カウンターにはコーヒーサイフォンが置かれ、棚にはティーカップやコーヒーカップがきれいに並んでいます。棚の隅には「御赦免」とか「山の辺」といったラベルの焼酎ボトルが置かれているので、夜は食事と共にお酒も飲めるようですね。

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