2024 雪景色を求めて適当に東北旅 ~男鹿・津軽・八甲田・下北~ 2月5日(月) 林道探索の書 ~今日もどこかで林道ざんまい~ 
4日目  能代市→ 青森市「みちのく深沢温泉 Michinoku fukasawa onsen もどる  






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おぉ、これが別棟の温泉かぁ! 浴場の広さは母屋のものよりもぐっと狭く、長いこと使用されていないため壁や浴槽は薄汚れ、緑色の藻のようなものがへばりついていましたが、しかし、常にジャババと注がれ続ける湯は新鮮そのもの! 温泉臭を伴った湯がなみなみと湛えられていましたよ。







浴槽の縁からは湯が常にオーバーフローしていますが、自家源泉から汲み上げられ、浴槽に注がれ続ける湯はもちろん正真正銘の源泉掛け流し!







塩ビパイプでジャババと注がれ続ける汲み上げたての新鮮な源泉。よく眺めると、パイプの先端には白く結晶化した温泉成分がガジガジに付着しています。







ふぅ~、いい湯だぜぇ。浴場内にプ~ンと漂う温泉臭、いかにも温泉くさいブルーがかった湯の色、そしてなめらかな湯の感触といい、もう全てが最高! 源泉は母屋の浴場と同じだと思われますが、もしもみちのく深沢温泉を訪れることがあったら、ご主人に頼んで是非とも入浴してみてください。







雪に埋もれた別棟を眺めたら今度は広い敷地を眺めてみます。前庭となった敷地の端に除雪した雪が堆く積み上げられていましたが、積み上げられた白い雪壁の向こうには、前嶽北面の斜面がよく見えています。しかし、夕闇迫る空は鉛色の暗い雪雲に覆い尽くされ、森は黒々としてなんだか不気味・・・。







雪まみれの前庭も夏はこんな感じで駐車場を兼ねた広場のようになっています。そういえば初めてみちのく深沢温泉を訪れた時には、季節はまだ夏なのに、ご主人が早くも冬に備えて薪ストーブ用の薪割りに勤しむ姿に驚かされたんだっけ。







宿の敷地を取り囲む雪の壁。軽く4、5mほどの高さがありましたが、おかげでその先の様子が全然見えていませんね。よじ登ってその先をちょっと歩いてみようかと思いましたが、雪まみれになるわでとてもじゃないけど無理!







前庭を眺めたら今度は県40方向に向かって歩いてみますが、道すがらには冬枯れして見通しの良くなった森が広がっています。







ちなみにみちのく深沢温泉から第5連隊の行軍目的地であった田代新湯までは、直線距離にして1kmほど。森の中は視界良好でなだらかな雪原がどこまでも広がり、これなら田代新湯までは簡単に歩いて行けそうにも思えます。

しかし、こんな感じで視界良好ならばまだしも、極寒の猛吹雪の最中に、視界ゼロ状態で目的地に向かって正確に歩いて行くのは所詮無理な話。案の定、第5連隊も視界ゼロの猛吹雪で方向を見失ってしまったんだよな・・・。

また、行軍ルートの馬立野(銅像茶屋)~田代新湯間では「鳴沢」の谷間がルートを横切っているのですが、馬立野方向に撤退中、その鳴沢の谷間に迷い込んでしまったのが第5連隊の不幸中の不幸だったというわけ。







あー、それから、そもそも第5連隊が撤退中になぜ「鳴沢」の深い渓谷に迷い込んでしまったのかと、ふと疑問に思うかもしれませんが、それはこのように鳴沢が撤退ルートを横切っているから。なので迂回しなければ絶対に迷い込ますなぁ・・・。







森を埋め尽くす極寒の雪原。見た目的には簡単に歩き回れそうにも見えていますが、積雪量が多過ぎて無理。あはは、スニーカーでなんて問題外ですなぁ!







ふと眺めてみた前嶽山頂方向。斜面を覆い尽くす黒々とした森と、暗い鉛色の空とのコントラストが寒々しい限りで、山頂付近は森全体が薄っすらと白く染まっていますが、あの辺りは木々が凍りつくほど気温が低いんだろうなぁ・・・。







山頂方向を最大望遠で眺めてみます。山頂付近は吹雪いているのか雪煙で霞んでいましたが、これはもう絶対に遭難するフラグがビンビンですね。こんな真冬の夕暮れ時に山に入ったならば、生きて帰れないかも・・・。







みちのく深沢温泉で見上げた冬の空。上空は気分が滅入りそうな暗い灰色の雪雲で覆い尽くされていましたが、雪は時たま思い出したように少し降ってくるだけ。風も大して吹いておらず、天候的にはこれでも穏やかな方。

でも時刻は夕方。気温がさらに急激に低下しつつあって寒くて凍え死にそうでしたが、津軽弁で言うと「さんびぃぐでしみでまるぅ(寒くてたまらない)」。







寒いので宿に戻ってきました。雪除けの透明トタンに取り付けられた外扉は雪で開けづらくなっていて、思い切り開けた拍子にガターンと外れてしまったのですが、お叱りを受けることなく、ご主人があっという間に直してくれました。







宿に戻ったら冷え切った身体を温めるべく早速温泉にゴー! みちのく深沢温泉の母屋の温泉については、当サイトでも以前に紹介したことがあるのでここでは詳しく述べませんが、最高に素晴らしい湯であることは繰り返し述べておきます。

なお、同じ八甲田にある近場の宿泊可能な温泉としては、「八甲田温泉」と「天然温泉又兵衛茶屋」があります。ここ近年はなんとなくみちのく深沢温泉にお世話になっていますが、どちらもおすすめだったりします。

ただし、八甲田温泉については以前は「八甲田温泉遊仙」といって、円形をしたプールのように深い内湯や露天、ラムネの湯などが素晴らしかったのですが、「ゆぐだまりの里秘湯八甲田温泉」へとリニューアルした途端、なぜか休業となり、現在も生きているのか死んでいるのかよく分からぬ状況が続いています。

天然温泉又兵衛茶屋は県40沿いの「雛岳(1240.4m)」の北東斜面に開けた高原地帯にあるレストハウスを兼ねた温泉民宿。八甲田山中腹の高原にあるので夏は涼しく、林道ツーリング中にお世話になったこともありますが、とにかくロケーションが素晴らしい温泉宿なので、いつか再訪してみたいと密かに思っていたりします。







みちのく深沢温泉の露天です。板塀で仕切られた女湯と一体型の小さな露天ですが、八甲田の森を眺めながら湯に浸かる野趣味はなかなか!

なお、雪中行軍の第5連隊が目的地にした田代温泉はとっくの昔に廃業しており、温泉自体も現在建設中で2031(令和13)年に完成予定の「駒込ダム」に水没予定ですが、ダム建設で消滅した八甲田の温泉としては「下湯温泉」もあります。

下湯温泉は「堤川」の岸辺に湧く青森市街地からも比較的近くて、日帰り、宿泊ともに人気のあった温泉宿でしたが、1988(昭和63)年に完成した「下湯ダム」の建設によって廃業・・・。現在、温泉旅館の跡地は「あやめ公園」になっていて、温泉宿は消滅済みですが、河原に温泉の小さな湯船が作られていたりします。







夏の日に林道を思う存分走り回った後の露天はまさに極楽だなぁ! 八甲田の森を眺めながら湯を楽しめますが、真冬の季節はというと・・・。







こんな感じで首から上は極寒の外気に晒されて痛いくらいに冷たいのに、首から下は温かい湯に浸かった状態で雪見露天が楽しめます。







露天から眺めた真冬の夕闇迫る八甲田の森。刻一刻と闇夜に包まれていく森の様子を眺めることができますが、露天のおすすめタイムはなんといっても夜間、それも吹雪いてる時。第5連隊の将兵が体験した猛烈な寒さと暴風雪の凄まじさを、熱い湯に浸かりながら身をもって擬似体験することができますよ。







飯じゃ、飯じゃ~! 温泉で暖まったらお待ちかねの夕食です! 夕食はやけに生活感が漂う食堂でいただきますが、この日はスキー目当ての外人のオッサンが一人と、常連客らしいクセの強そうな老人が一人同宿していたみたいで、一同長テーブルに横一列に並んで夕食をいただきました。







うわぉ、こいつはうまそうだぜぇ! 老人ご夫婦が営む山の温泉宿ゆえ豪華なディナーとはいきませんが、青森県ならではの地元食材もしっかりと押さえつつの手作り料理の数々に思わずよだれが出そう! 毎回、泊まるたびに夕食が楽しみなみちのく深沢温泉ですが、この日の夕食の献立は以下の通り。

カンパチの刺身・イカゲソ煮・豚ジンギスカン・鶏肉の照り焼き・サーモンサラダ
なにかの佃煮・タクワン・白いご飯・デザート(フルーツポンチ)







そして今宵の晩酌は、昭和の頃のおっぱい丸出しお色気河童のCMが懐かしい京都伏見の「黄桜」本醸造生貯蔵酒(350円くらい)。「なにゆえ京都の酒を?」と思うかもですが、理由は簡単。今日は晩酌用の地酒カップの買い出しをしなかったので、宿で売られていた酒を買ったら、それがたまたま黄桜だっただけですよ。

というわけで今夜の晩酌はこれ1本だけですが、ネルフ作戦本部長葛城ミサトさんならあとプラス缶ビール5本は必要。これじゃ絶対に足りねーけど、まあいいか。







プリプリな「カンパチの刺身」です。ほどよく脂の乗った刺身は口の中でとろけるみたいで、これはもう日本酒が進みまくって仕方なかったです。







イカといえば青森県が水揚げ量全国一位。みちのく深沢温泉ではそんな美味しいイカを甘辛な「ゲソ煮」でいただきました! 病みつきになる美味さで酒の肴にもぴったりだし、こいつがあれば白いご飯が無限に食べられちゃいますよ~。







みちのく深沢温泉に泊まると必ず出される「豚ジンギスカン」。別名、豚モヤシ炒めとも言いますが、ガッツリ食べたい方には嬉しいですね。







食後は部屋でテレビを眺めて過ごしましたが、温泉は24時間入浴可能ではなくて朝7時~夜20時までなので、20時前にもう一度温泉に入ってからこの日は就寝。

なお、備え付けの灯油ストーブは使用することなく布団に潜りましたが、先に述べた通り、客室は温泉を利用したポカポカな床暖になっているので、外は凍死間違いなしの極寒の寒さですが、これで全然寒くなかったな~。ではおやすみにゃさい・・・。

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