伊豆岬灯台
  三宅島の見所スポット 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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  伊豆エリア
  伊豆エリアの見所スポット
     1 伊豆岬灯台
     2 伊豆岬付近の海岸
     3 御祭神社
     4 小金井小次郎の井戸
     5 大久保浜
     6 大久保港
     7 物見処遺跡

爽快な下りカーブを行くと伊豆岬の灯台が見えてきます

三宅島役場のある伊ヶ谷地区から都212(三宅一周道路)号線を三宅島警察署のある神着地区に向かっていくと、途中「伊ヶ谷漁港」入口を過ぎた先で左折して海岸伝いに進むと現れるのが伊豆岬に立つ白い「伊豆岬灯台」です。

太平洋の海原を望み、海風が吹く下り坂の途中から灯台が見え始めると、誰しもが最高の爽快さに心ときめいてしまうと思います。三宅島を海岸伝いに一周すると必ず通りがかるスポットで、島を訪れた観光客はほとんど訪れる場所ですね。

灯台の位置する伊豆岬はジオスポットにもなっていて、休憩できる四阿があり、案内板も無数に立っているので、まずはそれらを眺めてみます。

ちなみに現地の案内板やパンフレットには「伊豆岬」と表記されていますが、岬の正確な地名は「伊豆見岬」といいます。江戸時代、三宅島に流罪となった人々が、ここから江戸や故郷を偲んだことが名称の由来で、「伊豆にある岬」ではなくて、「伊豆の見える岬」という意味だったりします。






灯台付近で観察できる野鳥と海岸植物についての案内板

伊豆岬自然案内 〜希少な野鳥と海岸植物が息づく岬〜
伊豆岬の野鳥のシンボル・ウチヤマセンニュウ
〜 伊豆岬でバードウォッチング! ウチヤマセンニュウは伊豆岬が代表的な繁殖地です 〜

ウチヤマセンニュウは日本近海の海岸や離島の限られた地域でのみ繁殖し、絶滅危惧種にも指定されている野鳥です。
三宅島へは初夏に姿を現し、主に海辺の草地で繁殖をしています。
[ここに注目!]観察しやすいのは5月下旬から7月上旬。普段は草むらに潜んでいますが、
ススキなどの先端付近にとまり「チュルル、チュカチュカ・・・」とさえずる時、
また鳴きながら草原から高く飛び上がる独特の求愛行動をする時が観察のチャンスです!

その他の野鳥
イソヒヨドリ 海岸付近で1年を通して見られます。灯台や電柱の上など目立つ場所によく単独でとまっています。
[注目!]雄の赤いお腹や青い頭と背中はとても鮮やかで目立ちます。

オオミズナギドリ 伊豆諸島周辺で春から秋にかけて最もよく見られる海鳥です。
海上スレスレをグライダーのように滑空して飛びます。
[注目!]群れで帯のように連なる光景は圧巻!沖合を探してみて下さい。


夏の伊豆岬をオレンジ色に彩る百合の花
〜 伊豆岬で海岸植物をウォッチング! 伊豆岬を代表する2種類のオレンジ色のユリが群生しています 〜

ハマカンゾウ 花の季節:6〜9月 海岸の道端で最も多く見られるユリです。
茎の先がふたつに分かれ、3〜6つの花をつけます。
[見比べよう!]ハマカンゾウ:花びらの真ん中に白い筋が入り、その根元は重なって閉じている。

スカシユリ 花の季節:6〜7月 海岸の道端や崖地で所々に見られます。
伊豆諸島のものは他の地域に比べ茎が太く葉が肉厚です。
[見比べよう!]スカシユリ:花びらにゴマ点が入り、その根本は隙間が空いている。

その他の草花(※名前の横の月は、その花がよく見られる季節です)
ハマオモト(ハマユウ)7月 / ハマシャジン7月 / ボタンボウフウ7月


伊豆岬から見える島々
(南西)三本岳 (西) 神津島 式根島 新島 伊豆半島 富士山 利島 大島(北)
伊豆岬灯台の周辺は「ウチヤマセンニュウ」というスズメ目ウグイス科の野鳥の繁殖地になっているみたいです。元々は雄山の「八丁平」が小野な繁殖地でしたが、2000(平成12)年の噴火で八丁平は雄山の山頂ごと陥没して失われてしまい、現在ではこの伊豆岬が新たな繁殖地として知られているそうです。

5〜6月にさえずっている声はよく聞こえますが、小さく、近づくとすぐ逃げてしまうし、草薮の中にいるので間近にその姿を見るのは意外と難しいそうです。「それでもどうしても!」という方は、岬にある四阿を拠点にねばってみて下さい。ちなみにウチヤマセンニュウは三宅村指定天然記念物になっています。


ウチヤマセンニュウ

伊豆岬でのもう一つの魅力であるハマカンゾウやスカシユリなどの海岸植物の観察ですが、こちらは開花の時季を間違えずに訪れれば、鮮やかなオレンジ色の花を眺めることができると思います。ハードルは野鳥観察ほど高くはありません。






伊豆諸島で初めて点灯したのが伊豆岬灯台

伊豆岬に立つ伊豆岬灯台です。石造りで高さ10mほどの四角形をした小柄な灯台で、初点は100年以上も昔の明治42(1909)年6月。伊豆諸島で初めて点灯した灯台で、明治時代に建設された現役の灯台で、歴史的、文化財的価値が高いことから海上保安庁によってDランクの「保存灯台」に指定されています。同様な保存灯台としては千葉県銚子市の「犬吠埼灯台」や、高知県室戸市の「室戸岬灯台」がよく知られていますね。

伊豆半島と富士山を見渡すことができることから当初は「伊豆見崎灯台」と名付けられていますが、昭和24(1949)年に三宅島を象徴する「三宅島灯台」と改称され、その後の昭和41(1966)年に現在の「伊豆岬灯台」と呼ばれるようになっています。

光源は昔は石油灯でしたが、ガス灯、電球へと変わり、平成12(2000)年の雄山噴火の全島避難で島が無人化しても電池によって点灯し続け、灯が絶えることはありませんでした。そして平成14(2002)年には伊豆岬灯台を含む三宅島にある7基の灯台の電源は全て太陽電池火されています。脇に立つソーラーパネルはそのためのものです。






海からの強風が吹いて誰もいなかった伊豆岬灯台

伊豆岬を見晴らす四阿からの景色と案内板を眺めてから灯台へと向かいますが、とにかく岬の灯台は海風がとても強かった! 元々、風の強い三宅島ですが、岬では風がビュービューと音を立てて吹きまくっていました。春の嵐といった感じかな。

そのせいか、灯台を訪れる人の姿はなくて、ただ風の音が鳴り響いているだけでした。普通の日でこれだから、ここ、台風の時は凄まじいことになっていそうですね。






灯台のそばに立っている案内板

伊豆岬灯台
この灯台は明治42(1909)年6月1日に完成し、日本の灯台史上では古い部類に入り、
昭和26(1951)年2月まで石油で点灯がなされていた。
現在は電力を利用し、15000カンデラで
光達距離は14.5浬(26.85キロメートル)で三宅島付近を航行する船舶の道標となっている。

この海岸線は芝生の草原が続き、雄山を正面から仰ぎ海上には友島の島々をはじめ
伊豆の山々そして霊峰富士の勇姿が遠望できる。
また伊豆岬は潮流の速いことでも有名で昔からこんな歌が唄われている。

男だてなら伊豆岬の 潮の速いのを 止めてみろ

三宅村
へぇ〜、伊豆岬灯台ってそんなに古い灯台だったのか。明治42(1909)年に完成したというから、 すでに100年以上もこの場所で海を照らし続けてきたんですね。灯台の灯によって難を逃れた船は今日まで、数えきれないほどあったことでしょう。






こちらは灯台施設の案内版

伊豆岬灯台
                施設の概要
                位置     北緯34度6分34秒 / 東経139度29分35秒
                塗色及び構造 白色 / 四角形 / 石造
                等級及び灯質 第5等 / 閃白光 / 毎5秒に1閃光
                光度     15000カンデラ
                光達距離   14.5海浬(約27キロメートル)
                高さ     地上〜頂部10メートル / 水面〜灯火24.3メートル
                管理事務所  三宅島航路標識事務所

この灯台は、潮流が速く西風の強い岬にあって、設置以来、数多くの船人の命を人知れず救ってきました。
これからも、船の道しるべとして、
夜毎美しい光を沖行く船に投げ掛け続けるよう祈念するものであります。
社団法人 燈光会

この周知板は、モーターボート競走公益資金による財団法人日本船舶振興会の補助金を受けて設置したものです。
伊豆岬灯台の詳細スペックはこちらの説明板をどうぞ。ちなみに「光達距離」とは、海面上5mの高さから晴天の夜に肉眼で光を認めることができる最長距離のこと。光達距離の日本一は明治32(1899)年に建設された高知県「室戸岬灯台」の 49 kmですが、 それと比較して伊豆岬灯台は27km。さすがに室戸岬灯台にはかなわないな〜。






太平洋の大海原に向かって設置されたロケーション抜群なベンチ

おや? 灯台の足元にベンチが一つありました。すぐ背後には白い灯台が立ち、目前には迫りくる太平洋の大海原が広がっています。しかし、海からの強風で波の飛沫が僅かに飛んできて、落ち着いて座っていられませんでした。

荒れた天気の時や風が強い日はそれどころじゃないかもしれませんが、天気が良くて風がない凪の日には最高のロケーションが楽しめると思います。新島や神津島、遠く富士山を望むことができ、夕日や夜景スポットとしても人気があるそうですよ。






奇岩「人形岩」の由来が記された案内板

引いては打ち寄せて漆黒の溶岩に砕け散って白く泡立つ伊豆岬の海。強風の吹き付けるベンチから目の前の海を眺めてみますが、沖の海面が海風に吹かれて所々で白波だっています。一見すると大して荒れていないようにも見えますが、こういう海が実は怖かったりするんだよな〜。

沖を黒潮がを流れているため、潮の流れは想像以上に強くて速いです。もしもボートで漕ぎ出したならば、あっという間に沖へと流されて戻ってこられないでしょう。江戸時代の流人の島抜けがほぼ成功しなかったのはそのためでもありますが、曇り時の海は黒みがかってどこか不気味な怖さも・・・。でも、そのぶん迫りくる大海原は迫力!






灯台のそばには溶岩で作られたお立ち台が!

海からの強風が吹き晒しであったベンチを離れ、灯台の側にある海を見渡す場所にあるお立ち台にやって来ました。伊豆諸島ではお約束の、漆黒の溶岩を積んで作られた展望台で、両手をついてどっしりと構えて目の前の海を眺めることができます。

海から吹き付ける風は強いので、普通の東屋などでは台風の時に吹き飛ばされてしまうのでしょう。火山の島三宅島ならではの溶岩を使っているところが心憎い!






海を見渡すお立ち台からの眺め

お立ち台に立つとこんな感じかな。目の前には岸辺の溶岩に打ち寄せて白く砕ける波が迫り、その先には果てしない大海原の水平線が広がっています。

そして両手を着いた台座には視界の先に見えるはずの島々の位置関係図が刻まれており、晴れの日ならば、それを眺めつつ洋上に浮かぶ島々を眺めることができることでしょう。しかし、灯台を訪れた時は生憎の曇り空であったため、それを眺めることができなかったのが少し残念だったかな。






奇岩「人形岩」の由来が記された案内板

展望台から眺めることのできる海ですが、訪れた時はこのような感じだったかな。快晴時の鮮やかなマリンブルーとは一味異なった鉛色に近い荒れた海原が広がっていましたが、ビュービュート吹き付ける強風のもと、絶海に囲まれた三宅島の厳しい環境がまざまざと感じられ、これはこれで良かったです。

快晴時の眺めは島を紹介するパンフレットや旅行系のブログなどでいつでも眺められますが、荒天時の荒々しく、自然の恐ろしさが感じられる海の姿というものは、現地に赴かないっとなかなか見られないものだったりします。

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