坪田エリア 坪田エリアの見所スポット 1 大路池 2 迷子椎 3 大路池展望台 4 アカコッコ館 5 三池浜 6 三池園地 7 三池港 8 三池港船客待合所 9 伊豆三池港突堤灯台 10 サタドー岬灯台 11 クラマ根 12 ツル根岬 13 ベンケ根岬 14 三宅島空港 15 大里遺跡 |
軽快に走れる坂道の途中で見えてくる三池浜 |
東海汽船の貨客船も発着する三池港から歩いて10分ほどの場所にある黒砂の砂浜海岸が「三池浜」。夏は海水浴やシュノーケリングの観光客が訪れる「三池浜海水浴場」があり、神着方向から都212(三宅一周道路)を進むと、サタドー岬入口を過ぎた先で崖伝いの下り坂を降っていくと、やがて目の前に弧を描いた海岸が見えてきます。
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三池浜は1000年以上も昔の噴火でできた火口跡 |
うわぉ、海の青さが黒砂に映えるきれいな海岸だな! 三池浜の北端から眺めると、その美しさに感動してしまいますね。海の透明度も高く波も比較的穏やかで、運が良ければイルカやウミガメに出会えるそうですよ。 そんな三池浜も1000年以上前の噴火で発生したでマグマ水蒸気爆発の火口跡で、地学的には三池マールと呼ばれています。三宅島では雄山の山腹で噴火が発生すると、海が近いので海水とマグマが触れて激しいマグマ水蒸気爆発が起こりやすく、島の東から南にかけては、三池浜、八重間(ジオスポット「八重間マール」)、大路池、新澪(ジオスポット「新澪池跡と新鼻新山」)といった爆裂火口が続きます。 |
かつては三宅村役場があった三池浜 |
今は民家もほとんどなくて寂しい景色が広がる三池浜ですが、1960(昭和35)年には役場が置かれ、三池港の整備と三宅島空港の完成(1966[昭和41]年)によって島の玄関口、中心地として発展した場所です。それが2000(平成12)年の噴火によって火山ガス高濃度地区となって、居住や立ち入りが制限されて寂れてしまったんだよなぁ・・・。
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今はただ静かに波の音が聞こえてくるだけ |
噴火以前はこの地域には民宿が軒を連ねて東京都のキャンプ場も設置されていました。三池港から近いこともあり、賑わっていましたが、現在は大勢の海水浴客とキャンパーで賑わっていた頃の喧騒さもなくて、静かでほんとにひっそりとしています。
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2000(平成12)年の噴火以前は日本有数のテングサ採取地だった三池浜 |
きれいな蒼い海が広がる三池浜。泳いだり潜らなくても、この景色を眺めるだけで最高に清々しくなれますが、そういえばここはテングサ漁が盛んだった場所。 かつての三池浜は上質なテングサの宝庫で、それは三宅島が「テングサの島」と言われたほどです。4月〜10月にかけての収穫時には、浜や陸で天日干しされるテングサの海藻特有の匂いが立ち込めて、異様なほどの活気で湧き立っていたそうです。 しかし、2000(平成12)年の噴火によって降灰や土砂が漁場に堆積して漁獲高は激減。漁獲高は噴火前の10%にまで落ちて壊滅的な被害を受けてしまいます。現在も再生に向けた取り組みがなされていますが、復活にはまだまだ時間がかかりそう・・・。 |
浜の端は岩礁地帯になっています |
三池浜の北端はサタドー岬へと続く岩礁の崖になっています。神着方向からこの坂道を下ってくると、目の前に青い三池浜の海が広がって見えてきますが、その瞬間のなんとも心ときめくことよ! バイクで駆け抜けると最高に気持ちいいですよ〜。
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まるで何事もなかったかのように打ち寄せては引いていく波 |
三池浜の端に広がる岩礁地帯に打ち寄せる波。テングサ漁と観光客で賑わったかつての光景はすっかり失われていますが、まるで何事もなかったかのように、波は押し寄せては白く砕け、引いてはまた打ち寄せるだけでした。
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かつて「三宅東海道」と称された松並木があった場所 |
三池浜を見渡す坂道を下り、左に浜を眺めながら快適な2車線道を進みます。あまりの爽快さにアクセルも開きがちになるというものですが、道路沿いには「三池園地」の四阿がぽつんと立っているだけでした。ほとんど民家もなくて、漂う雰囲気の明るさとは裏腹にひっそりと寂しい場所になっています。 今はもちろん失われていますが、道路と浜の間には、かつて樹齢300年を越える松林が広がっていました。その眺めは箱根関所跡の松並木と並び称されるほどの景観で、当時は「三宅東海道」と呼ばれたそうですが、現在は海岸防風林としてマツの稚樹や幼樹が植えられているだけ。噴火は島の風景を無情なまでに変えてしまうんだよな。 |
道路沿いには僅かな民家とタクシー会社だけ |
飛ばすと最高に清々しい三池浜に面したストレート区間です。噴火以前は村役場まであって、テングサ漁で賑わいを見せていた三池浜のメインストリートも今はこの通り。僅かに残った民家と「佐久間タクシー」、そして自販機が1台あるだけだったかな。しかし、個人タクシー会社がこんな場所にあるのは噴火前の賑わいの名残り?
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南端の坂道も三池浜を眺めるビューポイント |
浜辺に面したストレートを駆け抜けると、浜の南端で都道は登りカーブとなって三池港に向かっていきます。展望台などはなにも設けられていませんが、ここから振り返ると三池浜がよく見えているので、忘れずに眺めておいてくださいね。でも急カーブした坂道の途中なので、路駐する際はたまに通りがかる車に要注意です。
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黒砂の浜の先にはサタドー岬が見えています |
黒い砂礫の浜が続く全長500mほどの三池浜ですが、この位置からだと海に突き出たサタドー岬も見えています。その昔、三宅東海道と称された杉並木のあった場所にはスギの苗木が大量に植えられていましたが、噴火で枯れ果てた防砂林や防風林を再生しているのでしょうか? 工事の重機がポツンと浜の片隅に止め置かれています。 現在、この場所は三池(みいけ)という地名ですが、元々は「御池(みいけ)」だったとの古い記録もあるそうです。昔の人は噴火を神のなせる業と考えて御神火と呼びましたが、三池浜は噴火(御神火)によって形成されたので、「三」池ではなくて「御」池ということらしいですが、いかにも火山の島らしい話です。 |
現在の坪田集落は元々この場所にありました |
三池浜背後の三池集落です。都道の山側に民家や建物が緑に囲まれて点在しています。「なんだ、普通に集落があるじゃないか」と思ってしまいますが、建物のほとんどは廃墟だとか。三池は地形的に火山ガスが停滞しやすい場所らしく、2000(平成12)年の噴火以降は二酸化硫黄の高濃度地区となって立ち入りや居住が禁止された結果です。かつての村役場跡など、多くの廃墟があってマニアの聖地になっています。 また、ここは伊豆諸島近海で発生する群発地震などで津波によく襲われた場所でした。現在の坪田集落はかつてこの三池にありましたが、たびたび津波に襲われたので現在の場所に移転したという経緯があります。 |
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