未知なる支線林道の相次ぐ発見に心沸きたちますが、探索時間はやや押しています。現在時刻は午後2時半近くになっており、最終目的地である鞍掛峠にはできれば3時くらいには到着しておきたいところ。そして遅くても5時までには例の秘密(でもない?)の専用ルート経由にて林道退出すべくタイムスケジュールのやりくりをしてみますが、峠まではこの先どれほどの距離が残っているのか分かりません。なので最悪事態である探索打ち切りも、ふと脳裏に浮かびましたが、まあ、ここまで来てそれはないでしょう。でも、現地点からフルスピードの最速にて林道退出を図ったとしても、所要時間は確実に最低でも1時間を超えることだけは心得ておきます。 というわけで早々にホツタル沢林道の分岐を後にしてさらに御岳御厩野林道をたどることに。 | |
上谷のコンクリ橋を渡ると、ダートは緩い下り坂になって徐々に高度を下げていきます。次第に高度が下がってきたことで、なんとなく三浦貯水池湖畔へと近づいてきていることは分かりますが、一気に駆け下りるのではなく、遠回りに下っていくので実際にはまだ距離があるようです。 | |
まるで舗装路のように固く締まった高速ダート(?)を快調に飛ばしていくと、行く手にまたコンクリ橋が現れました。王滝川かとも思いましたが、どうやらまだそこまでは至っていないようで、これは土浦沢である模様。そしてちょうど橋の左手、ここから土浦沢に沿って少し下った地点にかつての王滝森林鉄道土浦支線の終点があったということですが、いくら眺めてみてもそのような痕跡は当然ながらもはや何も無し。
→付近を調べる! |
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「土浦支線発見!」土浦沢の橋を渡るとY字状になった右折分岐が現れました。その入口には杭状の林道標が設置されており、それによってこの支線は「土浦支線林道」であることがここに判明しましたよ! どうやらこの土浦支線林道は土浦沢の源流部、イツミ沢に沿って延びているようですが、ピストンであることは間違いないでしょう。
→土浦支線林道の様子をうかがう! →土浦支線林道に突入! |
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右手へと分かれる土浦支線林道の分岐を後にして御岳御厩野林道本線へと進路をとりますが、その先には遠く人里離れた山中にはあまり似つかわしくない平坦ダートが続いていました。どうやら下り坂区間は気が付くとすでに終了していた模様です。 | |
周囲はまったくの山深い山中ですが、なぜかこのような平坦路がどこまでも延々と続きました。そういえば、これも何かで「この付近の山中にはなぜか広い平地が広がっている」との話を聞いたことがありますが、それがこの区間なのかもしれません。確かに、詳しい地形図などを眺めてみると、ここでは等高線の感覚がやけに広いことに気が付きます。とはいっても周囲はびっしりとした森林地帯であって、平原などになっているわけではないですけどね。 | |
「またしても支線林道発見!」深い森林地帯に延びる平坦ダートを辿って快調に飛ばしていくと、今度は左手に唐谷林道なる支線を発見しました。分岐地点はY字状になっており、路面状況的には本道、支線側共に差異はなく、左手側に唐谷林道の林道標が設置されていることでのみ、右折側が御岳御厩野林道本線であると分かる状況でした。このように名のある支線分岐地点には必ず林道標が設置されているので、よく考えればどちらが進むべき本道であるのかは必ず分かりますが、それにしてもなんとも支線分岐の多いことよ。
→唐谷林道の様子をうかがう! →唐谷林道に突入! |
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「スーパーハウスだ!」その後さらに進むと路肩に真新しいプレハブ造りの林業小屋が現われました。まさかここは作業員の方が寝泊まりする飯場であるとも考えられず、おそらく作業の合間の休憩小屋にでもなっているのでしょう。プレハブ建屋の脇には道具入れと思しき物置きも設置されていました。もちろん探索時には無人状態にありましたが、こういう施設が存在するということは、平日などでは作業員や各種関係者の方と遭遇してしまう危険(?)も大いに考えられますね。 | |
「本谷支線林道発見!」すぐ先ほど唐谷林道を発見したというのに、今度は切り返しの右手に本谷支線林道ですか! これで未知なる支線林道の発見はなんと11本目。そりゃ、1、2本くらいの支線数ならば、 切羽詰まった探索時間内でもなんとか探索することも可能でしょうが、11本ともなると話は別です。気力的にもそれら全てを詳細に探索調査することは困難でしょう。おそらく途中にて嫌になってしまうので、今回はこのような支線分岐が存在するという発見だけで良しとしておきましょう。 →本谷支線林道に突入! |
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本谷支線林道の分岐を後にして、やけに白く輝く砂地っぽいダートをたどってなおも前進します。地図上では進行方向右手に三浦貯水地へと注ぐ王滝川が流れており、ダートは川沿いに貯水地へと至っているのですが、残念ながら道すがらには王滝川の流れを眺めることはできません。 | |
もうそろそろ三浦貯水地湖岸に着いてもよさそうなのに、いっこうにそれらしい気配が感じられません。平坦区間に突入してから何やかんやで、それなりの距離は走ってきてはいるのですけど。もしもこれでガス欠にでも陥ったとしたら、一晩夜通しにて歩いても人里には戻れないかも・・・。 | |
「フーン、土砂崩れか!」などと軽くあしらい特に気にすることもなく、もう御岳御厩野林道では珍しくもない土砂崩れ跡をなんなく通過中。それよりも三浦貯水地へと至るこの区間は、かつての王滝森林鉄道三浦本谷線の廃線跡らしいです。林鉄本谷線は貯水地から先ほどの本谷支線林道へと進み、王滝川沿ってかなり奥まった山中まで延びていた模様。おそらくその廃線跡が先述の本谷支線林道となっているのでしょう。オフバイクという機動力を持たない林鉄廃線マニアには、容易に近付けない憧れの聖地でもあるようですね。この付近一帯は。 | |
その後さらに王滝川沿いに進むことしばし、続いて今度は進行方向右手に切り返す形にて本谷林道の分岐が現れます。そして例によって分岐地点に存在する林道標を眺めてみると、まず右折分岐している本谷線のもの、そして形の上では本道筋にとなる直進側の右路肩には「五味沢林道」および「御岳林道」と記された林道名の異なる3本の杭が存在していました。でも肝心の「御岳御厩野林道」と記されたものは見当たりません。「ひょっとしてどこかで分岐を間違えた?!」と一瞬焦りましたが、そういえば御岳御厩野林道は途中で五味沢林道と名を変えて鞍掛峠へと至るとの僅かな情報があったことを思い出しました。それがここであったというわけですね。先述したとおり、厳密には御岳御厩野林道は五味沢林道区間も含めての呼称なのでしょうが、ややこしくなるので、当サイトではここまでを御岳御厩野林道、以降の区間は五味沢林道として区別して扱うことにしておきます。ちなみに、五味沢林道の林道標と並んで存在する「御岳線」とは、御岳御厩野林道区間の旧名とでもいったところでしょうか。というわけで、御岳御厩野林道の探索はここまでですが、三浦貯水池、鞍掛峠へと至るダートは五味沢林道と名を変えて途切れることなくなおも続いています。
→探索終了! →五味沢林道に突入! →本谷林道に突入! |
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