坪田エリア 坪田エリアのジオスポット 1三七山 2サタドー岬 3八重間マール 4長太郎池 5沖原海岸 |
村営バス「高校前」バス停から徒歩15分 |
長太郎池 〜過去3000年におよぶ地層と溶岩流〜 |
||
右手に見える溶岩流は、およそ2000〜3000年前に流出した溶岩で、その上下に土石流などによる二次堆積物が見られます。 溶岩流の高温により、下の層が赤く焼けています(高温酸化)。溶岩流の断面がよく見えていますので、 どんな構造を持っているか観察してみましょう。 この溶岩流の下からは、炭化木(溶岩流の高温で木が焼かれ炭化したもの)なども見つかります。 長太郎池(ちょうたろういけ)は、これらの溶岩の流出によってできました。 長太郎池の周囲には「溶岩じわ」が観察できます。溶岩流の流れに直行する方向に溶岩がたわんで凹凸ができ、 その凹地に海水が入りこんでタイドプールになったのです。 |
||
[ GEO POINT ]ベースサージ堆積物 Base-surge deposits 左手の大きな崖からは、過去数千年におきた噴火の歴史を読み取ることができます。下半部には、 ベースサージ堆積物(ベースサージ / マグマ水蒸気爆発によって生じる火山灰や岩片を含む低温の横殴りの爆風)による 波打った地層(アンチデューン構造)が観察できます。 の中央付近には、溶岩流のほかに泥流や土石流などの二次堆積物が積もっています。 |
坪田漁港そばの海岸にある長太郎池 |
都212号線(三宅一周道路)の村営バス「農林合同庁舎前バス停」付近で海に向かって道を折れるとたどり着くのがジオスポット「長太郎池」です。池と言ってもそこは海岸で、三宅島に5つある海水浴場の1つになっています。駐車場があって四阿とトイレが併設されているので訪れる観光客も多い人気のスポットです。
|
2000〜3000年前の噴火でできた長太郎池と過去数千年におよぶ堆積物の崖 |
左手に坪田漁港を眺める長太郎池のある海岸。大小無数の岩礁が海面から頭をのぞかせており、打ち寄せる波が白く泡立つ海がとてもきれいですが、ここは噴火で海岸へと流れ下った溶岩が波打ってデコボコに固まり、その結果、プールのように海面を取り囲むタイドプールが形成された場所。 溶岩で囲まれた天然のタイドプールということでジオスポットに指定されていますが、2000(平成12)年の噴火で地盤沈下が発生。岩が下がって以前より波が入りやすくなりましたが、それでも海水浴やシュノーケリングの絶好なスポットになっています。 また、長太郎池のすぐ背後には過去数千年に発生した噴火の噴出物が積もってできた崖が続いています。ベースサージ堆積物と呼ばれるマグマ水蒸気爆発によって四散した堆積物やスコリア、泥流層が積み重なった地層が観察できますが、そこで見られるアンチデューンという構造が珍しいらしいです。 アンチデューンとは一言でいうと、砂漠で風が吹いたり、波が浜辺に打ち寄せて引くときに砂にできる模様のこと。それと同じものがマグマ水蒸気爆発の爆風ででき、波打った地層として長太郎池背後の崖に残されていますよ。 |
長太郎池の波打ち際は道路から徒歩0分! |
長太郎池は波打ち際には階段が設けられていて、道路から直接海に降りることができます。海面を囲む溶岩に囲まれて、黒潮の流れる外海から守られてタイドプールの中は波も静かだな〜。これなら海水浴や磯遊びするにはちょうどいいですね。
|
溶岩のシワが外海の荒波を防いでいる長太郎池の端 |
長太郎池の端で外海とを隔てる溶岩じわ。溶岩じわとは、流出する溶岩の表層が固まりかけているのに、内部がまだ流動していることによって形成されるシワのような土手状の高まりのこと。それが土手となって打ち寄せる荒波を防ぎ、長太郎池という大きなタイドプールになっているんだよなぁ。 でも規溶岩じわは規模の大きなものでは起伏が30mに達するケースもあるらしく、ここではスケールが大きいので、この近さで眺めてもシワの形には見えなかったですけど。 |
溶岩じわで守られた長太郎池では海水浴をする人も! |
近くだとシワには見えませんが、これくらい離れると、岩礁が一列に並んで防波堤の役割をしているのが分かります。だから長太郎池の中は波も静かなんですね。訪れたのはGWでしたが、気の早い家族連れの方が海水浴を楽しんでいるのを見かけました。
|
ジオスポッ[ 沖原海岸 ]へ |