坪田エリア 坪田エリアのジオスポット 1三七山 2サタドー岬 3八重間マール 4長太郎池 5沖原海岸 |
村営バス「三七山」バス停から徒歩1分 |
三七山 〜新東京百景 1962年噴火でできたスコリア丘〜 |
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前方に見える火山は、1940年(昭和15年)に噴火を起こした「ひょうたん山」で、 この景観は新東京百景に選ばれています。左手の高まりが昔の海岸線で、ひょうたん山は海中から誕生しました。 1940年、1962(昭和37)年と続いた噴火で、この付近一帯は広く溶岩とその噴出物におおわれました。 ひょうたん山左手の溶岩台地を赤場暁と呼んでいます。 後方に見える噴石丘が「三七山」で、1962年8月24日22時20分、1時間余りの小地震が続いた後に、 突然噴火が始まりました。噴火は海抜150〜200m付近の1カ所から始まり、数分後には火口が上下にひろがり、 上部は雄山の8合目付近に達した後、山麓から海岸付近まで火柱が並びました(火のカーテン)。 20余りの噴火口が新しく生まれ、噴火はおよそ30時間で収まりました。 火山噴出物の総量はおよそ2000万トンと見積もられています。 噴火終息後も激しい地震が1カ月以上頻発し、学童の島外避難が行われました。 |
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[ GEO POINT ]スコリア丘 Scoria cone 火口から放出されるスコリア(ガスの抜けた穴が多数ある軽石のうち暗黒色のもの)が 火口の周辺に降り積もってできた丘のことをいいます。 噴出物を切り割って作られた都道沿いの崖では、三七山がスコリアや火山弾の積み重なりでできている様子が確認できます。 三七山には火口の孔は見えませんが、山頂付近より噴出した溶岩は海まで流れ込みました。 |
峠の坂道を登っていくとやがて三七山の山頂が! |
都212号線(三宅一周道路)を神着から坪田に向かって走っていくと、やがて標高59mの「ひょうたん山」が現れ、カーブを繰り返しながら坂道を登り詰めていくと、やがて目前に現れるのが1962(昭和37)年の噴火で一夜にして誕生した「三七山」です。 火山の噴出物で形成された山であり、圧倒的な迫力で噴火の凄さを実感できる場所なのでジオスポットに指定されているんですね。そして同時にここは三宅一周道路の中でもバイクで走ると最高に気持ちが良い区間。島を一周すれば必ず通りがかりますが、標高88mの三七山の峠までは登りワインディングが続きます。 |
眺めが最高に素晴らしい山頂脇にある峠の駐車場 |
三七山の山頂脇を抜ける都道の峠には駐車場がありました。広い砂利敷きで、自販機やベンチ、東屋などの休憩施設はなにもありませんが、海を望める開放的なロケーションが素晴らしく、吹き付ける海風がとても爽やかです。
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あの山頂から赤場暁的を結ぶ山腹で噴火は発生 |
背後を眺めると見上げるように雄山が大きく見えていますが、七山を一夜にして形成した1962(昭和37)年の噴火は、雄山の山頂から赤場暁とを結ぶ山腹で発生。多数の火口から流出した溶岩は山腹を流れて海中にまで達しています。 駐車場はまさにその現場跡に設けられていて、砂利敷きといいましたが、正確には噴火の噴出物である赤黒いスコリア敷きになっていました。 |
三七山から眺める「ひょうたん山」 |
「富士箱根伊豆国立公園三宅島 三七山」の標杭が立つ駐車場からは、円錐形をしたスコリア丘と背後の大海原がくっきりと見えています。「あれが三七山?」と思ってしまうかもしれませんが、あれは1940(昭和15)年の噴火で形成されたひょうたん山。駐車場のあるこの場所が三七山なので間違えないように!
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かつてはクロマツ並木が続いて入江が広がる景勝地だったけど・・・ |
三七山から見渡すひょうたん山と海。現在、その面影は完全に失われていますが、ここは1962(昭和37)年の噴火の前には道路と山林や耕地があった場所。さらに遡ること22年、1940(昭和15)年の噴火以前には天然の入江であった赤場暁湾が広がっていて、そこは三宅島唯一の漁船の避難港だったといいます。 また、今の様子からはとても信じられませんが、当時の入江の海岸はクロマツの並木が続く風光明媚な景勝地として東京府の名所指定地になってました。 |
噴火から僅か22時間で形成された「ひょうたん山」 |
1940(昭和15)年の噴火でできたひょうたん山。噴火は同年7月12日、雄山北東の標高200m付近の山腹より19時30分頃に発生。続け様に割れ目が山腹を上下に走ってマグマの火柱が上がったらしいです。 溶岩は噴火の1時間後に赤場暁湾に達し、それから22時間の間に莫大な量の溶岩や火山弾、スコリア、火山砂が放出されてひょうたん山が形成されています。なお、溶岩の流れ下る早さは人が駆け下りるくらいの速度だったらしいですよ。 |
ザクザクにスコリアが積もった標高8mの山頂 |
駐車場のすぐ右手に見えている三七山(88m)山頂です。噴火活動は30時間で終了していますが、その間に大量の噴出物が放出され、なかには地表面から数十メートルの高さにまで積もって成長したものもあり、それがこの三七山というわけ。 この噴火による溶岩と噴出物の総量はおよそ2000万トン。数字を言われても大き過ぎてピンときませんが、当時の噴火で一夜にしてできたという山腹を駐車場から間近に眺めれば、いやでも噴火のパワーの凄まじさをひしひしと感じることができるでしょう。 |
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