懐かしの下北 紅葉ざんまい林道探索 (4日目) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2019.11.24 
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ガマズミ
在地の標高はおよそ300m。薬研で西の股林道に入線した地点での標高は71mだったので、かれこれもう高低差229mを登坂してきましたが、密かに危惧していた路面の荒れやガレは全く現れずじまい。恐山からむつ市大畑町正津川とを結ぶ、倒木で通り抜け不可能に陥っていた正津川林道とはルートの重要度が異なるようで、ダートは荒れガレ知らずでイイ感じに整備が行き届いているみたいです。

小西股沢の紅葉
間浦村との境界になった峠に向かってさらに登坂していくと、やがて「小西股沢」を渡るコンクリ橋を通過します。橋の上は雨水で押し流されてきた土で泥だらけということもなくて、モミジやカエデが沢筋を取り囲む小西股沢の紅葉風景の美しさに心奪われてしまい、立ち去り難く橋上でしばし眺め入ってしまいました。
や黄色に混ざり、ブナやコナラの渋い茶色味を帯びたい紅葉も美しかった佐藤ヶ平林道。日本の紅葉の美しさの秘密は豊富で多彩な色彩であることを実感しながら進んでいくと、やがて真一郎林道の左折分岐が出現! 真一郎林道は佐藤ヶ平林道から県284号線(薬研佐井線)とを結ぶ林道で、ルートとしては楽しそうなのですが、恒久的な林道標は設置されておらず、また、途中で路面崩落や倒木などが多発している恐れが高確率であり、ワイヤーゲートで封印されていることもあって、気軽に通れる状況にはないので今回はパスします。
→ 付近を調べる!
→ 真一郎林道の様子をうかがう!

山ブドウの藪
ボーボーで廃れまくっていた真一郎林道分岐を過ぎれば、易国間林道との境界である峠までは残すところ800mと少し! 気がつけば林道の標高は437mにまで及んでおり、山の気温は標高が100m上がると0.6℃下がるので、単純計算でも現在地の気温は西の股林道入口地点よりも2.1℃ほど低いことになります。なるほど、天気は快晴であっても峠に接近するにつれて、やはり山の空気は一段と冷え込みました。

峠の黄葉

峠の黄葉
お、懐かしいぜぇ! すぐ西に「大石八森(おおいしはちもり / 574m)」が位置し、佐藤ヶ平林道と易国間林道との境で、むつ市と風間浦村の境界にもなっている無名の峠に到着しました。標高は下北半島の林道にある峠では最も高い494mで、下北半島を訪れる林道ライダーならば必ず通るお約束の場所ですね。ちなみに峠のすぐ脇には電波塔があって、峠からは舗装された管理道が分岐しています。
→ 15年前(2006 / 平成18)の同地点!
に到着したらここで紅葉林道ランチ! 通りがかる車やバイクもなくて静寂な雰囲気が漂う林道の峠ほど、休憩するのにぴったりな場所はありません。昼の時刻はとうに過ぎていましたが、路肩の石ころに腰を下ろして昼食をとりました。しかし、それにしてもはるばる下北半島までやって来たというのに、今年もまた大間町のマグロ丼とか、佐井村のウニイクラ丼は食べられそうにありません。観光地価格のクソ高さも理由ですが、「俺、ひたすら林道走りますっ!」ってな感じで、林道の探索時間が惜しいのが本音。ちなみに、もうとっくに廃業していますが、10年ほど前に六ヶ所村の小川原湖の湖畔にあった国道沿いの小さな古い食堂でならば、タイミングよく地元漁師が獲った天然ウナギと天然シジミを食べたけどさ。
→ 林道標(薬研側 / 画像前方)を眺める!
→ 林道標(易国間側 / 画像手前)を眺める!
→ 林道ランチ!
でしばしまったりしたら、大石八森の北側の斜面を回り込むように易国間林道を下っていきます。標高が高いのでダート沿いに眺める紅葉も色付きが鮮やかであり、澄んだ山の空気もとても爽やか! 峠を越えてもダートにさしたる変化はなくて、その後も荒れやガレのない走りやすい路面状況が続きました。

八森沢の紅葉
を挟んで風間浦村側の易国間林道へと進むと、むつ市側の佐藤ヶ平林道とは対称的にガンガンに下っていく坂道が続きます。やがて右手に林道名由来の「易国間川」源流の「八森沢」の細流が現れてきて、対岸に渡るコンクリ橋が現れたので、橋上から八森沢を眺てみますが、紅葉の色付きはイマイチでした。

林道沿いの紅葉

林道沿いの紅葉
から高低差249mを下って只今の標高は245m。峠付近の開放的な雰囲気とは変わって再び鬱蒼とした森を進むようになります。易国間林道沿いの森の木々は紅葉はしていましたが、標高が下がったためか、それとも地理的条件によるためなのか、全体的に赤が少なくて鮮やかさに少し欠けていたようです。
らに易国間林道を下っていくことしばし、右手に鋭角に切り返す大石沢林道の分岐地点に到着しました。計画段階では時間に余裕があれば、このまま易国間林道を通り抜けてR279号線を北上、風間浦村から大間町へと進んで「奥戸(おこっぺ)」地区から奥戸川林道材木沢林道の完抜けルートを再訪するつもりでしたが、本日はそこまでの時間的余裕はないと判断。峠から下るにつれて森の紅葉度も低くなってきたこともあり、また、「薬研〜西の股林道〜佐藤ヶ平林道〜易国間林道〜R279号線」ルートは通り抜け可能である現状も確認できたので、この辺りで易国間林道を薬研へと引き返すことにしておきます。
→ 15年前(2006 / 平成18)の同地点!
葉がイマイチとなり、引き返しを決意した大石沢林道分岐地点にて。大石沢林道は「燧岳(ひうちだけ / 781.2m)」の西側斜面に源を発する「大石沢」伝いに遡る延長距離2キロ弱のピストン林道ですが、ここはいつやって来ても荒れているなぁ。初めて易国間林道を訪れた15年前にも確認しましたが、大石沢林道は今も草ボーボー状態が続いているみたい。以前置かれていた木製バリケードに変わってトラロープが張られていて、林道標はボロボロ状態で辛うじて残存している状態でした。
→ 林道標を眺める!
来た道を引き返して「夫婦かっぱの湯」付近で県4号線に退出。そこから県284号線を佐井村方向に進んで鍋滝林道入口に向かいますが、ここで厳しい現実を突きつけられました。「あすなろライン」と呼ばれる県284号線は以前はフラットで高速ダートが楽しめる未舗装県道でしたが、なんと、いつの間にか全線舗装されているじゃないですか! 下北半島の楽しみの一つでもあったダートがまた一つ消滅したことを確認しましたが、これも時代の流れ・・・。2019(令和元年)年5月〜2021(令和3)年5月まで、2年間も通行止め状態が続いていたと思ったら、密かに舗装と拡張工事がされていたというわけ。舗装化で県道を移動する所要時間は減りましたが、その代わり、ダート時代の良き趣は失われています。
すなろライン(県284号線)の舗装化に唖然としながらも鍋滝林道入口に到着しました。ここは県道が手前から右に直角に曲がる地点で、即ダートで開始している鍋滝林道が直進する形になっています。荒涼とした原野の森が広がる中の場所で、県道によって森が切り開かれているため陽当たりが良く、オオモミジやイタヤカエデ、それにツタウルシやブナが周囲を取り囲んで紅葉しており、林道入口はキラキラと眩い黄色や赤色に包まれた美しい場所と化していましたよ。
→ 15年前(2006 / 平成18)の同地点!
い紅葉と林道標標が出迎えてくれる鍋滝林道の入口。鍋滝林道〜湯の川林道と乗り継げば、そのまま県46号線(かもしかライン)に抜けられる下北半島ではメジャーなルートですが、もう久しく路面崩落で分断状態にあることは承知済み。そして湯野川へと通り抜けできないことは、下北半島の林道探索では非常にネックとなることなので、今回の下北紅葉林道探索では紅葉を眺めると同時に、その後の現状を確認すべく再訪を計画していた林道だったりします。通り抜け不可能なのは確実なのですが、林道入口の鉄門ゲートは常時オープン状態になっています。
→ 林道標を眺める!
→ 付近を眺める!

滝林道に入線すると直後に現れる500mほど続くストレート区間です。両脇に密生する森の木々が発する眩い黄金色に包まれて、まさに黄葉のトンネル状態でしたが、逆光が眩しくて画像でははっきりと確認できないのが残念!
道沿いの断崖さえも秋色に染め上げる紅葉に見惚れながら、行き交う車両のない静かな鍋滝林道にWRを走らせます。林道の雰囲気、眺めは最高ですが、現在時刻はすでに午後3時近く。秋の林道では日暮れも早くて、午後3時を過ぎると薄暗くなり始めてきます。しかも、本日のお宿「湯野川温泉」へは湯の川林道が通り抜けられないため、鍋滝林道を引き返して佐井経由で迂回しなければならず、ここから宿までの距離はおよそ45キロ。それが湯の川林道経由だとおよそ17キロなので、どれほど余計なガソリン消費と迂回を強いられるかが分かりますね。それも考慮しつつ、タイムリミットの午後3時30分頃の林道退出を目安として、引き続き鍋滝林道を進みます。
→ さらに紅葉探索を続ける!
→ 探索中止!
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