独特な趣のある山辺旅館の建物正面 |
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三宅島滞在3日目にお世話になるのは阿古地区の薄木にある「山辺旅館」です。錆ヶ浜港から坪田方向に都212号線(三宅一周道路)を進み、「レンタバイク朝信」手前の左折路を曲がった狭い道の先にあります。ちょっと分かりにくいですが、村営バスの「阿古郵便局前バス停」と「富賀神社前バス停」の間左折路ですが、「釜めし」の幟と宿の看板が立っているのですぐに分かります。でもレンタバイク朝信まで進んでしまうと行き過ぎなので注意してください。 旅館の建物はどこか島情緒を匂わせる独特な面構えでした。正面に三宅島山辺の文字が掲げられていてなんか立派そう。到着してパッと見した第一印象ですが、宿を訪れたのは実は午前9時をちょっと過ぎた頃。さすがに「いくらなんでも早過ぎねー?」と我ながらに思ってしまいますが、それにはちゃんとワケがあります。 |
かさ張る荷物だけ先にチェックイン! |
理由は簡単。身体一つの身軽になって島内探索を行うため、荷物だけ先にチェックインして置かせていただいたんですね。前日に泊まったホテル海楽から山辺旅館まではWRなら5分もかかりません。ならばと急遽思い立った次第。 そして思った通り、いきなり朝に訪れても宿の女将さん快くはOKしてくれました。これは狭い離島ならではの良いところで、三宅島に限ったことではなくて、島の林道探索ではどこでも通用すると思います。やっぱりバイクは身軽な方がいいのでね! |
宿のガレージにちょこんと止めさせてもらいます |
というわけで滞在三日目の島内探索を終えて山辺旅館に戻ってきました。しかし、車やバイクで訪れる宿泊客はほとんどいないので、とくに駐車場は設けられておらず、WRは狭い道路を挟んだ小さな空き地にあった宿のガレージの片隅にピットイン。 |
囲炉裏のある食事処となった日本間の奥が客室 |
玄関を開けて到着を告げるとすぐに女将さんが出迎えてくました。玄関を開けるとすぐに昔の身分の高かった島役人の屋敷内を再現したような囲炉裏のある日本間があって、客室はその先の廊下伝いにあるみたいです。 ニコニコしながら「こちらですよ」と案内してくれる女将さんの後について部屋に向かいます。ちなみに宿の夕食は囲炉裏端の日本間でいただきます。 |
こざっぱりとした明るい和室 |
通された6畳間の和室です。部屋から景色は望めませんが、クーラーとテレビ、金庫が備え付けられており、障子とガラス戸を開けると小さな縁側のあるこざっぱりと落ち着く部屋でした。静かにのんびりとくつろぐにはちょうどいい感じです。 |
まずは障子とガラス戸を開け放ちます |
ガラス戸を開けるとこんな感じで緑に覆われた小さな裏庭が見えています。縁側が設けられているので、夏とかは風呂上がりに夕涼みをするにはちょうどいいなぁ!
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三宅島では蚊の発生も早いみたい |
と思ったら、「蚊が出るので開けっ放しにしない方がいいですよ」と言われました。訪れたのは5月でしたが、三宅島では内地よりも蚊の発生する時期も早いようです。滞在中、蚊に刺されることはなかったですが、4月くらいには活動し始め、10月でも普通にいるとのこと。部屋の隅にブタさんの蚊遣りが置かれていました。 でも、たかが蚊だとタカをくくっちゃいけないな。三宅島では蚊を原因とするものはないですが、八丈島のすぐ隣に位置し、1969(昭和44)年に集団移住で無人島化した八丈小島は、蚊が媒介する「マレー糸状虫症」という怖い風土病(八丈小島のバク)があったことで知られていました。 さすがにそこまでの心配はないですが、蚊が気になる方は、日本気象協会が蚊対策の必要度数を示す「蚊ケア指数」というのを毎日発表しているので参考までに。 |
浴衣とバスタオルもちゃんとあります! |
浴衣にバスタオルに歯磨きセット。うむ、アメニティ関係もバッチリだな! 伊豆諸島の宿ではアメニティ関係はともかく、浴衣が用意されていない宿も普通にあります。汗をかきまくる夏とかに宿で浴衣がないとかなりショックですよ〜。
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冷たいお茶と梅干しのおもてなし |
おお、これは嬉しいおもてなしだぜぇ! 旅装を解いて部屋でくつろいでいたら、女将さんが冷たいお茶と梅干しを持ってきてくれました。部屋にお茶ポットがないので喉が渇いたと思っていた絶妙なタイミングでした。梅干しのすっぱさがうまい!
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宿では嬉しい温泉施設利用券のサービスも! |
クシャクシャになってしまいましたが、山辺旅館では「ふるさとの湯」の施設利用券をくれました。歩いて温泉まで行くのはちょっと遠いですが、三宅島のたいていの宿では車で送り迎えしてくれるみたいなので、そこは聞いてみるべきでしょう。しかし、タダ券をいただけるのであれば、そこまで手間をかけさせるまでもないな! 夕食までまだ間があったので、さっそくタオル片手にWRを一走りさせましたが、バイクなので時間を気にしなくていいのが良かったです。おかげでゆっくりと温泉に浸かることができ、火照った身体に吹き付ける海風がとても心地良かったですよ〜。 |
もちろん宿には普通のお風呂もあります |
もちろん温泉もいいですが、宿にはちゃんとお風呂もあります。当方の場合、旅先では夕食後の寝る前にお風呂はもう一度絶対に入りたい派なので、お風呂がないと困ってしまいます。温泉ではないので朝風呂までは要求しませんけど・・・。
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ガラス戸を開け放って夕涼み |
ふるさとの湯から戻って部屋でまったりと過ごしますが、そのうち外も暗くなってきました。女将さんの言うことを聞かずにガラス戸を開けちゃいましたが、それもほんの一瞬だけだったので、蚊に喰われることはなかったです。
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異国で発生した噴火のニュースが! |
座布団を枕にゴロゴロしながらテレビを眺めていると、なんと、ハワイのキラウエア火山の噴火のニュースが! 真っ赤に焼けたマグマが住宅地に押し寄せる様子が中継されていますした、なんでも現地住民1700人に避難命令が出されたそうですよ! ちなみに三宅島では、噴火はおよそ20年周期で発生しています。昭和15(1940)年、昭和37(1962)年、昭和56(1981)年、平成12(2000)年と、過去に何度も噴火に見舞われている三宅島では、ハワイの噴火のニュースは人ごとではなかったです。 |
夕食は囲炉裏のある日本間でいただきます |
そして待ちに待った夕食。客室に向かう途中で見かけた囲炉裏のある日本間でいただきます。宿泊客が他に何組かいたので2つある囲炉裏の間に長テーブルが置かれ、宿泊客が左右に座って食事するみたいですが、通された位置がちょっと微妙だったかな。 最初に通されたのは横座と言われる囲炉裏の正面(画像左側)でした。それは左右に家臣が居並ぶ様子を見据えるまさに殿様が座る位置。横座というのは身分の高い方が座る特等席なのですが、さすがに見知らぬ他の宿泊客を左右に見渡す位置は未分不相応で落ち着かなったです。なので、女将さんにお願いしてこの位置に変えてもらいました。 というわけで山辺旅館の夕食ですが、できたての料理が囲炉裏の縁に次々と運ばれてきます。まずはお約束のビールでセルフ乾杯させていただきますが、運ばれてきた料理はどれも地の素材を使ったものばかりだったのがとても良かったです。 |
アシタバの添えられていた新鮮そのものなお刺身! |
まずは海に囲まれた三宅島ならではの新鮮そのものなお刺身2種ですが、あからさまなこの厚切り具合はどうしたことか! 魚の名前は失念してしまいましたが、脂の乗ってトロっとしていながらも弾力のある食感で、これは文句なしに美味しかったなぁ! お刺身には大根のツマとワサビが添えられていましたが、よくあるシソの葉の代わりにアシタバの葉が添えられていたのが三宅島らしくて良い感じです。アシタバの鮮やかな緑に刺身の赤さが映えて、見た目にもとてもきれいですね。 |
揚げたての熱々で出される大きなカキ揚ゲ |
女将さんが揚げたての熱々状態で運んできてくれたカキ揚ゲです。山辺旅館では定番メニューらしく、宿泊すると必ず出されるらしいですよ。赤や緑、黄色の具材がギュッと
凝縮されたカキ揚ゲですが、具材は何が入っているのかな? 抹茶塩をちょこんとつけて食べると美味しかったです。
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ムロアジのアシタバ燻製と生野菜のサラダ |
ちぎった魚の身が乗せられた新鮮トマトとキュウリ、タマネギのサラダです。魚はもちろんムロアジ。でもただ焼いただけではなくて、なんでもアシタバで燻製したムロアジだそうですよ。しかし、それにしてもシャキシャキな生野菜とムロアジの燻製がこれほど相性が良いとは思わなかったな! これ、最高に美味しいです。
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味噌のようなものが乗せられていた焼き魚 |
サバかアジだったかは忘れてしまいましたが、魚の焼き物も出ました。焼いたのをそのまま出すのではなくて、ネギ味噌のようなものが乗っていて美味しかったです。
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