2022 北海道林道探索ツーリング 8月15日(日)晴れのち曇り 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
19日目[10]  上士幌町「糠平温泉 Nukabira Onsen→ 大樹町「晩成温泉 Bansei Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.71L 給油回数3回 ガソリン代 1485円 総走行距離 242.0 km / ダート走行距離 20.8 km トップへもどる


湧洞沼の静かなたたずまいを眺めながら道1051の末端地点まで戻ってきました。次は湧洞沼に隣接する生花苗沼を訪れてみようかと思いましたが、十勝海岸を南下しつつ、長節子、湧洞沼と立て続けに訪れたので、世捨て人じゃあるまいし、さすがに誰もいない淋しい沼畔や海岸の景色を眺めるのにもいい加減飽きてきます。

というわけでちょっと早いですが、今日はもう店じまい。本日から2連で連泊予定の晩成温泉に向かうことにします。







道1051を引き返して湧洞沼の北岸沿いにR336に向かって移動中。この後、国道に復帰したら大樹町方向に左折し、7.5km先の大樹町「生花」で再び左折して道881に入り、今日から2泊する晩成温泉がある大樹町「晩成」に向かいます。







道1051を国道へと向かう途中、道すがらに見えている湧洞沼北岸からの眺め。ここは湧洞沼が最も広がりを見せている地点で、対岸までの距離はおよそ1.7kmくらい。

また、画像右手の湧洞沼北端には豊頃丘陵に源を発する湧洞川が流入していて、その下流域には幅1.5kmで長さ3kmで低湿地がで広がっており、湧洞沼と外海を隔てる砂州がある沼の南側とはガラリと異なった趣を見せていました。







湧洞沼を後にしたら道1051→R336→道881のルートで晩成温泉に向かいますが、途中で進路変更。R336から道55→道773と進んで晩成温泉から最寄りのGSで給油しておきます。給油したスタンドは大樹町の中心地、役場にほど近いホクレン大樹セルフSSで、ハイオクL / 170円で3.57L(607円)入りました。

なお、「最寄り」と言いましたが、晩成温泉からだと一番近い最寄りのホクレン大樹セルフSSまでの距離はなんと36km!

ちなみに晩成温泉には連泊定で、明日は基本的には移動せずにゆっくり湯治する休養日としています。したがって晩成温泉滞在中に往復72kmを走って給油するのは面倒くさくて仕方ないので、今日のうちに済ませておくというわけです。







大樹町の町中で給油を済ませたら今度こそ本当に晩成温泉に向かいますが、先述したようにGSから晩成温泉までは36km。ただし、これは道道および国道経由の場合。

さすがに馬鹿正直に36kmもある道773→道55→R336→道881のルートをたどるつもりはなくて、大樹町の町中からR336に引き返したら豊頃町方向に進み、やがて国道沿いに現れる自動販売機の設置された雑貨店「寺嶋商産」の脇を右折して町道を近道することにします。これで12kmの短縮になります。







町道を近道して大樹町「晩成」地区の丘陵地帯をエンジン音も軽やかに快走していきますが、道すがらには十勝平野らしい広々とした景色が広がっています。なだらかな丘がどこまでも連なっていましたが、これはジャガイモ畑かな?

このように今は広大かつ立派な畑が広がっていますが、1883(明治16)年に依田勉三さんを中心とする「晩成社」が開拓団を組織して入植する以前は、この辺りは鬱蒼とした原生林に覆われていて、アイヌの人たちだけが住んでいたんだろうな〜。ちなみに晩成という地名はその晩成社に由来しています。







おお、こいつは素晴らしい! 気の遠くなる直線区間が続く町道を海辺の晩成温泉に向かって突き進みますが、さすが北海道。本州ではこれほどまでのストレートはちょっとお目にかかれませんね。

やがて「← 生花市街8km 湧洞沼 キモウントウ沼」の標識が現れ、左から道881が合流してきますが、晩成温泉はこのまま海岸に向かって道道を直進ですよ。







町道から道道に乗り継いで直進し、やがて現れる突き当たりを右折すると晩成温泉に到着しました。1980(昭和55)年に開湯された晩成温泉は歴史は浅いですが、いわゆる観光地温泉ではなくて、近在の人が利用する素朴な温泉。

ひっそりとした静かな雰囲気が漂っていて一目見て気に入りましたが、北海道林道探索ツーリングのシメで連泊プチ湯治するには最高の場所になりそうな予感です!







晩成温泉に到着すると、道路を挟んで海側に日帰り温泉の「晩成温泉」が、そして反対側には「晩成の宿」がありました。温泉宿らしからぬ建物に一瞬「ここが?!」と思ってしまいましたが、晩成温泉は一軒宿なのでここで間違いありません。

まるで廃校となった小学校の校舎を再利用したような感じですが、そうではなくて、建物自体は晩成温泉が開業した3年後に「大樹町学童農業研修センター」として1983(昭和58)年に建てられたのだそうです。







〜ご宿泊のお客様へ〜
ご宿泊のチェックインは向かい温泉施設にてお願いいたします
なんと! 疑いもなくチェックインはこちらで行うのだと思っていたのですが、予想に反してチックインは日帰り温泉「晩成温泉」でするみたいです。







道路を挟んで海側にある日帰り温泉の「晩成温泉」です。訪れるのは立ち寄り湯の利用客がほとんどですが、「晩成の宿」の浴場も兼ねているので、当たり前ですが、宿泊客は営業時間外も含めて何度でも好きなだけ温泉に入れます。







というわけでチェックインすべく道路を横断して日帰り温泉「晩成温泉」に移動。WRを入口脇に止めて正面の階段を上り、自動ドアを開けて中に入ります。なお、晩成温泉にはこの辺りでは貴重な食事処「大衆食堂MAMO」が併設されているので、日帰り入浴客も含めてそこそこ利用客がいるみたいでした。







晩成温泉のフロントです。日帰り入浴客は券売機で入浴券(大人500円)を購入して温泉に入りますが、宿泊客はここでチェックインする仕組み。さっそく窓口に向かいますが、おっと、その前にこいつを忘れちゃいけないな!







ピピッ! あなたの体感は36.4℃です。
なにってそれはコロナ検温センサーですが、コロナを疑うべき体温は37.5℃なので大丈夫みたいだな。







晩成温泉のフロントで2食付き2泊の宿泊料金13000円を支払い、チェックインを済ませたら宿泊棟になっている晩成の宿に移動。しかし、この建物、やっぱり廃校した小学校の建物を再利用したっぽく見えていて、全然温泉宿らしくないな。







ガラリとガラス扉を開けて中に入るとこんな感じ。どこか無機質で殺風景な玄関ホールですが、以前はここで宿泊の受付をていたのでしょうか。下駄箱があるたたきを上った所に今は使われていない受付窓口がありました。







大樹町学童農業研修センター使用料金表
時間利用の場合 / 研修室700円
調理実習室 / 1000円

晩成の宿宿泊の場合(入湯税含む)
大人 / 4000円 中学生 / 3000円 小学生 / 3000円

1.宿泊利用時間は15時から翌日10時までです。
2.晩成温泉の利用は無料です。
3.就学前の幼児は無料です。
ご来館誠に有りがとうございます。

門限は午後10時30分となっております。10時で自動消灯になります。
宿泊されるお客様及び入浴される方は時間厳守の上、ご利用下さい。

宿泊のお客様の入浴時間 / 15時〜21時 翌7時〜10時
うむ、これは研修センター時代の料金表ですね。調理実習室があるってことは、以前は自分たちでごはんを作って食べる素泊まりが基本だったのかな。







1階には研修室と調理実習質、それにシャワー室があり、温泉文庫と名付けられた本棚とコイン洗濯機などがありましたが、客室は2階にあるとのこと。備え付けのスリッパで階段を上がって指定された廊下の突き当たりの客室に向かいます。







そしてこれが晩成の宿の客室。確か9号室で「カタクリ」と名付けられていた部屋だったと思いますが、和室の客室は思ったよりも広くて、10畳以上の広さがありました。先述した通り、ここは校舎を再利用した建物ではないですが、しかし、やたらでかいガラス張りの窓といい、やっぱりどことなく小学校の教室跡を思わせます。







広い畳敷の客室にはガスストーブと扇風機、換気扇が備え付けられていて、床の間にはテレビと型冷蔵庫が置かれていました。布団はセルフで敷くようで、テーブルにはちゃんとお茶セットと灰皿が置かれています。

どこか小学校の校舎くさい建物の外観はともかく、客室としては普通の宿と変わりなくて、連泊してくつろいで過ごすのにまったく問題はありません。







客室に入ったらとりあえずガラリと窓を開けてみます。海は見えておらず、特になにもありませんでしたが、元々、晩成温泉は住民の住む集落から離れた海べりの寂しい場所にあるので、周囲に余計な人工物がなくてその雰囲気はとても静か。これならば滞在中はのんびりと落ち着いて過ごせそうです。







あ、そういえばチェックイン時に滞在中の夕食券と夕食券、そして宿泊施設利用者入浴券をそれぞれ2枚ずつもらいました。首から下げるカードケースに入浴券を入れておけば滞在中は温泉がフリーパスになるというシステムです。







旅装を解いたらさっそく温泉。宿のサンダルでブラブラと隣接の晩成温泉へと向かいますが、なんでもこの温泉の掘削には、先ほどGSから宿に向かう途中で見かけた「寺嶋商産」のご主人が関わっているそうです。

なんでもその寺嶋さんが1970年代(昭和45〜)に道路建設のための地質調査を手伝ったさいに、調査技師が「このあたりは温泉が出る」というのを聞いて大樹町に温泉掘削を進言。それを受けて町は地域活性化策の一つとして温泉を掘り、そして1980(昭和55)年7月に晩成温泉がオープンしたんですね。

以来、十勝地方で唯一、太平洋を間近で見渡せる温泉として、また、「ヨードの湯」として地元の方々に親しまれ続けているというわけですが、あらめて晩成温泉を眺めてみると、大きく晩成温泉と掲げられた看板がなんだか誇らしげだな!







晩成温泉に併設されているキャンプ場です。料金は温泉入浴料込みの500円とのことで、ぽつぽつとバイクのツーリングライダーの姿も見かけました。

もどる ][ 19日目[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11]へ ]