青木ヶ原樹海 禁断の樹海横断ダートで紅葉探索 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2022.11.10 
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所々で路肩に盛り上がって露出した溶岩を眺めながら、てくてくと歩いて青木ヶ原樹海横断ダートを引き返します。片道5キロもンジン付きならば、あっという間の距離なのでしょうが、しかし、今回は「徒歩」なのでそれなりに時間がかかります。







登山道沿いにどこまでも広がる鬱蒼とした森の景色。同じ樹海の森でもR139〜県71間の樹海横断コースの後半で通った明るく開けた丘陵地帯の森とは全然異なり、ここは生茂る樹木で見通しが効かない状況あることが一目瞭然。

森には木々が鬱蒼と林立しているので、ロープを括り付ける木の枝探しにさほど苦労することもなく、また、アルコールや睡眠薬片手に樹木の根元や溶岩の岩陰に座り込んで眠り込めば、もはや誰に見つかることもありません。密かにことを運ぶにはちょうど良い場所であり、だからこのような場所を選ぶのかなぁ・・・。あぁ、合掌。







倒れかかった樹木や、溶岩の裂け目がいたるところに点在している青木ヶ原樹海の森の中の様子。自殺志願者は道筋から外れたこのような森の中を散々彷徨った末に事を運ぶケースが多いようですが、しかし、彷徨い歩くというのはまだ未練がある状態。

その後、樹海の中で思い止まる場合もあると思います。しかし、足場の悪い森の中で怪我をして動けなくなったり、森で迷ってしまい、結局「凍死」や「餓死」に至った最悪な展開も密かにあったに違いありません。本当に死を決意した場合は無駄に彷徨ったりせず、手近な場所で速攻で実行するらしいですよ・・・。あぁ、合掌。







青木ヶ原の樹海のまっただ中を歩いていると、やたらと気になってしまうのが樹木の幹の反対側だとか、こちら側からは見えていない溶岩の岩陰地点です。登山道から見えている範囲内であっても気が付かないだけで、そこに「なにか」が落ちているかもしれませんが、怖いのでそのまま通り過ぎますよっと・・・。







そのような怖い森の状況とは裏腹に、見上げればそこにあった真紅に色付く樹海の紅葉です。派手な煌びやかさや豪華さはありませんが、しかし、樹海という特殊な場所で眺めるからこそ、美しさがより引き立ちます。







至る所で緑色のコケを纏った溶岩が地面から顔を覗かせている地面。そこにはツガやヒノキの幼樹が数多く芽吹いているのが確認できますが、木が芽生え成長して倒れ、そして朽ちて土壌となり、そこに再び木が芽生える。その繰り返しで樹木が連綿と世代交代を繰り返しながら、青木ヶ原樹海の森は発達していくのだろうなぁ。







樹海の森の中でポッカリと口を開けていた溶岩の洞穴。身を屈めれば人が入って行けそうな大きさがありましたが、このような洞穴の特大サイズのものが観光スポットになっている「富岳風穴」などで、洞穴の中に染み出た地下水が凍っているのが「氷穴」ですが、規模の小さな洞穴や穴ならば樹海ダート沿いにいくつも見かけます。

なお、青木ヶ原樹海の洞穴の中には、遠く離れた神奈川県藤沢市の「江ノ島」まで地下でつながっているものがあるとの都市伝説があります。青木ヶ原樹海から江ノ島までどれほどの距離があるのか知りませんが、まあ、あり得ねーな。







そんな感じで道すがらに樹海の風景を眺めながら進んでいきますが、知らず知らずのうちに距離も進んで、やがてダート区間は終了。簡易舗装区間まで戻ってきました。落ち葉が厚く堆積しているのでそうは見えていませんが、樹海の森で迷うことなく無事にここまで戻ってこれたことで、なんだかホッとします。







登山道の路面は簡易舗装に変わっても、道すがらに広がる樹海の森の雰囲気は変わりません。足を引っ掛けるべく地を這って待ち構えている樹木の根っこ。落ちたら骨折間違いなし的な溶岩の深い裂け目と穴の数々。そして、それらをうまくやり過ごしても、常に足を滑らせ転倒を誘ってやまない辺り一面にこびりついた緑のコケ・・・。

などなど強烈な足場の悪さが目立つ樹海の森は怖い罠が盛り沢山! もちろん、似たような景色が広がって迷いやすいという状況も怖いですが、それ以上に怖いのがこの足場の悪さ。迷うだけならいつかは出られますが、この足場の悪さがそれを簡単には許さないんですね。これこそが青木ヶ原樹海の本当の怖さだと思います。







樹海横断ルートのすぐ傍に露出した大きな溶岩塊。道すがらにはこのような地点がたまに現れますが、そういうが書では溶岩を手でそっと触れてナデナデしてみてください。手で直接触る事で溶岩のゴツゴツな感触を体感でき、青木ヶ原樹海が富士山の過去の噴火でできた場所であることが、ことさら実感できますよ。

ただし、青木ヶ原樹海は富士箱根伊豆国立公園に指定されているので、小石サイズの溶岩でも持ち出しは禁止されています。過去にはガーデニング用に溶岩を持ち帰った会社員が逮捕された事例もあるので、こっそりポケットに入れるのではなくて、手で触ってスリスリした後はポイッとその場に戻しておきましょう。







またしても異形の形をした樹木が・・・。樹海の森を見渡せばわかりますが、実際のところは枝の位置が高過ぎたり枝が斜めっていたりで、ロープを安定して簡単に引っ掛けられる手頃な枝って意外と少なかったりします。

それにしてもまるで首吊りを誘っているかのような怖い樹形だなぁ・・・。しかし、ここは樹海横断ルートから丸見えの場所。というわけで、晒し者状態になってしまうこの地点で自殺した者は、さすがに皆無だと思われるので安心してくださいね。うふふ。







行きがけに通った十字路まで戻ってきました。直進すればR139に退出しますが、その場合は精進湖民宿村から500mほど離れた地点で国道に退出してしまいます。なので十字路は左折して行きがけと同じく山道経由で精進湖民宿村に戻ります。







精進口登山道から外れて精進湖民宿村へと至る山道に進みますが、ここでは路肩の溶岩に絡み付いた樹木の根っこのインパクトが強烈。これこそ青木ヶ原樹海ならではの光景であり、どこか禍々しさを思わせる根のよじれ方が何度眺めても不気味!







陽射しに透ける淡いレモンイエローがきれいな「コシアブラ」の黄葉です。鬱蒼と茂った木々の梢の隙間から陽射しが差し込み、陽射しを受けた大きな葉が周囲を明るく照らしていましたが、その美しい黄色が遠くからでも目立ってとてもきれい。







行きがけに見かけた「←御殿庭 精進民宿→」と記された道標。ここまでくれば精進小民宿村は近く、しかも山道は1本道状態なので樹海の森へと迷い込む要素はなに一つありません。足取りも軽やかに精進湖民宿村にある樹海出口を目指しますが、でもそれは山道に沿って進んだ場合の話。道を外れて森の奥へと立ち入ると・・・。







ありゃりゃ〜、そこで待ち構えているのはこのような森の景色。民宿村に向かう山道の北西側、すなわち右手側には200mほど先でR139が並行して延びていますが、当然ながら全く見えていません。樹海特有の足場の悪さで真っ直ぐ進めないため、山道〜国道間の僅かな距離であっても、道から外れると迷ってしまう可能性が大きいです。

でも付近の森の中では国道を走るトラックの走行音がけっこう聞こえてきます。音を頼りにすれば一生森から出られないということもないと思いますが、しかし、樹海の森の中は足場がとても悪いのはこれまで眺めてきた通り。途中で怪我をして身動き取れなくなる事態も十分あって、実のところそれが一番怖かったりします。







精進口登山道〜精進湖民宿村間は山道の路肩に溶岩が並べられています。そのため日中ならば知らず知らずに道を外れてしまう心配は皆無。繰り返しますが、真っ暗闇に包まれる夜間を除けば、坂道で滑ったり、落ち葉に隠れた溶岩につまづいて転倒することを除けば、たぶんなんの心配もないです。







樹海の森の中ではたまにキノコを見かけますが、なんやねんこれ? 素人のキノコ狩りは危険なので手を出すのはお勧めしませんが、その一方で、道すがらに見かけたキノコを片っ端から食べていけば、先端が輪になったロープや大量の睡眠薬などがなくても、高確率で樹海の中で永眠できると思います。







精進湖民宿村へと向かう山道の右手には国道がして走っていますが、左手の南東には恐ろしげな足場の悪い青木ヶ原樹海の森がひたすら続いています。森の奥へと迷い込んだら元の道へと復帰するのは大変ですが、しかし、樹海では逆に山道から外れて樹海のど真ん中、森の深部へと迷い込むこと自体がかなり難しいかと・・・。

樹海で発見される自殺者が、山道や遊歩道から比較的近い場所で発見されることが多いことからもわかるように、誰にも見つからない場所を求めてひたすら彷徨い歩き続けても、樹海の深部へはそう易々とはたどり着けないんですね。散々歩き回った挙句、結局は近場をグルグル回っていただけなんて話もよく聞きます。







R139から僅か200mほどしか離れておらず、国道に並行している精進湖民宿村への山道。時たま森の奥からトラックやバイクの走行音が聞こえてきます。

精進湖民宿村〜精進口登山道間は、国道と並行しているため道すがらに車の走行音が聞こえてきますが、精進口登山道〜県71区間については、県道への出口に近づいた終盤の僅かな区間でしか聞こえてきません。青木ヶ原樹海の中では「車の走行音が聞こえている」とよく言われますが、なにも聞こえない区間の方が断然多いです。







うげぇ・・・。いわゆる「樹海の落とし物」は遊歩道や山道から少しだけ森の中に入った森の浅い場所、それもどうやら似たような地形の場所で発見されることが多いようで、樹海の中には自殺志願者に選ばれやすい地形というか場所があるみたいだな。

例えば、人目から隠れるように四方を溶岩に囲まれ、ちょっとした窪地で居心地の良さそうな空間にも見えるこのような場所とかね・・・。あぁ、合掌。







うむ、これは行きがけに眺めた道標だな「←精進湖 風穴→」と行き先が記されていますが、ここまで戻ってくると精進湖民宿村の出口はもう近いので、まぶたに焼き付けるように、青木ヶ原樹海の森の景色を眺めておきます。







これぞ青木ヶ原樹海的な森の眺めです。主に生えているのは秋にも紅葉しないツガやモミなどの常緑針葉樹で、地面には溶岩が露出して所々で穴や亀裂が不気味に口をのぞかせています。そのような地面には樹木の根が這いまくって倒木がいたる所で横たわり、それらはスリッピーなコケにべったりと覆われています。

歩きにくい樹海の中では100m進むのに30分かかるとか言われますが、あながち大袈裟ではないと思います。足場が悪くて似たような景色が広がる森の中では、すぐに方向を見失って迷ってしまうのは当たり前。

また、青木ヶ原樹海は自殺者が多いことで心霊スポットとしても有名ですが、樹海を横断しても心霊的な怖さは全く感じなかったです。では夜に訪れても怖くないのかと言われれば、やはり「怖い」に決まっています。しかし、真っ暗闇の夜の森が怖いのは本能的な感覚であって、心霊的なものとは関係ないと思います。







精進湖民宿村への出口手前に立っている青木ヶ原樹かの説明板。樹海のまっただ中を往復すること10数キロ、ようやく出発地点に戻ってきました。







ふぅ、ようやく到着しました。精進湖民宿村への出口です。県71までの往復にかかった所要時間はおよそ3時間半。ゆっくりと樹海の紅葉や景色を眺めながら歩いたので、民宿村に戻ってきた時にはすでにお昼を少し回っていましたが、やはり青木ヶ原樹海を横断するとなると、半日くらいはかかるみたいだな〜。







青木ヶ原樹海を出たらWRがお留守番している民宿やまか荘にいったん戻ります。広大な樹海ダートを横断し、樹海の深い森の中で人知れず色付いていた美しい紅葉を眺められたという充実感で今日はもうお腹いっぱい!

というわけで今回の青木ヶ原の樹海横断ダートの紅葉探索はこれで終了! 本日は民宿やまか荘にもう1泊して明日帰宅するだけですが、時間が余ったので富士山を眺めがてらに富士五湖周辺を適当にプチツーリングしてみることにします。

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