坪田エリア 坪田エリアのジオスポット 1三七山 2サタドー岬 3八重間マール 4長太郎池 5沖原海岸 |
村営バス「高校前」バス停から徒歩1分 |
八重間マール 〜火口の中に建つ三宅高校〜 |
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三宅高校の背後には、切り立った崖が取り巻いています。これは八重間(水溜り)爆裂火口(ばくれつかこう)の火口壁です。 火口壁には、スダジイやタブなどの自然植生が豊かに息づいています。 火口壁の中腹で湧く湧水は、簡易水道が整備される(1963[ 昭和38 ]年)までは、 坪田地区の貴重な水源として利用されていました。 三宅高校は、日本でも珍しい火口の中に建っている学校なのです。 |
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[ GEO POINT ]マール(爆裂火口) Maar 八重間爆裂火口は、直径1000m、短径750mほどの大きさで、火口壁の高さは200mほどあり、 南面に開いた馬蹄形の形をしています。高校の建つ火口底の高さは海抜60〜70m。ほぼ平らで、以前は「水っ溜り」と 言われたように、水がたまりやすい場所でした。かつては松が茂り、牛の放牧なども行われていたそうです。 この火口は、マグマ水蒸気爆発によってできた爆裂火口(マール)です。 この八重間か香は堆積が進んでいるので、隣の大路池を作った古澪(ふるみお)マールよりは古いと思われますが、 時代は特定できていません。また、八重間火口の南西端には、小さな噴火口群が小さな丘を形成しているのが確認できます。 マール地形は島の周囲の海岸近くに、いくつも確認できます。、 三宅島の水道水源は大路池のほかに、こういった古いマール地形の地下に溜まっている地下水が有効で、 井戸(八重間では65mの深さ)でくみ上げて利用されています。 |
爆裂火口跡に建つ都立三宅高校 |
坪田にある都立三宅島高校にあるジオスポット「八重間マール」です。「??」と思ってしまいますが、校舎の建物をよく眺めると、背後と左右の三方が切り立った崖に囲まれているのが分かります。崖は昔の噴火でできた爆裂火口の壁で、水蒸気爆発やマグマ水蒸気爆発でできた円形の火口をマールといいます。 校庭の正面にジオスポット案内板が立っていますが、火口の中に高校があるため、なにがジオスポットに指定されているの分かりにくいかも。ちなみに古澪と呼ばれる「大路池」や、1983(昭和58)年の噴火で水がなくなった「新澪池」もマールです。 |
ジオスポットのすぐ脇を学生を乗せて走る村営バス |
高校に面した都212号線(三宅一周道路)を村営バスが通過します。高校前バス停で部活の高校生を見かけましたが、ひょっとして怪しく不審者がられたかもしれませんが、でも校舎や女子高生ではなく火口壁を眺めていただなので念のため・・・。
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校舎のすぐ背後にそそり立つマールの火口壁 |
校舎が立つ場所は円形をした火口の中。その火口を取り囲むように火口壁が高校の敷地を取り囲んでいます。大路池は火口跡に水が溜まったもので、八重間マールも水が溜まっているか溜まってないかの違いで、地形的にはそれと同じ。また、規模は桁違いに大きいですが、十和田湖や田沢湖、摩周湖も火口に水が溜まったマールですよ。 案内板には火口壁の中腹に湧水があったと記されていますが、そのためか、高校が建てられる以前の1950(昭和25)年頃までは、この場所は年中ジメジメとした暗い雰囲気の湿地帯になっていたそうです。現在は高校が建っていて当時の面影はないですが、「八重間(水溜り)」という地名もそれに由来しているとみていいかもしれません。 |
地理院地図で眺めると状況がよく分かります |
マールという地形は言葉で述べるよりも、地図で眺めてみるとよく分かります。高校の敷地をぐるりと取り囲む円形をした火口跡の様子がこれでバッチリ。大路池も同じマールだということも分かりますね。ちなみに都立三宅高校は火口跡の中にあるということで、全国的にも珍しい高校だそうです。 マールそのものは島内に他にもありますが、八重間マールがわざわざジオスポットに指定されているのは、大路池のように水が溜まって池になっておらず、火口壁をそのまま眺めることができるからだと思います。 |
スダジイやタブの木々に覆われて確認しにくい校舎背後の火口壁 |
校舎のすぐ背後にそびえる八重間マールの火口壁。鬱蒼とスダジイやタブの樹木が茂っているので雄山の山頂から連なる斜面の一部にしか見えていませんが、よく眺めると木々の隙間に断崖の壁面が確認できます。 また、すぐそばの場所には「西総台(にしそうだい)」「東総台(ひがしそうだい)」と呼ばれる大きな岩があるそうです。昔は恐ろしい山姥が出現する言われ、昭和の初期までは子供が駄々をこねると「山姥が来る」と言って脅かされたらしいですよ。 |
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