2024 雪景色を求めて適当に東北旅 〜男鹿・津軽・八甲田・下北〜 2月5日(月) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
4日目  能代市→ 青森市「みちのく深沢温泉 Michinoku fukasawa onsen もどる  






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誰もおらず通りがかる車もなかった銅像茶屋を後にして、みちのく深沢温泉を目指して前進再開。銅像茶屋出発直後から開始するなだらかな下り坂を進んで行きますが、寒々とした鉛色の雲に覆い尽くされて夕暮れ間近となった県40。

吹雪いていると周囲の視界がほとんど効かなくなりますが、でも吹雪いていなければ結構遠くまで景色が見えています。







みちのく深沢温泉への道すがらに見えているのは八甲田山を構成する前嶽の北面に広がる森ですが、一般に「八甲田山」と言われるのは単一の山岳名ではなくて、1000m以上の10ほどの山岳群の総称のこと。

前嶽を含む「大岳(1523m)」を主峰とした10の山々を「北八甲田」と、そして「櫛ヶ峯(1516.6m)」を始め6つの山々を「南八甲田」と呼び、それらの総称が「八甲田連峰」となるんですね。なので第5連隊の遭難現場は大岳の山麓になります。

また、八甲田山と呼ばれる地域は、行政上はほとんどが青森県(青森市、十和田市、黒石市、南津軽郡、上北郡)に属し、広さは東西約21km、南北およそ19km。酸ヶ湯や猿倉、谷地、蔦温泉などの温泉が点在していることからも分かるように、大昔の火山噴火によるカルデラと火山噴出物で形成された場所だったりします。







猛吹雪の中、第5連隊はこのような雪地獄の山中を彷徨ったのか・・・。田代新湯への到達を諦めて撤退を試みるも、険しい谷筋に迷い込んで身動き取れなくなっていますが、そりゃそうだろう。こんな斜面、とてもじゃねーけど登れねーし!







馬立野にある銅像茶屋から進むことおよそ3.3kmでみちのく深沢温泉の入口が左手に現れます。辺り一面、雪の白さに覆い尽くされて確認しにくいですが、「露天風呂でゆったり気分! みちのく深沢温泉←」の看板が設置されているので、見過ごして通り過ぎてしまうことはまずないと思います。







県40からみちのく深沢温泉へと向かう道。ここは未舗装路になっていますが、冬は積雪しているので関係ないですね。県道からみちのく深沢温までの距離はおよそ350mほどなので、ここまできたら宿は目と鼻の先。







やがて「宿泊日帰り休憩 みちのく深沢温泉←」の看板が現れたら宿に到着。ここは除雪の行われない場所なので積雪が物凄いですが、宿のご主人が自主的に除雪しているので心配しなくても大丈夫。そのまま車で入っていけますよ。







大量の雪に埋もれた真冬のみちのく深沢温泉です。いわゆる観光旅館やホテルを想像していると、トタンのバラック風の建物にかなり驚かされる温泉民宿ですが、八甲田の宿泊施設の中では宿泊料金が良心的でダントツに安く、これまで八甲田周辺や青森市内の林道探索などで何度もお世話になっている温泉宿なんだよな。







雪のない季節のみちのく深沢温泉はこんな感じ。積雪期(上段画像)と見比べると、冬は建物二階の窓の辺りまで雪が積もっているのが確認できますなぁ。







ちなみにみちのく深沢温泉の入口は2ヶ所あり、画像左部分が玄関となる正面入口で、それとは別に宿泊棟への入口(画像中央右寄り部分)があります。建物内でつながっていますが、到着すると宿泊棟入口から客室に案内されます。







ちなみに正面玄関から中にはいるとこんな感じ。薪ストーブが置かれた昔懐かしい雰囲気が漂う空間で、宿のご主人と女将さんは、たいていはここにいるので、チェックインはここですることになります。

夕食後、椅子に座って薪ストーブにあたっていると、ご主人がインスタントコーヒーを煎れてくれたりするので、なかなか居心地が良い場所だったりします。また、お菓子やジュース、酒なども売られているので、欲しい場合はここでどうぞ。







うず高く降り積もった雪の壁の中にぽっかりと口を開けた宿泊棟の入口。建物と外とはシャッターと内扉で二重に隔てられていますが、さすが八甲田。おそらく猛吹雪の時はシャッターを降ろすのだと思います。







なお、通常時はこんな感じ。みちのく深沢温泉をツーリングシーズン中にしか訪れたことのない方は実感しにくいですが、冬の八甲田はマジで雪が多いからなぁ。







到着したらまずは正面玄関側から声をかけて到着を告げ、その後、あらためて宿泊棟入口から建物内に入ります。建物内にはコンクリ打ちっ放しの通路が細長く続いて倉庫のようでもあり、およそ宿泊施設とは思えぬ状況。初めての方は「大丈夫?」とかなり不安に思ってしまうかもしれません。







女将さんに案内されてコンクリ打ちっ放しの通路沿いに並んだ客室に入りますが、客室はこんな感じかな。風情ある温泉旅館の情緒とか、リゾートホテルっぽい豪華さを期待していた方は愕然とするに違いないですが、ここは民宿なので、そういうところは期待しない方がいいでしょう。

でも客室は意外と快適。温泉の湯を床下に通した天然の床暖房のおかげで部屋の中はポカポカで暖房知らずなほど暖かく、一応、灯油ストーブが置かれていましたが、滞在中に使用することがなかったくらいです。

もちろんテレビも完備。あの大きな冷蔵庫は冷凍状態の食材が入れられていましたが、宿泊客が飲み物を冷やすなどで普通に使用することも可能。ただし、窓には雪囲いの板が打ち付けられており、窓の高さ以上に積もった雪によって外が全く見えていませんでしたが、まあ、それは仕方ないです。







床暖房の施された床はカーペット敷きになっていて、その上にはさらに暖かいカーペットが敷かれています。それに加えて灯油ストーブもあるので、外は極寒であっても部屋の寒さ対策は完璧! 宿に到着したら即座に温泉に入るもよし、ぬくぬくなカーペットにゴロンと寝っ転がって夕食までだらだらと過ごすのもまたよしです。







部屋のテーブルには電気ケトルとお茶セットが置かれていました。なぜかガムテープも置かれていましたが、あれってカメムシ取り用?







さすがに人里遠く離れた八甲田山中なので「汲み取り式」ですが、各部屋にはちゃんとトイレも備わっているので、共同便所は苦手という方でも大丈夫。







普通の旅館の洗面所のようにはいきませんが、各部屋ごとにやはり洗面所というか、流し台も備わっています。お茶を沸かす水もここからケトルに注ぐ方式です。







宿に到着したら温泉の前にちょっと外を散歩してみますが、しかし、建物はほとんど雪に埋もれているし、ここは本当に雪だらけ! ガレージには除雪用の自家用ブルも格納されており、雪の季節は毎朝宿のご主人が県道までの区間を除雪していますが、除雪は1日と欠かせぬ日課であり、まったくもって頭が下がる思いです。







みちのく深沢温泉といっらこれ的な看板。ツーリング中に立ち寄り湯で訪れて眺めた記憶のある方もおられると思いますが、「ねしぃ〜」って津軽弁?







除雪の行き届かない所は数メートルの高さで雪が積もっていました。まあ、大丈夫なんだろうけど、建物が押し潰れてしまわないかと心配になりますなぁ・・・。







あー、それから、みちのく深沢温泉には敷地内に別棟の建物があって、実はそこにもう1ヶ所温泉があって、以前、入浴させてもらったことがあります。

ただし、こちらの温泉は普段は使用していないので、冬はこの通り雪に埋もれたままの状態で基本放置。今回も「入っていい」よとの事でしたが、さすがにこのクソ寒い中、雪漕ぎをしてまで入る気は起きなかったのでパス。母屋に戻るまでの間に、氷点下の極寒の冷気に晒されて絶対に風邪をひいちゃいます!







冬は雪に埋もれて近づくだけでも一苦労ですが、夏はこんな感じ。しかし、そもそも別棟にも温泉があることに気がつかない人も多そうだな〜。







ちなみに別棟の中はこんな感じで大広間になっています。1980年(昭和55〜)年代の後半、ご主人が偶然温泉を掘り当てて民宿を開業したバブルの頃は、それこそ大勢の宿泊客がこの温泉を訪れていたみたいです。

そのため、大勢が自炊しつつ宿泊できるこの別棟を建てたらしいですが、やがてバブルは弾けて宿泊客も減り、また、宿のご主人、女将さん共に高齢化し、一度に大勢の宿泊客を捌ききれなくなったため、今は使っていないのだとか。







昭和チックなレトロな雰囲気が懐かしい自炊用の台所。別棟は現在は宿泊用として使われていませんが、内部はちゃんと当時のままきれいに保たれています。







そして気になるもう一つの温泉がここ。玄関から入ったすぐのところに男湯と女湯の脱衣所入口があって、壁に温泉分析書別表が立てかけられていました。







温泉分析書別表
1源泉名(温泉名) / 深沢温泉(温泉名みちのく民宿温泉)
2温泉所在地 / 青森市大字駒込字深沢650
3泉質 / ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉
4泉温 / 45.8℃
5温泉の成分 / 温泉分析書による。
6温泉の分析年月日 / 昭和57(1982)11月16日
7分析者 / 青森県衛生研究所

8療養泉分類の泉質に基づく禁忌症、適応症等は次のとおりである。

浴用の禁忌症
温泉の一般的禁忌症 / 急性疾患(特に熱のある場合)・活動生の結核・悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性疾患
高度の貧血・その他一般に病状進行中の疾患・妊娠中(特に初期と末期)

泉質別禁忌症-

飲用の禁忌症
泉質別禁忌症 / 腎臓病・高血圧症・その他一般にむくみのあるもの・下痢の時

浴用の適応症
一般的適応症
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・筋肉のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾
冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進

泉質別適応症
動脈硬化症・きりきず・やけど・慢性皮膚病

飲用の適応症-
へぇ〜、今は「深沢」になっていますが、温泉名は元々はみちのく「民宿」温泉だったのか。ちなみに温泉は泉敷地内の地下501mから湧出しているそうですよ。







きれいに整理されていた脱衣所です。この扉をガラリと開ければ、みちのく深沢温泉の未だ見ぬもう一つの温泉があるはず!

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