阿古エリア 阿古エリアのジオスポット 1コシキ火口 2メガネ岩 3笠地 4七島展望台 5鉄砲場 6鉄砲沢 7今崎海岸 8薄木 溶岩流 9新澪池跡と新鼻新山 10 富賀浜 |
村営バス「富賀神社前」バス停から徒歩1時間以上 |
七島展望台 〜山腹割れ目火口と雄山山頂部の大展望〜 |
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三宅島は伊豆諸島の真ん中にあり、天気の良い日には、北は伊豆大島から南は八丈島までの、 七島を見渡すことができます。 ここは二男山(になんやま)と呼ばれ、古い時代の噴石丘の山頂です。 赤く高温酸化した溶岩やスコリアが積み重なっています。また表層の黒いスコリアは、 1983(昭和58)年の山腹割れ目噴火で放出された噴出物です。 1983(昭和58)年の噴火はこの付近で最初の火口が開き、噴火割れ目は上にのびて牧場上部に達した後、 海岸まで火口列を形成し火のカーテンとなりました。 流出した溶岩流は、下方の砂防ダムがある低所を通って、阿古の集落まで流れ下っていきました。 左手には、大きな火口とともに南にのびる割れ目火口列が見えます。1712(正徳2)年の噴火によるものです。 雄山方向を見ると、斜面下部に村営牧場跡、中腹に雄山山頂に至るかつての道路が見えます。 2000(平成12)年の山頂噴火による火山灰や噴石、低温火砕流、火山ガス、その後の泥流や土石流によって、 壊滅的な被害を受けました。火山ガスの影響で植生が回復しないため、 雄山の斜面は雨による浸食がすすみ、ガリー(深い溝)が発達しています。ここはまさに、 「人と植物と火山とのせめぎ合いの現場」ということがいえるでしょう。 |
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[ GEO POINT ]陥没カルデラ Collapse caldera 北側に雄山山頂を望むことができます。ここから見えるスカイラインが陥没カルデラの火口線で、 その先はほぼ垂直に450m落ち込んでいます。 山頂部を形成していた八丁平と中央火口丘は、2000(平成12)年噴火の陥没によってすっかり失われてしまいました。 現在の火口の直径は1.6kmあり、 水蒸気や火山ガスを噴出する主火口がこちら側のカルデラ火口南斜面に開いています。 |
七島展望台へはレストハウス跡の脇から |
快晴には伊豆七島が一望に見えるジオスポット「七島展望台」は雄山環状林道の途中にあって、すぐそばには阿古林道の入口もあるので、三宅島林道探索では必ず通る場所です。 七島展望台は二男山という噴火丘の山頂にあり、 この付近は1983(昭和58)年に割れ目噴火が起きた場所。噴火の痕跡はもちろん、景色も大変素晴らしいスポットなので、普通の観光客も訪れる人気のスポットですが、雄山山腹に位置しているのでアクセス的にはバイクや自動車以外ではかなり訪れにくいと思います。
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スコリアまみれの二男山を軽快に登坂! |
1983 (昭和58) 年の噴火で廃墟化したレストハウスの脇から二男山の展望台を目指してガンガンに登っていきますが、徒歩や自転車ではヘトヘトになってしまうかも。それにしても途中の山腹には木が1本も生えていませんね。噴火丘の山ということで、斜面はどこを眺めても一面ザクザクなスコリアまみれです!
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噴火で廃墟化したかつての観光施設 |
七島展望台への途中では左手に噴火で廃墟となったかつての観光施設が見えています。小山となって廃墟をとり囲む赤い溶岩とザクザクな黒いスコリア。一目眺めただけで噴火当時の施設に迫る溶岩の様子が容易に想像できました。
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素晴らしい景観と三宅島火山の両方を同時に堪能できる七島展望台 |
標高およそ490m、 二男山山頂の七島展望台に到着です! 太平洋の大海原を見晴らす位置にお立ち台が設けられており、その脇にジオスポット案内板が立っています。実はこれ、最初に訪れた時は曇っていたので、三宅島滞在中に快晴となった次の日に改めて訪れたんですね。三宅島随一の最高に素晴らしい景観と火山活動の痕跡とを同時に堪能できるジオスポットなので、ここだけは絶対に訪れておきましょう。
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展望台ではお約束のお立ち台 |
三宅島火山の溶岩を使用しているのが心憎い限りであった七島展望台のお立ち台。そこから景色を眺めれば、三宅島にやって来た実感がじわじわと湧いてくることでしょう。しかし、海からの風がとても強いのでスカート厳禁かつ吹き飛ばされないように!
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こいつのおかげで眺めている方向が分かります |
嬉しいことに、お立ち台の縁には位置関係を記した「富士箱根伊豆国立公園 三宅島伊豆七島展望台」 の石盤プレートが埋め込まれています。景色と見比べれば、どこを眺めているのか一目瞭然という仕掛けですなぁ。
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ドルフィンスイムで知られる御蔵島も実は火山の島 |
うわーっ! 七島展望台より左を眺めてみると隣の御蔵島がくっきりと! 北緯33度53分、東経139度36分。 三宅島の南約20kmに浮かぶ御蔵島も実は 「御蔵島火山」 という火山島です。 火山としてはかなり大きく、海面下も含めると直径約14km、標高1800mほどの成層火山ですが、その大部分が海中に隠れており、記録に残る火山活動が有史以降に起きていないため、火山島だと言われてもピンとこないんだよな〜。 ちなみに海面上に出ている部分は直径約5km。最高点は御山 (おやま / 850.9m)ですが、 それは巨大な火山体の一部分にすぎません。 なのでここは海に隠された御蔵島火山の全貌を想像しながら眺めてみることをおすすめします。 |
すぐそこにあるように見えているのに三本嶽までの距離は10kmも! |
七島展望台のお立ち台から正面に見えているのは三本嶽です。三宅島西海岸の阿古集落の西南西約10kmに位置し、 通称 「大野原島」と呼ばれていますが、一つの島ではなくて、 子安根(114m)、 エビ根(61m)、 大根(33m)、 間角根(14m)、鋸根(22m)、青根 (4m)、 文蔵根(5m)、 間の根、 カサゴ根、平根など10余りの岩礁からなっています。 三本嶽は火口から粘度の高い溶岩が押し出されてできた溶岩円頂丘、すなわち溶岩ドームの名残りだともいわれていますが、 噴火の記録は残っておらず、 正確なところはよく分かっていないみたいです。 1956(昭和31)年8月13日に大根 (33m)の海岸で熱湯が噴出して付近の海水が高温になっているのを航行中の漁船が発見していますが、これも火山活動に関係あるかどうかははっきりしないとか。 |
火山島というよりも「サーファーの島」のイメージが断然強い新島 |
右手に視界を転じれば新島が水平線上にうっすらと見えていました。北緯34度23分、東経139度16分に位置する新島は南北11.5km、東西3kmの細長い形をしており、南部には向山(220m)、北部には宮塚山(432m)、阿土山(202m)などの溶岩ドーム群がある「新島火山」という火山の島です。 かつてはナ◯パ島などという不名誉なチャラい異名もあった新島ですが、噴火は3200年以前ないし2千数百年前と838(承和5)〜886(仁和2)年の間に数回起きただけだといいます。しかし、噴火間隔が長い反面、その一方でひとたび噴火すると火砕サージや火砕流が発生して激烈になるのが新島火山の特徴らしいですよ。 |
圧倒的な存在感で背後に迫る三宅島火山! |
うおおーっ、そして七島展望台の背後には主役たる雄山がどどーんと! 今まさに立っているこの場所、展望台のある二男山だって、元をただせばあの雄山の噴火でできた山なんだよなぁ。噴火の凄まじいパワーにひたすら圧倒されるのみだぜぇ!
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噴火の痕跡を生々しく今も見せる雄山斜面の村営牧場跡 |
七島展望台の位置する二男山から後方を眺めれば、雄山の山頂とそれに続くカルデラ火口のスカイラインが見えています。さらに山腹には噴火の傷跡として、かつて斜面に広がっていた村営牧場跡が生々しくバッチリと見えています! なお、1983(昭和58)年の噴火では、まず最初にこの付近で噴火の割れ目噴火の火口が開いて牧場上部に達した後、今度は海岸まで火口の列が下って続き、今こうして振り返って眺めている雄山のあの山腹はまさに火のカーテン状態になっています。 噴火の後に村営牧場はいったん復興されましたが、 続く2000 (平成12) 年の噴火による火砕流や噴石、降灰や火山ガスの放出で甚大な被害を受けています。さらに追い打ちで噴火後は泥流や土石流が多発してしまい、牧場は壊滅的な被害を被り現在の姿になったそうです。雨による浸食作用で刻まれた深い溝が斜面上部に幾重にもありますが、火山ガスで植生が回復しないので、溝は現在でも発達しているらしいです。 なお、 2000(平成12)年の噴火以前はそこに 「八丁平」 と呼ばれる火口丘があったのですが、 噴火の陥没で完全に消滅。現在の火口の直径は約1.6kmあって、見えていませんが、その内側は垂直に450mも落ち込んでいるそうですよ。 |
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