2022 北海道林道探索ツーリング 8月6日(土)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
10日目[7]  中標津町「中標津 Nakashibetsu→ 陸別町「陸別 Rikubetsu もどる  






ガソリン給油量 9.05L 給油回数4回 ガソリン代 1590円 総走行距離 277.4km / ダート走行距離 80.6 km トップへもどる


支線林道発見! 屈斜路湖の波打ち際をひたすら進んでいく屈斜路湖畔林道ですが、ひたすら1本道が続くのかと思いきや、途中には支線林道分岐もあるようです。駆け寄って眺めた林道標にはモコト山林道と記されていましたが、しかし、肝心のダートは藪にまみれで半ば廃道化している状態でした。







全身にサビが回って赤茶けていた林道標。モコト山という林道名は屈斜路湖北岸にそびえる「藻琴山(もことやま / 999.9m)」に由来し、その山裾を登っていくピストン林道だと思われます。延長距離が6キロ近くもあるので探索し甲斐がありそうでしたが、ダートはすでに草ボーボで立ち入り困難な状況に陥っていたのが痛恨の限り!







たぷたぷとした湖水が岸辺を洗う、水際すれすれな地点をゆく屈斜路湖半林道のダートです。よくもまあ、このような地点に林道を通したと感心しますが、それは海ではなくて波が静かな湖だからそれも可能だったのでしょうか。雰囲気としては福島県檜枝岐村の「奥只見湖」の湖岸に延びるダートの広沢林道によく似ているかな。







林道路肩のすぐ傍に迫っている屈斜路湖の波打ち際。眺めているのはおよそ4キロ離れた対岸の弟子屈町「サワンチップ」方向ですが、岸辺でじっとたたずめば聞こえてくるのは風に吹かれてちゃぷんちゃぷんと寄せてくる静かな波の音だけ・・・。

そんな湖面を眺めていると、まるで穢れてしまった魂が清められるようであり、ただそれだけで敬虔な気持ちになってくるから不思議です。いいなぁ、ここは!







湖岸ダートを進んでいくと、右手の斜面を流れ下って屈斜路湖に流れ込む小さな川をコンクリ橋でいくつも跨ぎます。ここで跨いでいるのは藻琴山に源を発する「オンネナイ川」で、渡っているのは「オンネナイ橋」。橋上からはオンネナイ川の流れが湖に流れ込む河口がすぐ脇に見えています。







オンネナイ橋の上から左手、オンネナイの屈斜路湖への河口を眺めてみます。流れの規模は「川」というよりも「沢」といった方がぴったりですが、それでも水量は豊かで、勢いよく川の水が湖に流れ込んでいました。

オンネナイ川の水辺には鬱陶しいアブやカもおらず、流れる水は恐ろしく清冽。これならばサケやマスが遡上していそうな気もしますが、しかし、いくら漁業権が設定されていないからといっても、屈斜路湖に流れ込む川では釣りをしちゃイカンですよ〜。







前半は水際すれすれ地点を進んでいく屈斜路湖畔林道ですが、中盤を過ぎると若干水際から離れて、湖面を見下ろす一段高くなった地点を走るようになってきます。すると見晴らしはあまり効かなくなりますが、しかし、時たま現れるビューポイントからは、序盤の水際区間とは一味異なった景色が楽しめるようになってきます。







おお、林道から見下ろす屈斜路湖の眺めもまた素晴らしいな! やがてダートは水際から僅かに離れ、湖面から高低差10mほどの高台地点を進んでいきますが、おかげで屈斜路湖を俯瞰するようなこの眺めです!

画像右手にはだいぶ近づいてきた中島が見えていますが、林道の終点はあの中島の真横を通り過ぎたさらに先の地点。ここからまだまだ道のりは遠いですが、それだけでも屈斜路湖畔林道がいかに長いかがわかりますね。凄えや、屈斜路湖畔林道!







見晴らしが効かない湖岸の森の中を通って屈斜路湖畔林道のダートはひたすら続きますが、またしても支線林道分岐を発見しました! 左手は湖なので当然ながら分岐は右折していますが、路肩にぽつんと設置されていた林道標によれば、分岐しているのは志計礼辺別林道とのことでした。なお、志計礼辺別は「しけれぺんべつ」と読みます。







分岐の傍に立っている林道標。延長距離は1500mと短いですが、この林道は屈斜路湖へと流れ込む「シケレペンベツ川」伝いに遡るピストン。しかし、この支線林道もマトモな状態ではなかったです。クマザサが繁茂しまくり、ダートに踏み跡レベルにまで狭められていて、とてもじゃやないけど立ち入る気は起きなかったぜぇ・・・。







廃れまくっていた志計礼辺別林道の分岐を後にしてさらに前進しますが、屈斜路湖畔林道も終盤区間は湖面の見晴らしがあまり効かなくなってきます。愚直なまでにひたすらダートをたどって森の中を進む感じであり、似たような森の景色が延々と続いてしまうため、少々飽きを覚えるかもしれませんが、ここはそれほど距離が長いです。







後半区間は、鬱蒼とした湖岸の森の中を進んだかと思うと、木々の隙間から湖面が見える区間を進んだりと、基本的にはその繰り返しが続きます。

とくに急ぐ必要もないですが、路面は土質っぽく、路肩の脇は湖へと落ち込む斜面になっているため、屈斜路湖半林道ではスピードの出し過ぎは禁物。のんびり進むしかありませんが、おかげで19066mという距離がとてつもなく長く感じられてしまいます。







屈斜路湖畔林道は全線に渡って湖岸沿いに延びているので、一応、どの区間でも基本的には屈斜路湖の見晴らしが効きますが、しかし、後半区間はこのような状態がほとんどかな。路肩の木立の隙間から湖面が見えてはいますが、わざわざ立ち止まって眺め流ほどの場所は少ないです。なので後半区間はほとんど走りっぱなしでした。







その後も延々と走り続け、志計礼辺別林道分岐から進むことおよそ8キロほどで、路肩に「屈斜路湖鳥獣保護区区域図」看板が現れます。前方には終点の林道ゲートが見えていますが、ここまで来れば長かった屈斜路湖畔林道の終点はすぐそこで、やがて右手の森の奥から近づいてくるR243を走る車の走行音が聞こえてきます。







というわけで延長19066mの屈斜路湖畔林道を無事に走りきって到着したR243側の林道標設置地点です。長距離ダート走破直後の心地よくて、それでいて気怠い疲労感に襲われてしまいましたが、それは同時に屈斜路湖畔林道を無事完抜けできた事がとても嬉しく思えてしまった瞬間でもありました。

なぜかといえば、近年各地の長距離林道は大雨とか台風で寸断状態に陥っているケースが多く、屈斜路湖畔林道においてもダートがやけに土塊だって走りにくい箇所があったため、「もしやその先でダートが分断されているのではないか」との一抹の不安があったんですね。幸いにしてそういう展開にはならなかったですけど。







というわけでR243に抜け出たところで屈斜路湖畔林道の探索は終了です。それと同時に今日の「林道」も一応全て終わったので、後は本日の宿泊地の陸別町に移動するだけですが、しかし、ここから陸別町までの距離は78キロ! 東京都の東京駅から東海道線に例えると、神奈川県小田原市の「国府津駅」までくらいの距離です。

屈斜路湖のあるここ弟子屈町から隣接する津別町を通って、その隣の陸別町に移動するだけなのにさすが北海道です! 隣の隣の町まで78キロはちと遠過ぎるぜぇ・・・。







そういうわけで屈斜路湖畔林道を後にしてR243から道588に入って津別町へと移動しますが、屈斜路湖の周りには4つの峠があって、そのうち最も標高が高いのが弟子屈町と津別町の境界に位置する「津別峠(745m)」で、現在その坂道を登坂中。

ちなみに林道出口から津別町までは「美幌峠」経由(R243)だと51キロ、津別峠経由(道588)だと38キロ。峠としては道の駅「ぐるっととパノラマ美幌峠」がある美幌峠の方が有名ですが、13キロも遠回りなので津別峠経由にした次第です。







津別町へと移動がてら、せっかくなので通りがかった津別峠に立ち寄ってみます。標高745mの峠の傍に展望台への入口があって、2.5キロほど登坂していくと、そこに「津別峠展望台」がありました。中世の古城をイメージして作られたという展望台ですが、しかし、作りが安っぽくてなんだかラ◯ホの建物みたいだな・・・。







うわぉ、これは素晴らしい景色です! 標高745mの峠からさらに登った標高947mにある展望台からは眼下に屈斜路湖が一望に! 津別峠は屈斜路湖を取り囲む4つある峠の中では標高が最も高い峠であり、展望台は峠よりもさらに標高が202mも高いので、このように湖に浮かぶ中島がくっきりと見えています。







うおおーー!! 峠の展望台からは北岸から西岸にかけての景色もよく見えています。先ほど駆け抜けてきた屈斜路湖半林道はこの湖畔伝いにひたすら延びているのですが、延長19066mという林道の長さと、湖畔伝いというシチュエーションの素晴らしさがこれで一目瞭然! それにしても湖の蒼さが涙が出るほど美しいな!







展望台の南方向には大森林と稜線伝いにひたすら続く山並みが! 遥か彼方、地平線を覆う雲海からは、一際高い山の頂が頭を出しているのが見えていましたが、あれは「コトニヌプリ(952m)」と「サマッケヌプリ(897.8m)」でしょうか?







訪れる人が誰もおらず、がら〜んとしていた展望台の駐車場。駐車場の片隅でエゾシカが1匹うろついていたのを目撃しただけで、誰もいなかったです。

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