コシキ火口
  三宅島の見所スポット[ 阿古エリアのジオスポット ] 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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  阿古エリア
  阿古エリアのジオスポット
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    2メガネ岩
    3笠地
    4七島展望台
    5鉄砲場
    6鉄砲沢
    7今崎海岸
    8薄木 溶岩流
    9新澪池跡と新鼻新山
    10 富賀浜

村営バス「鉄砲場」バス停から徒歩15分

コシキ火口
〜火山の噴火口をまるごと体験〜
阿古集落の背後に静かにそびえるコシキ火口は、1643(寛永20)年に大噴火を起こし、
阿古集落を溶岩で埋め、大量の噴出物を坪田方面に降らせました。
この時の噴火で、今崎海岸をはじめとする阿古地区の溶岩台地が形成されました。

コシキ火口は、東西800m、幅600mの大きさを持つ、南に開口した外輪山の中に、
底面の直径400m、高さ75mの砕屑丘ができており、山頂部には直径100mほどで深さ30mの大きな火口が開いています。

2009(平成21)年より、有志の手によって遊歩道が整備され、火口内や火口底を自由に歩けるようになりました。
以前は火口内で果樹もつくられていました。
現在では美しい森がよみがえり、見晴し台からは雄大な景色が楽しめます。特に海に沈む夕陽は絶景です。
[ GEO POINT ]火山砕屑丘 Pyroclastic cone
爆発的な噴火活動により、火口の回りに火山砕屑物が積み重なってできた円錐形の火山体を、
火山砕屑丘といいます。
コシキ火口もその一つで、火山体のわりには大きな火口を持っています。
その底部より海側に大量の溶岩を噴出しました。

南戸林道の途中にあるコシキ火口への入口

三宅島で最初に訪れたジオスポットがこの「コシキ火口」。コシキ火口は南戸林道の途中にありますが、島内で最初に探索したのが南戸林道だったので、必然的にそうなりました。というわけで林道の登坂区間の途中にさりげなく入口がありますが、右前方に下る道は関係ありません。コシキ火口の入口はWRのすぐ右手に位置しています。





山道入口に立つジオスポット案内板

鬱蒼と樹木の茂る森につつまれたコシキ火口への入口。ここにはジオスポット案内板とともに「日本山岳会 高尾の森づくりの会」なる看板が立っています。 しかし、 最初はコシキ火口の「コシキ」ってなんのことだか分かりませんでした。





火口へ行くには砕屑丘を越えなければいけません

まずは火口外輪となった高さ75mの砕屑丘を階段状の山道で登りますが、 普段の運動不足が祟ってここまでで少し疲れちゃいました。頂上地点にうまい具合に切り株があったので、一休みしてから火口内部へと今度は下っていきます。





思った以上の深さで火口の大きさを実感

帰りの登りを考えると気が重くなりますが、外輪を越えてスタスタと火口の底へと山道を下っていきます。切り返しの急坂でどんどん下りていきますが、この斜面って噴火で吐き出された火山砕屑物が積もってできたものなんだよなぁ。考えればとてつもない量であり、山道の高低差がコシキ火口の大きさを実感させてくれました。





やがて見えてくるコシキ火口の底面

急坂で滑ってしまわないように慎重に山道を下っていくと、やがて右手の下に木々に囲まれた空間が見えてきました。不自然に開けたあの場所がコシキ火口の底ですが、ここからだと芝生敷のように見えています。





ここが1643(寛永20)年に大噴火したコシキ火口の底!

山道を下りきって火口の底にたどり着きました! ここがかつて大噴火したコシキ火口ですね。直径は400mほどあって想像していた以上の広さです。 今でこそ膝まで茂る雑草に覆われて、訪れる人の姿もなくて静寂そのものですが、この場所から大量の溶岩が噴き出たと思うと感慨深いものがあります。しかし、森に囲まれたただっ広いこの場所が火口だと言われても、実際にはなかなか実感できないものだなぁ。





コシキ火口の「コシキ」は「甑」のこと

広い火口の底を歩き回ると「甑の穴 88メートル」と記された立札が。 88メートルって火口の深さのことでしょうか? ちなみにコシキ火口の「コシキ」は5〜8世紀の日本で普及した古代中国を発祥とする米などを蒸す土器「甑」のこと。火口の形が似ているのでコシキなんですね。火口は「甑の穴」とも呼ばれているみたいです。

そういえば鹿児島県薩摩川内市の甑島列島の「甑(こしき)島」も、コシキの形をした巨石を甑大明神として崇拝したことが島名の由来なので、それに似ているな〜。





なにゆえその場所に甑のツボが?!

コシキ火口の底にはベンチもあって休憩できるようなっていましたが、実はこの場所、かつては果樹が栽培されたり炭焼きが行われていたそうです。その後、荒れ放題になっていたのを「高尾の森づくりの会」の方々が整備したんですね。おかげでかつての火口の底を自由に歩き回れる絶好の場所になっています。ただし、火口までの登りと下り坂は覚悟してください。夏場は汗ダラダラで水分持参は必須でしょう。

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