2022 北海道林道探索ツーリング 8月10日(水)雨のち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
14日目[9]  名寄市「名寄 Nayoro→ 枝幸町「枝幸 Esashi もどる  






ガソリン給油量 7.35L 給油回数3回 ガソリン代 1359円 総走行距離 190.1 km / ダート走行距離 95.0 km トップへもどる


えぇ、まさかここが?! 予備部屋なので、最悪な物置部屋を覚悟していたのですが、ドアを開けて客室に入ってみてビックリ! なんと、当てがわれた客室は洋室+和室5畳の見晴らしの良い角部屋のスイートルームじゃないですか!

しかも、宿泊予定だった歌登温泉の某ホテルでは最安値9100円の「夕食のみ訳ありプラン」を予約していたので、もちろんお値段はそのまま据え置きで9100円! この広さの部屋で夏休みのハイシーズン、しかも、シングル利用となれば1万円以下はあり得ませんが、うふふ、でも本当にこの部屋1人で使っちゃっていいのかい?!







新婚さんの北海道旅行じゃあるまいし、角部屋スイートルームにむさ苦しい無骨な林道ライダーが一人で泊まるのも気が引けましたが、うふふ、まあいいか!









部屋の窓を開けると枝幸の町並みが見えていましたが、そういえばここはかつて浜頓別〜北見枝幸(現枝幸)間30.4kmを、1日6往復で結んでいた国鉄興浜北線の終着駅があった町。しかし、興浜北線は1985(昭和60)年7月1日に廃止。さらに興浜北線が接続していた天北線も4年後の1989(平成元年)5月1日限りで廃止されています。

利用者が少なくて廃止するくらいなので、鉄道が無くなって困るのは、正直言ってお年寄りと子供、鉄ヲタくらいなものですが、しかし、鉄道がなくなった町というのはなんだか味気ないな〜。おかげで北海道を訪れる鉄ヲタは激減し、昭和の頃とは違い、もはや鉄道だけで北海道を外周伝いに一周することもできなくなっているし・・・。







部屋で一息入れたらさっそく風呂に向かいますが、ホテルニュー幸林は「枝幸温泉」を利用した嬉しい温泉ホテルになっています。もちろん、宿泊者は自由に何度でも入れますが、これは日帰り入浴用の券売機。料金は大人は510円、小人は250円、高齢者と障害者、介助利用者は200円で入浴受付時間は10:00から21:00とのこと。







館内には無料レンタルの浴衣が大量に置かれていました。客室内に浴衣が置かれていなかったので、変だなと思っていたのですが、ここで自分のサイズに合ったものを選ぶ仕組みになっていたみたいですね。







ホテルニュー幸林の大浴場入口。枝幸の町で唯一の日帰り温泉施設になっているので、マンガ本備え付けの休憩室があって、かなり広い感じ。別に宿泊しなくても、ここはツーリング中に通りがかったさいに日帰り利用で昼寝休憩できると思います。







枝幸温泉の泉質について
泉質 / カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(アルカリ性低張高温泉)-(旧泉質名 / 含芒硝-石膏泉)
硫酸塩泉とは ]外国では、引用として用いられますが、
日本では傷や痛風に効く湯として主に浴用として利用されております。

芒硝泉 ]正しくはナトリウム硫黄塩泉といい、浴用では、動脈硬化、高血圧、外傷、慢性関節炎に効果があります。

石膏泉 ]カルシウムを含み、正式にはカルシウム硫酸塩泉といいます。鎮静効果あるため、
高血圧、リューマチ、動脈硬化、脳卒中に効き、
また打ち身、切り傷、痔疾、ねんざ、慢性湿疹、ニキビにも良いとされております。

この温泉(硫酸塩泉)は、脳卒中の湯として知られ、
つかるだけで脳卒中後のマヒを全快といかずとも改善してくれる湯と聞けば、
まさに、名湯と言えるでしょう。
鹿や猿が湯につかって手傷を治していたことから発見されたという、
動物発見説が残っている温泉が多いのも、硫酸塩泉です。

硫酸塩泉として有名な温泉
北海道 / 勇駒別、登別 青森県 / 酸ケ湯 岩手県 / 湯本 秋田県 / 雪沢、鹿子
山形県 / 湯田川、新山、赤倉 福島県 / 東山、二岐、天栄、甲子
 茨城県 / 大子 栃木県 / 大網 群馬県 / 四万、川吉、法師、上牧 静岡県 / 湯ケ野、吉奈、嵯峨沢、松崎
 山梨県 / 橋倉、金山 長野県 / 雲泉寺、保科
新潟県 / 角神 鳥取県 / 浜村、岩井 鳥取県 / 玉造 熊本県 / 内牧

入浴出来ない方 ]急性疾患(特に熱のある場合)、悪性腫瘍、重い心臓病、
腎呼吸不全、不全、出血性疾患、活動性の結核、
高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)。

入浴出来る方 ]神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、
五十肩、痔疾、慢性消化器病、病後回復期、
疲労回復、健康増進、やけど、動脈硬化症、慢性皮膚病、きりきず、冷え性。
大浴場入口の掲げられていた枝幸温泉の毛ガニをあしらった温泉分析表。おらが町の自慢の温泉としてこれでもかと効能が記されており、特に脳卒中に効くことがアピールされていますが、しかし、肝心の源泉温度が記載されていないのはなーぜ?







そしてこれがホテルニュー幸林の温泉大浴場。大きなガラス張りの浴場の中央にはジャグジー風呂があって、それを取り囲むように長方形をした温泉の浴槽とサウナ、洗い場が配置されています。そして浴場内に一歩足を踏み入れると、硫酸塩泉系の石膏泉ならではの焦げたようなほのかな温泉臭がぷ〜んと!







枝幸温泉を利用した黄緑色がかった硫酸塩泉の浴槽です。成分分析表には記されていませんでしたが、源泉温度は47.3℃でPH値は8.6。湧出量は毎分95リットルですが、自噴ではなくて動力によって揚湯されていて、また、源泉掛け流しではなくて、加熱した上で塩素系薬剤を使用した濾過循環方式が採用されているらしいです。

ちなみにこのホテルニュー枝幸ですが、元々は林業関係者の保養施設「幸林荘」として1984(昭和59)にオープンし、その後の1997(平成9)年4月のリニューアル時に現在の「ホテルニュー幸林」へと名称が変更されていますが、温泉は昔からこの地に湧いていたのではなくて、リニューアルに合わせて掘削されたものなんですね。

なので枝幸温泉の開湯は新しく、幸林荘のリニューアルに合わせて1997(平成9)年12月にボーリング掘削した結果、地下1608mから掘り当てたもの。そして翌年1998(平成10)年4月からホテルニュー幸林の浴場で使用開始されていますが、そういうわけなので、枝幸の市街地の温泉入浴施設はここだけなんだぜぇ。







枝幸温泉のウンチクはさておき、さっそく湯に浸かりますが、あぁ、長距離ダートの林道探索で疲労した全身が熱い硫酸塩泉の湯で癒されていくぅ!







浴場の片隅にはサウナがありましたが、サウナはあまり好きではないので入りませんよっと。でもそのすぐ脇にあるキンキンに冷えた水風呂については話は別。温泉で火照った身体を瞬間冷却するのに最高なんだよな!







大浴場に併設された休憩所を覗いてみました。湯上りにここでマッタリと休憩できるみたいですが、誰もいなかったです。ツーリング途中の立ち寄り湯の際にどうぞ。







こちらは1階のロビーにあるお土産コーナー。各種ご当地「レトルトカレー」をはじめとして、この地ならではの「海鮮珍味」や「トド肉」に「熊カレー」などが販売されています。どれもお値段はそれなりに高いですが、お土産にどうぞ!







あぁ、風呂上りの日本茶がうまい! 温泉で林道探索の汗を流してさっぱりしたら、スイートルームの和室で夕食までのんびりして過ごしますが、夕食はまだかなぁ。今日は林道を散々走り回ったので、もうお腹ペコペコです。







チェックイン時に渡された夕食と明日の朝食のお食事券。夕食と朝食はこれを持参して1階の「レストラン海朱」でいただくようですが、よく眺めると夕食券には「毛ガニ半身付きプラン」と記されているじゃないですか!

本来宿泊予定だった歌登温泉の宿はカニの付かない夕食のみで、朝食がつかない1泊夕食付きの「訳ありプラン」だったので、こいつは嬉しい展開! しかも、本来は夕食だけのプランだったのに、お値段そのままでなぜか朝食券をもらえたし。







毛ガニ、毛ガニっと! 夕食の時間になったら1階のお食事処になってるレストラン海朱に向かいますが、今日は毛ガニが食べられるのかと思うと、なんだかワクワクしてやみません。花咲ガニは6日前に宿泊した根室で食べましたが、毛ガニは今回の北海道林道探索ツーリングで初めてなのでとっても楽しみです!







食事券に記載されていた指定の掘り炬燵式のテーブルに向かうと、すでに料理が並べられていました。夕食はよくある大広間で見知らぬ宿泊客同士が向かい合っていただく方式ではなくて、テーブルが宿泊客ごとに衝立で仕切られているので、周囲を気にせず自分ペースで落ち着いて食べられ得るのが良かったな。

というわけでホテルニュー幸林でいただいた夕食ですが、オホーツク海に面した枝幸町ならではの海の幸がてんこ盛りでしたが、メニューは以下の通り!

枝幸産毛ガニお刺身5種盛り枝幸産帆立の香草バター焼き道産豚のすき焼き天ぷら盛り合わせあぶりマグロの山かけ枝幸産モズク酢ミニ生ちらしカニ汁デザート3種盛り合わせ







今日もよく走り回った自分にお疲れ様ーっす! さっそく生ビール(680円)でセルフ乾杯しますが、しかし、先走って注文したこの1杯は失敗でした。それはなぜかというと、その理由は夕食のメニューを眺めてよく考えれば分かる・・・かも?







じゃじゃ〜ん! 枝幸産の茹でたて新鮮な毛ガニと格闘することおよそ30分。その戦果がこれ! 甲羅にこびりついたカニ味噌はもちろん、一欠片の身も見逃すことなくほじくりまくって築き上げたカニ身の山ですが、こいつはマジで旨かった!

口いっぱいに広がる繊細な旨味と毛ガニならではの上品な甘味。タラバやズワイは淡白であっさりした味わいですが、その点、大きさは小ぶりながらも味がとても濃厚なのが毛ガニの特徴で、ほどよい塩茹で加減も最高でした。

ただし、ここまでカニ身の山を築き上げるのにはそれなりの時間がかかってしまい、その間は他の料理には一切手をつけられず、うかつにもいきなり生ビールを注文してしまったので、毛ガニとの格闘を終える頃にはすっかり生温くなってしまったんだよな。なので、ビールはカニ身を全て剥き終えてから注文すべきだったぜぇ。







毛ガニを剥き終えたらようやく夕食スタートですが、毛蟹と格闘している間にビールはすっかり温くなってしまったので、仕切り直して今度は旭川の地酒「男山フラワーカップ」でセルフ乾杯! 花柄のデザインがとても可愛らしいカップ酒ですが、そういえば男山は10日前の広尾の宿でも飲んだんだっけ。







お、もう食べ頃かな。枝幸産毛ガニを肴に酒をチビリチビリと呑みつつやっていると、北海道産ポークを使用したすき焼きが食べ頃に煮えてきたようです。しかし、豚肉ですき焼きですか。すき焼きといえば、やはり「牛」だと思うので、せっかくの北海道産ポークはできれば生姜焼きとかトンテキにでもして欲しかったなぁ。あはは・・・。







あー、それから白いご飯の代わりに出されたのは、新鮮な刺身を使ったミニサイズの生ちらしでした。酢飯に乗っていたタネはイクラにサーモン、タコにそれとなにかの白身魚。夕食にはお刺身5種盛りがあったので、まさに海鮮攻めでしたが、こいつも最高に旨かった! もちろんお代わりで普通の白いご飯もありましたよ。







食後のデザートはメロンとキウイとパイナップル。食後のホロ酔い状態で食べる果物はとても美味ですが、果物のビタミンCは二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを分解してくれるので、実は二日酔いの緩和にも効果的なんだぜぇ!







夕食後、客室から眺めた枝幸の町の黄昏。夕食後は再び温泉に浸かり、部屋に戻って寝っ転がりながらテレビを眺めて過ごしましたが、そのうちウトウト眠くなってしまったので、テレビの前で寝落ちしないうちにベッドにもぐり込んで早めの就寝。というわけでおやすみにゃさい・・・。

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