〜2025 栃木県矢板市北部の鉱泉宿でプチ湯治ついでに〜
  酷暑の中でちょこっと支線ピストン巡り 7月6日(日)
林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
1日目  自宅→ 矢板市小滝鉱泉 Kotaki kosen もどる  






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浴槽の縁には鉄鉱泉らしく赤茶色の鉱泉成分がびっしりと! 昔から湯治場として親しまれてきただけのことはあり、これなら湯の効能も期待できますなぁ!






あー、それから浴室内には外への扉がありました。というわけこれはもう露天を期待してしまいますが、その扉を空けてみると・・・。






むぅ。期待していた露天は無く、ただ地面があるだけでした。なぜここに扉があるのか不明でしたが、これに騙されてしまった入浴客はかなり多いと思います。






鉱泉風呂で林道探索の汗を流してさっぱりしたら、湯上りに納涼がてら宿の庭を散歩してみることにします。ちなみにあの階段を上がると客室があり、右手で切り返している階段を降りると玄関があります。






改めて眺めた小滝鉱泉の玄関とロビー。小滝鉱泉と記入されたサンダルを拝借して浴衣のまま外に出ますが、入口正面には神棚が祀られていて、ロビーには秋から冬にかけて使用する石油ストーブがそのまま置かれていました。






玄関の正面にデデンと祀られている神棚。小滝鉱泉は明治の頃から続く鉱泉宿なので、歴史を感じさせるこのような神棚があっても全然不思議ではありませんが、祀られているのは湯の神様でしょうか?






酸性鉱泉湯治効能証明書
神棚の下には木製の古い扁額が掲げられていました。痛風から白血病、婦人病、腰痛、知覚麻痺などの多彩な効能と共に、「酸性鉱泉湯治効能証明書」と記されていることから、これは効能紹介の表示だと分かります。

また、効能の羅列の後に「右之諸病に効力を有する者と認定す」とか、「明治」などの記述があることから、かなり古い時代の物だと分かります。







客室から見えていた池です。庭の鑑賞用の池にしては大き過ぎるので、以前はヤマメとかニジマスなどの養殖池として使われていたのかもしれませんね。ただし、女将さんに確認したわけではないので真偽のほどは不明ですが、池には数匹のコイが優雅に泳いでいたような気がします。






続いて小滝鉱泉のすぐ横を流れている中川です。ちょうど宿がある地点に「小滝」と呼ばれる滝があって、それが小滝鉱泉の名称由来なんですね。

涼しげに流れる中川の清流を眺めていると、海パン一丁となって冷たい流れにドボンと身を沈めたくなってしまいましたが、考えることは皆同じ。女将さんいわく、以前、同じことを考えた宿泊客がいたそうです。

その宿泊客はその考えを実行に移したそうですが、結果、すぐに唇が紫色になってしまい、真夏だというのに寒さでガクガク震えてしまったそうで、夏でも川の水はそれほど冷たいのだと暗に止められました。気温が30℃を超えていても、川の水は20℃前後と非常に冷たいことも多いので危ないということですね。






そしてすぐ上流方向に見えている「小滝」です。鬱蒼とした断崖を白糸のように水が流れ落て中川に注いでいますが、しかし、滝壷地点に大量の岩屑が夥しく積み上がっているのを確認。どうやら小滝では崖崩れが頻発しているらしく、そのせいで小滝は以前に比べて小さくなってしまったらしいです。






中川のすぐほとりに立つ一軒宿の小滝鉱泉。敷地の片隅にはささやかな自家菜園が設けられていて、ここで採れた新鮮な野菜も食膳に上るのでそれも楽しみ。






おお、宿の敷地内にて「小滝鉱泉号」を発見! なんだか味のある懐かしい形をしていますが、これはたぶん「IHI建機」社製の「IS30GX」くさいな。

IHI建機は現在はもう存在しないメーカーですが、同社製のミニユンボは頑丈で強力かつ操作しやすいことで定評があったんだよな。聞いた話では宿のご主人が宿への道の維持管理に使用しているそうで、大雨なんかで土砂崩れが起きても、ご主人がこいつでサクサクっと復旧させてしまうのだそうですよ。






現在時刻は午後4時ちょっと前。散歩を終えて部屋に戻りましたが、夕方とはいえまだ暑くて扇風機の前に陣取りますが、湯上がりで喉はカラカラ。我慢できず女将さんに声をかけて冷たい中瓶ビール(600円)を1本所望しちゃいました。






おお、これは「味噌のシソ巻き」じゃないですか! 瓶ビールを頼むと女将さんがおつまみとして出してくれましたが、もちろんこれは既製品ではなくて手作り。シソの香りと甘辛い味噌の風味がビールにマッチして最高!






ぷはぁ〜、湯上がりに飲むキンキンに冷えたビールの悪魔的にうめえことよ! グラスも冷凍庫で冷やしてあって言うことなし! 甘辛なシソ巻きをかじりつつ飲み始めちゃいましたが、ガハハ、おじさんこりゃタマらんわい! 






なお、布団の上げ下ろしは基本セルフですが、夕食まではまだ時間があるので昼寝でもどうぞと、ビールを運んできたついでに女将さんが敷いてくれました。






ふぅ、空きっ腹で飲むビールは全身によく染み入りました。いい気分になってきたっところで扇風機の前にごろっと横になって午睡を楽しみますが、天国〜。






昼間の暑さで疲れが出たのか、しばらく微睡んだら起きざまにビールをもう1本追加。再び女将さんが冷えたグラスとビールを運んできてくれましたが、やや?! 今度はなんと、頼んでもいない餃子がセットになっているじゃないですか!






イイ感じに焼き目のついた皮は香ばしくパリパリであり、美味しいこと比類なかった小滝鉱泉自慢の「焼き餃子」です! ビールを頼むと出される手作り餃子で、宿の密かな名物になっているのですが、やるな、小滝鉱泉!






焼き立て餃子をラー油醤油でハフハフ頬張りつつ、冷たいビールを追加で喉に流し込んでやりますが、ガハハ、こりゃビールがちっとも止まらんわい!






その後は、その頃ちょうど大騒ぎしていた鹿児島県トカラ列島の地震騒ぎの報道番組を眺めつつ、ごろ寝しながらテレビを眺めて夕食まで過ごします。






そして夕食の時間になると、女将さんが階段を登って運んでくれたこの日の小滝鉱泉の夕食ですが、おお、こいつは凄げぇ! 地物食材を使った宿自慢の料理の数々が所狭しと食膳を賑わしますが、やっぱりというか期待通りであった料理のクオリティであり、いやがうえにも心躍ってしまった瞬間です! 献立は以下の通り。

イワナの塩焼き・イワナとイカのマリネ・天ぷら・野菜の煮物・もずく酢
川魚のお吸い物・豚の角煮・漬物・白いごはん






あー、それから晩酌用の地酒は、ここ矢板市で1874(明治7)年に創業し、十一屋の屋号で酒を造り続ける森戸酒造の「十一政宗純米酒りんご」。矢板駅そばのスーパーで売られているのを見かけて、矢板の酒ということで購入しておいたやつです。






ちなみに矢板の特産品はリンゴ。1914(大正3)年に山縣有朋さんが青森から技師を呼んで苗木を植栽したのが始まりで、矢板は標高が低い土地でリンゴが生産できる南限なのだそうです。現在、市内には18ものリンゴ農園があって栃木県内の生産量は第1位。秋には小滝鉱泉への道すがらにリンゴ農園の直売所が開きます。







というわけで特産品であるリンゴのイラストが描かれているのかと思いましたが、実はこのお酒、矢板特産のリンゴの花から純粋培養した天然吟香酵母を使い、自社栽培米を含めた栃木県産米で醸しあげた森戸酒造オリジナルのお酒なんですね。他にもツツジやサクラの花を使った日本酒のラインナップもあってお値段は税込544円。

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