坪田エリア 坪田エリアの見所スポット 1 大路池 2 迷子椎 3 大路池展望台 4 アカコッコ館 5 三池浜 6 三池園地 7 三池港 8 三池港船客待合所 9 伊豆三池港突堤灯台 10 サタドー岬灯台 11 クラマ根 12 ツル根岬 13 ベンケ根岬 14 三宅島空港 15 大里遺跡 |
三宅一道路にある大路池入口 |
坪田から阿古方向に都212号線(三宅一周道路)を進んでいくと、村営バス「大路池バス停」そばにある「大路池」への入口です。大路池は約2500年前の噴火でできた伊豆諸島最大の淡水湖で、周囲の鬱蒼とした原生林にはアカコッコやイイジママムシクイなどの希少な野鳥が生息し、バードウォッチングの絶好ポイントになっています。 池のほとりの森には三宅島固有種のアカコッコに関する展示や、自然観察会、調査、研究をする三宅樹今自然ふれあいセンター「アカコッコ館」もあって、大路池とセットで訪れる観光客も多いです。ただし、歩いて訪れるには不便な場所にあります。 |
あああああああああああああああ |
大路池案内図 〜日本一のさえずりの小径〜 | ||
注意事項 磯場はすべりやすいので、特に降雨の際は注意して下さい。 他人の迷惑になるような行為はつつしみましょう。 釣り糸、空き缶、ペットボトルなどのゴミは、海や磯場に捨てずに必ず持ち帰りましょう。 三宅村 |
大路池への入口に掲げられてた大路池の散策マップ。これによれば「日本一のさえずりの小径」と呼ばれる池を周回する遊歩道があって、桟橋やアカコッコ館、トイレや四阿の場所が記されていました。でも大路池一周コースの距離や所要時間などは記されていないので、そこいらへんが初めて訪れると分かりませんね。 しかし、隅々までじっくりみて回るのならば、余裕を持って午前中なら午前中、午後なら午後いっぱいとみておけば十分。ざっと眺めるだけなら小1時間くらいかな。 |
大路池に向かう道は砂利ダート |
都道から別れて大路池へと向かう道を進みますが、道は未舗装でした。三宅島の林道でもダートは少ないのに、ここはなぜかここは砂利ダート。自然環境を守るために敢えて舗装していないのでしょうか? オフバイク的には嬉しかったです。
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やがて道路右手に見えてくる大路池 |
砂利ダートはマールと呼ばれる火口壁の湖畔に沿ってぐるりと半周して続き、道すがらに徒歩や自転車で進む観光客の姿も見かけましたが、やがて右手の下方に円形をした大路池が見えてきます。言い忘れましたが、大路池は昔の噴火で形成されたマグマ水蒸気爆発の爆裂火口(マール)に水が溜まったもので、池は円形をしています。 「火山の噴火でできた池ならカルデラ湖?」とも思ってしまいますが、カルデラは火山頂や火山地帯が陥没してできた大きな凹地のこと。マールはマグマ水蒸気爆発もしくは水蒸気爆発によってできた火口ですが、規模の大きさで区別されるそうです。例を挙げると、広大な阿蘇のカルデラ盆地と三宅島の大路池との違いといった感じかな。 |
鬱蒼とした原生林の中に明るく開けて広がる湖面 |
おお、シイの鬱蒼たる原生林の真っただ中に大路池の湖面がぽっかりと開けているじゃないですか! 直径8キロしかない狭い島にこんな広々とした湖沼があるなんてと思ってしまいますが、明るく静かなたたずまいがとても清々しかったな! なお、大路池という名称ですが、ここは元々は古来より「澪の池(みおのいけ)」と呼ばれていましたが、1763(宝暦13)年から1769(明和6)年にかけて続いた噴火によって「新澪(現在の新澪池跡)」ができてからは「古澪(ふるみお)」と呼ばれるようになっています。「澪」とは海や湖の底に深く刻まれた溝という意味なので、新しい澪に対して古い澪というわけですね。 さらに、大路池のあるこの地域は「平口穴(ひらくちあな)」という地名ですが、たまたま島外から訪れた人が平口の「平」を「たいろ口」と誤って読んだため、いつの間にか「たいろ」が池の名前になったんですね。そういうわけなので、大路という文字そのものには特に意味はないそうです。 |
大路池の西岸にぽつんと設置されている桟橋 |
池の北岸のほとりに小さく突き出した桟橋が見えています。あの桟橋に向かって進んでいますが、それにしても池畔に沿って続く道がまったく見えていません。大路池をとり囲む鬱蒼とした原生林で隠されているんですね。
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対岸にも鬱蒼とした岸辺に桟橋が設けられています |
対岸にも桟橋が設けられていました。周囲を気が滅入るような鬱蒼とした原生林に囲まれて、池のほとりをぐるっと回ると大変なので、小舟で対岸に渡るために設けられているのでしょうか? ちなみに大路池の周囲は2.1キロあるそうですが、ただし、地図で眺めてみても実際にはそこまで大きくないような気もします。
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東岸の桟橋へと向かう小径の入口 |
そういえば西岸の桟橋に向かう途中、岸辺に下っていく小径の入口を通りました。案内板にあった「日本一のさえずりの小径」の入口で、こちらに進めば南岸の桟橋へ行けますが、まずはこのまま進んで西岸の桟橋に向かいます。
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アカコッコ館の観察会に遭遇しました! |
北岸の桟橋です。WRをとめてぶらぶら散策していると、アカコッコ館が開催している大路池を案内するガイドウォークに遭遇! 日本野鳥の会のレンジャーのお姉さんが参加者を引き連れ、桟橋を前にして自然について説明していましたが、しめしめとばかりにさりげなく接近。しれっとなに食わぬ顔で観察会に加わります。 もちろん、最初からガイドウォークに参加すればいいのですが、そうすると時間に縛られるし、さすがに途中で「ここまででいいです」と抜け出すのもかなり気まずいですよね。図々しいですが、結局、ガイドだけそばで聞いて、参加者が別の場所に移動していくと、再びなに食わぬ顔で離脱して別方向に向かったんだっけなぁ・・・。 |
桟橋の傍に立つ大路池の説明板 |
大路池 | ||
大路池は、二千年以前に水蒸気爆発によって形成された火山湖で、四季を通じて満々たる水をたたえており、 現在は村の簡易水道の貴重な水源として活用されている。 周囲2.1キロ、水辺から斜面一帯は椎の木等の原生林に覆われ、小鳥の楽園としても知られている。 そのため、野鳥の保護地区に指定されるとともに、富士箱根国立公園の特別保護地域に指定されている。 また、この池には、昭和12(1937)年に発見されて話題になった 「たいろ藻」と称する水藻の固有種の繁殖地として知られていたが、 昭和58(1983)年10月の噴火の際大量の降灰があり、今では絶滅の危機に頻している。 三宅村 |
なるほどねぇ。説明板には大路池が2000年以上も前にできた火口湖であること、周囲一帯がシイの原生林に覆われて野鳥の宝庫になっていることなどが記されています。すぐ隣には「三宅村指定 三宅村文化財 大路藻」と記された案内板が立っています。
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大路池で見られる野鳥の解説案内板 |
大路池自然案内 〜日本一のさえずりの小径・大路池でバードウォッチング〜 | ||
一年中見られる大路池に生息する希少な野鳥たち アカコッコは世界中で伊豆諸島、トカラ列島、男女群島に生息し、天然記念物や 絶滅危惧種に指定されている希少な鳥です。 三宅島では生息数が特に多く、重要な生息地と考えられています。 木の実や昆虫などなんでも食べますが、ミミズが大好物。 地面に降りて落ち葉をくちばしで払いながら、ミミズを探す姿がよく観察されます。 三宅島の人たちからは「アカッパラ」と呼ばれ、昔から身近な野鳥として親しまれています。 〜アカコッコの脅威〜 1970、80年代に導入されたイタチの影響で大きく個体数を減らしました。 イタチの脅威は現在も続いています。 アカコッコ / [出会うコツ!]スズメより一回りほど大きく、よく林道を歩いています。 日の出日の入り前後に「キュルルル・・・チッ」とさえずります。 イイジマムシクイ / 伊豆諸島とトカラ列島で繁殖する夏鳥で、体重10gほどの小さな鳥です。 三宅島では高い密度で繁殖します。 [出会うコツ!]「シュリシュリ・・・」と森の中で一番多く聞こえる声の主。 カラスバト / 日本の離島で繁殖する日本最大のハト。全身が真っ黒です。タブノキの実がなる6月によく見られます。 [出会うコツ!]牛のような「ウッウー」という声。遠くからも聞こえます。 オーストンヤマガラ / 三宅島、御蔵島、八丈島のみに生息する野鳥です。本州のヤマガラに比べ、 一回り大きく、羽の色が濃いのが特徴です。 [出会うコツ!]アカコッコに色が似てよく間違われますが、小さいです。 モスケミソサザイ / 体重9gほどの小さな体からは想像できないほど大きく優雅な声でさえずります。 木の穴などで巣作りします。 [出会うコツ!]大きな木の周辺をさえずりながら、すばやく動いています。 タネコマドリ / 「ヒンカラララ」と大きな声でさえずります。本州のコマドリは渡り鳥ですが、 一年中見ることができます。 [出会うコツ!]地面に近い所から声が聞こえます。道の上にいることも。 |
うむ、なるへそ。三宅島の鳥といえばアカコッコ、アカコッコといえば三宅島ですが、正確には伊豆諸島を生息地としているらしいな。赤色がかった黒褐色の体と頭の黒、目の周りの黄色の線がかなり目立つ伊豆諸島特産のツグミの仲間ですね。 |
アカコッコは三宅島のシンボルになっています |
アカコッコは青ヶ島や八丈島、三宅島など伊豆諸島南部で年間を通じて見られる日本固有種で、稀に千葉県や静岡県、三重県などの本州太平洋岸に通期飛来することもあるそうです。以前は屋久島にも生息していましたが、現在は確認されていません。
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大路池の自然の凄さもアピール! |
大路池自然案内 〜日本一のさえずりの小径・大路池を歩こう〜 | ||
大路池の森のすごさ3選! 1大路池は約2500年前の噴火口 大路池は約2500年前の噴火で空いた火口にできた湖です。 2巨木たたずむ天然の照葉樹林 大路池周辺はスダジイとタブノキから成る照葉樹林で、樹齢数百年を経た巨木も見られます。 形成するのに長い年月のかかる照葉樹林が、人の手がほとんど入らずに、 これだけの規模で残るのは国内でも珍しく、大変貴重な森です。 3希少な野鳥たちが数多く生息 大路池の照葉樹林には、気象な野鳥たちが数多く生息しており、 その野鳥たちが発するさえずりの多さは日本一と言われています。 さえずりを堪能できるオススメの時期は4〜6月です。 |
野鳥たちのさえずりを堪能するには4〜6月がオススメらしいですが、大路池を訪れたのは5月のGWなので、おお、時季的ににナイスタイミングじゃないですか!
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湖面に突き出た展望台になっている桟橋 |
案内板を眺めたら桟橋を進んでみます。しかし、あれ・・・? 桟橋というのは展望台のことだったのか。さすがに遊覧できるとまでは思っていませんでしたが、てっきり小舟で湖面を対岸に渡る桟橋かと思ったのですけどね。
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最大水深はおよそ10mで島民の貴重な水源にもなっています |
北岸の桟橋から眺めた大路池の湖面。そよぐ風でたぷたぷと波立っていましたが、ここはとても静かだったな〜。野鳥のさえずりは聞こえてきませんでしたが、対岸にはスダジイやタブの木の鬱蒼とした森が広がっています。 ちなみに大路池の面積はおよそ12万平方メートル。1972(昭和47)年に行われた測深によれば最大水深は9.7mで、平均水深は6.5mほど。観光パンフレットやネットではよく「水深30m」と紹介されていますが、それはたぶん1983(昭和58)年の噴火で水が無くなった新澪池の最大水深との誤りだと思います。誰かが間違って水深30mと記載したものが、今もそのまま大路池の最大水深とされているんですね。 また、大路池は三宅島の簡易水道の貴重な水源になっていて、池の北側には水源用の井戸が多数あります。現在、アカコッコの貴重な生息地である大路池でキャンプなどしたらそれこそ「事件」になりますが、池のほとりがキャンプ場として開放されていた時代もありました。訪れる若者で賑わってかなり人気があったらしいです。まだおおらかであった頃の話で、簡易水道の完成にともない現在キャンプは禁止されています。 |
マグマ水蒸気爆発でできた凄まじい高さの火口壁 |
池の西側には恐ろしい高さの絶壁が! その後に再生した照葉樹の森でほとんど隠されていますが、崖はマグマ水蒸気爆発でできた火口の壁ですね。高さは50mにもおよび、それだけでも噴火の威力の凄まじさが実感できました。 マグマ水蒸気爆発はマグマが地下から湧き上がって海水や地下水に触れ、急激に大量の水蒸気が発生して起こる爆発をともなった噴火現象ですが、その破壊力はこのような断崖を一瞬で造ってしまうほど。森や野鳥のなどの自然も素晴らしいですが、そういうことも知った上で大路池を訪れてみると、楽しさもまた倍増しますよ。 |
普通の水草は生えているけど「たいろ藻」は確認できず・・・ |
たぷたぷとした大路池の岸辺。1937(昭和12)年に発見されて三宅村の天然記念物になっている「たいろ藻」が見えないかと目を凝らしてみますが、水中は全然見えなかったです。以前は水中にササの葉の形をした水草が揺らぐのが見えたそうですが、1983(昭和58)年の噴火で池に大量の灰が降ってからは見られなくなったといいます。 さらに大路池では1902(明治35)年に1500尾のコイが、1940(昭和15)年にはスッポンとスジエビが放流されています。以来100年、出入りする河川がなくて他との交配が全くないため、放流されたコイが原種に還るという珍しい現象が発生しているという話もありますが、その子孫は今も大路池で生きているのでしょうか? |
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