釜の尻海岸
  三宅島の見所スポット[ 神着エリアのジオスポット ] 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
 [3]釜の尻海岸 / Kamanoshiri Kaigan Beachi   もどる  

  神着エリア
  神着エリアのジオスポット
    1赤じゃり公園
    2焼場
    3釜の尻海岸
    4椎取神社
    5赤場暁
    6ひょうたん山

村営バス「釜の尻」バス停から徒歩20分

釜の尻海岸
〜溶岩から洗い出された鉱物〜
釜の尻海岸は、島の北東部に位置し、黒潮の流れの真裏にあたります。黒いジャリ浜は、
台風や冬の荒波でいつも姿を変えています。

浜の背後に連なる岩場は、溶岩流が削られたもので、西側の砲台や東側のアコン崎の岩場も、
数千年前に流れ下った溶岩流でできています。
海中には根がひろがっていて複雑な海底地形を作り、テングサなどの海草が豊かに育っています。

2000(平成12)年噴火では、島の北東側に大量の火山灰が降り積もり、
釜の尻海岸の海底も壊滅的な影響を受けましたが、現在では、その火山灰も洗い流され、以前の姿に戻りつつあります。
[ GEO POINT ]カンラン石 Olivine(Peridot)

三宅島の黒い玄武岩溶岩を作る主要造岩鉱物の一種。英名のオリビンとはそのオリーブ色にちなんだ名前。
宝石名はペリドット、8月の誕生石にもなっています。

溶岩が波で壊され、中に入っていた鉱物結晶が洗いだされて砂浜に集まっています。
三宅島では、やや褐色のカンラン石の結晶が東部の三池浜やこの釜ノ尻海岸で観察できます。

海岸伝いに走っていれば通りがかる海岸への入口

ジオスポット釜の尻海岸へは「三宅島磯場案内」の看板が立つの場所からアクセスします。ジオスポットにもなっている釜の尻海岸は海水浴場としても知られており、入口は神着から坪田方向に進むと赤場暁の手前に現れます。





三宅島を形どった磯場の案内板

都道からの入口の脇にある 「三宅島磯場案内 釜の尻之図」 と記された案内板。現在地とともに上から順に「ナタード」 「ミノワ」 「松ヶ下 」「砲台」 「釜の尻海水浴場」 「アノウ崎」といった特徴的な岩礁名が記されています。珍しい変わった地名に引かれてぜひともそれらを眺めてみたくなりました。






これでもかと魚の名が細かく記された案内板

こちらは「釜の尻 DIVING POINT」と記されていたもう一つの案内板ですが、これはダイビング用のものですね。海底が砂地であることとか、釜の尻付近に生息する海洋生物と、それらがどこで見られるかなどがイラストで描かれていました。

案内板に記された魚の種類は多くて、レンテンヤッコ、ユウセン、キンギョハナダイ、クマノミ、ハナミノカサゴ、ハマフエフキ、ソラスズメダイ、シマアジ、イスズミ、ブダイ、メジナ、モロコ、マダラエイなどがいるらしいです。知らない魚がほとんどでしたが、それとここはアオウミガメとの遭遇率が高い場所だそうですよ。






鋪装が途切れた地点に案内板が立っています

三宅島一周道路を磯場案内板の脇に折れて坂を下っていくとすぐにジオスポット「釜の尻海岸」にたどり着きました。鋪装が途切れた地点から右手の浜へと降りることができるみたいで、画像には移っていませんが、WRのすぐ左の路肩にはジオスポット案内板と公衆トイレが設置されています。

しかし、交通の便が悪いこともあってか、訪れた時には海岸に人の姿はありませんでした。でも夏は海水浴客で賑わうみたいですよ。






釜の尻海岸の左には海に突き出た砲台という名の岩礁が!

さっそく釜の尻海岸の浜へと降りてみますが、そこは一面ザクザクな黒ジャリの浜でした。噴火で海に流れ込んだ溶岩が波で壊されて丸く削られて浜に集まったそうです。

誰もいない釜の尻海岸の浜に立つと、すぐ左手に海に突き出た「砲台」の岩礁がすぐ見えています。数千年前の溶岩流で作られましたが、砲台というのは岩礁名ですが、しかし、どのような由来で砲台と呼ばれるようになったのでしょうか?






ペリペッドの結晶が混ざっている海岸の黒ジャリ

釜の尻海岸の黒ジャリ。砂利クラスから玉石クラスまで大きさも大小様々で、浜を埋め尽くしてザクザクに堆積していました。そこには噴火で噴出されたカンラン石が混ざっているそうで、ジオスポット的にはそれが見所になっているみたいです。

カンラン石って宝石のペリドットのことですが、三宅島ではやや褐色のカンラン石の結晶が坪田の三池浜や、この釜の尻海岸で観察できるそうですよ。溶岩が波で壊されて、中に入っていた結晶が洗い出されて浜に集まっているんですね。






ザクザクと足を取られて意外と歩きにくい黒ジャリの浜

うわ、釜の尻海岸の浜を埋め尽くす一面の黒ジャリ! 夏には海水浴場になるだけあって波打ち際まで自由に歩いて回ることができますが、台風や冬の荒波に洗われていつもその姿を変えているそうです。






誰もいない釜の尻海岸からアノウ崎を遠くに眺めます

磯や岩礁ではなくて砂利の浜が広がっていた釜の尻海岸。訪れる観光客の姿もなくて、寄せては引く波のザザーンとした音だけが無人の浜に響き渡ります。訪れたのは三宅島が観光客で賑わうGWだったのにやはり誰もいませんね。

眺めているのは釜の尻海岸の右手に位置するアノウ崎。アノウ崎も昔の噴火の溶岩流でできた岩礁ですが、岩礁というにはダイナミック過ぎてまるで岬みたい。しかし、誰もいない曇りの日の海岸は淋しいな〜。






黒ジャリ浜の先端まで歩いていくとアノウ崎の巨大さがはっきりと!

荒波の打ち寄せる釜の尻海岸の黒ジャリの浜をアノウ崎方向にザクザクザクと砂利を踏みしめながら歩いていきます。しかし、あの海先のずっと手前で浜は途切れてしまい、その先は岩礁となっているので近づくことはできなかったなぁ・・・。

しかし、遠くからだと小さく見えていたアノウ崎ですが、この地点からでもその大きさが十分過ぎるほど実感できました。その昔、海に流れ込んだ溶岩流を荒波が削ってこのような形になったのですが、これは物凄い迫力です!






浜の背後に連なる崖も溶岩流が削られてできたもの

浜の端まで歩いたら今度は浜の背後に連なる崖に沿って戻りますが、この崖も溶岩流が削られてできたものらしいです。でもここはさほど気を引くものはなかったかな。






救命危惧保管庫の中はカラッポ!

海岸の浜から案内板まで高台の上から海岸を見下ろすべく歩いてみますが、そこにコンクリブロック積みの「磯釣り救命危惧保管庫」がありました。保管庫の中身はカラッポでしたが、すでに救命危惧は使用されてその後の補充が遅れているのでしょうか?






岩礁に挟まれた砂利の浜がとても美しかった釜の尻海岸

おお、釜の尻海岸の全景がバッチリです! アノウ崎付近の高台から先ほど歩いた黒ジャリの浜を眺めてみますが、ここからは海に突き出た砲台の岩礁とに挟まれた浜の様子がとてもよく見てとれました。沖から打ち寄せる波が水際で砕け、海岸沿いに縁取る白いラインがどこまでも続いて延びています。






平成8年に完成した5000トン級の接岸バース

アノウ崎付近から沖を眺めてみますが、鉛色の雲が垂れ込めるどこか淋し気な離島の海岸風景というのも、なかなか捨て難い風情ががあるな〜。雨が降ったらそれどころじゃないですが、雨さえ降らなければ、この雰囲気も悪くなかったです。

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